作品について http://cinema.pia.co.jp/title/17438/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
~~~ネタバレ
アフリカ・シエラレオネの内戦と、
そこで採掘されるダイヤの密売を軸にした
ドキュメンタリー度の高い作品だと思っていましたが、
それに巻き込まれた、ある親子(父子)を通して、
人間とは何なのかを、突きつけられた印象が残りました。
冒頭、アフリカの夜明けまもなく、
RUFという反政府軍の襲撃を受ける村の殺戮シーンに襲われます。
村人の手の切断シーンは、直接の描写は避けますが、見るに耐えません。
捕まったソロモンは、ダイヤ採掘の人足となり、
大きなピンクダイヤを見つけ、隠しました。
その後、ドサクサがあり、牢に入れられます。
アフリカで生まれ育った白人ダニー(=レオ)は、
ダイヤの密売を生業としていました。
国境越えに失敗し、牢に入れられた時、
ソロモンが見つけたダイヤのことを耳にし、
ソロモンに近づきます。
それから二人は、行動をともにする運命となります。
RUFは、戦力のため、襲った村の少年を兵士に仕立てます。
そのなかに、ソロモンの息子ディアもいました。
彼らは、親を捨てたと教え込まされ、
銃で人を撃つことを仕込まれるのです。
家族と再会したいソロモン
ダイヤの密売をしたいダニー
RUFの資金源となるダイヤ密輸の証拠がほしい記者マディ
彼らの行く先々で、銃声あり、爆音あり、
恐怖に逃げ惑う人々、簡単に撃ち殺される人々、……
その凄惨シーンの長さには、気が遠くなりそうです。
「なぜ、同じ国民同士が…..。」
ソロモンのつぶやきは、嘆きや悲しみではなく、怒りでした。
「息子が大人になったら幸せが来る。」
息子を医者にしたいソロモンには、“神が見捨てた国”にあっても、
息子に希望を託しているのです。
ひょんなことから、3人は、元教師ベンジャミンに会います。
彼は、RUFから子供を助け育てていました。
彼は、性善説を口にしますが、
人の善悪は行動で決まるのだとダニーに語ります。
死に物狂いで見つけた息子の心は、硬く非情になっていましたが、
「お前は、私の息子だ!」
ソロモンの愛情ある説得で、親子は真に再会できました。
そして、隠したダイヤを掘り起こし、
ダニーのつてで、飛行機による脱出劇の途中、
ダニーは、深手を負います。
(ここからのシーンが私には、1番の輝きに思えました。)
急勾配の絶壁を登るも、力尽きるダニー。
その彼を当然のように背負い、力強く上るソロモン。
私は、今まで守りにいたソロモンが、この時、とても力強く見え、
アフリカは、彼が持つような底力で立ち直っていってほしいと願ったのでした。
しかし、ダニーには最期の時が迫っていて、
横取りしようとしたダイヤをソロモンに返しました。
「息子と家に帰れ…….」
何気ない言葉ですが、私は、このときのダニーの気持ちを思うと号泣です。
彼は、このアフリカに生まれながらも、両親を理不尽に殺され、
帰る家も、家族もいないのです。
だから、せめてソロモンには、家族の幸せを取り戻してほしいと願ったのでしょう。
好むと好まざるとに関わらず、
生きるために“紛争ダイヤモンド”を扱ってきたダニー。
しかし、ここへ来て、ダニーの“性善説”の見せ所です。
国外脱出後のソロモンたちのことを、電話でマディに託しました。
そして、親子が逃げ切れるように、自らが盾となって、追っ手に応戦したのです。
息絶える間際、血にまみれたダニーが手にしたアフリカの土。
その土は、アフリカ人の血が染みているのだ、とも……….。
ディカプリオの演技は、細やかでウマイな~と思っていましたが、
特に印象的なシーンでした。
たとえ、“神が見捨てた国”であったとしても、
国を壊すのも人間なら、立て直すのも人間です。
その後、紛争ダイヤモンドの解決に向けたシーンで、
未来への希望を見せて終わりました。
非情な現実を知っても、自分は無力なだけかもしれませんが、
事実を知って、受け止めて、
人間が人間らしい気持ちで暮らせることの大切さを
あらためて認識させられた作品でした。
(ヤフーレビュー引用)
~~~
「ブラッドダイヤモンド」で、”性善説”を持ち出したということは、
単なるストーリー上の美談、ということではなく、
”人の意識”を変えるということを考えると、
人間の根底にある”善なる判断と行い”を信じて、
取り組むほかないのかもしれない、ということに思い至るのです。
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画
映画レビューです。(ネタバレ表示なしです)
https://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%8C%E3%83%95%E3%81%AE%E6%81%8B%E4%BA%BA/21845/review/%E3%81%99%E3%81%BF%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82%E5%85%88%E3%81%AB%E8%AC%9D%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99...%E3%80%82/13/?c=1&sort=mrf
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/9093/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
内容にふれて 雑感です。
「オペラ座の怪人」は、
ジェラルド・バトラーのファントムにすっかりやられました。
どうして、やられてしまったのでしょうね????
歌唱力に、やや難在り、という評価のようでしたが、
それを逆手にとったとも言えるかもしれません。
話し言葉の発声に近かった(ほぼ地声...)ことが、よそ行きの感情でなく、
心から発せられたそのままの気持ちが、ストレートに伝わったという印象を与え、
鑑賞者のハートに、グッと入り込んだためと思われます。
....と、理由をもっともらしく分析するのは、終わり。良いモノは、良いのよ☆
今までより、ファントムが若かったせいか、
無難な柔らかさや、オブラートに包まれるような感情でなく、
なりふりかまわずに、
クリスティーヌを自分のほうへ引き寄せたいという吸引力が、
とても魅力的でした。
もし良かったら来てね、という遠慮がちなアプローチではダメですよ、きっと。
強いリードは、必要☆
”これだけ、私を必要としてくれているのだ、この人は。”
ということが伝わらないと。
かといって、強引な自分流の愛の価値観の押し付けでも、いけません。
そこが、むずかしい!
アピールは必要だけど、押し付けはダメ。
なぜ、こんなことを言うかといいますと、
「ポンヌフの恋人」のアレックスを見て、
ファントムを思い浮かべたからなのです。
ファントムは、結局、自分の欲望を抑えて、
愛するクリスティーヌが満足する結果につなげました。
(とはいうものの、クリスティーヌには”永遠の人”という
高い位置づけにもなったかと)
アレックスは、愛するミシェルの目を治すことより、自分の欲望を優先させ、
最後まで、ゴリ押しを通して、ミシェルが折れた?感じで、
結局は二人で生きていけそう、ということで終わりました。
(関係が、長続きするかどうかは何とも....)
私は、アレックスには、作品を印象付ける、自己優先的な面を見せた後で、
ファントム的な、包容力を持つに至った意外性を、観たかったです。
彼の人間性の”コントラスト”および”変化の過程”としても、
そのほうが面白いかな、と思いまして。
つまり、目の手術を受けることを一度は、阻止しても、
見えないミシェルが暴漢に襲われたとして、
アレックスが暴漢を致死寸前に至らせて、
収監される直前に、ミシェルを親元に帰したとします。
ここで、むしろアレックスと離れるのを嫌がるミシェルをアレックスが説得。
そして、しばらくして、遠くが見えるようになったミシェルが、
橋の上で見かけた点状の影に気付いて、手を振ると、
影も、手を振り返す。
二人の目から、だんだん涙があふれてくる、顔のアップ....
という筋書きは、ダメですか..............??????
ダメかもしれませんが、
身をひいてこそのファントムが、ずっと心に刻まれている私には、
どこかで、自分を一歩譲る、というシーンが観たいですね。
それは、
相手の利益を第一に考える、というところに”愛”を見出したいからなのです。
「オペラ座の怪人」のファントムには、まだ触れたいこともありますので、
それは、またいつか...。
テーマ : 洋画
ジャンル : 映画
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/1251/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
(シーンの雑感となります。)
フットボールチームのキャプテンの妻が、
コンディションの悪さから、感傷的になっている夫に対して、
バチンッ!
と平手打ちし、悪口雑言と聞きまちがうような
”叱咤激励”をするシーンがあります。
女から見れば、強き男性でも、凹むこともありますよね。
彼は、あのとき、実のところ、
妻からはどんな反応を期待していたのでしょう?
A:もう休みたい、癒されたい、いたわってほしい、
B:まだ頑張れる、励ましてほしい、殴ってでも?気合を入れてほしい
結局は、Bを選んだ奥さんのお陰で、
彼は、もうひと踏ん張りできました。
そして、意外にも
「甘えないで!」
というピシャッとしたせりふを
『Life 天国で君に逢えたら』で聞いたのでした。
カーテンを閉め切って、ふさぎこむ夏樹(ガンを患う)に向かって、
妻が言うのです。
勇気ある一言だと思いました。
そして、言いっぱなしにしないから、その強さが生きてきます。
「あなたは一人じゃない!」
辛さと闘っているのは、彼一人ではなくて、
家族みなが、一丸となって闘うのだからと。
そのとき、本当の優しさって何だろう、と思いました。
ただ、柔らかく包んであげればいいわけではないのだな、と。
くじけそうな気持ちに、活を入れるため、
一見、崖から突き落とすような、鋭い事を言いながら、
落ちた先で、しっかりと受け止める..........。
メリハリのある感情の接点で、人は、本心や真心を、
本当につかみ取れるのかもしれないのかな、などと思いました。
荒療治ですから、使いどころを間違えると、危険?のようですが、
本当に、その人を思えばこその言動や行動は、
きっと伝わると思います。
甘えないで!の一言が、ピリリと利いた作品でした。
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画