映画『フライド・グリーン・トマト』★完熟トマトのようなJ・タンディに魅了される

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/3822/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
http://cinema.pia.co.jp/title/s-3822
(↑詳あらすじ:途中までは読んでください^^;)
舞台はアメリカ南部。
現代(と言っても1990年頃)と、70年くらい前の想い出の物語。
・エヴリン~40才代の主婦 :キャシー・ベイツ
・ニニー~80才代の老人ホーム入居者 :ジェシカ・タンディ
映画『ドライビング・ミス・デイジー』でも、個性的で魅力的な老婦人でした。好き☆
エヴリンが、ニニ―の想い出話を、何回か聞くようになるうちに
エヴリンの生き方に、変化が、起こります。
その前向きで、痛快な(!)様子も、見る甲斐がありますが
この作品は、噂には聞いた名画ですが、含むところ多い作品でした!!☆
冒頭は、沼に堕ちた自動車を、引き揚げるところから、始まります。
何やら、事件の臭いですョ。(>_<)
それはさておき、古びたカフェのそばを通って、エヴリンは夫とともに
親戚のいる老人ホームに向かい、そこで、たまたま、他人のニニ―と出逢います。
ニニーが、身内の昔語りを始め、聴き入るエヴリン。
それは、さっき通り過ぎた、廃墟になったカフェのオーナーである女性たちの、物語。
そこで、列車の風を感じたエヴリンに、ニニ―の話は、新たな風をインスパイアしていきます……
▼~▼ 結末はボカしたつもりで、内容にふれて雑感です。
▼▼▼
カフェのオーナー女性は、イジ―とルース。
イジ―は、型破りのおてんば娘。
ルースは、DV夫から逃げて、息子と暮らす。
この、イジ―のボーイッシュな態度と生き様が、とても魅力的☆
この男の子っぽさは、イジ―の“殻を破る“主張だったのかな~と思われます。
今でこそ、女子を縛るものは、少なくなっていますが
昔は、女であることの“しばり”が、少なくなかった……orz
ルースへのDVも、“妻は夫の所有=隷属“ということから、悪しきことと言う認識が低い……
同様に、ここアメリカ南部では、黒人への差別も、根強い。
(冒頭の“自動車の事件“も、そこに関わっていて、複雑で、面白い。)
1人の女性イジ―の、“型破り“は
当時、もっともらしい“善“とされていた悪習慣に対する、”抵抗“のようで
それは、ただ、破天荒なのではなくて
これこそが正しいと信じた、彼女の良心なんです。
そんなイジ―の話を聞いて、脱皮していくエヴリンの変化も、見どころなのですが
駐車場のエピソードが印象的です。
駐車場の空きスペースを、待っていたところを
若い女性に、先を越されてしまったエヴリン。
しかも、指摘したエヴリンに、嫌みまで……(>_<)
普段、怒りを抑えてきたエヴリンですが、そのときは
「トゥワンダ!」(←イジ―が言っていた、黒人の挨拶)と叫びながら
その娘たちの車に、何度も、ぶつけて、ボコボコにしてしまいました。
そこで、私の感じたものが、ありました。
目に見える“善行“~たとえば、法や慣習~に従っていれば、無難な善人でいられるけれど
そこには、本当はすべき善行がなされていない可能性もある、ということです。
イジ―が、列車の荷物を勝手に、“施し“をしたことは、”盗み”の罪ですが
ただ祈るだけで、“善行“をしないのに、善人の顔なんて、できるのかと……
(本当はダメですよ。ダメですけど、作品は問題を、提示してくれてます^^;)
車をわざとぶつけた、エヴリンの所業も、本当はダメですよ^^;
ダメですけど、怒りや私情を抑え、自分を抑えて生きることが、
果たして、生きる意味を成しているのか?との問題を、提示してくれたと感じますョ^^;
あるいは、ズルをしたり、嫌みを言うと、バチが当たりますよ、と
娘ッ子らには、教訓になったかも……^^;
そうして、自己啓発セミナーに通うよりも
ニニ―の話すイジ―の逸話から、一皮むけていく、エヴリン☆
たいていの話は、そこで、メデタシなんでしょうが、この作品は、もっと美味しい☆
引き上げられた自動車の件です。
車の持ち主は、ルースのDV夫です。
今度、DVしたら殺すゾ!とイジ―が、脅していたことが知れて、
イジ―が、殺人容疑者となってしまいます(>_<)
この真相は、自動車をぶつけたくらいの話では、ないのですが………
(↓ボカしてます)
もし、ソレが罪であるなら、その原因を作った人に、罪はないのか?
もし、ソレをかばうことが嘘というなら、人情や人間愛は、何のためにあるのか?
↑なんだかわからないと思いますが、未見の方は、お楽しみに☆
法や慣習で、善悪が決まっている世の中で
ときには、“ワルいこと“も、それなりの善行であることも事実です(キッパリ☆)
大きな声では言えないけれど^^;
ソレを、信念に従ってやってのけたのが、イジ―☆
(カッコイイゾ!と言うよ、私は)
そして、車はぶつけちゃったけど^^;、イジ―に共鳴されたエヴリンが
不遇なニニ―に、手を差し伸べるのは、善意の広がり☆
そこで、グッと、人が人を思いやる温かさが、広がる。
▼▼▼
ところで
カフェの自慢メニュー:フライド・グリーン・トマト。
青くさそうなトマトが、料理のマジックで、ビックリするほど美味しいのだそうです♪
青臭いのは、傷つきもがきながらも、少しでも良くあろうと生きている人間のことなのか…..
それでも、料理の(行動の)仕方によって、美味しい生き方が出来るということか……
それにつけても、完熟トマトのようなジェシカ・タンディ演じたニニ―が、スバラシイ!
観る人を、グッととらえて、離さない☆
あたかも、 イジ― のようにネ(^_-)-☆
PS:↓
たとえ、良いコトであっても、心にひっかかりがあればしたいのは、誰かに話すこと(告解・告白)かもしれません。
話すことで、荷を下ろしたのかな……と思いましたョ。


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