映画『パリ、恋人たちの2日間』★君は誰?の雑感です。
あらすじです。
ジュリー・デルピーは、イーサン・ホークとの共演『恋人までの距離』『ビフォア・サンセット』
での、恋人たちのセリフの織り成す(セリフの応酬ともいう)二人劇が面白かった。
その2作も、フランスの香り漂う作品だった。お菓子で言えば、外側からラム酒が香るような甘さ。
周りをちょっと舐めただけで、首筋がちょっと熱くなる様に、ほんのり酔えた感じだった。
その2作が二次元だったとすると、今回は、より三次元的になった感じ。
~これがパリよ!これがフランスよ!~と、
お菓子のほうも、中まで、しっかり噛んだザックリ感あり。
ジュリーが監督した、ジュリーのテイスト。
今回のセリフ遣いもいい感じだが、特に、ジュリーの“一人しゃべくりマシンガンさ”が
面白かった。
私は、こーゆー女でーす、と言う、彼女の輪郭がつかめる。
うるさいけど、よくわかる(笑)。
だが、ここまで、みっともないほど、こーゆー女でーす、と彼女という女を見せつけたあとで
彼氏に言わせたせりふが良かった。
「君は誰だ?」
どーゆー女なんだと。
今は友達だと言う、元彼が何人も出てきて
友達と恋人の堺がよくわからないようなところにいるような彼女に。
誰?とは、自分の知らない彼女を見せられて迷子になった、彼のとまどいの挙句。
ここで、ハッとする。
付き合ってる人に、どれだけ自分のことを“白状”してます?(笑)
隠してるわけじゃないんです。ただ、言ってないだけ。
と言うか、わざわざ、元彼のことなんて、いちいち言いますか?
①②……みたいに、元彼のリストなんて、胸の内にもありませんよ(笑)。
今の彼と出逢う前の自分がどうだったかなんて、自分でも、よくわからないですよ。
過去の墓標たち(……)に再会したときに改めて、そのときの自分自身を知ったりもするもんです。
それで、彼女は、彼氏に告白します。誠実であろうとして。
で、正直に自分の気持ちを、言います。
~私は一人の男性とずっとはいられないから、いつかは別れることになると思う~
みたいなことを……。
正直でも、相手はひきますよね。
これに限らず、正直=相手のため、にならないことは、よくあります。
隠し事のないこと=美徳、というのは当然のこととして、ですね。
隠すことが相手のためのこともありますよ。自分はそのために負い目を背負う。
自分は悪い女、と言うレッテルを自分で貼って、罪を負う。
彼女なんて、あの調子でペラペラしゃべって吐き出すほうがずっと楽だと思う。
だから、言わないというマイナスを背負うことにしてた、とも言えるのではないかしら……。
(詭弁か?)
全部、吐き出して、本当に丸ごとの自分を受け入れてくれたら、最高なんだけどな……。
本当に、別れがなければ、本当に最高なんだけどな……。
……と、私が一人で悩んでるのもお構いナシに、彼ら2人は、ノリまくってて
うまくやっていけそうなラストシーンで、嬉しかった。
それでも、いつか別れるのかな……なんて、余計なことは思わなくていいですね☆

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