(雑感です~ネタバレというほど詳細ではないです)
突然変異により、特殊能力を持ったミュータントたちの活躍を描いた傑作!
『X-メン』
その善玉・悪玉の親分=チャールズとエリックの若い日の物語です。
『X-メン』が、なぜ面白いかと言うと、
ミュータントたちの能力が、超スゴイのも映画的で楽しいのですが
その能力を、障がいのように感じ苦悩するミュータントや
理不尽な差別など、人間社会の矛盾を描いたドラマでもあるからです。
特に、チャールズとエリックは、敵対しながらも、いわくある旧友なんだろうな
と思わせてきました。彼らに何があったのかを知ることは、それが
『X-メン』の誕生であり、彼らの葛藤の始まりでもあるわけです!
彼らの歴史の中には、ユダヤ人虐待とキューバ危機がありました。
特に、ユダヤ人であるエリックが、怒りと苦しみから、
能力を開花させた経緯には
心が痛みます。これが、エリックの原点になってしまうわけですから……
けれど、エリックは、チャールズという聡明な友と出逢ったことで、
怒りだけでない情緒で、能力を高めていきます。
(でも、心の底では、憎むべき人を忘れていない....)
この二人を見て、友とは何か、と感じずにはいられません。
二人は、共通の者を敵として向かっていきますが、
対象への思い入れが異なります。
やがて、アクシデントが生じ、二人の意見の相違が、明確になっていきます。
緊迫した対立で、チャールズはケガを負ってしまいますが
まず、駆け寄ったのは、敵対していたエリックでした。
私は、ここで、胸がいっぱいになってしまいました。
エリックにはエリックの過去があって、
彼の言い分があるのは、よくわかります。
チャールズも、エリックの心の痛みはわかっていますが、彼をむざむざ
ダークサイドに落としたくないのは、すなわち、彼を思えばこそなんですね。
お互い、似たもの同士だから、共感しあえる。
けれど、個人の意見には違いが生まれるもの。
だけど、エリックは、チャールズには味方でいてほしいと言うのです。
いますよね?そう思える人。
考え方や好みは違うけれど、友達でいたい人って。
枝葉は違う方向に伸びていても、
根っこではつながっていると思っている(思いたい)人……
けれど、チャールズは、否定するのです。
向かう方向が違うから、味方にはなれないと……。
理屈ではそうですよ。
でも、エリックの立場を思うと、
なんだかエリックが可哀そうになってきて……(T_T)
ああ、友達でいたいのに、いられないのって、哀しいな………(T_T)
しかし、他のシリーズで、チャールズは、牢に入ったエリックに面会しています。
二人の関係は、ただ仲がいいだけの友達ではないのです。
違う方向を見ていても、根っこでのつながり=見放すことはできない、
強い絆が二人の間にある………これって、うらやましくありませんか??
今は、人間関係が希薄で、心が見えず、
友達だと思っていた人と、あっさり関係が切れたり
味方だと思っていた人に、騙されたり……
だから、このチャールズとエリックの、腐れ縁ともいえる強い関係が
それぞれの生徒や部下をめぐる物語にも、染み込んでいるから
『X-メン』は、人の心のドラマを見せてくれるんだな~と思いました☆
『X-メン』大好きです!