映画『7つの贈り物』★他の誰かへ
(ネタバレ前提の雑感です)
ベンは、見ず知らずの人に贈り物をしようと考えました……。
その彼には、過去に交通事故を起こし、7人の命を奪ってしまった過去がありました。
罪と罰と償いと赦し
そして、善意。
これらが脳裏に浮かぶことと思います。
①ベンの罪
・交通事故
・弟の名を借りて、他人の個人情報を知る
(贈り物を贈る人を探すためとはいえ)
・視覚障がい者へ、暴言を吐く
・自殺を図る
(自分の臓器を提供するためとはいえ&クラゲを使うとはいえ)
②罰
・自らの命を絶つ(罪でもある)
③償い
これが、かなり問題です。
事故死した人でない人へのアクションが償いになるのか、と。
私は、罪の償いは、償おうと思ったときからが始まりであると思っています。
しかし、これだけのことをしたから終わり、というように償いきれるものではないとも
思っています。
だから、償い続けるのです。
確かに、関係のない人にアクションを起こしても、亡くなった方は還りません。
しかし、その人がどんな罪人でも、償いたいと思う人の心は、尊いものだと思います。
当事者には償いきれないからこそ、他人であっても
自分の善意を必要としてくれる人がいれば、その尊い善意を向けるべきだと思っています。
しかし、ベンは、そのために、罪を重ねてしまうことが、問題となります。
彼を赦せませんか?
たとえば
視覚障がい者の彼に、ひどい事を言いましたよね?
あとで謝ったとはいえ、言いすぎですよね。
④赦し
もしかしたら、私たちも試されているかのように、
主役の彼は、微妙な立場と行動で、自分の善意を遂行しました。
彼を赦せない!と思うのも、もっともです。
しかし、視覚障がいの方の例でいえば、私は、ベンを赦します。
なぜなら、角膜をもらった彼が、ベンを赦していると感じたからです。
⑤ 善意
あるいは、彼の行動を善意と言ってよいのか……?
しかし
エミリーのポケベルが鳴ったとき、私は涙ぐみました。
罪や罰や償いを越えた、ベンの“善意”を感じたからです。
私も、気付かないうちに、誰かに迷惑をかけたり
不快な想いをさせているかもしれず、
罪を重ねているかもしれません。でも、
その相手が、誰かはわからないので
その時々に出逢った方に、罪滅ぼしの気持ちで
自分の出来ることをするほかないな、と思っています。
ベンの場合は、かなり極端な例ですが
『他の誰かへ、善意を向けること』
その気持ちは、大切にしたいと思います。
