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映画『ノーバディ-ズ・フール』★「あなたの人生は間違いだらけね」~雑感です。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/8243/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p10895/story.html
↑あらすじ


内容は、あらすじ通りです。


ポール・ニューマンが、60歳の今は独身の土木作業員を演じます。

このような作品は……と言うと、わかったふうな言い方になりそうでナンですが
今までの人生の結果であるところの、とある日々の切り取りです。

ですので、いかにも用意された、ものすごいスリルとサスペンスがあるわけではありませんが
それなりに、起伏のある生活を見せてくれます。
(案外、日常生活の延長も、ハラハラドキドキですよね?)

仕事上のイザコザがあったり、
気になる人がいたり
頼ったり、頼られたり
盗んだり、盗まれたり……
(↑この、除雪機の一件は、好き☆ 盗むでなく、お借りする、だったか……^^;)

個人的には、幸せそうに見えても、そうでもなかったり
人は、一人一人、結局は、孤独な存在なんだな……orz
と思うことが、日常にあるとしたら、
ここにも、その縮図があるかな~と思える“共感”もあります。

が、たとえ、一人であっても、なんだかんだで、絡み合って
それが、ちょっと面倒な関係であっても
本当に本当の“独り”ということは、ないんだろうな……と思わせてくれるのが
嬉しい。
それも、わざとらしくでなく^^;


いいセリフがありました。

ポール・ニューマン演ずる主人公サリーの 恩師であり、下宿の女主人が
サリーに言う。

「あなたは私の万馬券」

褒められてるんだか、けなされているんだか、という感じですが^^;
温かいですよね。
あんまり当てにはしないのが本年だけど、見捨ててはいないよ、と。

そして、サリーが、守りたいと思った人妻のセリフ☆
このセリフとシーンが好きです!

「あなたの人生は間違いだらけね」

敢えて、“間違い”を生きているようなサリーへの敬愛なのです。
要領よく生きるほうがいいに決まっているけれど
要領が、すべてではありませんからね。
割り切れないものを抱えて生きている人のほうが、よほど、素晴らしいと思える……

だから

「あなたは男の中の男ね」となる………………..

けれど、歯の浮くようなシーンにはならない。
前のシーンで言ったからこそ、次のシーンに、切なく生きてくるのがイイ☆

そうして、男女の関係も、簡単なようで簡単ではない……….
それでも…….
明日もなんとか生きて行けそうな、いい余韻が残ります。

詳細は、忘れてしまいましたが^^;
ポール・ニューマンの人生の味わい・旨味?が生かされた作品でした。


フィリップ・シーモア・ホフマンが、若い警官を演じているのも
初々しいんだか、すでに 貫録あるんだか……^^;







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テーマ : 洋画
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映画『アイ・アム・レジェンド』★ネビルの涙。人間として…

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/19336/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


以下ヤフーレビューの転記です。(ネタバレです)


がん治療のために開発されたウイルスに感染すると、
結局は死ぬか、生き残っても、凶暴になってしまった世界に、
免疫を持った男ネビル(士官であり、科学者)=ウイルが、生き残った。

前半は、普通の人間がいなくなった荒涼とした都会で、
凶暴になった人間たちを相手に戦うシーンを、主としてみれば、
”破壊的なサバイバル”ゲームばかりを見てしまいそうだが、
食べるために畑をつくったり、
愛犬だけでなく、マネキンを人に見立てて話しかけたり、と
人間らしく生きる、という”生産的なサバイバル”を、
垣間見せていたのは良かったと思う。

しかし、
中盤までは、”凶暴化した人”を撃ちまくるシーンが、全面に出すぎていたようで、
このまま、ゲームのように進んでしまうのか、と思ったのだが、
彼らを、敵として闘ったあと、クライマックス的に、
ネビルが涙を浮かべたシーンに、思うところあったので
評価を上げたい。

ネビルが、研究していた過程で、
凶暴性の治療手段を見つけたとき、
ネビルの目には、たとえ襲い掛かってきた連中であっても、
彼らは、”化け物”でなく、”病にかかった人間”に見えたはずなのだ。
その前から、研究していたのだから、敵としてみていた”化け物”たちを
治そうと思う気持ちはあったと思う。

しかし、私の憶測だが、研究していたときの彼の対象は、
あくまでもウイルスという微生物であって、直接的には、
”ウイルスに感染した人間”と言う意識では、なかったかもしれない。
(結果的には、人を治すとしても、意識として)
だから、襲い掛かってきた彼らを”化け物”として退治することは、
やむを得ないこととはいえ、ラストの彼ほど、心は痛まなかったかもしれない。

しかし、
目の前に、治療薬があるとわかった彼は、襲ってくる”化け物”に叫んだ。
「君たちは、治るんだ!!」
彼の目には、彼らは、もはや”化け物”でなく
”ウイルスに侵され、治療を待つ人間たち”に、見えたはずなのだ。
だから、かまわずに襲ってくる彼らに、必死で説明したのだ、”人間”として.....。
けれど、それが、かなわなかった時、
彼は、涙を浮かべたのだ。

ここは、音を消し、
ネビルの心情に迫った、いいシーンだと思う。

凶暴すぎて、治療に協力できない=治せない、という無力感や絶望感に、
ただ、浸っているわけにはいかない彼は、
究極の”病原体駆除”を、選択した。
別に、生き残っていた母子に、血清を託して。
”化け物”の命を奪うことは、今までやってきたことだとしても、、
このときの彼には、”化け物”は、”病気を治せなかった人間”であり、
罪の意識を、強く感じたと思う。
責任を果たせなかった、と言う想いが
彼が死に向かうことを止めなかったのだ、と思う。

生きるとは、
生き残るとは、
生き残ったものの責任とは、と
見せるべきテーマは、考えさせるもので、良かったと思うが、
”化け物”のインパクトが強かったせいか、
心情が、薄くなったしまった感がある。
ウイル=ネビルの涙のシーンが、思いのほか、印象的であっただけに
惜しかったと思った。



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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『マーダーボール』★自分の人生を生きる…前を見据えて

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映画レビュー(ネタバレ表示)です。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id325393/rid27/p1/s2/c1/



作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/16199/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


その激しさから“マーダーボール”と呼ばれる、車いすラグビーのドキュメンタリーです。

スポーツの面だけでなく、障がいを抱えるプライバシ―にも触れています。

けれど、
彼らを観るとき、気持ちも体も前に前に進もうとしている、スポーツマンを観ているんだ!
という気持ちで、十分なのです。






テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『地下鉄(メトロ)に乗って』★ずっと地下深い愛の底まで.......雑感です

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/16115/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。




観る前は、父と確執のあった息子が、メトロに乗ってレトロに行って(シャレ?)
若い頃の父を知ることで、和解する物語かと思っていましたが
意外な方向に 連れていかれました!(>_<)


父と息子の話は、むしろ、レールで
その上を走っていたのは、問題提議ののような、もっと大きな“人現愛”……
しかも、すんなりでなく、あのような形で……orz

ビックリでありました。



(内容に若干ふれての雑感です)


途中、ドストエフスキーの『罪と罰』に触れるので、
その“”人間愛“”の部分を、暗示して、かすりたかったのかな…と思いつつも
そう簡単に、罪とか罰と言っては軽いしな……と言う気持ちもあり……
むしろ始めは、父と息子(と愛人)という人物構成から、ドストエフスキーなら
『カラマーゾフの兄弟』に近いのかな……と思いました。

ともあれ、スゴイところに行っちゃったな……と、愕然……



若い次男が、ワンマンで愛人もいる父に反発する様子を見せたのに
月日の経った次男が、愛人とくつろぐ姿に、まず、肩透かしを食らいました。


なんだ……父親と同じじゃないか……
やはり、血は争えないナ……などと、思わせるのです。


そして、ある日、次男は
昔、兄である長男が事故死した日に、メトロで、運ばれてしまうのです。
ここでは、事故死を無かったことに出来るんじゃないか、との希望を持たせます。


さらに、父が、まだ子供を持つ前の時間に、次男は、やってきます。


自分の知らなかった父の苦労を観ることで、父への理解が
感動的に生まれるのではないか、との期待を持たせます。


けれど、このレトロの時間にやってくるのが、次男だけでなく
彼の愛人も、なのでした。
妻でなく、愛人のほうなのです。
なぜ????
それだけ、次男と愛人の結びつきが強いのか??
それは、倫理的に、けしからんと思ってしまうのですが……


その答えは、しっかりありました。
しかも、“結びつき”が、強かったからにほかなりません……(>_<)


むしろ、愛人が、ついでに、次男とレトロに来たのではなく
それが、作品の本筋だった……
『カラマーゾフの兄弟』ではなく、『罪と罰』のほうだった……


そもそも、愛人がいるなんてのが許せないし
しかも、一緒に、レトロにまで行ってしまうのも許せないヮ……
という感想のあることは、承知しております。^^;


でも、許す許せないで、この男女関係を見終えてしまうと
もったいないのです。


非合法で理不尽で、悪いコトだとわかっていても
人を愛してしまうことは、良い悪いのではないのです……
(注:不倫を許容しているわけではありません)


愛する人を、自分が幸せにしたいけれど、それが出来なければ
せめて、幸せであることを、願い、祈ります。
心安らかで居てほしい……


今、あなたと、レトロへの旅が出来て、
オムライスの話も聞いてくれて、私は、もう、充分に、生きた意味があった……
と思うならば


次の瞬間、自分が、あなたの腕の中で、存在が消えてしまったとしても
悔いはないと思えるほどの愛情を、最後の希望にしたのなら
それを 罰とも犠牲とも、呼びたくない…………


それは、とても、儚くも美しい耽美な愛ではありますが


現実的には
どんな生まれ方をしても、自分が、この世に生まれてきたことに
いささかも、迷う必要などなく、どんな境遇でも、きっと
救いの愛はあるものだ、と思うようにしています。



けれど……
何にも代えがたい愛、諦められない愛というのもありますよね……


メトロに乗って、ずっと地下深い、愛の底を観た気がしました。







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ジャンル : 映画

映画『るろうに剣心』★剣心のスピード感あるチャンバラは良かった☆

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映画レビュー(ネタバレ表示なし)です。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id341516/rid90/p1/s0/c1/



作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/157127/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



原作未読なので、詳しいことはわかりませんが
時代劇を観たくてみました。

チャンバラは、スピード感、迫力あり、何度もあり、
思っていたよりも、良かったと思います。

また、あのチャンバラ、観たいです☆









テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『コンペティション』★自分より優位な人とは付き合いにくいもの?~雑感です。




作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/807643/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



ピアノコンクールが舞台です。


最終選考に残った6人のうち
顔見知りの ポールとハイディの関係を見せます。


ピアノコンクールだけあって、演奏の見せ場もあります。
特に、ハイディのプロコフィエフは、盛り上がります。♪


ポールとハイディは、優勝を争うライバル同士ですが
多分、お互いの才能への敬慕ということもあってか
お互いに、惹かれます。


そんな二人に、
男女の愛も含む、他人への競争心について、思う所あったので、内容にふれて、雑感です。

~~~


ポールは、自分が優勝するという前提で
ハイディには、勝ち負けにこだわらず、これからも二人で仲よくやっていきたいようなことを言います。
ハイディも、どちらが優勝しても、そうしたいと思います。


けれど、ハイディが、会心の演奏を披露し、優勝すると
ポールは、面白くないわけです……


「勝ち負けにこだわらずって、ポールが言ったのよね」
と優勝したハイディが言っても、ポールのプライドは、それを受け入れられません。


愛し合ったはずの恋人同士でさえ、そうなのだとしたら
私たちの周りの人間関係も、そういうものなのでしょうか……orz


自分にとって、下の立場の人なら 付き合いやすくて
自分より上だと思う人は、敬遠ですか???(そうなのかもしれませんが…orz)


実際、何かとコンペティション(競争)が求められ、それで評価されていく世間では
勝ち負けにこだわりたくなくても、引きずり出されてしまいますよね……


敬愛という言葉がありますが
ポールは、確かにハイディの演奏を評価していたし
ハイディは、優勝したことを、ポールが自分のことのように喜んでくれたと思いました。
でも、甘かったです……


ポールとて、自分よりは下にいると思うから、ハイディを 応援してあげていたわけで
追い抜いて行った者には、敬意は示しても、もう、敬愛ではないのか……orz


このポールは、ラジー賞をとってしまいましたが^^;
このような、心の小ささが、授賞理由なのではないかと思ってしまいますね……^^;


自分より上にいる人への悔しさ、嫉妬……それを言っちゃあ…(^_^;)
それだったら、自分より下だと思う人としか、付き合わないということ?
バカにしてますよね……(^_^;)
実際、そうしている人もいるとは思いますが……(汗)


確かに、尊敬・憧憬・羨望・嫉妬・やっかみ……は、そこらじゅうに あります(汗)
人間だから 仕方ありません……orz
このピアノコンテストの映画も、そのような人間の姿があるから、成り立つのでしょう。


けれど、素晴らしい演奏も 聞かせどころのこの作品で
素晴らしい演奏をした主人公ポールを、
嫉妬にかられて、“ご立派なあなたとは付き合えませんから、ピシャ!”という
小さな器の人間のままで終わらせては、ダメなので……


さりげなく、いいエンディングにしてくれています。(*^_^*)



ちなみに.演奏曲
   ポール:ベートーベンのピアノ協奏曲5番変ホ長調皇帝
     ハイディ:プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番ハ長調←かなりの見せ所!




 



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ロッキー・ザ・ファイナル』★リング上のロッキーに涙出ました~雑感です。


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/17129/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。




(5年も経ってますので、ネタバレ雑感です)


‘76年に1作目が公開され、’90年までに全5作が作られた『ロッキー』シリーズ。


1作目は、サクセスストーリーの醍醐味を味わいました。
ロッキーを演じたスタローンも、私も、若かった。
まだまだ、人生の急な階段を駆け上れる体力があった。何よりも気力があった。


もし、『ロッキー』を観たのが、今の自分の年齢だったなら、
あのサクセスストーリーを、もっと冷めた目で観ていたかもしれません。


そんな若い人たちが、ロッキーと一緒に年をとりながら、
共感して楽しんで、でも、いつかは、ともに枯れていくことも、実感してしまうのです……


『ロッキー』シリーズは、4作までしか 観ていませんでした。


お気レビ様のレビューから 感動を楽しみにしていた『ロッキー・ザ・ファイナル』も
ついには、劇場で見損なったのは、観たらもうこれで終わってしまう、と言う寂しさから
“美味しいお菓子を食べずにとっておきたい気持ち”に似ていました。


引退したロッキーが、チャンピオンと対戦すると言う。
(タイトルマッチでなく、エキシビションで。)


私が、今更、言わなくても観た方は、もうわかっていることだと思いますが
敢えて、言わせてくださいませ!!!!
かつ
公開当時から5年経って観て思うのは、もし、あのとき観ていたら、
今より、感激の度合いが少し弱かったかもしれません。
5年であっても、自分の体調の変化は、年々、悲壮感が増してくるからです。





その前に、『ロッキー5』も観ました。

これは、引退したロッキーが、若手を育てるのですが、感情の行き違いがあり
ついには、その若手と勝負することになるのですが
何分、リング上ではないのです……路上での殴り合い…orz
ロッキーは、勝つには勝つのですが、場外乱闘で勝って、これでロッキーシリーズを
締めくくっては イカンのではないか????
エンドロールに、回想シーンを流しても、言い訳にしか見えない……orz
……やはり、イカンと思ったのでしょうね……





それで、この『ロッキー・ザ・ファイナル』。

ロッキーを、リングに 上げなきゃいけません。

現役を引退したロッキーは、1からのやり直し=『ロッキー』に通じるところがあって
再び、チャレンジ精神をバーストさせる姿が、痛々しくも((>_<))、
枯れ木の自分にも、ヤケボックイに火が着くような熱を 感じさせます。

そして、試合。
ここで、チャンピオンを倒して勝って欲しい気持ちはありますが
世の中が甘くないことを知り過ぎた世代が、観ているのでしょうし
ここでは、サクセスストーリーを、観たいわけではないのですよね。

かといって、リングを死に場所にする、という悲壮感でも困る。

………………….で、このストーリー運び………………….
ああ、皆様は、この感動を5年若く、経験されていたのですね!!!!!!!!!!!!!!!!..




☆☆ロッキーは最終ラウンドまで、リングの上にいられた☆☆




↑私は、これで、涙がでました。今でも、出そう…….

私も、今すぐ死ぬわけではないけれど、いつかは、誰でも死ぬことを思うと
自分が、そこで、人生を燃やした場所に、どれだけ、踏ん張って、長く居られるのだろうかとと思ってみた。

『ロッキー』を観た当時の自分が、この『ファイナル』を観ても、ピンと来なかったかもしれません。

やはり、『ロッキー5』では、終われないよ。^^;
ロッキーを リングに返してくれてありがとう!!!

……………………オーバーかもしれないけど、私も、成仏できそうな気がしましたよ。












テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『桐島、部活やめるってよ』★叫びながら8㎜を回す前田に震えた!

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映画レビューです(ネタバレ表示)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id342041/rid125/p1/s0/c1/


作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158438/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


夏休み前に、部活を辞めてきた息子と鑑賞しました。
そんなことがあったので、この作品のタイトルが気になっていましたが
アパートに戻る前の息子の希望で 観ました。

桐島くんのことはともかく、地味に見えた前田(=神木隆之介さん)の
エネルギーをじわじわ感じた末の、ラストシーンは、良かったと思います。

なかなか良かった☆と思ったので
雑感ですが、ヤフーレビューにも出してみました。





テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『マリー・アントワネット』(2006)★ベルサイユまでの光あるマリー

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映画レビュー(ネタバレ表示)です。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id325318/rid151/p1/s2/c6/



作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/15769/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



監督 ソフィア・コッポラ
主演 キルスティン・ダンスト
というのが、特徴の1つなのでしょう。


宝塚歌劇の「王妃様~」とフェルゼン伯爵が絶叫するなか
断頭台に上がるまでもなく
王一家が、栄光とともに、ベルサイユを離れるところで、終わります。

華やかなりし、光あるマリーだけを見せてくれます。

歴史絵巻というより、宮廷絵巻というか、お姫様ゴッコ気分を味わえる部分だけを
切り取ったスタイルも、エンタメとしては、アリなんだと思います。





テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ジェイン・オースティンの読書会』★バーナデットの顔のしわに刻まれた秘かな想い~雑感です。


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/20852/↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD12479/story.html
↑あらすじ



ジェイン・オースティンは、
映画では 『プライドと偏見』『いつか晴れた日に』(←「分別と多感」)『エマ』…etc.の原作者です。
18~19世紀にかけてのイギリスの中流家庭の女性を描いていますが
現代にも、女性の感性に響くところの多い作家と思います。

そんなジェインの6作品についての読書会を、女子5人と男子1人で、行います。

そこで、男子1人が入った理由は、
夫に離婚された友人に紹介したいと思った、『エマ』のような友人がいたから。

と言うように
ところどころ、ジェイン作品の内容を忍ばせながら
彼女たちの現状の問題を明らかにしながら、その後の活路が開けていくという
前向きな作品です。
(ジェイン作品に通じていなくても、彼女たちの現状で、十分、魅せてくれます)

一人一人の実情も、目が離せない面白さなのですが
ラストシーンには、自分の考え方を改めさせられるような意表を、私は、突かれました!
かつ、それは、とても素晴らしい展開の結末に思えました。


(内容にふれて雑感です)

それは、年長者のバーナデットでした。(配役:キャシー・ベイカー)

彼女は、結婚歴6回の独身女性で、海千山千ともいえる、女性のベテランでした。

これは、私の思い込み以外の何モノでもないことなのですが
このように経験豊富で、皆をまとめるタイプの年長者は、
もう、物事を見る目も俯瞰的で、達観しているんだろうな~と思っていました。

たとえば、人生で、何かを追い求めるレースがあるとしても
もう、スタートラインに立つことはなく、審判や応援の立場になっているような。

仕事に、恋に、家庭生活、親子関係……etc.
他の若い女性たちが、悩みを抱えていても、自分は、もう、その火中にはいなくて
冷静に純粋に、その悩める人たちの幸せを願い、アドバイスする立場のような…

読書会やおしゃべりの最中も、編み物など手仕事をしていて
マイペースに自分の人生を、“編んで”いたような バーナデット。

離婚したばかりの アノ彼女の復縁も
母親とも夫とも いい関係がむずかしい アノ彼女のことも
愛犬を亡くした独身の アノ彼女のことも
同性愛の恋人と別れた、アノ彼女のことも……

「ジェイン・オ-スティンは人生の 最高の解毒剤」と言う、バーナデット自身が、
みんなの“解毒剤”というより“清涼剤”になっていたようで
彼女自身のことは、ストーリーの上ではあまり触れられてもいません。

だから、神様のような存在にも 見えていたのだけれど……

バーナデットの顔のしわに刻まれていたかもしれない秘かな想いを
私は 見逃しはしませんですよ ^^;

口に出さなくても、顔に表さなくても
年齢に関係なく、解決したい悩みや、抜け出したいトンネルはあるものだと………

だから、ラストシーンで、バーナデットが、新しいパートナーを皆に披露したときに
ああ、そうだったんだ……と思いました。

結婚歴が何度あっても、恋愛には 懲りたと思っても^^;
一人の生活に慣れても、孤独に慣れたとは限らない……

人生や孤独や恋人や年齢に 達観なんてないんだなと
当然と言えば、当然のことを 
なんだか勇気をもって、見せられた想いがしました。

彼女が、読書会メンバーたちの人生の途中経過の喜怒哀楽を 
達観でなく 総括したようでした。

ストーリーのメインは、マリア・ベロと彼女が見つけてきた男性だったかもしれませんが
最後に来て、バーナデットを演じたキャシー・ベイカーが主演となっている意味が 
よくわかりました。
良くできた構成だと思います。


ちなみにジェイン・オースティン自身を扱った映画です。
『ジェイン・オースティン 秘められた恋』
http://blogs.yahoo.co.jp/yutake2415/38448172.html(←手前ミソ、キョウシュクです^^;))









テーマ : 洋画
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映画『アベンジャーズ』★チームが一丸となってコトにあたるのを観るのは気持ちも良い(^_-)-☆

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/156983/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』
『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ:ザ・ファースト・アベンジャー』

や~~~~っと、『アベンジャーズ』です!!!\(^o^)/

『アイアンマン』のエンディングで、サミュエル・L・ジャクソンが
「アベンジャーズへようこそ」と言ったときから
“”アベンジャーズ“”って、何?と思っていました。

そして、『アイアンマン2』で、美女ブラックウィドウが登場し
エンディングには、
『マイティ・ソー』のハンマーが刺さったクレーターを映していました。

(射手“ホークアイ”は、『マイティ・ソー』では、ソーを狙っていた!?)


70年の眠りから覚めた『キャプテン・アメリカ』には、
アイアンマンの父スターク氏が、関わっていたし
『インクレディブル・ハルク』は。
『キャプテン・アメリカ』誕生のスーパーソルジャー計画につながっていました。


なんやかんやと、つながっていたアベンジャーズ。


地球を悪から守るべく 結束したアベンジャーズの今回の敵は、
『マイティ・ソー』の弟:ロキです。
兄弟の確執のあるソーとロキの泥仕合を、
地球に持ちこんだのですね……


“ヒーロー部隊vs悪者”なので、これだけ見ても、
迫力あるスゴイものを見せてくれるし
チームが一丸となってコトにあたるのを観るのは、気持ちも良く
初めての方でも、それなりに 楽しめると思います。


でも、前述のように、
作品1つ1つ1を、背負ってきたヒーローたちなので、あらかじめ観ていたほうが、
そのヒーローがたどってきた道筋や、背負ってきたものがわかるので
親近感や、シンパシーを感じながら、
これはあの時のソレだ~と、マニアックに楽しめるでしょう、


そんなヒーロー大集合でも、トントン拍子でもなく
敵の思うつぼよろしく、言い合ったり、感情の行き違いもあります。
そこで、
それぞれが主張することで、それぞれの立場や個性が、再認識できるようです。


インパクト大は、ハルク。
怒りで制御不能になってしまうと、味方も何もかも、暴れて壊しまくってしまうので
そこで、ひと手間かかるのも、見せ場です。
ハルクも大変ですね。悪気はないのですけどね……。

キ ャプテンのコスチューム。
実は、アメリカの国威発揚とはいえ、あか抜けない感じがしていました。
キャプテン自身も、「古臭くないか」と懸念します。けれど、
「こんな危機的な状況でこそ、古き良きものが、よりどころになる」
というセリフがあって
なるほどな~と思いました。

アイアンマン。
彼の 余裕のジョークキャラも 好きなのですが、
今回は、セレブの余裕というより、どこか達観したような余裕というか
ジョークにも、人間の大きさのようなものを、なぜか感じました。
何と言っても、ラストは大仕事をしました!!!!心配しました!!!(>_<)

ブラック・ウィドウも、ホークアイも、
それぞれ、見せ場があって良かったです。

特に、サミュエル・L・ジャクソン!(シールドの長官・フューリー)
待ってました!出番を!


大多数のためには、
少数が、犠牲にならざる得ないこともあるのかもしれませんが
上層部の判断が早すぎると、一般市民はたまりません。
シールドの長官・フューリーが、
上の命令を無視して“最善”を選択しようとする姿勢は
さりげなかったけど、良かった☆

ヒーローアクションエンタメものは、
人間ドラマが深すぎると、ともすると
エンタメ性が下がってしまう恐れも あるようですが
『アベンジャーズ』は、人間ドラマを、
それぞれがすでに作品で見せてきた経過があるということもあり
そこそこ 丁度良いのだと思います。


非日常的な時間を楽しむには、いい作品だと思います。
アクション映像なら、やはり、劇場の3Dが最高☆


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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『プロメテウス』★前日譚だろうと“命の賛美”かな~と思えてきました。

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/158033/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



「プロメテウス」とは、(人間の)想像主の意ですが
これは 『エイリアン』の前日譚なのだそうです。


『エイリアン』は、宇宙の化け物に 命を奪われる怖さだけでなく
女性への命の植えつけと彼女の応戦を通じて、人間の生命力を より強く感じた
かつ エンタメ性の高い スゴイSFでした。
(そこにも、生命の哲学はあったとしても、怖さの想い出ばかりです)


『エイリアン』のプロメテウスとも言うべき スコット監督作品なのに
あえて 『エイリアン ビギニング』 と銘打たなかったのは 
あれから、30年経って 監督自身も70歳を過ぎて
命とか寿命という視点で、(哲学的に?) 扱いたかったのかな~とも思えました。


というのは、冒頭のシーンで
広大な岩地、草原、壮大な大滝、澄んだ空気、風…… (←テレンス・マリックのような?)


命の息吹を感じさせながら、“異人”が、犠牲的な自殺行為?を見せるのは
生と死は、同時に存在しうるものであるような…(←詳細不明です)


何が 起こるのか?
トラブルにはハラハラし、エグいシーンもあり、エンタメプラス+ながら
エンタメとしては、そんなもんかなあ…と思いつつ


十字架に象徴される、宗教感(キリスト教絶対でもなく)や
招かれてもいないのに “招待状”と解釈する 友好的な性格(お人よし?)
DNAの話なども
話のタネに なりそうですが


特に 印象的だったのは “生きること.・命” についてでした。



▼▼▼内容にふれます


1つは アンドロイドのデビッド。


神は、自分に似せて人間を作ったと言いますが
デビッドは、人間に似せて作られました。
創造主と人間との関係の縮図です。


「作れたから作ったと言われたら傷つく」と言った デビッドの言葉には
自分が 生を受けたことの 確かな意味を求めたい人間の心が
暗示されるようです。


なぜ生きるのか?生かされているのか?
それは『エイリアン』のときからの 監督の宿題なのでしょうか?


そして、感情がないはずのデビッドが、恐らく感情(嫉妬?)から起こした
チョッとしたことで、人間の運命が 変わっていくなら
そして、
デビッドが、不気味なスゴイ状態になりながらも、人間を救おうとしたのなら
人の生死は、誰が 握っていると言えるでしょう……>>


ちなみに、デビッドは お気に入り映画の『アラビアのロレンス』のロレンスにそっくり!^^;


もう1つは 老社長の不死願望。


老社長が、人の創造主を 捜し当てたかったのは
“始まり”を操れれば、“終わり”も操れると思ったから。
つまり、“不死”を 得たかった。


ゴメンナサイ。
ここで、違和感を感じたのは、私だけではないでしょう……。(多分、シャーリズ・セロンも)


かなりの高齢者でも、“延命第一”という建前がありますが
ソレ以上、生き続けようとするムリは、命の摂理に 反するのではないかと思ってしまう…
(ガイ・ピアース?誰かわからないほどの特殊メイクです (>_<))


命は 始まるだけでなく、終わりもあることなのだと
若いとき、元気なときは 忘れている……


かといって、
命の始まりを もたらしたものが 終わらせていいものでもない。



▼▼▼


……と、しみじみ思うのも つかの間!
とにかく どうにか 生き延びてくれ!!と 祈るような気持ちで エンディングを観ました。


「命の始まりを知ろうとすると 命の終わりに近づく」とは(チラシより)
とんだ“招待状”だけれど^^;


不死であることより 終わりある命を
懸命に生きることへの賛美を “エイリアン”の監督は 見せたかった気がしてきました。





人類の起源はともかく、ラストシーンでは
おおお!!と 中年男性たちが、歓喜の拍手をしておりました。


やはり、ソレが 観たかったのね…(^_^;)


ちなみに
『エイリアン』のコピーでは
In Space, No One Can Hear You Scream.(宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない)」


『プロメテウス』では
The search for our beginning could lead to our  end
In space something can hear you scream


エイリアンが居ても居なくても、“something“のその後を 知りたくなります。


続編はできれば、もっと ストレートのエンタメ度アップでお願いします




 











テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『軽蔑』★ゴダールが”軽蔑”として魅せたこと~雑感です。

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1963年の作品。




主演:ブリジット・バルドー

                          
 あらすじ(結末あり)↓ http://movie.goo.ne.jp/movies/p13429/story.html

(以下、ネタバレでもないと思いますが……)


映画『オデュッセイア』~神々の物語~

の製作にまつわる話として描かれていて
ゴダール監督の私的な想いと、映画人としての想いも 劇中に込めたそうですが

夫:ポール
妻:カミーユ

二人の“行動”と“会話”と“胸中”に

ひとごととは思えない“嬉しさ”を、感じたと言って良いでしょうか。

あらすじでは、うかがい知れない機微を、堪能しました。



例えば、これもそう。小町チャンのこと。
http://blogs.yahoo.co.jp/yutake2415/36242062.html

全然良くないのに、良かったじゃないか……はあんまり><



作品では、二人はイイ会話をします。


言葉の綾が、どこかに引っかかってくれるのを 期待しているのかもしれないけど
発せられた言葉の糸は、絡まないで、ただ、パーッと、出て消えていくだけ。
 
 
会話は、理解を求めてされるものだと思っていたこともあったけれど、
話せば話すほど、理解が遠のくもの  でもあります。


映画『カンバセーションズ』の男女の会話も、
劇中の二人が、お互いをさぐるように話していました。


二人が、それぞれ、どう受け止めたんだろう、ということを感じるのももちろん
鑑賞者も、老若男女の違いで、まるっきり違う受け止め方をする ことも
知ることができた 興味ある作品でした。


わからないって、こわいね……。


何でわからないのーッ!!ガツーンと、一発殴ってわかるんなら、殴るよ(笑)。


「どうして、君は、怒ってるんだ!?」


夫(男性)に、それを説明しても、きっと「何で?」と、
余計に理解が遠ざかる気がします…。
言われなきゃわからない、という方には、
言っても ピンと来ないと思うのです……(ゴメン…)


そんな二人を 埋める音楽が良かったです♪
何度も繰り返されますが、言葉以上に、人の気持ちのうねりを代弁してくれて
私の心まで、その波動が伝わってくるようでした。
ああ、カミーユ、私、わかるよ~わかるわかるって…。


あなたに愛してほしいのに
あなたは、そうして欲しいように 愛してくれない
じれったくて イライラする 
情けなくて 腹が立ってくる 
怒っているのは、愛しているからなのに……etc.


でも、少しずつ引き伸ばされたゴムは、いつか伸び切ってしまうし
糸は、切れる……。


カミーユの結末は、劇的にドラマチックな終止符を打つことになります。


ゴダールさんが私的にどうしたかったかは、それこそわかりかねますが
再生の無さが究極のわかりあえなさ、なのでしょうか……。


「あなたにキスを贈るわ」


残された言葉も、はかない花びらとして、ただ、散るばかりなのでしょうか。
あなたの心に、届く前に……。

しょせん、男と女は、わかり合えない……


そう感じたとしても、結論や納得には、したくありません。
私には、まだ、終止符は打てません。(苦笑)


私の前には、(軽蔑でなく)落胆の海が、ブルーに広がるばかりだから、
水平線に向かって、ちょっと叫んでみましょうね……。


映画『オデュッセイア』~神々の物語~
がそこにあるなら、神々は、
愛の女神は、いったい 何をやっているんだァーッ!!



若く美しいブリジット・バルドーが見せるのは
その男には、ただの気まぐれでしかないものかもしれませんが
ゴダールは、それを、”軽蔑”という観点で 見せたことに
とても 魅力を感じます。










テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『夕凪の街 桜の国』★生きとってくれて、ありがとう

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映画レビューです。(ネタバレ表示なしです。)

http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id327271/rid282/p1/s2/c7/



先の大戦。
原爆投下された広島を 舞台としています。

夕凪は、原爆で、止められた命の時間のようで
桜は、それでも、流れゆき今に続く時間のようです。

私たちには、忘れられない人々がいて、
忘れてはならない事実が あります。

ちなみに
レビューの中で、言及した彫刻家の方の記事です。
 
http://blogs.yahoo.co.jp/yutake2415/2997819.html
 
http://blogs.yahoo.co.jp/yutake2415/33729443.html



・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。・゜。・。・゜・☆。


『父と暮せば』     
http://cinema.pia.co.jp/title/10347/

『黒い雨』    
http://cinema.pia.co.jp/title/s-9901


も、広島の原爆投下を扱った作品でした。

(戦後、日本が原爆を扱った映画は、永井隆博士の随筆をもとにした 『長崎の鐘』だそうです。)

色々な視点で、被爆関連作品は作られますが、
観るたびに、あらためて刻まれる哀悼と祈念の想いが あります。





作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/17999/ " href="   http://cinema.pia.co.jp/title/17999/ ">   http://cinema.pia.co.jp/title/17999/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。








テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『グッド・シェパード』★虚しいのに充実感がある~国の良き羊飼い~

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映画レビューです。(ネタバレ表示です。)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id327032/rid34/p1/s2/c5/



作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/18734/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD11169/story.html
↑これもあらすじ



主演:マット・デイモン
監督・共演:ロバート・デ・ニーロ
共演:アンジェリーナ・ジョリー


アメリカ:CIAで、“良き羊飼い”として、国家に仕えてきた男をマットが演じます。


その彼にも、父がいて、息子がいて
恋人がいて、妻がいて……


自分をとりまく人々との複雑な状況が
信念を持って生きてきた彼に、
運命のような“何か”をつきつけ、
観ている私にも、なんとも言えない、虚無感を含む充実感が
重くのしかかってくる作品でした。



浜辺のシーンは、美しいだけに印象的で、感傷を残します。







テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ボー・ジェスト』(‘39)★スペクタクル&ミステリー&美しい兄弟愛

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/13752/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/movies/p8307/story.html
↑あらすじ



パーシヴァル・クルストファー・レン氏作の小説の映画化です。
何度もリメイクされている中の、ゲイリー・クーパー主演作品です。

始まりは、アラブの砂漠での戦場シーンから始まります。
(途中、要ドラッグあり)


とある砦の応援に向かった部隊の少佐は、
全滅したその砦で、戦死した男の手から、過去の宝石泥棒についての自白書を見つける。
やがて、いきなり、砦は炎上してしまい、少佐は、砦で、何が起こったのかわからなかった……………..

何度もリメイクされているのもうなずけます。面白い☆!!!
始めから終わりまで、とても手がこんでいます。
前を受けて後のシーンが生き、前のシーンを振り返って、しみじみと感慨深いものに変わります。

孤児の3人兄弟の養家で起こった、“宝石の盗難事件”の犯人がわからないまま、
3人はお互いをかばうように、外人部隊に志願し、養家を出ました。

そして、戦地へと場面は変わり、宝石事件は違うほうへと問題を生じます。

なんか、面倒なことになるゾ!と思いつつ、悪役キャラも加わり
飽きることなく、
終盤は、戦争状態の中、不透明な部分がクローズアップされながら
冒頭の不可解な部分で、実は、何が起こっていたのか  (←コレは、兄弟の感動的な愛だったの)
そして
宝石事件の真相が、明るみになります。    (←コレは、養母への思いやりだったの)

“戦争スペクタクル&ミステリー”+“人間の情”という感じで、楽しめました。

“ボ―・ジェスト”とは美しい行いのこと。
ボーと言う名の長男を、ゲイリー・クーパーが、紳士的に演じています。
  ~~~ラッパ手の次男さんも、何かと良い(*^_^*)

古くて面白い作品は、リメイクしたらいいな~と思うことがありますが
この作品は、何回かリメイクされていました。
1966年 http://movie.goo.ne.jp/movies/p8308/index.html
1927年http://movie.goo.ne.jp/movies/p8306/index.html
少しずつ、変えていますが、筋書きとしては、私は、コレが1番好きかな~と思います。

近未来的な設定での映像革命が、流行りなのかもしれませんが
コレを生かしてリメイクしてくれたら、私は、嬉しいナと思います。(*^_^*)







テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『女王ファナ』★一人の恋する女として観たい~雑感です。

 
 
2004年の作品。
 
 
スペインのレコンキスタを終焉させたイザベル女王の跡を継いだファナ。
のちに、狂女と呼ばれ、何十年も幽閉され
Fanaticの語源になったと言われるほどの“狂”とは、何だったのか……。
 
 
夫は、美麗公とか美男王とも呼ばれたフェリペ。
そんな敬称がつくほどなんですから、よほどの男前だったのでしょうね。
ファナも、人目で、恋に落ちたらしい
が、色男は、色男なんですよ。ほかの花にも、手をつけちゃうんですね。
ファナは許せません。(ファナじゃなくても許せませんが)
嫉妬に狂うんです。………って、普通な気がしますが……
 
 
ただ、高貴なお方は、泰然自若でないと、ダメなんですよ。
見苦しく取り乱すと、“ご乱心”とみなされてしまいますね。
それを政治的に利用するために、大げさに扱った可能性もありますが。
 
 
政治云々、策略云々ではなくて、映画としては
私は、一人の恋する女として観たい、というスタンスでした。
 
 
愛する人のことなら、尋常ではいられなくなりますよね。
(あなたが浮気しているのを知っているけど、私は知らないふりをして
いつでも機嫌のいいふりをしているわ。ホホホ…)
というほうが、利口なんだとは思う。追い詰めたら、相手は逃げていくだけだもの。
でもね、ちゃんとこっちを向いててくれないことへの苛立ちは、あるでしょ?
無関心なら、ホホホ…と笑えてもね。その人しか見えない状態になってるときは
やはり、なりふりかまっちゃいられないし、周りは見えないですから……。
 
 
記憶がおぼろげですが、そういう点では
ファナは、もっと怒り狂っても良かったかな~。
そういう場合の怒りは、強すぎる愛の変化形ですからね。
 
 
若くして亡くなるフェリペが、懺悔なのか、死の前に、ファナに赦しを請います。
何度も、何度も。可哀想になっちゃうくらい。
でも、すぐにファナは赦さないんです。
赦してやればぁ、とそのときは思いましたが、今は、気が変わりました。
そう簡単に赦せるほど、私のあなたへの気持ちはゆるいもんじゃないのよ、
ということもあるかとは思いますが、それとは別に、なかなか赦さないのは
多分、赦す赦さないの問題とは違うもの……。
 
 
~赦してほしいという気持ちが、自分に向けられていることが、続いてほしい気持ち~
のような……。
その気持ちでつながっていられる、のような……。
つながっている実感が欲しいのです、私は(笑)。
 
 
愛する人との思い出があったから、50年近い幽閉生活でも生きぬけた
みたいなことをファナは言いますが、それは同感です。
その後、何年生きようとも、自分の観念も存在も、その思い出の中だけにあって
外界の時は過ぎようとも、自分の時間は止まっているんです。
 
 
実社会では、早くそこから立ち直って!とか
いつまでも、過去にとらわれていないで!とか言って、
そこで立ち止まってはいけないようですが、
私は、今は、立ち止まっていたいほう(苦笑)。
自分自身を、幽閉しちゃってるのかもしれませんが………
 
 
作品の記憶は、おぼろになってしまいましたが、楽しみにして劇場鑑賞した作品です。
フェリペ役の俳優さんも、なかなかでしたよ(笑)。
 
 
PS:アルハンブラ宮殿の記事を書いていて、ファナのことを書いたら
映画を思い出しました。記憶が曖昧ですが、ちょっとしゃべりたくなったので……。
(記事は、あとで)
 
 

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『八月の鯨』★今年も鯨は来ていると、彼女は信じた

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映画レビューです。(ネタバレ表示です。)
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id18083/rid3/p1/s2/c1/



毎年、同じように夏が来て、過ぎていくようですが
段々に、あるいは、突然に
季節は変わり、人も老いていきます………

それでも、変わらないものがある!

と、思えること、思いたいこと……

あなたにもありませんか?



作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/4352/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。








テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『東京物語』★“世界一の映画”ということで雑感です。

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記事参照ください。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0204A_S2A800C1CR8000/


映画監督らの投票で 首位。
批評家らの投票で3位         ということです。


順位付けするというのは好まないのですが
評価するということでは、『東京物語』の高評価は
喜ばしいことだと思います。



゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜



私が、雑感するまでもなく、思う所深い作品ですが、ちょっとだけ……






尾道の老夫婦が、東京に出てきて子供を訪ねるのですが
子供たちは、なんとなく邪険なのです……


主演は、息子の嫁の原節子さんですが…

父:笠智衆      ~しっかりして優しい
母:東山千栄子   ~肝っ玉母さん

この夫婦が、親として感ずるところが、とても、心に響きます。






離れて暮らす親子関係の行く末を見るのですが
自分が、子供の立場と、置いた親の立場では、感じ方が当然異なると思います。


作品の言わんとしていることの意味はわかっても
年齢が上がるにつれて、やがて人ごとではない、
哀愁とか空しさを感じながら、
身の細まる、寂しさ以上の苦しさが、見につまされてくる気がします。



私も、両親とは離れて暮らし、今は子供とも離れています。
両親は、弟夫婦とも離れています。

母は、1週間に1度は連絡しないと、疎外感にさいなまれるようです。
忙しかったなどと言おうものなら、
「若い人は、皆、忙しいのよ。それを言い訳に、親のことなんて、もうどうでもいいのよ!」

どうでもいいわけではないのですが
知らないうちに、私も弟も、『東京物語』の子供たちのようになっていたのです……

確かに、自分の生活だけでやっとと言う感じだし
親が元気だと安心もあって、つい、疎遠になってしまいがちなのです。

笠さんと東山さんが、途方に暮れるように
防波堤で並んで座るシーンが、本当に、切ないやら申し訳ないやら、という気持ちになります。


私(たち)も、両親の背中が語る寂しさを、きちんと見ているでしょうか………………..


今は、反省して、マメに連絡して、実家にも行っています。


そして、やがて子供たちも、今よりもっと、私から離れて行ってしまって
私の存在も、ジャマになってしまうときが来るのかな~と思うと
長く生きるのも考えものだと思えます……orz


でも、親は
子供が元気で、子供自身が幸せなら、それでいいのだと思う部分もあって
本当に、親はありがたい存在以外の何者でもないと思います。


ですから、言わなきゃわからない、子供には
「親はありがたいよ~。いざとなったら、最後の味方は親しかいないよ~」と
自分を、なるべく売り込んでマス。


寂しい老後は覚悟しつつ、でも、寂しく老いたくない……

防波堤のシーンを、“再び”観ることになるときの寂寥感は、なんとも言えません……

とはいえ、この老夫婦が、仲良く寄り添いながら老いてきたことは
現代においては、羨ましくもあることかもしれません。


いつの時代、何世代にもわたって、共感・実感できる作品として
『東京物語』は必見の作品なのでしょう☆





http://cinema.pia.co.jp/title/2751/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。







テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ネイビーシールズ』(2012)★本物の兵士が見せる本気にビンタを食らったよう~雑感です

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/159601/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



アメリカ海軍の精鋭部隊「ネイビーシールズ」。
知らない俳優さんばかりだな~と思ったら、本物の兵士さんとのこと!!!
演技であって演技でない!!



前半は:任務中に拉致された女性CIAの救出
後半は:彼女から知りえた、敵のテロ計画を阻止



あらすじはシンプルですが、ホンモノによる“救出劇・阻止劇”を、娯楽として観るというよりは
彼らの決死の任務を見せられては、日常の私(たち?)のオシゴトが、
なんてぬるま湯でヌクヌクやってられるのだろうと
思えてきます……


セリフに 『ブラックホークダウン』 が出てきました。
映画としての『ブラックホークダウン』は、事実に基づいて、
ドラマティックに、そこでの戦闘・防御を、魅せてくれました。
RPGが飛んでくるシーン1つとっても、ただ、RPGが飛んで爆発した、というのではなく
悲惨な光景にも、ただ戦争反対を願うだけではない、深く思うものを残した作品だと思っています。
DVDでも9回は観た、傑作です。


そして、この『ネイビーシールズ』も、結果としての拉致救出やテロ阻止よりも
彼らの行動(原作では『勇気ある行動』となっていますが)、働きぶりから、
私は、ビンタをくらったような気持ちです。


彼らのように、死にそうな危険についている仕事ばかりでなく、
そもそも仕事は、仕事としての責任があるものだと思います。


でも、最近は、(特に若いモンは!←とあえて言う!)………….以下、グチです。





予想してたよりも大変だと言って、辞めていくのもいるし(1年以内)
予想してたよりもやり甲斐が無さそうと言って、辞めるのもいれば(1日)
上司が1度注意(叱責でない)したら、ショックで、休んだままのもいる。(半年以上)
1度、失敗したことがトラウマ(?)になったからと、来たり来なかったりするのも……
悪いけど、甘えるナ~!!!!!と思います。
命がけで任務遂行する部隊を観て、あらためて思いましたよ。
仕事に命はかけなくても、責任は持とうよ………
ほかの大多数は、問題なく勤まっているんだから………(T_T)




そんな父の仕事を誇りに思えと、
大尉の息子に話しかけるナレーションも、彼らへの敬意を感じられます。

特に、体を張った大尉の勇姿には、あっと驚きますが
家族のように思う隊員たちを思えやれば、自然と、体がそうさせたのでしょう………(涙)

戦争反対、武力行使反対は、願うところですが
テロリスが爆弾しょって入国するなら、それを丸腰で止めろというほうがムリです。

自分がノー天気で平和ボケしていられるのも、誰かが、体を張って
テロを阻止してくれているからなのかもしれないと思いました。

私も、せめて、仕事の責任を果たすくらいのことしかできませんが
甘えないで、ガンバロウ!と励まされました。





テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『キャタピラー』★食欲と性欲で人間の根本を見せるのなら


公式サイトです。
 
 
夫・久蔵は、戦争で四肢を失うも軍神として生還した。
妻・シゲ子の全介護を必要とする夫に残っていたのは、“食欲と性欲”だった……。
 
反戦メッセージだと聞いていたこの作品にある、“食欲と性欲”。
私は、この設定にとても興味を持っていた。
なぜなら、“食欲と性欲”は、人間・人類の命の“根本”であり、その根本を通して
戦争・反戦の“根本”を、見せてくれることに期待していたからだ。
 
以下、思う所を述べます。ちょっとネガティブ、ご容赦を。
(結末はボカしたつもりですが、わかるかも…)
 
~性欲~
 
これは、久蔵に、勲章とともに残されたものの1つとしての象徴でもあった。
前述のように、人間の命の源として位置づけたかった。
それが、暴力的で、退廃的であっても、
命ある久蔵が、生をむさぼる、という意味があった。
 
しかし、
1)夫婦間の隷属的支配関係
2)戦地での陵辱
が、加わったために、私は、戸惑ってしまった。
 
1)→それは、映像的には、夫婦の体位の変化でも見せている。
 かつて健常者だった夫には、妻は、子を産む道具や
 性的隷属者でしかなかったように思える。
 その妻が、仕える立場だけでなく、心身ともに、夫の上位になる。
 この夫婦の関係は、これはこれで、夫婦間の物語として
 身近なこととして観てしまうのだが
 ここでは、情緒的な夫婦のドラマを持ってこないほうが、良かったようにも思う。
 
あくまでも、“凶暴なまでの食欲と性欲だけの男”とするほうが
久蔵には、それしか残されていないだけでなく
彼が奪われたものは、手足だけではない(人間らしさ)ことが
より印象付けられた からだ。
 
 
2)→そして、そんな妻との性的関係によって、夫は、自分が戦地でおこなった、
   暴力的行為の回想に苦しむことになる。
 
すごく、大雑把に言えば、戦争被害者としての受難者であるはずの久蔵は
加害者でもあるのだから、五体満足で生還できなくても、自業自得じゃないか……
というムードになってきた。
すると、作り手の反戦の矛先は、軍隊や兵士なのかと、思ってしまったのだ……。
 
私は、戦争は、外交の最大の失策と思っている。
物事には、必ず原因や根本があるはずで、戦争についても同じだ。
 
真相は、記憶とともにおぼろげになっていくとしても
なぜ、戦争をしなければならなかったのか
なぜ、戦争を回避できなかったのか、
国際情勢や、駆け引きの失敗など
そこには原因があったからで、そのことを、暗にでも、もっと、匂わせてほしかった。
 
(国のせい、ということを、ご真影に、意図したのかもしれないが、
それは、戦争の原因とは、別物だと思う。)
 
“食欲と性欲”だけが残された久蔵という設定で、
人間の根本を見せながら、戦争の根本を感じさせてほしかった、
というのが、正直な感想だ。
 
エンドロールの元ちとせの歌も、そのものはいいと思うが、
広島の原爆をテーマにしたために、広がってしまった気がするが…。
反戦なら、いいのか……。
 
~~~~~~~
 
キャタピラーとは、芋虫のこと。
久蔵のラストシーンが、まさにそれだった。
その前に、自分の行き先も知れぬまま、のた打ち回っていた久蔵が
やがて、目的とするところへ移動する。
 
彼のとった行動は、展開的に納得できるし、かといって単純ではない。
生存と敗戦への、絶望かもしれないし、
妻を介護から開放させたい、思いやりだったかもしれない…。
名誉の戦死ができなかった久蔵にとっての、昇華だとしたら
芋虫は、蝶になったのかもしれない……。
様々に解釈できるだろう。
 
当時の全介護は、今よりも
もっと想像を絶するほど過酷で壮絶なものだったと思うけれど
作品は、比較的、キレイに見せていたように思う。
生きると言うことが、生き残るということが、もっと猥雑で
食欲・排泄なんかは、もっと、えげつなくても良かったと思うけれど……。
 
寺島しのぶはもとより、久蔵も、真に迫っていただけに
処々、惜しく思ってしまった。
 
 
~~~~
 
四肢が不自由ということは、もちろん、大変なことです。
作品は、絶望的になっていますが、
四肢麻痺で不自由な境遇でも、実際、仕事をされている方がいらっしゃることは
希望であると思っています。
 





テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『さよならをもう一度』★もう一度言うさよならは…

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/116180/
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD18030/story.html
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


(内容にふれて雑感です)

フランソワーズ・サガンの『ブラームスはお好き』の映画版で
原作とは、若干、異なっています


ポーラ:イングリッド・バーグマン
ロジェ:イヴ・モンタン
フィリップ:アンソニー・パーキンス


この配役に、まず、そそられます。


ポーラとロジェは、熟年カップル。と言っても、別に住む、独身同士。
だから、ロジェは、ポーロに逢う時は逢うけど、他の女性とも逢う。
気楽な関係と言えば、聞こえはいい。


けれど、冒頭のシーンが、印象づけます。


ロジェから約束をドタキャンされる、ポーラ。
仕事じゃ仕方ないわね、と思うようにしても、若いメイドがはっきり言います。
「仕事は言い訳。ほかに女がいる。」


ポーラは、バツイチらしいが、今は、仕事を持っている。
同じ轍を踏まないためにも、独身の恋人関係のままでいいと思ってか
5年間、ロジェとこんな関係を続けてきたようです。


5年間と言う長さは、短いかもしれないけれど、案外、長いもので
結婚してもしなくても、そこまで続かないことはあります。そして
5年前と同じ温度のまま続くというよりも、
段々、冷めつつある5年間というのが、実情ではないかと思います……orz


同じままでいられないのは、恋が冷めていくという気持ちの問題だけでなく
年齢の変化ということもありそうです。ポーラは40歳。
外見の問題だけでなく、自分のおかれる環境の変化も含めて。


そんなとき、内装の仕事の雇い主の邸宅で、25歳の坊ちゃんと知り合います。
アンソニー・パーキンス演じるフィリップです。


このアンソニーが、何とも、“若いツバメ”らしさをかもし出しています!!!
イブ・モンタンの熟年の魅力が、ただ重いだけのように思えてしまうほど!
いい意味でも悪い意味でも、若さが、サクサクした軽さになっている。
そして、特にアンソニーの眼差しが、すごく、ソレらしくてイイ!


「ブラームスはお好き?」
年上の女性に思慕・憧憬を抱いたら、あんな眼差しで見てしまうものでしょうか??
いえ、
あんな眼差しで見つめられたら、年上の海千山千ジュク女でも、乙女心が開花してしまいますよ……


(アンソニーは、カンヌ国際映画祭で受賞したそうですが、納得の名演です。)


恋愛は、愛するよりも愛されること、とも言われますが
愛するロジェから愛されたいのに、それが足りない。

そんなとき
頼りなさそうなのに、若い情熱で、ガンガン攻めてくるフィリップに
惹かれていくポーラ。
不本意と思いながらも、心が奪われていくことに、幸せを感じたはず……


(15歳も年上のオバサンに惹かれる青年の気持ちが全くわからん、と言うのはさておき)


けれど……
フィリップが自分に向けている気持ちを、ロジェから向けてほしいのが、ポーラの本音。


ポーラがロジェに求めている男性像を、フィリップが備えていたなら、完璧な恋愛が
出来上がっていったのかもしれませんが、そうは問屋が卸さない。(苦笑)


フィリップは、ロジェの身代わりどころか
頼りない“坊ちゃん赤ちゃんツバメちゃん”でしかないのです。


この、15歳年下という設定が、そのような形で効いてきて
アンソニー・Pの、線の細さが効果的で
作品の構成上は有効ではあるけれど、情けない男です……orz


結局、5年間の馴れ合いをほどけずに、ロジェに戻っていくポーラ。
ロジェとて、釣った魚が逃げ出しそうになったから、捕まえに行っただけの感じなのに。


それでも
「この人から愛されたい」と思っている人に愛されたい気持ちは
なかなか、消えるものではないのですよ………………


ロジェとの関係を、今度は“結婚”というヒモで、結ぶことになりましたが
ロジェは、釣って逃げた魚を、再びイケスに戻しただけ。
見ようによっては
ポーラは、フィリップを失っただけ、とも言えなくもない……


あの結末は
「ロジェの女遊びは仕方ないけど、結婚したからガマンするわ」
とポーラが、諦観していると言うのですが
私は、「仕方ないけどガマンするわ」とは思えないのです。


ときに、「10年付き合って結婚して1年で別れた」というカップルを聞きますが
そうなると思うのです。


5年間のゆるい関係が、結婚で強まるどころか、
冒頭を再現する、あのラストシーンで、近いうちに、本当の“決別”が来るのだろうなと。


何せ、タイトルが、原作の『ブラームスはお好き?』でなく、
わざわざ『さよならをもう一度』です。


ブラームスは、ポーラにとって思い出の曲。
交響曲第三番が、ポーラの想いを乗せて流れていきますが
あえて
劇中で、厭世的に歌われた歌を、タイトルにしています。


愛は歌詞の中だけのもの、とその歌手は言います。
そんな儚さを、突きつけた上でのラストシーンです。


自分ははるか年上だから!と言って、別れたフィリップのあとで
もう一度言うさよならは、やがて、ロジェへのものかと……………


『さよならをもう一度』

このタイトルが、格段に、映画を生かしていると思うのです。


イングリッド・バーグマンの熟した美しさも。





 




テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

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