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映画『ティム・バートンのコープスブライド』★=ジョニーの声

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コマ撮りがどうの、T・バートンがどうのと仰る方も、いらっしゃいましょうが、
この作品を、わざわざ劇場で鑑賞した訳は、
ジョニー・デップが声を担当しているからです。
ただ、それだけでした、私の場合(笑)。
ですから、“吹き替え”って、有り得ないです。(←キッパリ)
当時、福井にお住まいのペンパルさんが、
地元では、吹き替えしか上映しないことへのご不満を書き綴っておられました。
“吹き替えってことは、ジョニーの声じゃないじゃない。
吹き替えなんて、有り得な~い。
そんなの全然、意味無いじゃ~ん。
信じられな~い!!(怒!)“
私も、全くもって同感でした。
ジョニーの声を聴きにいくのに、声がないなんて、無意味です。(←キッパリ)
ストーリーは、ジョニーの声のあとからついてくるものであって、
始めにストーリーありきではないのです、私のこの場合。(←キッパリ)


というわけで、そのような価値観だけで、劇場へ。
すると、隣の席には、50歳くらいの男性がお一人で鑑賞。
アノ価値観でやって来た私には、不思議な光景。
この男性は、この作品に何を期待して、鑑賞するのだろうか、と。
(大きなお世話ですね。)
コマ撮りのファンか?T・バートンのファンか?
あるいは、男も惚れるジョニーのファンか?
はたまた、ストーリー重視か?????
で、私は、勝手に、男も惚れるジョニーの声聴きたさか、この男性も☆
と処理?しました。


ジョニーの声だと想うと、担当したビクターも、
なぜかいとおしく想えてきてしまいます。
そして、ピアノを弾く指が、人形だからか(人形だからなんだけど….)細くて長くて、
素敵な指☆
私は、ジョニーの指も好き☆です。
ただそこにある指、というのではなくて、
指の表情や、手の仕草がしなやかで好き☆なのです。
そのジョニーの指の思い出?があるので、ビクターの白魚のような指のシーンは、
感慨深いものがありましたね~。
この作品で、まさか、指に想いを感じるとは、想わなかったので(笑)。


ビクトリアが、母親に、結婚に幸せはないのか、と聞いた時、
「無いわ。」
と、一蹴したシーン。
笑うところではなかったけれど、思わず笑ってしまいましたっけ…….。
妙に、納得したりして……(苦笑)。(←注:私がどうというわけではありません)
生きているはずの人の顔色が悪かったりして、
どっちが死体か!?とも思いました。
ストーリーは、好きな人とは必ずしも結ばれないという切なさはありましたが、
それなりに良かったですよ♪


でも、コマ撮りって大変ですよね~。
観てるほうは簡単だけど、作るほうは手間暇かかってね……..。
ご苦労様☆



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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『アンナ・カレーニナ』★たとえ絶望と破滅しかなくても


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作品について  http://cinema.pia.co.jp/title/5354/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。

伯爵夫人のアンナとヴロンスキー伯爵が、道ならぬ恋に落ちてしまいます。
不倫のなれの果てといえば、それまでなのでしょうが,,,,。
(私は、不倫を推奨しているわけではないことを、まず申し述べておきます。)


不幸な家庭は、それぞれに、その不幸の様相を異にしているらしいです。(冒頭より)
もし、不幸というには、贅沢すぎる境遇にあったとしても、
その“不幸”のすき間に、誰かが入り込んできてしまったら…….。
誰かを好きになろうとしていなくても、
たまたま、駅で出逢ったその人に、惹かれてしまったら……。


心変わりとは別に、気持ちは、絶えず、揺れ動き、生きているものです。
物語や、芸術に感動するように、人間への感動のような気持ちが、
モノに対する感動以上の
感情を生じさせてしまうこともあるでしょう。
それが、倫理的に問題でも、不適切な感情や関係でも、
気持ちそのものを止めることが
困難なことも、あるでしょう。(行動を止めることは、出来ても….。)
気持ちにフタをして、鎮火するのを待てば、
状況は、何事もなかったように平和に過ぎることでしょう。
しかし、情熱の火の燃えるままに、行動に移すと、
そのときは、一時的な成就に酔うことはできても、
あとで、不完全燃焼と燃えカスの非情な後始末が、待っているということを、
覚悟しなければなりません。


アンナと伯爵の関係は、その無理な、理不尽な状況から抜け出すことができず、
行き詰まりからくる苛立ちと、失望にさいなまれていきます。
美しい人妻が、苦悩の淵でうちひしがれる様は、
ソフィー・マルソーの憂鬱美ともいえる
独特の雰囲気によって、この作品の持つ破壊的な美しさを香らせていました。
その壊れゆく美しさに呼応するように、
ショーン・ビーンのクールな美しさも魅力的ですが、
私が感じたのは、アンナほどに恋愛に潔くない、ズルさのような頼りなさでした。
この恋を、彼は、乗り越えてはくれない…………..。


そして、ついに、アンナは、
迫りくる列車の前に、その身を投げ出します…..。
列車への投身死体は、見るも無残といわれます。
この世のどこにも、自分の居場所がなくなってしまった
と感じたアンナがとった行動は、
不倫の果てと片付けるには、あまりにも破滅的です。
この結末は、無情にも、単なる不倫の代償でしかないのでしょうか?
そこにあるのは、もはや絶望でしかないのでしょうか?
いったい、
伯爵への想いは、彼女の命を散らすに値するものだったのでしょうか…………………………?


道ならぬ誰かを愛してしまった、と気づいた時、
愛に目がくらんだ瞳で、
その先が、見えるのでしょうか?
そして、絶望が、見えてしまったとしても、
その人への想いを止められるものでしょうか?
自分を抑える理性は、どこまで絶望に耐えられるのでしょうか?


あなたは、
その先に、たとえ絶望と破滅しかなくても、その人への想いに、
命を懸けることができますか?



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『carmen.カルメン』★愚かしいほど破滅的…

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恋は盲目…..。



私は、まさにホセがその状態であると想いました。
カルメンに出逢い、彼女に心が止まったら、
そのままずるずる引きずられるとは、このこと。
振り舞わされて、もてあそばれて、それでもホセには、
彼女への想いを、止められませんでした。
むしろ、どんどん加速していってしまった彼の想いと、彼の人生、そしてカルメンという存在….。
あれほどまでに恋に狂い、人生を狂わせられるほどのホセの想い…。
はたから見れば、恋に夢中になって、暴走している人は、滑稽にしかみえないかもしれません。
関係のない人たちには、恋に泣く恋人たちの涙すら、笑い話に見えてしまったりもするのだから。


好きな人しか見えていないときは、本当に好きな人しか見えていないと思います。
カルメンに山賊の夫がいても、だからといって諦めはしません。
夫の存在は、カルメンへの想いとは関係ないのです。
しかし、カルメンを追って、山賊と合流してしまった彼の背後で、カルメンと夫が、
ホセの存在を眼中に入れていない行動を取るシーンは、
シーンとしては頂けないのですが(…)、背中で聞いているホセのやるせなさが、
画面から痛いほど伝わってきてしまう効果を考えると、シーンとしての意味はあったと想います。


奔放という一言で片付けたくないほど、手からすり抜けるように、ホセの心をかわしていくカルメン。
彼女の本心はあるのか、というほど、実体がつかめない魔性の女です。
バス・ヴェガの、可愛いらしさを手玉にとった小悪魔的カルメンは、適役だと想いました。
(女性の私には、あのように振り回されたい男性の胸中は、理解できません…。
カルメンといい、ベティ・ブルーといい、そのようなタイプの女性に惹かれるのでしょうか???
私には、無理…。)


そして、もうその手からすり抜けていかないようにするかのように、
ホセはカルメンを殺し、そこにとどめました。
遺体を抱きしめるホセ…。
恋は盲目の究極といいましょうか、相手しか見えなくなっていたものが、
遂には、自分の衝動しか見えなくなった結果に思えました。


そして、処刑される直前のホセ。
しかし、彼は自分のしたこと=カルメンを殺したことを悔いてはいませんでした。
遺族が聞いたら、憤慨するでしょう。
自分の罪に対し、反省していないし、被害者に対して謝罪の気持ちを持っていないのですから。
しかし、誤解を恐れずにいえば、このフィクションで観ているのは、
殺人犯ホセと被害者カルメンの話ではなく、
あくまでも盲目的な恋に堕ちた男性と、一人の男の運命を狂わせるほど魅力的だった女性の物語として
観たいのです。


仕事も失い、愛する人からの心も得られず、振りまわされた挙句、その人を殺し、
自分も死の罰を受ける、それなのに達成感さえ感じているようなホセ…………………。
その愚かしいほど強烈で、破滅的な香りが、ずっと心に残り香となっている作品です。


テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『カンバセーションズ』★とある縮図

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作品について  http://cinema.pia.co.jp/title/16716/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。

「今は、幸せよ。でも、不幸なときが懐かしい......。」
この台詞に、想いが残りましたので……。

(内容にふれて雑感です)

通勤途中に、新築のお宅があります。

外観は、清楚な白。
玄関ドアにはリースを飾り、赤い花が植えられた白いポットが、
玄関の両側に配置されています。
自転車置き場には、子供用自転車があり、
テラスの前には、小さな家庭菜園もあります。
二階には、日の当たる位置にバルコニーがあり、
車3台分は止められる、駐車場も。
幼稚園バスを待つ母子の姿に出逢うこともあります。
だんな様は病院にお勤めで、奥様は専業主婦だそうです。
私は、そのお宅のそばを通るたびに、そこに家庭の幸せを感じます。
絵に描いた幸せと言えるかもしれません。
きっと、幸せを形にしたら、こうなのかな、と思うのです。

作品のなかで、彼女が言った台詞に、
私は、このお宅を思い浮かべました。
家庭の幸せとして。
おそらく、再婚した彼女の幸せも、形にしたらこんな感じなのかなと。
それは、非の打ち所がない“幸せ”なのです。

それでも、
“不幸なときが懐かしい......”と思ってしまうのは、なぜでしょうか?

それは、そこに自分の“幸せ”があったからに他ならないと思うのです。
絵に描いたような、はたから見て完璧な“幸せ”が、
自分を本当に満たしているとは限らないのです。
(注:先のお宅について言及しているわけではないことをご了承下さい)

もし、比べるものがなければ、今の生活に“幸せ”を感じていられるでしょう。
しかし、彼女は知っています。
“不幸”だったときの“幸福感”を。
これは、好き・嫌いのような相反する感情を含めた、微妙な心情であり、
繊細で複雑なものなのです。

現状に、あえて不満がなければ、“幸せ”を感じていなくても、
“幸せ”だと思うことは、できます。
彼女も、現状を幸せだ、と言っています。

“でも、不幸なときが懐かしい......”
と、言葉を続けた彼女の本音を、
彼は、正面からキャッチしてくれたのかどうか????

彼女が聞こえるかどうかわからないところで
「I love you.」
と、言った彼には、自分の気持ちだけで精一杯で、
彼女の胸中を受け止められていなかったようにも思えます。

だから、最後まで、
目の前にあったはずの彼女の気持ちを、
確かめざるを得なかったのかもしれません。

確かめたり、言葉にすることが、確かなことなのかもしれませんが、
五感で感じることのほうが、
よっぽど確かだったりすることもあるのではないかな…と
思うことが、最近よくあります。




テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

映画『サロメ』★アイーダ・ゴメスがサロメ

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作品について  http://cinema.pia.co.jp/title/4360/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。

(あらすじ)

サロメは、母の再婚相手のヘロデ王に、
娘以上の情を持たれていました。
ヘロデ王に捕らえられていたヨハネは、
夫の弟と再婚したサロメの母に批判的でした。
あるとき、サロメは、ヨハネを知り、彼に惹かれますが、
ヨハネはサロメを受け入れませんでした。
想いが募るサロメ。
そんな折、義父のヘロデ王が、サロメに踊り(7つのヴェールの踊り)を所望し、
踊ったら、望みを叶える、と言います。
サロメは、踊り終えたあと、ヨハネの首が欲しいと言います……。

アイーダは、子供の頃、背中を痛めたのだったか、
踊りを踊ることは無理だと言われてしまったこともあるそうですが、
彼女の踊り・活躍を見ると、そんなことは嘘のようです。

サロメを踊りで表現する、ということを堪能して頂きたい作品です。

そうすると、舞台で見ればいいじゃないか、という人もいましょう。

映画の利点は、生ではなくても、広くその人の芸を見ることが出来ることと、
舞台では見えにくい、アップの表情を、見ることが出来ることです。
そこの振り付けがどうのと、ここでは言いません。
と言うか、言えません。

官能だ、情念だと言っても、観て感じ取るほかないからです。

強いて言えば、ヨハネの首を所望するシーンは、
アイーダの顔のアップなので、
その表情から生々しい感情を、見ることができるでしょう。

勝ち誇ったというよりも、風前のともし火の命となったヨハネよりも、
儚い一縷の望みにすがっているような表情です。
あの表情を見る限り、アイーダは舞踏家というより女優です。

このような作品の場合、
当然ながら、感情表現や展開をいちいち言葉で説明しません。
振り付けと表情で、表現するだけです。
なので、当然、現実社会との隔絶感があり、戸惑いもありましょう。

けれど
自分の想像以上に深いと思われる芸術に 
こうして広く触れることができるのも
映画化のおかげでしょう。

アイーダ・ゴメスのサロメを堪能してください。



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

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