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映画『ベティ・ブルー (インテグラル 完全版)』★狂おしい……

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映画レビューです。(ネタバレ表示)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id20948/rid13/p1/s2/c3/




「愛と激情の日々」と「インテグラル」とあります。
「インテグラル」は、「愛と激情の日々」の行間を語りすぎた、と言うご意見もありそうですが……



ベティと言う女性と、彼氏ゾルグ。


硬いから壊れないわけでなく、硬すぎて柔軟性がないから、壊れやすいということがあります。
ベティの愛は、そんな印象もありました。


強いから壊れやすい。


そんな愛は、壊れてしまうものなのか
知らずに、自分で壊しているものなのか……


何度、感じても考えても、尽きません……。


自分が狂わされそうな衝撃が、感動になって残る作品です。












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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ダークナイト ライジング』★完結:揺るぎない良心と言う希望に…

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映画レビューです(ネタバレ表示です)←核心にはふれていないつもりです
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id340611/rid269/p1/s0/c1/



雑感になっていますが、↑ソコでも言ってみたかったので^^; どうか……

前作が傑作で、このあとどう展開するのかと思いましたが
今作では、“希望と絶望”が、あざなえる縄のように感じました。

人生はいろいろと複雑で、哀しいことも多々ありますが
やはり、希望を見出して終わりたいのです……





作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/156830/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。







テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『バロン』★ギリアム版“ほら吹き男者”~“体と頭の分離”の雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/2413/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p12017/story.html
↑これもあらすじ



バロン(男爵)とは、ほら吹きの異名高い、ミュンヒハウゼン男爵のことでした。
子供向けの 健全なファンタジーと思いきや
監督:テリー・ギリアム☆です!


本気度の高い壮大さと
本気度のウラをかくようなチャチさの混在した、独特の世界観で
“ほら吹き男爵”の大ボラと大風呂敷を、見せてくれます。

トルコ軍と戦うために、男爵がどうしたこうした、ということは、あらすじ参照。

まずは
大ボラのための仕掛けが、スゴイです!
海の大波!あの大量の水のザッブ~ンは、『海猿』も真っ青でしょう……
そして、海にいたかと思ったら、月に着いてしまうし……

月での出来事で、雑感していいですか?↓↓
…………あえて、その場面に触れるのは、勇気のいることではあるのですが……………


゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜


月の王と王妃の話。

頭だけの王は、月だけでなく、万物の王という崇高なお立場☆

頭の中身は崇高なのに、体は、別人格なんだそう………

心身一如というのもあるけれど
王と王妃は、それぞれ、頭と体が離れるのです。

ちなみに、王妃と男爵は、昔、かけおちしかかった関係で
頭だけの王妃は、立ち去る男爵に、私も連れてってと言います。
男爵も、王妃を愛しているのですが、普通に、
「体はどうするのか?」と言ってしまいます。

すると、王妃は、男爵に、「体が目的ではないでしょう」みたいなことを言うのですが……

これは、とても深く、微妙なことではないかと思いました。

人に好意を抱くとき、その人の内面を含めて、どこにどれだけ惹かれているものなのでしょう?????

体が目的ではないなら、頭だけでいいでしょう?と言われれば、そうなのかもしれません……

拡大すると
その人自身に惹かれたのなら、その人の地位や立場など、その人の“形”が変わっても
その人への気持ちは、変わらないはずではないかと、言っているよう…?

でも、実際は違いますよね。

愛があれば、それだけでいいわけでなく
暗黙の了解となるお膳立てがあった上での、“愛”あればこそ、というものなのだと思います。

その人の一部分(一面)だけでは、愛情も成り立たないという、教訓か……


↑ちょっと面倒な雑感ですが、PG12な、意味深な場面もアリなのが
ギリアムらしさであります。


゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜


子役のサラ・ポーリーも可愛い女の子ですが
ユマ・サーマン演じるヴィーナスは、目玉でしょう☆☆☆

画家ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』を真似たシーンもですが、
その後、男爵とのダンスシーンも、ルネサンスムード満点☆

そんなこんなで、
ラストには、エエッーー!!!と思う結末らしきものもありますが
これは、“ほら吹き男爵”です。

エエッーー!な結末こそ、大ボラで吹き飛ばしてこそのほら吹き男爵でしょう?
と思ったとおり、どうにかしてくれます。

ただし
もう、前後の脈絡やら因果関係、時間的推移は、わけわかんない………^^;

お子様は素直な気持ちで、大人は恥じらいを感じながら、楽しんでくださいませ。

今は3Dブームですが、これこそ、3Dで観てみたい!!









テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『トウキョウソナタ』★“ごく普通”の哀しさが見にしみてくる~雑感です

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/22511/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12869/story.html
↑あらすじです。





(内容にふれて雑感です。 )


この作品は「ごく普通の家族の崩壊と再生」なのだそうです。


思い当たるふしは、夫・妻・子供……それぞれの立場で、異なる前提があるとして
私は、個人的には、この“ごく普通”の哀しさが、最近、身にしみています。

家庭が家庭として維持できる最善策は、何なのだろう……と思ってしまうのです。

若いとき、専業主婦だった自分は、働く夫が働きやすいように、
家来のように仕えるのが当然だと思っていて、
夫の定年後も、今までの苦労をねぎらいながら、そのまま仕えるものだと思っていました。
だから、夫の定年後に離婚を切り出す妻たちを、冷ややかな気持ちで見ていました。

けれど、自分が働くようになってから、家来のように仕えることに疑問を感じました。
(家来というのは不適切かもしれませんね。)
家のマネジメントやPTA、町内活動など、ほぼすべて、
妻たちがする仕組みに、負担を感じたのです。

でも、それは、私が、ぐうたらママの異端だからなのでしょう……
(これ以上、話してもグチになるので、やめますね)

だから、“ごく普通”の主婦でいるコトは、なんでもない人にはなんでもないかもしれなくても
「誰か私を引っ張って…」
と、引っ張ってもらわないと、煩雑な日常に、沈んでいってしまいそうなのは、よくわかる気がします。

(私の場合は、引っ張ってしまうともう、すっぽ抜けてしまいそうですけど……)


それと、“ごく普通”にあるのが、
“父親の威厳”という、実は、違うんじゃないかと思われるものでしょうか……

子供のためには、父親は立派であるべきだ、と思います。
そのためには、父の実像を知っている母が、立派な父親像を演出すべきだ、とも思います。

だから、家長である夫・父が、ビールを飲み終わって料理に箸をつけるまで
家族が食べるのを待っているのは、まさに、権威を象徴する光景です。
給料の稼ぎ手には、頭は上がらない。
夫・父自身も、稼ぎ手としての権威と責任を、“男のコケン”として持っています。

しかし、だからこそ、リストラされる=稼ぎ手でなくなってしまうことを
家族に言えるはずがないのですよね。
妻に心配させたくない、と言うこと以上に“男のコケン”が危うい。

もし、家庭というものが、上下関係でなく、よりもっと男女共同参画的であったら
夫は、妻に、事実を話して
、二人でこれからの生活について具体的に話せたのかもしれません。

そう思うのは、私の女目線であって、
どんな状況でも、男は“コケン”を崩せないもんなんだよ
ということもありましょうね。

事実、夫が、失業したことを密かに知ったときの妻の態度は、
労わるというより、冷ややかでした。
端的に言えば、
(稼ぎ手でなくなったのに、もう威張ってんじゃないわよ)という雰囲気あり。
これも、“ごく普通”のことか…………?

もっと言えば、もしこれで、妻が夫を見限ってしまうと、夫は、“コケン”どころではなくて
ボロボロになってしまうのではないか……との懸念を、香川照之さんは、
抱かせるだけの芸の巾があります。



゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜



作品で印象的だったのは、次男が、家に帰ってきたときに、誰もいなかったところです。

その前に、家族誰もが、
自分から望む望まないに関わらず、帰宅しない(できない)状況になります。
メロディで言えば、転調でしょうか。

特に、妻と空き巣強盗のコトは、出来事というより、妻に“変革”をもたらしました。
いや、“引っ張って”からすれば、沈没か…?
多分、妻が“沈没”したとき、夫も息子も、沈没したような状況でした。
家族みんなが、仲良く沈んでた。

けれど、沈めば浮いてくるもので、浮きついた先は、自宅でした。

息子も妻も夫も、帰ってきた自宅。けれど
その夜は、誰も居なかったから、誰も心配もせず心配もされないという、殺伐感。

強盗が押し入ったときのままの家を見て、どうしてそのことに触れないスタンスでいられるのか?
誰か引っ張り揚げなきゃ、ダメだこりゃ……と思える。
この家族を、もっと浮上させなきゃと。

そして、食事のシーン。
みな、黙っていたけれど、かみ締める思いはあったはずです。

妻は、今までと違う気持ちで、家族に作っていたと思うし
家族も、今までと違う気持ちで、食していたと思います。
そうでなきゃ、ダメです。
そこから、新たに、浮上するのですから……………


そうこうして
“ごく普通”の家族を浮上させるのは、やはり、子供の力なのかなと思えるラストシーンは、
“ごく普通”の展開かもしれませんが、順当なだけに、安心できます。
子はかすがい、とはよく言ったものです。

“ごく普通”の幸せが何かは、よくわかりません。
隣りの芝生が青く見えるように、自分ちの芝生も青く見えているのが、“ごく普通”なのでしょうか…?


人は、知らぬままに、幸せさがしをしながら生きているのかもしれませんが、
家族が、気持ちでバラバラにならないこと
まずは、家庭を維持することが、実際的なのかな…

~~トウキョウソナタ~~

カタカナの“東京”は、虚ろな感じです。

ラストの演奏は、ドビュッシーの「月の光」でした。
いいメロディが奏効して、なんとなくいい感じで終わりますが
ソナタとの関係はどうなのかと思っては、ヤボでしょうか……

ここでいうソナタはソナタ形式のことでなく、家族が奏でる器楽曲ということか……。

“ごく普通”といっても
人生いろいろ、家庭もいろいろ。







テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ブレイクアウト』★ダイヤモンド級の2大スター出ています(*^_^*)

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/159487/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


ダイアモンド商人である男の豪邸に強盗が押し入り、
家族を人質に、ダイアモンをよこせと言うが
男は頑として、金庫を開けようとしない……

ニコラス・ケイジ&ニコール・キッドマンの2大スターによる共演☆
(しかも、ニコラス・ケイジはデビュー30周年だそうで、おめでとうございます。)

この2人につられて、というのと
なぜ、男が、金庫を開けなかったのか、そして
その後、この家族はどうなったのか、を知りたくて、鑑賞しました。

原題『TRESPASS』は、不法侵入。
邦題『ブレイクアウト』は脱出。
侵入劇よりも、どう脱出しようか、というほうが、目をひきますよね。
とらえられているのが、ニコラス&ニコールだから、画面がひきしまるようです。


なぜ、金庫を開けないのかも、ヤキモキさせますが
強盗が、なぜ、この家を狙ったのか?(ダイヤがありそうだからだけではない)
なぜ、狙う羽目になったのか?(大金が必要な理由がある)
強盗も、何やら、ワケありなのが、面白くさせていきます。

前の状況を伏線として、あれがああしてこうなった、というのが、
明らかになっていくのは面白いですが
ときに
コレでいいのか……??(>_<)と、ツッコミを入れながら、盛り上がるとしたら
ホームシアターで、ハラハラドキドキ、ワイワイガヤガヤして観るのも、一興でしょう。

たとえば、すぐに解決させないという、“引っ張り”としてはいいのでしょうが
あの、ホームセキュリティ会社は、あれでいいんか??と思ってしまいます…^^;
警報が鳴ったら、すぐ来なきゃ~(>_<)

2大スターが主演だからか、彼らが“ブレイクアウト”するのを、
今か今かと待ちながら観ているのですが
元々の、“不法侵入”のほうをメインとすると、
押し入った強盗の事情を、見せたがるのも、うなづけます。
(ダレるようにも思えますが、趣旨がそうなのかと)

なぜ、なかなか金庫を開けようとしなかったのか?については
予想どおりでしたが、それだけでなく
裏の裏に、ウラのウラがあったと言っておきましょう。


本当は金持ちなのか何なのか?というところから
本当のお金持ちはこうなのか、というところに落ち着いた感じでした。



最後は、ムリに教訓付けしなくていいと思いますが^^;
家族は、ダイヤモンドよりも豪邸よりも宝物☆と言う感じでした。

ニコラスとニコールの2ショットで、ゴージャスな富裕層の絵になっています。
不朽の名作を期待しないで、ちょっと楽しむには良いかと思います。



◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇:*:☆:*:◇



ところで、人質モノとしては、何が、佳作でしょう?

ちなみにブルース・ウイリス主演の『ホステージ』(←人質ってそのままのタイトル^^;)
を思い出しました。

ブルースが主演だと、一見、スムーズに済みそうなことが、面倒なことになってしまう、というイメージです。

この場合は、人質事件に関わっていたら、自分の家族も人質にとられて困った(>_<)
という話だったと思います。
ブルースの困り方は、他の人にはない、独特の焦燥感があります。
筋書きを越えて、彼の個性になっているような “困難の克服”が、見どころだと思います。













テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『望郷』(‘37)★ジャン・ギャバン主演のほう~届かぬ想いの切なさよ(T_T)

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/136158/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


祖国フランスから逃れて、アルジェリアに潜伏していた、
カリスマ強盗ペペ・ル・モコは
ある日、フランスから来た、旅の女ギャビーと出逢う。
彼女は、懐かしいパリの香りがした……………



http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD6390/story.html
↑詳しいあらすじ。



ペペを演じたのは、若いジャン・ギャバン
私が、なじみ(?)なのは、『地下室のメロディ』『暗黒街のふたり』…etc.、
アラン・ドロンと共演していた頃の 貫録たっぷりのジャン・ギャバンでした。


若いといっても、ヒトクセある風格が、魅力的です。
女を追いかける情熱のある一方で、女を捨てられる冷たさもある男です。


美女との悲恋が、絵になるラストシーンではありますが、
その前に、捨てられる女性のことを。
(内容にふれています)


・。。・。゜・☆。・゜。・・。。・。゜・☆。・゜。・


逃亡中のペペの世話をしてくれていた愛人がいましたが
故国フランスの郷愁を、かき立てるような美女があらわれるや、
愛人は、ペペの視界からはずれてしまいました……

ここで、“ギブ&テイク”を持ち出すのも何ですが
これだけ尽くしたのに、と女が思ったところで、
恋愛に見返りは無いものと思います。

恋愛は、契約ではなくて、好きかどうか、だけ。
女は好きだから男に尽くすし、男は好きだから女を追いかける。
ヒドイワ……orzと思っても、逃げた心は、取り戻せない……

諦めきれない女心には、“ギブ&テイク”(?)があって、
ペペに、しっぺ返しをしますが、それは仕方ないでしょう。
ペペは、逮捕される運命になります。


・。。・。゜・☆。・゜。・・。。・。゜・☆。・゜。・



そんな愛人には悪いのですが
フランス美女ギャビーに出逢って、そこまで、ペペが惹かれてしまったのは
“望郷”の念もあるから……というのが、
故郷を想う人の心の底をすくうようで、ロマンティックです。


そして、策略やタイミングのいたずらで、
二人は、別れを告げることもできないまま、引き裂かれていきます…………….
そこが、すごくもどかしい…………….


ペペと密会するはずだったギャビーは、ペペが死んだと思わされ、
失意のうちに、帰国の船に乗ります。


愛する人が死んだと言われたら、茫然自失でしょう。
散漫した気持ちは、すぐそこに、
ペペがいても、気づきようもなかったかと…….(←ココ、すごく惜しい!!(>_<))


そして、デッキに表れたギャビーを見つけたペペが、遠くから、彼女の名を叫ぶ!!
せめて、気づいてほしい!!
想いは届かなくても、せめて!!!



……………..なのに、ペペの叫びは、汽笛にかき消されてしまうのです………………….orz
切ないなぁ…….(T_T)


別れるなら別れるなりに、せめて、一言、伝えておきたいことがありますよね……ね?^^;


前半は、異国情緒あふれるアルジェリアの雰囲気に浸かりながら、
あまり起伏がないように思ってしまうのですが
後半への助走だったのかもしれません。


結末は、また、ダメ押しに、
男女の切なさを見せています。(ギブ&テイクの果て…..?)










テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『おおかみこどもの雨と雪』★自立あるいは大人になるということ~雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158332/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



女子大生・花は、おおかみ男の彼と恋に落ち、卒業を待たずに子供ができる。
生まれた長女は雪。その後、長男・雨が生まれて間もなく、彼が、狼の姿で死んでしまう。
人間と狼のハーフである子供たちを、どう育てたらいいのか……
花は、彼が遺した貯金を便りに、人目につかない田舎に引っ越す。
畑仕事も、地元の人に助けられて、なんとか暮らせるようになっていくが
子供は成長とともに、悩みや迷いが、起こってくる……




狼との間に子どもを持つ、という荒唐無稽な話ですが、ファンタジーの中にも
母と子の関係には、人間にも普遍的なものを見出したくて、鑑賞しました。
それぞれに思うところはあると思いますが、私はちょっと、キビシイかもしれません……(^_^;)
(絶賛の方には申し訳ございません)


学生のうちに、狼の子供を産むことになってしまうのが、古風な私には、無計画に思ってしまうのですが
イマドキの事情なのでしょうか。それと
花は、両親との関わりがないのは、何か事情があったのでしょうか。
もし、ご健在なら、子供を安全に育てるために、協力があったほうがいいのに……と思いましたが
花が、苦労して子育てするという設定なら、仕方ありません……


前半は、元気いっぱいのお姉ちゃん・“雪”と、甘えん坊の弟・“雨”の、成長を見せていきます。


特に感じたのは、
1. 子供は、親の手の中にあっても、世間の1員であるということ
2. 自立あるいは、大人になるということ  (注:キレイ事だけじゃないの…)



▼▼▼(内容にふれて雑感です)


1.について


小学校入学前は、子供は、母親の目の届く範囲の中だけに置いておけますが
入学後は、特に、世間の中に置かれていきます。

その前にも、乳児健診や予防接種など、医療サービスがあって
子供は、社会の中で育てられている、という環境にあります。

保育所などの問題では、昨今、子供は社会で育てよう、ということも言われます。
虐待が疑われれば、他人の子であっても通報して、その子を守ろうということもあります。

けれど、“雪”と“雨”は、狼の子であることがバレないように、小さいうちは、医療サービスも受けずにいました。
これは、母親としては、子供を守っているようで、実は守り切れていないという、難しい状態です。
(無国籍の娘を扱ったドラマ『息もできない夏』でも、似たようなことがありそうでした)

親子は親子であっても、親子だけでなく、社会の仕組みの中で生きている~~
自分(たち)だけの勝手なルールでは、生きていかれないんだな……と、いうことを、しみじみ感じました。

一方で、人は、人の助けを借りないとうまく生きられない、というのを
田舎の人々が見せてくれるというバランスは、良かったと思います。


2について


特に、“雨”についてです。


甘えん坊だった“雨”が、成長して、生きる道を模索する姿はいいと思うのですが
気になったことがあります。


それは、嵐のとき、母親・“花”が、忙しく雨戸を設置しているのにも関わらず、
雨は、我れ関せずで、手を貸さなかったことです。


自分は、狼が住む山のほうが、心配だからだったのかどうかはわかりませんが
もし、自分が、狼年齢での大人になったから、家を去ろうと決意していたというのなら
今まで、女手ひとつで育ててくれた母への労いの気持ちを、大人として持つべきではないのか、ということです。


大人になるとは、自立するとは、どういうことなのか……?


山に向かった“雨”を追って、“花”も山に入ったときの“花”は“雨”に
自分は、何もしてあげていないのに行ってしまうのかと、言うようなことを言います。


いやいや、何もしていないままなのは、“雨”のほうではないか?


ご飯のしたくをする母、洗濯物をたたむ母、そうじをする母……etc.
小さいときには甘えるばっかりだった“雨”。
今こそ、成長して大人になったというなら、出ていくことばかり考える前に
大人として、身近な人の手助けになることを、考えるべきなのではないかと思うのです。
(悩むのもいいが、手伝え~!(>_<))


それは、“花”にも責任はあると思います。
いわゆる人間の子供たちにしてあげられる、前述の医療サービスもですが、
本来、親として、するべきことが出来なかったのではないか、という負い目から
なんでも自分でしてあげよう、という気持ちが、強く働いてしまったかもしれません。


もっと、手伝いをさせたらいいのにな、と思っていました。
母親は、つい、自分でやってあげてしまうのですが、子供のことを思ったら
手伝いはさせたほうがいいと思います。


自立というのは、自分の力で生きていく、ということであると思いますが
だからといって、人に手を貸さないということではありません。


逆に、大人になるということは、自分のことに始末をつけられる、ということだと思いますが
それだけでは足りないと思います。
自分のことはもちろん、他の人のことに手を貸せることだと思うのです。



▼▼▼


そういうことでは、“雨”と母が、親離れ・子離れしたシーンは、唐突には見えましたが
それぞれ、成長していく過程ということでしょう。


ナレーションもしていた“雪”は、その後は、それなりにうまくやって行ってそうなので、良しとして……


個人的には、子育て・仕事で奮闘している母親を見ると、子供が手伝ったらいいのにな、と思ってしまいます。
それは、母親に楽をさせてあげてほしい、というだけでなく
それが、子供たちのためでもあるからです。
作品の観点からずれた感想かもしれませんが、雑感まで。^^;



PS: 苦しいときこそ笑顔で☆というのはいいと思います(*^_^*)













テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『パピヨン』★絶賛です!~人生を無駄に生きた人へ~雑感です

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(書き留めたままだった雑感が見つかったので、どうか……)



実話に基づいたということでは、驚愕の作品です。



一言で言えば、胸に蝶の刺青をした男・パピヨンの脱獄物語ですが、
一言なんて言ってはダメですね。彼は、叫んでいます。



ある人は、食欲の無くなる映画、と言っていました。
確かに、ゴキブリやネズミを口にするシーンには、食欲はなくなるでしょう。
確かに食欲は失せても、
どんなことをしてでも生き残ってやる!という、生への貪欲さがあります。



無実のパピヨンには、どうにかして脱獄してほしい。
その気持ちだけで、観ていました。



゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜



命は、誰にも等しく、同じようにあるはずなのに、その意味や見え方は、状況によって変わります。
自分の命が、まだ十分に手の内にあると知っているときは、持て余してさえしまう。
だから、その余裕で、命を絶つこともできる。


けれど、命が、もはや自分の手の内にないと知れば(諦めることもあるけれど)
むしろ、がむしゃらにかき集めようとする。ほんの少しでも、命のかけらでも。
息を吸った今、息を吐いた今、
この1秒を生きながらえるためだけに。


無罪を晴らしたい、名誉を回復したい、という思いがあったとしても
それ以上に、ただ生き残りたいという姿を、まざまざと見せるパピヨン。
ただ、生きるためだけに生きる。
生きようとするその強さに、釘付けになる。



゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜



パピヨンの友達になった男(D・ホフマン)との関係も、いいドラマを見せてくれるのだが
彼のメガネが、遠くで反射して見えるシーンが、特に好き。

あ、光か?そして……………ああ、彼だ!と思うシーンだ。

それは、孤独と苛酷という暗闇で、パピヨンが見つけた、希望の光を暗示するよう。
(辛いときほど、味方は欲しいですよね。いいシーンです。)



゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜



けれど、人生にはやはり、試練が続いて、いや、
パピヨンは、あえて危険を冒し、最後まで、貪欲に生還を果たそうとする。



そしてそれは、生きるためだからこそ、命を捨てる覚悟。
その叫びのような強さには、本当に頭が下がる。
どうか、無事に生き抜いてくれ!!と私も叫ぶ。


自ら命を絶つ人が、例年、3万人を越える。
死んじゃダメだ!生きろ!と、叫んでも、当事者には、荷が重いだけかもしれない。
命は大切だ!と今更言ってみても、虚しく響くだけかもしれない。
でも、この作品だけは観てほしいと思う。
そこには、聞き古した、“命うんぬん”の、理屈っぽい説教はない。



これ以上の拷問はないと思うシーン。死んだほうがまし、とも思うだろう。
でも、あえて、だからこそ、このパピヨンを凝視してほしい。
私も辛かった。生きたゴキブリなんて食べられないよ。でも、死んだほうがまし?



いや、パピヨンを見れば、そんなことは思えないと思う。
パピヨンは、ただ、見せてくれる。それを、黙って見ていればわかると思う。
聞こえると思う。パピヨンの叫びが!生きようとする叫びが!



無罪を主張するパピヨンが、夢で聞く言葉。

~君の罪は、人生を無駄に生きたことだ~
(↑コレ、私の耳に痛いです……)

これに、心あたりある方には、特におススメします。
生き直そうと思えてくるよう。



スティーブ・マックイーン、圧巻です。
ナントカ賞を受賞してないのが、信じられない。(関係ないですね、そんなの)
私は、心から絶賛します。
名作です。



作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/113800/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。











テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『瞬またたき』★置き去りになったものを拾った時、捨てなければならないものもあるのかも…

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/153867/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



バイク事故で恋人(淳一)は、死んだのに
同乗していた自分(泉美)は、生き残った。
その時の記憶を失くしたまま…。


愛すること 一瞬 記憶  そして、失うこと、哀しみ……


とても興味あるテーマで、楽しみにしていました。
北川さんが、とても適役で、泉美の気持ちに寄り添えたと思います。


~~

泉美の哀しみに沈む姿は、見ていて本当に辛くなる。
けれども
彼女が哀しみから逃れられることを願いつつも、
簡単な再生は、見たくないとも思っていた。

なぜなら
“再生・立ち直り”というものは、少なからず
その人を忘れるとか、過去を捨てるということを伴うものだから。
私は、なかなかそれができなくて(苦笑)。


淳一と泉美=岡田さんと北川さんは、すごく絵になる恋人同士だった☆
二人を観て感じた。


恋人たちは、逢うごとに、
好き・逢いたい・愛してる…と言う気持ちが深まっていく。
そして、そばにいて欲しい・失いたくない…と想いながらも
距離をおいてしまうこともある。(2か月も!)


でも、むしろ、それがきっかけになって
もう、どこにも行かないで!と言う想いが、もっとギュッと固まって
大切にしたい・守りたい…と言う気持ちが
心に刻める誓いになっていったのだろうな~と。


泉美は、妹との過去を持つ女弁護士の助けを借りて、空白の10分間(記憶)にたどり着く。
それは、外から事実を知る、のではなく、内なる記憶の蘇りとして。


それは、事実としての、淳一の泉美への至高の愛を
もう一度、込められた愛として、受け止めることになったと思う。
そしてその時、淳一をこの世に引きとめるべく、
泉美がとった行動………。


その姿は、涙でかすんでしまった……。


泉美が、必死に捜し拾い集めようとしていたのは
淳一の命だったのだと感じたから。
ただ、失いたくない、一心で…………。


その後、泉美は、老婦人の話から、次の局面に、向かうことになる…。


正直、泉美のラストのセリフには驚いた……。


ラストシーンには、賛否あるのかもしれません。
空白あけます。


▼▼▼▼


確かに、若い泉美が
老婦人のような一生を送る事がいいとは言えないけれど…。
前に進むことが、救われた命を生かすことではあるけれど…。


自分の再生とか再出発のために、
敢えて、別れを言葉に出すことは、辛すぎるんじゃないかと。
言えないんじゃないかと……。


いつの日か、心のなかで言う日が来るとしても、ですね。
失いたくなかった人に、自分から別れを告げるなんて
私には、辛すぎて、ムリ………。
やはり、再生って、こういう流れになるものなのでしょうか…(>_<)



▼▼▼▼


過去の暗いトンネルに、置き去りになっていた二人。


泉美は、置き去りになったものを、拾いに行っただけなのかもしれないけれど
それを拾った時は、同時に、捨てなければならないものを、知る時でもあったのかもしれない……。


もう二人とも、このトンネルから、出なくちゃいけないんだね……………。


泉美の“確認と納得”が、闇を照らす光となることを願ったが
哀しみのあとの再生が、未来の光と引き換えにする代償は
やはり、いつも、大きな痛みを伴うように思う。
辛いな…。


木々の間をすり抜けた風に、吹かれるように
爽やかな余韻を、北川さんは感じさせてくれたけれど
泉美が、目に涙を浮かべながらのラストの言葉は
やはり、切なすぎて、苦しくて、どうしようもなくて、
私も、涙に任せるほか、なかった…………………………。








テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ザ・ウォーカー』★“本”質のこと

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映画レビューしました。(ネタばれ表示です)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id335900/rid24/p1/s0/c1/


原題『The Book Of ELI』
イーライが、ある本を運ぶため、30年も旅します。
私は、その旅にご一緒して、まずまずのところに着けたな☆と思います。




作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/153246/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ヘルタースケルター』★実花のケレンと沢尻のメッキ&桃井・寺島の重厚感あるキョム…~雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158497/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


全身整形の美女リリコは、売れっ子女王の絶頂にいたが、やがて、新人がはばをきかすようになる。
のみならず、全身整形が、マスコミにばれてしまう……



これは、明らかに、
・監督:蜷川実花.
・主演:沢尻エリカ
があってこその作品だ!!!!というのは、予告編とポスターからわかっていたことだとしても
実際、この毒々しさ、ケバケバしさ、イヤラシサに、直に触れると、(自分がリリコほど美しくないにしても)
のめり込みました。

(男性には沢尻さんの裸体が目玉のようですが、私は、ソコじゃないの)

ある人間の正体を暴くような、挑戦的な作品には、観ている外側の人間たちにも
忘れていたい、自分の正体(心の底にあるもの)が、暴かれる気がして、コワイ……
それが、共感と言えなくても、思い当たる節と言うか……
痛いところを、突いてくると言うか……
「涙出ちゃった……」と言っていた若い女性も、そうだったのだと思います……

(結末も示唆しながら、雑感です。)




▼▼▼

整形美女とわかると、なんだ整形か、と、蔑む傾向がある。
良い悪いは別として、素顔という、実力勝負していないようなズルさを、感じるのかもしれないけれど
5cm下に素顔あり、のような厚化粧や
ゲジゲジみたいな“つけマ”つけるのも、
“仮面”をつけている、ということでは、似たようなものだとも思う。

整形は不可逆で、厚化粧は可逆的。

親からもらった顔にメスを入れることに否定的、ということがあっても
化粧は、その下に、素顔という弱みを残しているから許せる、ということなのかも。

素顔と言えば、ある女性が、化粧をしない女性に対して、こんなことを言っていたことがあった。
「素顔のままで人前に出てくるなんて、よほどの自信があるようで、いやだ」と。

素顔の女性が、そう思っているとは思わないけれど
リリコが、マネージャーの女性の素肌がキレイなことを指摘したとき、そんなことを思い出した。
リリコは、いじっていない、彼女の素肌の美しさに、羨望は感じたと思う。
それが無意識でも。

自分が、あまり美しくないと自覚して、だから、できるだけ美しくなろうとして、美を手に入れたなら
それが、自分を強くさせる自信になると同時に
過去の自分は美しくなかったのだという劣等感をも、抱き続けることになるのかもしれない。
そう思う必要などなくても。

もちろん、美しさは、内面からのものでもあると思いつつ、外見重視の現実には、逆らえない。

リリコの場合は、具体的に、仕事のためではあるけれど
公私ともに、美しい状態でいたいと思う女性は、ほぼ、リリコなんだと思う。

整形・化粧・宝飾・プライド・虚勢・…etc.なんらかの仮面を付けている、女性たち。

実花監督にしても、彼女の強烈な色使い・演出も、あえていえば、ケレンという、彼女の仮面なんだと思う。
沢尻さんにしても、彼女から受ける印象は、良くても悪くても、本当の姿がわからない、メッキのよう。
桃井さん、寺島さんに至っては、存在感バリバリなのに、どこか虚ろな女たちという
重厚感たっぷりの虚空と言う空気を、まとっている……
(そもそも、この作品に、健康的で爽やかなパスカルカラーは、似合わないでしょ)


。・゜☆・゜・ 。 ・゜・☆。・゜。・。。・ 

外見美のことは、さておき。

もう1つ、私に、目玉だったのは、一世を風靡したあとの転落の姿。
これは、男女問わないと思う。

哀しいかな、誰にでも、ピークがあったら、あとは下るのみ。
人気商売なら、飽きられる、というのもあるし
実力勝負なら、あとから来たスゴ者に、とって代わられる……

リリコの悔しがりようは、醜いかもしれないけれど、ある意味、正直でよろしい^^;
先日のAKB総選挙での篠田さんのコメントにもあったように、誰だって、自分が、落とされるのを嬉しいなんて思わない。

リリコが、忘れられたら死んだのも同じ、と言ったのも、実感はある………….
居ても居なくても同じ、生きてても死んでも同じ~~そう思ったときの、虚しい哀しさ……orz
リリコが、顔をグチャグチャにしながら泣き叫んだときは、心が引き裂かれそうだった……
だったら、死んでしまおうか……そういう結論に、行きそうなこともあるから……

でも、生きてても死んでも同じ~~と言うのなら、このまま、図太く生きててもいいのよ、と思いながら
ボロボロになってしまった、リリコの結末を、心配した。


だから(以下、結末言ってます)


リリコが生きていたのは、安直かもしれないけれど、嬉しかった………..

そんなとき、イジワルな人間たちは、「アンタ、落ちぶれてもまだ何かにしがみついてんの?」
みたいなことを、思うのかもしれないけれど
事実、落ちぶれたとしても、そのときこそ、虚勢を張って、虚飾にまみれておくべきだと思う。
腐っても鯛は鯛なんだよと、堂々と。

ラストシーンのリリコは、圧巻だった。

生きていさえすればいいのではない、もっと強い、美しさをまとっていた。

あのとき、自分の本物の目をつぶしながら
リリコは、自分は、もう作り物のままでいよう……と思ったのかもしれないと思うと
私自身の、心の底の哀しみのやり場に困った……………………





▼▼▼




「涙出ちゃった…」という、ゲジゲジつけマの女子の気持ちは、某男子にはわからないかもしれないのは
その男子が、つけマを付けたいと思わないことと、同じなのかもしれません。

まだまだ、話したいことはありますが、
ヘルタースケルターしてるので^^;、このへんで、やめときます。(*^_^*)







テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ぱいかじ南海作戦』★阿部サダヲが魅せる色々な意味でのサバイバル~雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158572/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



原作:椎名誠      (原作未読ですが、楽しみにしていました☆)
主演:阿部サダヲ
ロケ地:西表島

失業と離婚を1度に経験した男・佐々木が、南の島に行って、サバイバル生活します。

映画『キャスト・アウェイ』や『東京島』なども、サバイバル生活が見どころだと思いますが
これは、サバイバルの工夫を観るというより、阿部サダヲの芝居を観たい!という期待で
楽しみにしていました☆

阿部サダヲなら、絶対、それなりに、色々な意味で、サバイバルに見せてくれるだろうと。
(例えばの話、極端な言い方をすれば、作品全体が良くなくても、彼の芝居で作品が生き延びるような……例えば、ですよ)

≪島でレンタカーを借りて、終点まで乗り付けたが、その先には浜があって。
海だ~!砂浜だ~!と開放的な気分でいたら、そこに暮らしているらしい4人の男と意気投合するも、
油断していたら、持ち物を盗まれてしまい、途方に暮れていたら
同じように、海と砂浜にはしゃぐ1人の青年がやってきたので、今度は、その人をカモにしてやろうなどと思っても
そこまで悪い人になれなくて、そうこうしているうちに、若い女性2人もやってくる。
やがて、前の4人の居所がわかり、荷物を取り返そうと、「ぱいかじ南海作戦その1」を企てる……≫
(↑前半です。その後、“ぱいかじ南海作戦その2”というのもあります。)

甘いな……^^;

失意になると、なぜか、人は、北へ向かう列車に乗りたくなったり、南の島に行きたくなるものらしいです。
この状況から逃れたい、現実逃避してリセットしたい……
その気持ちは、よ~く、わかります。

けれど、もし、現実逃避なら、サバイバル生活のほうが、現実的ですよね。
食料がなければ、死にますもん。いい人でいたいけど、なりふりかまっちゃいられません。

そういうのは、このサバイバル生活だけではなくて、いわゆる日常生活でも、同じなのかもしれないな~と思えてきます。

この文化的社会にあっても、切羽詰まってしまったら、四の五の言ってられなくて
今まで、せずに済んできた面倒なこと、苦しいことを、ためらう間もなくやってのけて
生き抜く道を、選んでいるのだと思います。

…………………….↑教訓にしなくて良くて^^;
コメディです  (*^_^*)

生きるのに、悲壮感ないのが、いいです。
“ぱいかじ”とは、心地よい南風のことで、細かいことはどうでもよくなってしまう風なんだそうで
“ぱいかじ”に吹かれムードで、ふわ~っと過ぎていきます。

甘いな~と思っても、そこで、教訓を拾うほどでなく
何かを、達成したというほどでもなく
とりあえず、楽しく生き延びた………

そんな毎日が、厳しいんだか、ゆるやかなんだか、どうでもいいのがいいのかな…………….

で、結局、どうするのよ?と思うのですが ^^;

良く言えば、男のロマンなんでしょうか……??
終点の先に、まだ道があって、ユートピアがあると思い込めるのは……

いかだに乗って、もっと南に向かってしまうのです。
その先の先の先は、南極に行ってしまうのではないか……と思ってしまう……^^;

でも、阿部サダヲなら、きっと、この先もうまい間合いで、乗り切っていけそう!\(^o^)/
などと、無責任に感じながら、それでいいや、と納得するのです。

要は、教訓とか、感動とか、そのような心を震わせることは、さておいて
“ぱいかじ”に、ゆるゆる吹かれるように、心休められる作品なんだと思います。(褒めているんですよ(^_^;))

普段、コンクリートジャングルでのサバイバルに疲れた方には、いい現実逃避だと思います。
私は、観て良かったと思います☆






テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ショウほど素敵な商売はない』★M・モンロー以上にドナヒュー家の絆の物語かと

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1954年の作品。
今さら話すまでもないほど、誉れ高いミュージカルですが、
ミュージカルは苦手、という方にこそ、お勧めしたくなりました☆


DVDのジャケットは、マリリン・モンローですが、このジャケットだと勘違いするでしょう。
マリリンは、、1人の芸人として、その家族たちに関わっていきますが、
中身は、芸人ドナヒュー家の物語です。


夫婦二人から始まって、息子2人、娘1人の5人家族がショービジネスをします。
家族の物語としてみると、子供が大人になっていく過程の中で、
子供の気持ちも、親の気持ちもあって、それぞれに共感すると思います。


そして、ミュージカルは苦手なんて言わさないゾッ!と言わんばかりの
次々繰り出されるショウの数々…。
目の前を通り過ぎるだけでない、圧倒的な迫力は、どこから来るのでしょう!
私も、さほど、ミュージカルは得意ではありませんが、
冒頭のドナヒュー夫妻2人だけのパフォーマンスから、グイっと引き込まれました☆


特に、印象深かったのは、母のセリフでした。
心配しないで、との書置きをして行方知れずになってしまった次男に対し、
「笑わせるわ」と。
親は、いつでも、子供のことを心配しているのだ、と。
それは、墓に入っても、そうなのだ、と。
私も、離れている息子のことは、いつも想っています。じ~んと共感しましたよ。


そして、心配を抱えながら歌う、母の歌♪
♪悲しくても、ステージではいつも笑顔~
顔で笑って、心で泣いて……
プロだな~と思いながら、私も悲しくても、笑顔でいないとダメだな、と諭されましたよ。


そうして、哀しみも喜びも、ひっくるめたラストシーン☆
その前のステージの数々を伏線としながら、
想いの詰まった、家族の歴史を生かした、豪華なステージに
感激しながら、涙ぐんでしまいました……。


マリリン・モンローはどうなったか?と言いますと、
最後まで見れば、ああ~上手い終わり方で良かったな~と思いますよ☆



あらすじです。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD3970/story.html


テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『BRAVE HEARTS 海猿 』★結集したブレイブハーツが奇跡を起こす!

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映画レビュー(ネタバレ表示)です。結末はぼかしています。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id341806/rid43/p1/s0/c1/


作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/157579/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


シリーズ4作目。

仙崎は、特救隊になり、より危険度の高いレスキューに。

今回は、海上着水した機内からの救出。
ですが
物語の含むものは。それだけではないのですよね。


災害救助には、どうしても、大震災のことが思いこされます。
困った人を助けたいと言う気持ちは、1つ。
その感動を、大迫力で、堪能しました☆









テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『祇園の姉妹(きょうだい)』(‘36)★男のおもちゃは運命のおもちゃでもあるのかと…雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/115493/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



山田五十鈴さんが亡くなられたと聞きました。
山田さんは、ドラマ『必殺シリーズ』にも出演し、作品に風情と風格を添えていたと感じていました。

以前、鑑賞したこの作品は、山田さんが、まだ19歳のときですが
初々しさというより、
スリップ姿で歩く様子などは、色気というより、肝っ玉母さんのような達者ぶりでした。

哀悼の意をこめて、雑感です。


・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。



芸者の姉妹は、“おもちゃ”とその姉。

姉が、いわゆる、女の性(さが)に引きずられて生きているなら
妹の“おもちゃ”は、女であることを利用しながら、その辺の女を捨てて生きようとしていて
昭和11年当時を思うと、とても挑戦的な作品に思いました。

“おもちゃ”は、山田五十鈴さん。
パッと見は、おとなしそうな古風なお嬢さんなのに、要領よくスイスイと、祇園の川を泳いでいるのが
小気味いい。

色町の女が、男を手玉にとって生きることは当然のこと。
それは、善し悪しでなくて、そういうところ。
そして、そんな生き方をする女を蔑みながら、遊びたいし、遊ばれたい男たちがいる。
だから、成り立っている世界。
女にしてみたら、バカにされてもいいから、お金さえ出してくれたらいい、と割り切る。
浅ましいのではなくて、そうしていかないと、心もボロボロになる。
空っぽでもいい。キレイでいないと、商売にならない。


けれど、終盤に向かうにつけ、調子良かった “おもちゃ”に、分が悪くなってきます。
自業自得?
ここで、それを持ち出すとしたら、野暮って、もんですよ。
ズルくたって、何だって、私は、“おもちゃ”に味方します。

けれど、“おもちゃ”は………………….orz

その“おもちゃ”と言う名が、残酷に示しているように、
男たちの“おもちゃ”という運命の中で生きている“おもちゃ”。

自分が、女として、勝てる生き方は、できるはずがない……という結末が、悔しい。

今まで、“おもちゃ”は、男のおもちゃ、というわかりやすい名前なんだと思っていましたが
最後になって、この“おもちゃ”は、女が女として男に遊ばれるおもちゃ、というだけでなく
そのような運命に生まれついたという、“運命のおもちゃ”なのかもしれない……と思ったのでした。

おもちゃが、男へのむき出しの“敵対心”を叫ぶシーンは、強烈です。胸に痛い…
(「男なんてみんな敵だ!」だったか……)

溝口監督に対して、思ったのは
この男性監督は、おもちゃに代表される女たちを、外から見てなんとなく作り上げたわけではないのだな
ということでした。

溝口監督ご自身が、お姉さまが芸者として生計をなしてくれたと聞きました。
そんなお姉さまの生き様を、手に取るように感じてきた想いが
敬意と憐憫を含みながら、監督の独特の女性描写になったのかしら……と
生意気にも思いました。


終わり方は、“あのよう”ですが、“おもちゃ”は、それで終わるほどヤワだとは思いません。
“おもちゃ”からは、しなやかな強さをもらえた作品です。






テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『グスコーブドリの伝記』★ブドリの危機感が淡い“伝説”になったような…


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158316/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



花巻農業高校で教師だったこともある、宮沢賢治の童話です。

冷害で、家族4人の幸せを失ったブドリが
1人で生き、学び、たどりついたのが、火山局の仕事。
再び、ひどい冷害のおそれがあるとき、ブドリは、火山を相手に、ある決心をする……

冷害による凶作が、どれだけの被害と不幸を、人々に与えるかを
身に沁みて知っている賢治だからこそ、生まれた作品だと思います。
思えば、すごいコトを考えました。

(以下、内容にふれて雑感です)



▼▼▼▼


ブドリの考え↓
1. 低温で凶作なら、温暖化させればいい。
2. 温暖化には、CO2を増やせばいい。  (CO2と温暖化の話題はその頃から!?)
3. CO2を増やすには、火山を爆発させればいい。
(注:火山灰による低温化を見越して、火山を選ぶ)

火山を爆発!!?
そこまでする?と思いますが……

天候と密接に関係のある人と、あまり関係のない立場に居る人とでは、
気温1度の差、降水量に対する意識が、全く、異なるのだと思います。
(外為レート、株価の1円の上下と同じようなもの)

来週、雨が降っても、今週、干ばつで枯れた作物は戻りません。
いつか、温かくなるかな~では、冷害は回避できません。

飢饉になっても、消費者は、ほか(外国)から買えばいいだけかもしれませんが
生産者は、それで、1年がパアになります。

ブドリの思い切った決断は、切羽詰まったものが知る“危機感”です。

……けれど、自己犠牲の美談というような、壮絶感でなく
「伝記」というより、「伝説」のような、淡い、フェイドアウトで終わったように思います。
もっと、ドラマチックなインパクトがあっても良かったかな~と個人的には思いました。



▼▼▼▼


作画は、とても、細やかで美しいです☆
木や草などは、心が洗われるようで、見ていて気持ちいいです。

都会の風景は、レトロなのに近未来、という感じで、時代を特定できないのが
“普遍的”なのかもしれません……

ブドリが青い猫であることも、そうらしいです。
監督いわく、“猫であって猫でない”らしい……
人間にしてしまうと、個人を特定してしまうようになるので
それを避けたかったらしい……

(とは言え、前の『銀河鉄道の夜』のネコちゃんは、なじめませんでした……orz)

今回は、背景の絵がキレイなのと
小田和正さんの透き通るような歌声が、感動的だったということもあって
青いネコのブドリに、違和感はありませんでした。(慣れたのかな…)

これはこれで、いいのかもしれませんが
“”はやぶさが大気圏で燃え尽きたときの感動“”のようなものを、もっと感じたかったな~と思いました。








テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『崖っぷちの男』★ダブルのハラハラ&ラストのサプライズ(^_-)-☆

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/157862/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


(結末は言ってません↓)


高層ビルから落ちそうにして、下を見下ろすサム・ワーシントンを観ているだけで
落ちないでェ~(>_<)と、ハラハラしますが
サムは、高所が苦手だったんだと聞いて、余計に、怖いモノ見たさになって鑑賞しました。

ダイヤモンドの窃盗の濡れ衣を着せられて、服役中だった元警官のニックは、
父の葬儀に参列した折に、脱走し、ホテルの高層階の窓の外に立った。
投身自殺か?それとも……?

ニックの足元は、地上60m巾30cmほど。
ふらついたら、真っ逆さまに落ちそうで、怖い、コワイ…….

ましてや、じっとしていればいいものを
ズリズリと横に移動するから、もっと、怖くなる!
手が、汗で、ビッチョリです……(>_<)

けれど、それらはすべて、ニックの予定通りなのでした。

眼下の道路で、野次馬がワイワイ言うことも
マスコミが、ネタにして煽ってくれることも(でも、ヘリで、ブンブンと風をアオルことは、想定外(>_<);)
わけアリの女性刑事を、交渉人にすることも

そして
“崖っぷち”は、ニックの足元だけではなくて
平行して行われた “重要な企み”にも、ありました☆

それは、ニックの起死回生のために、絶対、成功させたいこと☆
こっちも、バレるんじゃないか、ダメかもしれないんじゃないかと
心臓バクバクバクバク……>>>

この、タイプの違う、2つのハラハラドキドキで
ずっと、画面にくぎ付けです


はじめは、ニックが堕ち落ちそう!!(>_<)ということを心配しているのですが
段々、ニックの無実が晴らせるのかどうかで、ヤキモキしてきます。
冤罪は、本当に、もどかしいですから。

ニックは、落下しないのか!? (しないことはない……かも……?^^;)
ニックの無実は、証明できるのか?
どう、証明するのか???

緊張感を保ったまま、スピーディに進んでいって
“解決部分”は、ちょっと、流れた感じがあったかな~などと思いながら
ラストシーンは
お疲れ様ムードの付け足しかと思っていましたら…….


ああ、なんという、サプライズ!!\(^o^)/

ああ、そうだったのねと、しみじみ……

ハラハラドキドキのあとでの、この温かな一コマは、とても嬉しかったです(^_-)-☆





テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『守護神』★「I  never let go !」(死んでも離さない!)(T_T)

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映画レビューです。(ネタバレ表示です)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id325435/rid44/p1/s2/c3/

アメリカの沿岸警備隊の話です。

若い隊員と、引退を決めたベテラン隊員が、
嵐の中の必死の救助を通して、グッと迫るものを見せてくれました。

「海猿」みたい……との声もあったようですが
それも含めて、上記に書いてマス^^;


作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/16506/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。








テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『紳士は金髪がお好き』★金髪美女はダイヤがお好き(*^_^*)







1953年の作品。

映画『お熱いのがお好き』が、男性2人の女装ドタバタとすれば
この作品は、マリリン・モンローによる女性2人の仲良しドタバタと言えるかもしれません。
紳士は、金髪がお好きでも、金髪美女(マリリン)は、ダイヤがお好き☆
リッチな老紳士の顔が、ダイヤに見えるという…(*^_^*)


可愛い女性によるコメディは、好き☆です。
その可愛さで、多少のお下品も、可(笑)。


お気に入りのシーンは、
マリリンと親友が、隠し撮りされた写真のフィルムを、男から奪い取ろうとするシーン☆
上着を脱がせるため、酔わせようと、強いカクテルを彼に飲ませます。
その強さに慌てた彼に、彼女たちが差し出した透明の液体……。
普通、水だと思うでしょ?そう思って飲む彼。「これは何だ!」
それが、「ウオッカよ」なのよ……^^;。
ガブ飲みした彼の食道は、チリチリでしょうね……。
その挙句、上着にフィルムがないことがわかった彼女たちは、彼のズボンを脱がそうとします。
無理やりじゃなくて(笑)、水をズボンにこぼすのですが、
誤ってこぼした、と言うのではなくて、バレバレなの!(^◇^)
ピッチャーから、ジャ~っと☆
このわざとらしさが、好き☆☆大好き!わかりやすくて。


他には、お坊ちゃま紳士くんが、マリリンに
「君のボディは、ダイナマイト級だ」
と言っちゃうところですね。意味がわかっているのかどうか................





あとは、金髪と“それらしい”メークをすれば、
私も、マリリンになり切れるかな~と、思わせてくれるところかな…。(*^_^*))。


↑なんだかわからないと思いますので^^;
↓あらすじです。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD4241/story.html


観ている間、別世界☆に行かれました。
いい意味で軽いテイストですが、映画を観たな~と感じましたよ。





テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『幸福の黄色いハンカチ』★「あなたって勝手ね」と思いながら憎めない男が女にはいる~雑感です


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/153702/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



私が言うまでもない、高倉健と倍賞千恵子の名作です。

ムショ帰りの男が、別れたはずの妻の元に、再び、たどりつくまでの逍遥を
北海道を旅する行きずりのカップル~武田鉄也と桃井かおり~を
オモテの話にしながら
楽しくも、しみじみと見せてくれます。

健さん&倍賞さんの夫婦には、
「あなたって勝手ね」
と言う、妻のセリフが物語る“関係”があります。

この作品を、名作たらしめているものは、この“勝手”な男を、待って受け入れてくれる妻の存在に
世の男性の願望があるのかな~と思ったものです。
この男は、健さんだから、作品として成り立つのだ、とも思ったものです^^;

……が、浅はかでした……orz

以下、反省文のような、ノーガキです。^^;


▼▼▼▼

妻が、流産して帰宅したあとのシーンです。

夫は、バツイチの妻が、以前も流産したことを知り、それを隠していたと責め
暴れて家を出ていきます。

今回、流産したことを、とても残念に思う夫の気持ちは、よ~~~くわかりますし
過去の流産を知って、動揺するような苛立ちも、わからないわけではありません。

夫は、妻がバツイチなことは知っていましたが、“過去の流産”を通して
妻には、他の男との結婚生活があったのだという事実を、生々しく感じてしまったのだと思います。
それは、妻を愛するがゆえの、過去への嫉妬という辛さです。

ですが、流産のあと帰宅した妻が
「体が辛いから、休む…」
と、辛そうにしているのに、ちゃぶ台をひっくり返して、怒りまくるのは、どうでしょう。
その辛い体で、夕食を準備したのに………………..泣・泣……

アンタの気持ちより、奥さんを気遣いなさいよ!と思います。

けれど、この男が、特別にひどい夫というわけではなくて
案外、普通のことなのかもしれないなと
この頃は、思えるようになりました。>>>>>(ため息)

妻が高熱で寝込んでも、自分だけ外食して知らん顔という夫もいるし
救急車に乗せられていく妻に向かって「俺の飯はどうなるんだ!」と言った夫もいると聞きました。
私の身近でも、妻の体を気遣わないで、よく平気でいられるな~という夫はいますよ……orz
(妻の場合もあるかもしれませんが、ここでは割愛)

さらに、この夫は、家を飛び出して、他人をブン殴って死なせまして、とんでもない奴です。
別れるのも当然と言えば当然だし、そんな男は忘れたほうがいいよ、と思うものだと思います。

健さんだから、情緒的な作品として、成り立つってなもんです。

でも
「あなたって勝手ね」
と思いながら、憎めない、忘れられない男は、いるものなんですね。

この人は、自分を幸せにしないで、苦しめるだけかもしれない……と
うすうす気づいていても、どうしても嫌いになれないどころか
その人からの愛だけを願ってしまう……
そんな男が、女には、いることがあるのです…………
罪な男です………………………………………..


▼▼▼▼


男性には、あんなことがあっても待っていてくれる女性を理想として、ヒットしたのだと若い頃は思いましたが
浅はかでした。

この妻と、同じような愛情を抱えている女性たちは(自分含む^^;)
もっともっと深い愛情で、広い心で、あなたの愛が戻ってくることを待っているのですよね……
(涙、出てきた……)

あの、満艦飾の黄色いハンカチのはためきは、ハンパじゃないですもんね☆





テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『私が、生きる肌』★誰もが自分だけの肌と言う秘密をまとっているのかも

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/157531/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



~~妻を亡くした外科医が、妻そっくりの別人を作った~~
というだけの話では、もちろん、ありません!!

アルモドバルは、複雑な人生を、より複雑にしていきます。

強そうで、実は、もろい人間の姿をあばき
冷酷になっても、熱い魂を潜ませる、人間の姿を炙り出します。

アントニオ・バンデラスは、存在としてむずかしい外科医を、印象的に好演していました。

事実がわかってくるとショックなのですが、それが、単なるタネあかしではなく、
その前にも後にも、ベタついた意味を持っているのが、アルモドバル流で、
ショックな事実から、目を背けている場合ではありません。
複雑な状況ですが、大雑把に言えば、“愛と贖罪”について突きつけられた気がします。

(結末は言いませんが、内容にふれて、雑感です)





▼▼▼▼



皮膚移植された謎の女性ベラが、監禁されて実験台になっているらしい状況を、気の毒に思っていると
追い討ちをかけるように、乱入してきた“トラ男”に乱暴されるシーンを、まざまざと見せられ
ベラへの同情心を、最大限に煽られます。

一方、亡き妻そっくりのベラに向ける外科医の眼差しは、愛する者を観るようでいて
どこか、冷たい恐ろしさにも、気づきます。
この2人に、何があったのか……

少しずつ、明るみになってきます。
・生前、妻は、トラ男と浮気したあげく、自動車事故で全身大火傷を負い、自殺したこと。
・その後、外科医と同席したパーティで、外科医の娘は、ある青年に襲われたことがきっかけで、 心を病み、自殺したこと。

妻と娘を亡くした外科医の心は、何を思い、どこヘ向かったのか……

まずは、娘を傷つけて、死に追いやった青年への恨みです。
殺してやりたいと思っても、不思議はありません。

けれど、“贖罪”を思うとき、「目には目を」 ということがあります。
同じ目に遭って、同じ痛みを知ってほしい。同じ立場になれと。
だから、青年を、男に襲われる立場の女にしようとすることは、動機としてわかるし、外科医には、それが出来ました。
手術を、性器から始めたのも、そのためかと。

外科医は、研究者の性(さが)からか、青年を、“完璧な肌”で覆われた女性に作りかえることも考えます。
(手馴れたオペだけでなく、ナンバーワン・オンリーワンを目指したいというのもアリでしょう)

火に強いその肌は、火傷を負った妻のことがあるからでしょう。
青年の顔を、妻そっくりにし、ベラと呼び、別人格として扱い
外科医自身が、その青年を、この世から葬った(殺した)と“錯覚”し
妻の生き姿という“幻想”を見ているとしても それは、あくまでも、“気のせい”でしかありません。

このままでは、上手くいくはずはない!危険だ!
家政婦(←この方も、ワケあり)は、ベラを殺せ!とまで言いますが
自分の作品であるベラを、外科医が死なせるはずもありません。

゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜

ベラが、トラ男に襲われた現場を見た外科医は、何を感じていたのだろう……と言うコトが
あとになって、思い返されます。

事実を知る前は、いわゆる侵入者として、トラ男を始末しただけかと思いましたが
トラ男は、妻と浮気していた男……そして
一瞬、ベラにも、外科医は、銃口を向けた……

“被害者ベラ”は、あのとき、女性が男性に襲われる苦痛を、初めて、体験したのです。
(それが、青年自身の本当の体ではないとしても)

ここで、“贖罪”という言葉を持ち出すのは、場違いかもしれませんが
青年が押さえつけた娘が、嫌がったことを、身をもって知ったことは、
しいて言えば、意味のあったことなのかもしれません……
(トラ男の、獰猛な嫌らしさには、本当に、目を背けたくなりますが,
訴えたいものも強いシーンなのでしょう……上から、かなタライを落としたくなりますが…)

そして、不可解というか、考えどころなのが、外科医が、ベラの体を求めるところです。
妻を、あのトラ男に、心身ともに奪われたままの外科医には
このたび、ベラを襲ったトラ男を撃ち殺したあと、妻を取り戻した“錯覚”が“陶酔”になってしまったと思いました。

顔や皮膚(声も?)など、外側は、完璧に自分が作り上げた“妻”なのだ、という自負が
“娘を襲った男を妻の身代わりにして関係を結ぶ”という、おぞましい行動に至らせた………..?

しかし、そのシーンだけ見ると、オドロオドロしくは無く
外科医の妻と娘への“愛さがし”という目で見れば、そこに“愛”のひとすじは、あるのかもしれませんが
その“愛”に錯覚させられるのが、人のあやまち… ?

どんなに、青年ベラが、外科医に従順になったとしても、心は青年のままです。 記憶もあります。
フツウに考えて、青年が、外科医に、ベラとして、心を許すはずはありません。
人は、愚かで、弱いもの。
そこに愛があると信じれば、信じてしまう…………………….

当然と思われる結末を迎えます。

゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜

私は、女性に乱暴をはたらく男は、絶対に赦せない立場です。 ですが、
こんな目に遭った青年は、亡き娘には、赦されたと思いました。

青年には、良い方向に向かってほしいと思いながら、いい終わり方でした。
最後まで見せなかったのも良かった…
あの後も、きっと、波乱はあると思うから。
けれど、希望も、きっとあるから。



▼▼▼▼


べラも、外科医も、家政婦も…etc.
皆、誰もが、自分だけの肌をまとって、哀しいヒミツを持ちながら
生きているようなものなのかもしれません……………….

舞台は、首都マドリードから少し離れた、トレド。
遠景は、ほとんど昔のままだと聞きました。
都会のバラックなどでなく、古都トレドが舞台というのにも、どこか、風情を感じさせます。

アルモドバルには、まだまだ、究極を求めていってほしいと思っています!


PS:やはり、乱暴はダメです、乱暴は。







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映画『パリより愛をこめて』★アクションなのに“そんな愛”についての雑感です



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公式サイトです。
http://www.frompariswithlovefilm.com/


ジョン・トラボルタ&ジョナサン・リース・マイヤーズ
足して2で割ると丁度いい(?)、2人の捜査官が、犯罪組織を追う….。
リュック・ベッソン監督作品です☆

スピーディな展開、アクション、カーチェイス、やたらと器物損壊…etc.
多分、この作品そのものが、良い悪いではなくて、
ベッソン作品が好きかどうか、なのかもしれません。私は好きですョ☆

原題『From Paris With Love』

たいてい、アクション系の愛って、刺身のつまみたいなもんでしょ?^^;
でも、今回は、特に、この“愛”が、ですね……。


▼▼▼以下、ネタばれ前提の雑感です▼▼▼




「たとえ、君に愛されなくても~、……愛は必要だ…」


ジョナサンの台詞ですが、ジョナサンは、特に憂いある暗い眼差しをする男性だなと
思っています。今回は、そうでもないかな~と思っていたら、
終盤、また、そんな眼差しを見せてくれました。
だからこそ、ジョナサンが、この役どころだったのかも…。


失恋…と言っても、失恋ではないですよね、これは。
始めから、恋愛が存在していなかったのですから…。Shockです…(T_T)
でも、一方的でも、自分には“愛”はある。
そして、恋人にも、愛は必要だと思いながら、離れている心を引き寄せようとしたが、
ダメだった…。Shock2乗です…(T_T)


そして、恋人の写真を受け取る彼。
そんな時、あんなことになった彼女の写真は、持っていたいものでしょうか……。
懐かしい思い出として?愛の証として??
…センチメンタルにはわからなくないですが、私は、かえって辛いな…。
以前の想いが強いと、以後は、もう背負いきれなくなる、
と言いましょうか…(ため息)。


それと、前に進まなければならないなら、中途半端でなく
1度心を潰さないと、と思うのは私だけなんでしょうか……(>_<)
心の中の記憶だけでも、愛すればこそ、切なくてハチ切れそうなのに、
写真という形あるものが残っていたら
いつまでも、そこにとどまってしまいそうですよ…。ああ、辛いな………。
“本気の男”(チラシより)なら、愛も、弾丸のごとく貫いてほしい
とは思いますが……。


そんな愛については、もっと丁寧に話したいところですが、
辛くなってしまったので、終わります^^;。



▼▼▼▼▼▼


リュック・べッソン度 ☆☆☆☆☆

アクションなのにそんな愛なんて…度 ☆☆☆☆☆



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『第九軍団のワシ』★ミタマエ・ロマエ~名誉のために(雑感です)

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158409/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



テルマエ・ロマエ』で、いい湯につかっていた一方で、
この時代のローマには、こんな出来事もあったという事です。




≪120年頃のローマ時代。(←『テルマエ・ロマエ』のハドリアヌス帝の頃)
ブリトニア(イギリス)まで侵攻していたローマ軍。
その中で、北部に進軍した第九軍団(5000人)が消息を絶った。ローマの象徴・黄金の「ワシ」とともに。
不名誉に思ったハドリアヌス帝は、北部に、長城(ハドリアヌスの長城)を築き、この世の果てとした。
20年後、第九軍団の隊長の息子マーカスは、父の消息と名誉挽回を望みながら、軍人として功績を上げるも
負傷し、名誉除隊となってしまう。
フリーになったマーカスは、第九軍団の消息を知るべく、彼が命を救ったブリトニア人のエスカを連れて
長城の先へと旅立った……≫




その第九軍団の消息は不明のままで、伝説・諸説になっているようですが
作品は、“”男の名誉回復物語“”を、見せたようです。



配役が魅力です。
・ローマ人マーカスは、チャニング・テイタム。(←顔が、濃いかどうかはわかりませんが、筋肉は濃いです。)
・ブリトニア人エカスは、ジェイミー・ベル。(←儚げですが、ココゾという芯がある)
・マーカスのおじは、ドナルド・サザーランド(←作品の重石です)



チャニングは、気は優しくて力持ち、という配役が合っていると思います。
今作では、勇猛果敢な指揮官ながら、派手さはなく
父の汚名を晴らすために生きてきたような、地道な決意の人です。


軍と「ワシ」を紛失し、不名誉とされている、隊長である父に、何があったか真実が知りたい、消息が知りたい
そして
タイトルになっている「ワシ」そのものを取り戻すことが、すなわち、父と軍団の名誉回復なのです。

この世の果てと言われた長城を越えて、襲撃あり、争いありと、ハラハラしますが
中でも、アザラシ族は、強烈な印象的でした。

アザラシ族は、妖精(?)で穏やか、という話もあるようですが、ここでは
ローマのわかりやすい敵になっていました。

アザラシ族にしたら、攻めてきたローマ人が悪者だと思いますが
マーカスには、大切な「ワシ」を父から奪い、父たちの命を奪った者たち、ということになります。
戦いの連鎖は、恨みの連鎖を生みます……

けれど、こうなった以上、戦わないと、マーカスも生きていられないので
父の名誉と、(名誉除隊になってしまった)自分の誇りのために、勝ち抜いて欲しいと願います。

戦闘シーンは、見せ場なのでしょう。
序盤は、亀甲陣形を組んだ、鮮やかな戦いぶりで見せますが(映画『トロイ』にもありました)
終盤は、泥仕合のようとは言え、必死の迫力がありました。

・。。・。゜・☆。・゜。・・。。・。゜・☆。・゜。・


余談ですが、この作品の“売り”の位置づけはどうだったのでしょう……
『トロイ』ほどの派手さや『300』のような強烈な個性がないから、大宣伝しなかったのか……
古代ローマの話は、それほど、売れないと踏んだのか……
(ちなみに、美女とのロマンスは、特にありません)

それなら、『テルマエ・ロマエ』と抱き合わせにしたら良かったのかな…
同じ時代だし。豪華2本立て(^_-)-☆

史実とは言え、創作なので、もっと、ドラマチックな起伏でも良かったかな~と(生意気!^^;)思いながら
“”古代ローマ&戦闘シーン&男の名誉“”の本作は、もっと、観られてもいいのではないかと……(ミタマエと……^^;)








テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『臨場 劇場版』★哀しみ怒りが渦巻く事件&『臨場』のその後…

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158386/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


型破りの個性派・検視官=倉石を主役とした、捜査ミステリー。


捜査官でなく、あくまでも、被害者(死体)が遺した状態を拾い、
死因や死亡推定時刻を割り出します。
地味と追えば地味です。^^;
その分、倉石の、やさぐれたような、強い個性で、魅せているのでしょう。



・゜☆・゜・ 。 ・゜・☆。・゜。・。。・


今回は、まず、通り魔による無差別連続殺人事件から入ります。
見良いものではありません、酷い………orz
そこで、まず、犯人(波多野)への憎悪を、観客に植えつけられるのでしょう。


そして、犯人は、心神喪失状態と判断され、無罪。
これにも、遺族同様、納得いかない気持ちが、上乗せされるでしょう。


その後、その判決に導いた医師と弁護士が殺され、その殺人犯は誰?という事になります。


そのとき、殺人犯を無罪に仕組んだのなら、そういうことがあっても仕方がない……かのような
気持ちにもなります……
通り魔・波多野に殺された被害者の姿をみたら、そう思いたくもなります……


けれど
だからと言って、誰かが、誰かに代わって殺人をしていいことはありません。
倉石が、医師・弁護士殺しの犯人に、迫っていきます。


それとは、別に、過去の冤罪事件も、加わります。
犯罪そのものも憎むべきことですが、冤罪も、許しがたいことです。


恨み哀しみ怒りが、作品を、渦巻いていきます。
どうなるんだろう、と思いつつ、気も重いです。


さらに、倉石の具合が悪そうなんです……
体調の悪さを放っておいて無理したら、自分が、臨場になってしまうよ……と心配しながら見ていました。


事件・遺体・死・命……etc.を通して
生き残った者は、どう生きたらいいのか?
今ある命を、どう使えばいいのか?
そのようなことが、観客にも、問われているようです。




・゜☆・゜・ 。 ・゜・☆。・゜。・。。・


余談ですが……

≪個人的には、心神喪失を理由に罰しない、というのは納得できない立場です。
責任を負わせられないというなら、誰が、人命を奪った責任を負うべきなのでしょうか?
誰にも責任がない、というのはどうなのでしょう??

何をしても死者は生還しないとしても、だから、何もしなくていいわけではないように
生還させられなくても、遺族の納得がいくような、なにかしらの責任の取り方はあってほしいと思うのです。

心神喪失で無責任能力なら、
社会復帰が、いわゆる“野放し“ではなくて、しっかりとした責任の下で、行われてほしいです。≫



・゜☆・゜・ 。 ・゜・☆。・゜。・。。・


犯人は誰なのか?目的は?
心神喪失犯はどうなるのか?
ということもですが



『臨場』は、その後、どうなるのか!??
……………………………………ならないのか?………orz






テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『知りすぎていた男』★知り過ぎていても♪ケ・セラ・セラ


1956年の作品。原題:The Man Who Knew Too Much
あらすじです。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD4167/story.html




(ネタバレでもない雑感です)

ヒッチコック監督没後30年記念で、鑑賞しました。
知りすぎていた、というタイトルに、まず、惹かれます(笑)。
何かを知ってしまったために、何かが起こった…。
家族で外国旅行中の男性医師が、たまたまそれを知ってしまったがために、
息子が誘拐されて脅迫される、という迷惑な出来事を扱ったサスペンスでした。


知る、ということで面白かったのは、妻が指摘したことです。
まず、医師は、自分が何かを知る前に、他人に自分のことを知られる、というコトなんです。
他愛のない世間話で、彼は職業、居所、旅行先etc.が知られてしまうのに
自分は、話した相手の何もわからない、と言う状況です。
これは、油断しますね…。(汗)お口にチャックですね…。


それが、あることをキッカケに、一転!
よくわからないまま、あることを知らされてしまう、という“謎”に入っていきます。

主演のJ・スチュアートが、地道かつ大胆に、事件を処理していく雰囲気も好きですが、
他にも見どころがあります。


オーケストラのシーンは、多人数で、華やかななかに緊迫感があります。
シンバルをチラチラ見せられるたびに、ドキドキします。
他の作品(名探偵コナンetc.)でも似たようなシーンを見ましたが、
この作品へのオマージュなのでしょうか。


そして、不安要素とは正反対なまでの、妻役ドリス・デイが歌う『ケ・セラ・セラ』
♪成るように成る~、という大らかな歌詞に、ドリスの張りのある美声☆
マンガチックに描けば、ドリスの一声

♪ケェ~~~~~

の突き抜けた声を真ん中に、脅迫者やその他諸々みんな、吹っ飛んでしまいそうな迫力です。
憂鬱感を払拭する、この歌が、
誘拐された息子と自分(母)をつなぐ、希望のメロディになります。


作品の全体の雰囲気は、この明るい歌でもって、
しょっぱい醤油せんべい(サスペンス)に、粒粒した甘いざらめ(歌)が付いた感じです。


「知りすぎた男」
知らなくていいことは、知らなくていい。
知ってどうなるものでもなければ、知らないほうがいい。
ケ・セラ・セラ~どうにでもなるということは
きっと、良いほうへ向かう!(←前向き☆)


後味は良くて、楽しめるサスペンスでした。






テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『遥かなる山の呼び声』★純愛を抱きしめて泣く……雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/8381/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。

あらすじ①
あらすじ②



映画『プレイ―獲物―』を観ました。脱獄犯とはいえ、憎めない主役でした。そういえば
刑務所に入る前でも出た後でも、憎めない、味のある役というと、高倉健さんだなあ~と思い浮かびました。

映画『遥かなる山の呼び声』は、説明するまでもない名作ですが、雑感を。

舞台は北海道。
・わけあり逃亡犯・田島=高倉健
・酪農家の未亡人・民子=倍賞千恵子

絵になるこの2人の二人芝居だけで、もう、伝えたいことがジャストミートに来るだろう、という期待そのままです。

“”民子が、風来坊の田島を雇う形で、物置に住みこませ、生活を共にするうちに、情が移った“”
あらすじは、それだけかもしれませんが、
ここで、描かれる大人の純愛は、必見です!


未亡人で、女手ひとつで、酪農をして、息子を育てている民子。

私が、民子の年齢を越えた頃合いだから、よけい、そう思うのかもしれませんが
民子が、秘かに感じていた“寂しさ”が、作品の大きな土台なのだと思います。

どこの誰ともわからない田島に警戒しながらも、民子は田島を頼り、息子は慕うようになっていきます。
日々の生活と、北海道の風景の描写の中に、民子の心が、重ねられていきます。

しかし、穏やかな日々は続かず
警察の捜査の手が近づいたのを知った田島は、 民子に別れを告げることになりますが
そのシーンの“一瞬”に、涙腺がゆるみました。


それは、しばらく居てくれると言った田島が、急に去ることになったことを
それまで黙って聞いていた民子が
「私、寂しい!」と、田島に抱きついたときでした。

波がざわ立つように、私の心も、ざわめきました。

この、「私、寂しい!」の一言が、民子の全てに見えたから……

“寂しい”気持ちは、誰もが知っている気持ちなのに、
本当に、その人個人の寂しさを知ることは、むずかしいものだと思います。
だからこそ、受け止めてほしい。

この民子という女性が、今まで、自分の孤独の中に押し込めてきた“寂しさ”を、
そのとき、溢れさせた勢いは、すなわち
いつしか、芽生え、閉じ込めてきた、田島への思慕に、他ならないものだから…

民子がしがみついたのは、田島の腕だけでなく、彼への純愛を抱きしめたのだと思います。

このような切ない寂しさを、秘めながら、日常を生きている女たちは
他にも、たくさん、いるのだと思います。

田島=健さんのような人がいたら、私も、民子になっていると思います…………(涙、涙、涙……)


そうして
ラストシーンも、いい涙を誘ってくれます。

ハナ肇さんがイイ☆
↑ハナさんは、メイワク男として登場しながら、“イイ人”になってくれた、イイおじさんです。(*^_^*)
(おばさんになった私は、このようなおじさんも、好きだ……と思う。)

遥かに望む山々は、きっと、二人の幸せを呼んでいるのだろうと思える余韻も……

~~『遥かなる山の呼び声』~~と言うタイトル。
それまでは、映画『シェーン』のテーマを、真っ先に挙げたかもしれませんが
ここからは、この名画が、先に思い浮かぶようになったのではないかと思います。












テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

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