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映画『ラッシュ/プライドと友情』★雨とニキと、ハントの拳

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/163063/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


「お前がいたから強くなれた」
チラシのこのコピーが、一目瞭然に、
心に響きそうな作品かも!と思わせてくれますが
何せ、命がけのF1が舞台の、実話です(*^_^*)
最後は、じわ~っと良いモノ観たナ~と思いました☆

チャンピオンを狙うライバル同士は、性格の正反対な二人。
繊細で慎重な、ニキ & タフガイでアバウトな、ハント
それぞれ、ダニエル・ブリュール と 
クリス・ヘムスワード(←マイティ・ソー☆)
と言う配役も、好対照で、ピッタリ☆

クラッシュを含むレースシーンも、スゴイかもしれませんが
レース事故の前後にある、実話人間ドラマは、この作品ならではでしょう☆

サブタイトルの“友情”ですが
ライバル同士の関係は、微妙ですよね。

同業者だからライバルであるけれど、事情を知った者にしかわからない苦難を
わかり合える関係でもあります。
そこには、爽やか青春ドラマっぽい“友情”ではなく、
苦みはあるけれど、骨太な関係がありました。

▼~▼ 内容にふれて(結末ボカして)雑感です。

▼▼▼

1、「お前がいたから強くなれた」

まずは、コレでしょう(*^_^*)
雨天のレース事故で負傷して、ニキが不在の間、
ライバルのハントが、成績を上げていく……
もどかしいニキ…orz

でも、負けたくない!という強いプライドは、人を前に、動かします。
アイツが、がんばっているんだから、俺だってと。

見るからに、苦しそうな治療を、受けながら、
ニキが、食い入るように観ていたのは、レース映像。
絶対、レースに戻るんだ!と自らを奮い立たせるような、臥薪嘗胆(>_<)

自分を蹴落とす立場のライバルも、見方を変えれば
自分を後押しする存在でもあるーー
……そんな風に、チラッとでも思えると、
心の風向きも、グンッと、前向きになれそうな気もしますね(*^_^*)


2:ハントの拳☆

実は、ニキのレース事故に関して、ハントは、気がとがめています…orz

ニキの復帰記者会見のときのこと。
怪我のあとが、顔に、痛々しく残るニキに、ある記者が、心ないことを言います。
(その記者こそ、よくも、“人間の顔”をして、そんなことが言えるナ!(怒!))

会見のあと、ハントが、その記者を殴りにかかります。
ここは、言葉少ないシーンですが、その一発は、心にグッと来た……

事故の償いのつもりも感じましたが、それ以上に、
命がけのリスクに挑む、レーサーとしての“プライド”が殴らせた拳、と言いたい。
その一発に、“友情“を込めたと言っても、イイ☆

そんな、お互いを意識した様子や行動から、
彼らを結ぶ“強い糸”を感じてくるのです。

▼▼▼


ニキの復帰で、わからなくなった、チャンピオン争い。
ニキが追い上げるか、ハントが逃げ切るか。
白熱する最終戦――
そこで、ニキは、どうしたか………??

……それは
なぜ、ニキが、必死でレースに復帰したのか?と言うことと、相反しそうですが……
ニキには、もっと、大切に守りたいモノがあった、ということ。

そして、そんなレースの結果は、
偶然(雨?)や奇跡ではなく、事実として、ナットク。


やがて、紆余曲折を経た、ニキとハントが
互いにチャンプと呼び合って別れるシーンも、さりげない“敬意”なのが、イイ☆


「宿敵の存在を呪わず神の恵みと思え」 ←なかなか言えることではありません。
「これからも俺を脅かし続けてくれ」      
ライバルを、ネガティブでなく、ポジティブな存在と受け止めるーー


実話ということで、あらためて感じるのは
ああ、彼らも、命をかけて仕事して、ひたむきに生きてきたんだな~と言う感慨です。
外からは、結果しか見えないものですが
裏では、必死で戦って、哲学の目を啓いて、頑張ってきたんだな~
という事情を観るのは
私には、とても良かった☆
がんばろう!と思えてくる(*^_^*)

Hans Zimmer氏の音楽も、二人の生き様を、最高に盛り上げてくれてます♪


PS:今は亡きハントと一緒にこの作品を観たかった――
ニキの言葉にも熱いモノを感じますネ……


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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ラッキーナンバー7』★面白いからネタバレなしでお勧め!with7のゾロ目


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/16659/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


映画レビューです。ネタバレなし!
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id324632/rid47/p1/s2/c2/

ジョシュ・ハートネット主演、ということに惹かれて、鑑賞したのですが
ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン…etc.も絡んでのサスペンス、と言えば
観たくなりませんか?

詳細は、忘れてしまったのですが^^;
人違いされたジョシュが、エピソードに巻き込まれてしまうのですが
ラストは、良い感じで終わって、見ている間も面白かった記憶があります。


~~~

“ラッキーナンバー7“を思い出すことが、最近、続きまして……^^;

1つは、受診・検査にために、某大病院に行ったときのこと。
病院は、一日仕事ですよね。
診療が終わったとしても、会計でも、相当時間がかかります。

私が、会計の整理券を受け取ったときは、700番くらいが、掲示板に灯っていました。
私の番号は、と言うと……
『777』
なんだか嘘みたい(笑)。
でも、数字が並ぶと“当たり”みたいで嬉しい。しかも、ラッキー7☆
次回の受診で検査結果を聞くのですが、結果が良さそうな気がして、嬉しかったんです。


それとは別に、健診に行った時に、受付でロッカーの鍵を渡されたら
『77』
お!ここでも、7のゾロ目☆
ここの結果もオーライで頼みます☆
(クツ箱の番号は忘れました……^^;)

そんなことがあったもので、そういえば、『ラッキーナンバー7』という映画あったな~と思い出したのでした。
面白かったナ~☆ということだけ、覚えています^^;












テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『善魔』★心を鬼にした善行のはずが鬼の目に涙か


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/802033/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。

原作:岸田国士



特集ではココ



三國連太郎さんのデビュー作。
三國さんは、役名が、そのまま芸名になっています。

見るからに、若さみなぎる三國さん♪
正義感に強い、新聞記者です。


……そんな三國さんが、この役者道に入る前は、どんな人生だったかと言うと→ココ参照



色々と、あったようですね。
善い事ばかりではなく、清濁併せ持つ、という感じですが
それが、俳優人生にも、生かされてたのでしょうね……


作品の要点には~善を成すために魔の心を宿す人の業~
とあって、興味深いです。
善い事、良い人ばかりではいられない事情もありますよね。

劇中、三國さんの上司が、その“善と魔”について、話すシーンがあります。
会話が、聞き取りにくかったので、曖昧なのですが……

「人間の善良さは、本来、悪に挑めない。悪を叩くためには、悪が持っているようなネガティブなもの~しぶとさ・企みなど~も、人の心に必要なこと。そんな魔性の善が、善なる人に必要」

上司が、急にそんなことを言うのは、どうしたのでしょう?
三國は、不思議に思います。


▼~▼ 結末までふれて雑感です。


▼▼▼


始まりは、三國が、上司から、政治家の妻・伊都子が、失踪した事件を追うように言われたことからです。

その伊都子というが、美しい淡島千景さん♪(←魔性を感じる)
彼女は、10年前、まだ学生だった、三國の上司と “友人関係“でした。
事件で、彼女のことを、上司も思い出したよう……

三國は三國で、取材で知り合った、伊都子の妹・三香子に惹かれます。
三香子は、病気を、抱えていました。

まずは、家出した伊都子が、うまく離婚できるようにと
“旧友”である上司と、妹に惹かれた三國が、
夫である政治家の“汚職“を利用して、ことを進めてあげようとします。

そこは、新聞記者としての社会正義ではなくて、伊都子の家族のような味方として、のようでした。

ジャーナリストとして、その姿勢はどうなのか?ということも、あるようなのですが
2人には、もはや、他人とは思えない伊都子のためには
それも、アリかな~と思ってしまう……
(たぶん、ここにも、善魔の気持ちが、働いていそう……)


すごかったのは、三國が、瀕死の床にある三香子と結婚しようとすること!

思えば、結婚の準備のために、三香子のそばを離れてしまうのですが
結婚にこだわらずに、最期までそばにいて看取ってあげたほうが
三香子も、幸せだったのではなかったかな……

そうして、死に際に、間に合わなかった三國は、
亡くなった三香子と、三々九度を交わすのです……
それだけ、愛していたということなんですね……

(『独立愚連隊』で、佐藤充さんが、好きだった慰安婦の墓前で、“葬式ではなくて結婚式だ“というシーンがありますが、それに通じるものあり)



ところで、上司は、10年前に、伊都子と友人のまま、別れたことを、後悔しているようでした。
伊都子が離婚したら、今度は友情でなく、やり直したがっているよう。

そこで、問題が生じます。
上司の現在の彼女です。

と言っても、この彼女との関係も、はっきりしたものでなく
彼女が入れ込んでいるのを良いことに、ノラリクラリしたような、友達関係のよう。

この上司=森雅之なんですが、森雅之さんは、この煮え切らないタイプの男性が
ハマり役ですね……『浮雲』でも、ぴったりでした…

伊都子が現れたもんで、今カノは、もう、ケンモホロロ……orz
人は、いらないと思った人には、驚くほど冷たく出来る……orz

三香子と三國の“結婚“のあと、今度は私たちが結ばれる番、と言う感じの、上司と伊都子でしたが……

上司の元カノが、駅で去っていくのを見てしまった三國は
二人が、まとまろうとすることに、水を、さしてしまいます(>_<)
捨てられた女が、可哀そうだろッ!と。

↑この部分が、“善魔“の最高潮のようです。

ジャーナリストとして、尊敬していたと思われる上司の、俗っぽすぎる有様に
汚れを知らない三國には、魔をささずにいられなかった……
けれど、伊都子の幸せも、無いモノにする犠牲は、いかに,……?

女として妻として、すでに、修羅の魔モノを、くぐり抜けてきたような伊都子は、
三國に、聞き分けよく「そうね」と、
上司とは、“友情“の垣根を越えないことを、納得してみせますが
女としては、哀しいものがあります……orz


▼▼▼

上司が、善魔について述べたとき、
イイ顛末を望みながらも、もしかしたら
こうなることを、予測していたのかもしれません。


ラストの三國の涙は、愛する三香子のためだけに、流してほしかったですが
自らの“善魔”が、しでかしたことへの、後悔というか、虚無のような
やり場のない涙になってしまったように、思います。

心を鬼にした善行のはずが、最後は、鬼の目に涙か……


聞きにくいところもあって、素通りしたシーンもありますが^^;
三國さんのデビュー時代を拝めたのは、良かった☆













テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』★ 西島さんの魅力全開でヨイショ(*^_^*)

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/163577/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



西島秀俊さんの“生アクション付き”のサスペンス☆☆!!!ということで、
とても、楽しみにしていました☆
原作とも違うということ以外、何も、情報を入れずに観ました。
そのほうが、楽しめると思いますが
あらすじなどでは、少し、バレてますよね……^^;



一言で言うと、謎解きなので、楽しめます。
が、
韓国ドラマにおける、独特の雰囲気というか、さっくりしたサクサク感といいますか
韓国系の仕上がりの風合いが、観る人のお好み次第、ということはあるかもしれません…(汗)
(お好みは人それぞれですので……)



冒頭から、一体、何が、西島さんに起こったのか!???
という雰囲気で、そのまま不安要素大で、運んでくれます。



▼~▼ 最後のネタばれしないで、ボカして雑感です。


▼▼▼


1、西島さんヨイショ(*^_^*)          特にごヒイキというわけでなくても  ^^;



今回の西島さんは、“天才科学者”であるはずなのに
始めは、イラスト関係の方、という設定で登場。
↑そこで、すでに、記憶がどうにかなっちゃったんだなとわかります。


それはそれとして……
科学者としての西島さんと、芸術家としての西島さん♪
と言う目で観てるわけなので、ソレだけでも、ファンは嬉しいと思います。
繊細で知的、やさしい雰囲気……
それだけでなく、危険回避の生アクションですから☆(>_<)


西島さんは、肉体派というより“やさ男”なので、
アクションのあとで
スーツまで敗れてボロボロになった姿は、とても、痛々しい…orz
そもそも、なぜ?誰が?西島さんをこんな目に……orz


「何がどうなってるんだ!?」と、西島さんも叫びますが
よくわからないまま、観る人を、引っ張ってってくれます。
そして、西島さんは、ほぼ出づっぱりで、魅力全開☆であります(*^_^*)



2.記憶のこと



科学者と芸術家の記憶が、ゴチャまぜになっているのですが
それぞれの記憶の現れ方に、ひとひねりあります。


置き換わった記憶は、一生モノなのか、期限があるのか?
期限があるなら、期限が来たら、頭の中はどうなってしまうのか?


なんでこんなことに、という原因と
その後どうなっていくのか、という転帰。
↑複雑でわかりにくい?のですが、ナントカなるでしょう^^;



3、冒頭の自宅での事件(>_<)



自宅に帰ったら妻の身に、何が!!(>_<)
……ということで、西島さんの身に危険が及び始めているんだ!という冒頭。



確かに、記憶がらみに関係する事件ではあったのですが
ラストで、そんなことになっていたとは!!!(>_<)
サプライズでした…….



そういえば、真木よう子さんが、ドラッグ↓



車内で、手を振るだけのような役どころじゃもったいないな、と思ってました^^;



4.西島さんと同行する女性記者


追われている西島さんを助けて、その後、力になってくれるのが
韓国の女性記者。


きれいなお姉さんですが、私の好みとしては、もう、ちィ~っと、
キャピキャピしてくれても、良かったです^^;


個人的なことですみませんが^^;
彼女が、西島さんに「あなた、何なんですか?」といぶかしがる言い方が
以前の同僚と、似ていまして、
嫌いというわけではないのですが、わりと、不平が多かったのを思い出したもんでして……(―_―)!!



▼▼▼


西島さんの演技や存在感は、見て良かったと思います。



TV『大奥』のときの将軍・家光は、女たちに、埋もれ気味(汗)の印象でしたが
TV映画『ストロベリーナイト』での、上司の女性をしっかりフォローする菊田の姿勢は、
奥ゆかしくて、憧れました。(*^_^*)
TV『八重の桜』では、実直な東北武士の熱い誠意を感じ
TV『ジェネラル・ルージュの凱旋』では、クールでストイックな救命医が適役でした☆



また、主役級で、ふり幅の大きい役どころでの西島秀俊さんに期待大です☆
















テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『小さいおうち』★守ったもの・守れなかったもの~良心と悔恨


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161479/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。

戦前~戦中。
山の手のお宅で女中をしていた、タキの昔語り(自叙伝)で進みます。

豪邸ではない“小さいおうち”なので、タキは、主一家と近い所にいて、尽くし
(坊ちゃんの足のマッサージは、良い例)
それなりに、穏やかに暮らしていました。
あるとき、主の部下の板倉青年が訪問してから、この家に変化が訪れます。
特に、奥様(=時子)に……

この作品の興味は、“タキのしたこと”が、もたらす意味もですが
映画的には、松たか子が、とても素晴らしかった!!!!!
微笑んでも、怒っても、ときめいても、すねても……
どのシーンでも、場面にたくみになじんで、引き込まれました☆

▼~▼に、ネタバレで、雑感です。

▼▼▼

1、昔の話

タキの自伝を読む若者が、戦時中の生活が楽しいはずがない、と
タキの想い出に、チャチャを入れるシーンがあります。

当時を知らず、教育(洗脳?)されてきた者(自分含む)は、
思い込みや今の価値観で、当時を判断しがちです。

タキの今の想いが後悔?であっても、
当時のタキには、それが良心で正義だったーとしたら
そのようなギャップは、ほかのことにも、通ずるのかもしれません。
大きな戦争が、台風よりひどく荒らして過ぎていった、前と後のように……


2.奥様(時子)の思慕

奥様が、夫の部下・板倉に、特別の感情を覚えたーー
それだけで、ああ不倫か……と、軽蔑しないで下さい。
不倫という一言で片づけたくない、“心模様”と、思いたいくらいです。

家族に尽くす主婦が、他人に“好意”を感じることは、悪しきことになりますが
“好意”を自覚したとき、彼女は、自分が感情を持つ生きた人間であると
再確認したときなのかもしれないーーと、思うからです。

しかし、男と女の性(さが)なのか
“好意“は、やがて、“恋愛“の気配を、帯びてきてしまいます。
そう自覚したくない。でも、だから、イライラする。
(その辺の松たか子の微妙な感情の揺れも、絶賛です☆)

板倉に見合いを勧める、夫の使いで、
初めて、彼の下宿に行ったとき、時子は
彼の心の中の一線が、時子に破られているのを、知ったのだと思う。

そして、
時子から、再び逢いに行ったとき、その一線が、双方から越えられた可能性を
タキが、時子の帯の結び方で悟る…….この、心憎さよ……Qoo~(>_<)

けれど、「家の平穏は女中で決まる」と、かつて教えられたタキは、
噂になりそうな二人を、このままではいけないと思います。
たとえ、彼が、出征するとしても……

3、タキの守ったもの・守れなかったもの

板倉の出征前に、タキは、時子から“逢びき”の手紙を預かり、使いに出ました。
しかし、時子に逢わないまま、板倉は出征し
やがて、空襲に遭った時子ら夫婦は、亡くなってしまいます。

タキの自叙伝も、そこで終わり、老いたタキは、泣き崩れます……
タキの死後、タキが、時子の手紙を、板倉に渡さなかったことが、発覚します。

タキがこの家の平穏を守るために、
良心と正義から二人の仲を裂いたことは、よ~くわかります。

けれど、この作品の素晴らしさは、それだけじゃないこと☆

1つは、時子の旧友が、時子は女学校時代に、
同性の憧れの存在だったことを、タキに話したことです。
大好きなお宅の、素敵な奥様は、ステキなままでいて欲しい。
タキは、時子が、不倫でボロボロになるのを、見ちゃおれなかったのではないかー

もう1つは、タキだって、女の子です♪
奥様が、ほかの社員とは違うヮ☆と高く買っていた青年に、
タキも好意を感じていたかもしれません。
坊ちゃんと3人で、海に行ったらしい話が、チラッとだけ出るのも暗示的ですが
タキは、直接、付き合えなくても、
青年には、不倫関係で女性と付き合ってほしくないと思ったかもしれません。
(私の思い込みですが……^^;)

戦争で、二人が永遠に引き裂かれる前に,タキは、自分が二人を引き裂いてしまったーー

「小さいおうち」の名誉と平穏は、守ったかもしれないけれど
人が人を思い慕う、いや、この場合
戦地での無事を祈る、奥様の誠意の糸を、勝手に、切ってしまった……
タキは、その悔恨を、あとから、重荷として、ずっと抱えてきた…
「長く生き過ぎた……」
タキの言葉の意味が、2回目に聞いたとき、ずしんと心に沈みます……


▼▼▼

赤い屋根の「小さなおうち」と、彼らが、描かれた絵がありました。
そこには、平穏を乱す、事件も戦争もありません。
「小さいおうち」でさえ、一個人でさえ、
幸せに平穏に暮らすのは、むずかしいものかもしれない….
けれど、
なんやかやあっても、ささやかな幸せを、大切に生きていきたい……
そんな気持ちが、余韻になった逸品です☆



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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『ムード・インディゴ うたかたの日々』★泡のような日々をハッピーに彩って(^_-)-☆

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/162808/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。




原作:ボリス・ヴィアン 『日々の泡』      ボリス・ヴィアンのこと→ココ
(39歳で急逝)



監督:ミシェル・ゴンドリー
主演:ロマン・デュリス(=コラン)
   :オドレイ・トトゥ(=クロエ)


シュールなラブロマンスの原作を、ゴンドリー監督で観られるということで
ファンには、生唾モノ☆の作品と、聞きました。


ヴィアンにとって重要なことは
・ きれいな女の子の恋愛モノ
・ デューク・エリントンの音楽                なんだそうです。


『ムード・インディゴ』も、ヒロインの名前『クロエ』も、デューク・エリントンのナンバーから♪
(ヴィアン自身も、ジャズ・トランペッターだそうで、好きなものを取り入れたんですね)



遊んで暮らしている資産家コランが、クロエという女性と出逢って、結婚しますが
クロエの肺に、睡蓮の花が咲く病気になってしまいます。(←乙女チックだけど重症)
コランは、治療に、財産をつぎ込みますが、やがて金欠に……
そして、クロエは、どうなる……



▼ ~▼ 結末までふれて雑感です。


▼▼▼


前半は、二人の ラブラブモード☆

映画『恋愛睡眠のすすめ』でも楽しませてくれた、手作り感たっぷりのアートクラフトで、
スピーディでシュール、めくるめく二人の時間を
遊園地モードで、楽しく、見せてくれます☆

蛇口から、ウナギが出てくるのは、蛇?みたいで、ちょっと気持ち悪いですが……

結婚式で、教会を歩く二人が、水中遊泳ってどうです?
地に足が着かないほど、ウキウキ☆という感じ♪

……けれど
睡蓮のツボミ?が、クロエの口に飛び込んでからは、一転してしまいます――――


治療のために、薬だけでなく、大量の花をクロエで埋め尽くす、コラン。

↑不思議な設定ですが、花に囲まれたクロエは
コランのいっぱいの愛情に、囲まれた印象があって、素敵です。

けれど、経費がかさみ、コランも困窮します。
画面も暗くなります。
悪化していく、クロエ。
画面は、重くなり………
クロエは、亡くなってしまいます…………..orz

前半の、明るくポップな世界は、どこに行ってしまったの!??
こんな展開で、いいの!??(―_―)!!

………そこで、ふと、思ったのです……
私たちの一生が、そうなのだと……

どんなに、ハッピーなカップルであっても
いつか、どちらかが、先立つことになります。
どんなに、奇跡を願っても
いつか、死が、二人を分かつんですよね………

ああ、なんて、現実は、残酷だったのか……
なんで、夢のようだった映画で、こんなことを思い知らされてしまうのか…….orz

けれど
こんな絶望的な結末なのに、
始めに、たっぷりと、ラブリーな二人を見ていたためか
虚しさは、残らないのです。

幸せに結ばれた二人。
妻の病気を、必死で、治そうとする夫、
そこには、愛情が、あふれているんです。

命は、泡のようにはかなくても、愛情は、儚いものではないゾ!と言うように……

死と言う結末に、奇跡を起こすことはできなくても
生きているうちに、幸せのミラクルを、作ることはできる――
そんな感じで、ステキな作品です。


▼▼▼

一生は
泡のように、はかなく消えてしまう、うたかたの日々かもしれないけれど
その日々を、楽しく、幸せいっぱいに、彩ることは出来るゾ!
見よ!この手の込んだ、マジカルな映像を☆
…….と言っているような……^^;


ヴィアン + ゴンドリー + デュリス + トトゥ
彼らのハーモニーが作り出す、独特の逸品です☆
(通常版で十分かと^^;)


PS:
余談っぽいのが、サルトルをパクった、哲学者の存在。

いかにも、サルトルをパクったとわかる哲学者に傾倒する、コランの友人。
その哲学者の集会で、出逢った彼女と恋人になりますが
彼は、コランと違って、恋人でなく、哲学者に入れ込み過ぎて、散財しまくるので
恋人は、呆れて、去っていきます。
共通の理念で惹かれた相手でも、お金の使い方は、間違っちゃいけませんってことかな……^^;


















テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『わたしはロランス』★全てを乗り越えた“とにかく”に感じた二人の着地

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161267/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。


英題 『LAURENCE ANYWAYS』
監督:グザビエ・ドラン
(製作総指揮:ガス・ヴァン・サントも。)

・ロランス:メルヴィル・プポー
・フレッド(恋人):スザンヌ・クレマン

女性として生きたいと言い出した、男性の恋人と彼女の物語です。
↑大筋はシンプルですが、含むものは、深く重いです。(そして長い…)

偏見や困難を乗り越えて、幸せになりましたーー
ということを、予想しますか?
物語であれば、そうであってほしいですよね。
けれど、そんな簡単でいいですか?
世の中は、そんなに簡単に、結論させてはくれないし……orz

それなら、その中で、ロランスになり、彼女になり、周囲の目になって
大変ですね、だけではない、“この世界”を、共有してみるのがいいと思います。
(いや、グザビエ・ドラン監督の世界に浸ってみて!というほうがいいかナ (*^_^*))


▼~▼ 内容にふれて雑感です。

▼▼▼

① ロランスの告白

男性の恋人が、今までの自分は“偽り“で、今後は、女性として真の姿で生きたいー
と言ったとき、恋人は、驚きながら、怒りました。
今までが、“偽り“なんて….
私との関係も、“偽り“だったの????と。

“偽り“と言えば……
逆に、真実(の愛)とは何だろうと思う……

愛することに迷いが無い時は、いいけれど
異性であることを“やめた”恋人に対して、もし、愛することを”やめる“ならば
自分は、一体、“彼“のどこを、愛していたのだろうか……と戸惑うかもしれない…

本当に、僕を愛しているなら、すべて、受け入れてくれるよね?

確かにそうで、恋人フレッドは、ロランスを愛することに、変わりはありません……
ロランスも、普通の家庭の幸せをあげるよ、と言ってくれる……
けれど、彼女は、天を仰ぐ……
女のつもりで生きることと、女であることには、大きな差異が……   ↓ドラッグ





(フレッドは、ロランスを子供を中絶しました)



② 周囲のこと

他人の目は気にせず、自分がしっかりしていれば……
と思っても、人は、社会の中で生きているので
自分だけでは、限界もあります……

“標準的”でないと判断された人には
土足で踏み込んでも、傷つかない覚悟をもっていると、思い込まれているのでしょうか?
何を言ってもやってもいいと、思い込むものなんでしょうか。


その最たるのが、レストランでのこと。

ウエイトレスの女性が、「ただの興味本位」で、女装のロランスに、しつこく質問してきます。
それに、ブチ切れたのがフレッド☆(←☆つけるよ(*^_^*))
かなり、怒りまくってくれますが、それでいいと思う。
「ただの興味本位」って何よ。ソレ、知ってどうすんの?

知るべきことを、知ろうとしないで(人の気持ちとか)
知らなくていいことを、知ろうとするのは、やめたほうがいいことの1つだ、と思いますよ。


③ その後のこと

ストーリーの展開もさながら、終わり方が、ナルホド~と思ったのですが……
その前に……

予告編でも、すでに、見せているのですが
服や布が、風になびいたり、翻るのが、とてもステキな効果です☆

ロランスのコートの裏地が赤いのも、ひるがえって、効果的にキマル☆

画面が生きてくるのと同時に、自分が、風に吹かれたときに感じる
アノ独特の感覚(←人それぞれ)を感じるようで、心が、波立つんですよ。

そうして、そんなこんなで、
ロランスも彼女も、いくつも、乗り越えるのですが……

二人は、これで、また一緒に、やり直すのかな……
これで、メデタシかな……と思わせる部分もありますが
それは、まだ、“超越”の着地ではない!というのが、この作品の良いところでしょう。

何もかも“乗り越える”とは、そういう終わり方じゃないのだと。

邦題は『わたしはロランス』ですが、英題は『LAURENCE ANYWAYS』です。

邦題の印象だと、男でも女でも私は私よ、という感じですが
英題の『とにかくロランスよ』のほうが、“乗り越えた“印象が強いと感じませんか?

ラストシーンでの、ロランスの挨拶。
この長尺の諸モロの事情が、アレコレあったけれど、それらを全部、取っ払った上での
「と・に・か・く・ロランスだ」
あ~なるほどナ~と、大きな説得力を、感じました☆


▼▼▼


その人のどこが好き、というよりも
その人がどんな人か、と言うよりも、
一緒にいたいと思うことが、十分、愛なのかな……と思う……
目の前にいてくれたら、嬉しい☆

ロランスも、魅力的な人物でしたが
恋人フレッド役のスザンヌ・クレマンにも、内容がギュッと詰まった感じの
パンチの効いた存在感で、惹きつけられました☆


グザビエ・ドラン監督は、注目される方も多く
私も、目が離せない監督だと、思っています☆(^_-)-☆


(できれば、2時間48分の上映時間が、2時間くらいだと、もっと嬉しい^^;、)















テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『明りを灯す人』★信念と希望の灯は絶対に消えない

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/155936/
あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


キルギス作品
監督・脚本・主演  :アクタン・アリム・クバト

村の“明かり屋さん“として働く、電気工が主人公です。
ソ連崩壊後、独立したキルギスで、アカエフ大統領が退陣する頃のこと。

明り屋さんの夢は、
① 風力発電で、村に電気を安く広く供給したいことと
② 息子が欲しいこと

のどかな、田舎のおじさんの話、というわけでもありません。
日本では、想像つかないような厳しさと残酷さのなかで、人々が生きている……


▼~▼内容にふれて雑感となります。(長いかも)

▼▼▼

① 電気を広く安く

この村の老婦人も、ニュースや音楽が聞けない生活は人間らしくないー
と言いますが
電気がないと、暮らしが成り立ちません(>_<)
(計画停電でも経験済みですよね)

堂々と、アンテナを盗む人もいる……

せめて、高額の電気代を少しでも安く、と
“明かり屋さん“は、貧しい人のメーターには、細工してあげています。
で、一度は、捕まってしまうのですが……

そもそも、国や制度が、電気の安定供給をしてないから、と言う想いもあってか
“明り屋さん“は、風力発電の大々的な有効理由を、切望しています。
試作品は、自宅にあり。

折しも、代議士候補と接触します。
彼は、村を乗っ取るんじゃないかとの噂のある人でしたが
風力発電の話を、前向きに聞いてくれたので、
“明かり屋さん“は、イイ人だと思います。

しかし、その代議士と友人(←新村長)が、中国人投資家を、
色仕掛けで “接待“する場に居合わせた“明かり屋さん“は
いたたまれなくなり、
接待の場をブチ壊してしまい、あとで、リンチされてしまいます……


② 若い女性

エロ仕掛けの餌食になった、女性です(>_<)

彼女は、学業優秀で、大学進学も勧められていたことを、
電気修理に行った家の老婦人から、聞いて、知っていました。

けれど、彼女は、出稼ぎに行った両親への仕送りや、
祖母との生活費のために、“仕事”をしていました。
だから、“明かり屋さん“に、仕事=エロ接待を止められても困るのです。

この現実は、厳しいです。
心情的には、こんなことを黙認できない!という事でも
生活の糧を、奪うこともできません……

代議士たちにしても、投資してもらわないと、村の発展は期待できない。
“明かり屋さん“の望む風力発電にも、設備投資は必要です……

意味深な、ロバの雄雌のシーンがあって、
若い娘のそれからが、暗示されるようでした……


③ 息子が欲しい明り屋さん

女の子4人のパパである、明り屋さんは、息子を希望していました。
自分の技術を伝え、後継ぎにしたいと言う想いが、あったかもしれません。

電柱の上の明り屋さんに、妻では、うまくマッチ箱が投げられないとき
よその男の子が、工夫して、うまく投げてくれました。
男の子がいたら、自分の手伝いもうまくやってくれそうだ…
そんな気持ちが、伝わってくるよう……

あるとき、悪酔いしたのか、明り屋さんは、親友(新村長になる)に
とんでもないことを、口走ってしまいます(>_<)
それは、妻に息子を産ませてくれ、というもの…….
(親友は断ります)

明り屋さんの一途な気持ちが、そんなことを言わせてしまったとしても
不適切な男女関係としては、
あの若い娘をめぐる男たちと、通ずるところもありそう……

妻に息子を産んでほしくて、不適切なことを、
無意識に思っていたかもしれない明り屋さんは、
エロ接待の餌食になる若い娘を目の当たりにして、自分の中の不適切な想いも
払拭したかったのか……などとも思いました。

ワルいつもりでなくても、不適切なことは、あるーー


▼▼▼


革命や政変があっても、庶民には、少しでもいい暮らしであってほしいーー

明り屋さんにできることは、
明り(=電気)を、この村に、よりよく供給すること――

だから、明り屋さんは、リンチにあっても、滅びるわけにはいかないのだ!
(↑本当のところは曖昧です)


風が吹いて、電球の明かりが、チラチラ点くシーンが、とてもいい。
消えそうだけど、消えない。点いている!
それは、明り屋さんの命の暗示かもしれないけれど、信念の灯かもしれない。
そして、そんな信念は、明り屋さん個人の枠から、広がっていくーー


だから、ラストシーンに映しだされた、自転車を力強く漕ぐ足は
もはや、明り屋さんの足とは、限らない。
この村で、生きる人々は、どんな状況下にあっても、
皆、倒れないように、必死で漕いでいるーー
その力強さを暗示するように、願っていたのかな~と思うのです。


9年がかりで製作されたという本作は、監督の人生の一部を、
確実に、表現していると思われます。

普通に平穏に生きることーー
ただそれだけでも、意気込みが違うーー
そこに、強く惹かれる作品でした☆


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テーマ : アジア映画
ジャンル : 映画

映画『黒執事』★“水嶋ヒロの執事”が懐かしくて(*^_^*)


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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161727/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。

注)原作とは、ほぼ、別モノです。

感想は、種々あるかと思います。(もうちょっとナントカ…etc,汗)
▼~▼ ノーガキとなっております。


▼▼▼


水嶋ヒロさんの執事――と言えば

TVドラマになった『メイちゃんの執事



お嬢様方にお仕えする執事が、皆、イケメンぞろい♪ということで
実写版では、女性は、老いも若きも、自分がお嬢様になったつもりで
イケメン執事に、かしずかれたかのような妄想を、楽しんだことでございましょう^^;

で、あの妄想を再び?(*^_^*)との期待を抱かせたのが
この作品でございます。

今回の主人は、剛力彩芽さん。
彼女が“女王の番犬”として、危険を冒しながら、怪事件の真相を暴いていくのですが……
(スミマセン、剛力さんは、私のイメージとちょっと違った…)


探索中に、主人が危険な目に遭いそうだと、守ってくれる執事☆
執事というより、SPか?^^;

この、黒執事は悪魔(!)なので、主人が殺されてしまうと魂を得られない、という
損得勘定?もあるので、スマートに守ってくれますーー


この、いざというとき守ってくれる、というのが、女子にはたまらないのかも(*^_^*)
なおかつ、上から目線でなく、見上げ目線というのが
お姫様ゴコロを、刺激される(*^_^*)


今回、メイちゃんの執事の名執事=水嶋ヒロ☆(敬称略)ですよ!
あのときも、ゾクゾクしましたが^^;
今回は、+悪魔ということで(あくまでも…と)、クール&ダークな雰囲気が、
濃くなっている分、ゾクゾク度が、アップ↑

水嶋さんの“執事話法“は、低いところから、
撫で上げるように?^^;、ウエットな感じでお話されるので
ファンには、首筋もゾクゾクと、たまりませんでしょうナ~(*^_^*))


内容は、難アリ(>_<)と思われる部分も、ありますが(汗)
黒執事らの、ブラックムードなアクションは、一興かと。

個人的には、優香さんの存在感、良かったです。
執事長の志垣太郎さんも、上品な雰囲気☆
(志垣さんも、お茶してないで活躍してくれたら、作品がもっと格調高くなったかも……)

~~

感情を表に出さず、何を思っているかわからない人が
あるとき、自分の意志や感情を表に出したときには、とても強く
その人の想いを、感じることがありますよね。

メイちゃんのときも、始めは、ただ忠実な執事、という様子だったのが
終盤には、それとなく、恋愛感情(?)も、にじませていたのが
乙女ゴコロを、くすぐられました。(よね?^^;)

今回の執事も、剛力さんに、ソレを見せるのか!?
はたまた、女性の皆様にか……^^;


……とにかく、“水嶋ヒロの執事”を見たい!
もう、それだけでした。(*^_^*)


▼▼▼


……二転三転しつつも
もっとイイ作品を、狙って作ってくれても良かったですよ……などと思ってしまったのですが……^^;
(失礼いたしました)

水嶋ヒロの執事姿が、懐かしかったナ~ということで……


PS:主題歌の作詞・作曲が、絢香さん♪
ヒロさんとのコンビで、ほのぼのしましたよ(*^_^*)



















テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『セイフヘイヴン』★ロマンスとミステリーを包むラストの愛に泣く


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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/162501/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



原作:ニコラス・スパークス
監督:ラッセ・ハルストレム


↑彼らなら、ただひたすら、切ないだけの愛情物語でも観たいです(*^_^*)


予告編だと、出逢った彼女が殺人犯??それでも愛さえあればいい!!(>_<)
というだけの作品かと、思ってしまいそうですが…
チッチッチ^^; だけじゃいないのが、いいのですよ。


彼女に何があったか?というミステリーを、引きずっていきます。
そして、出逢ったシングルファーザーとの、アットホームな日々。
平行して進む、彼女への“魔の手“。
真相が明らかになったあとの、サスペンス&リスキーな体験!(>_<)


……そして、メデタシと思ったら、幸福感のダメ押しがあった……
うわっと、涙出てきました………….


↑コレがあるから、いいんですよ。
ハルストレム監督だから、このラストシーンまで、いい風情で引っ張ってくれたんですね……




▼~▼、大元のネタバレしないで、雑感です。



▼▼▼


1、彼と彼女の出逢い


訳アリの彼女(=ケイティが、バスを途中下車した町は
旅行客が、立ち寄るだけのような所。


バスのトイレ休憩場になっている、雑貨店主(=アレックス)も
妻亡き後の時間、子供の成長だけが変化するのみで
自分に通り過ぎる出来事を、留めることなく、見送っていただけのよう……


彼と彼女の出逢いには、それぞれの“片割れ“捜しのようなニュアンスを、強く感じました。
それを、運命というのかもしれませんが
自分の隣りにいるべき人を見つけた!という彼らの雰囲気が、
“アットホーム“な感じを与えてくれるのです。
子供も、ケイティに、懐いてたし(*^_^*)


そして、この静かな田舎町の、木々や湖、光……
そこは、ケイティには、安全な地(=セイフ ヘイヴン)。
その地を、スケッチするように映してくれるのが、ハルストレム監督☆
いかにも、“美しい映画“なんですよ(*^_^*)


2.“ケイティ“のこと


ケイティに何があったかが、わかっていくのも、面白い☆
ただのラブロマンスじゃないゾ!(^_-)-☆
殺人がらみ!?
でも、“氷の微笑“とも違いますョ^^;




やがて、ケイティの“事情”がわかったあとの この町での、イベントの日。
打ち上げ花火が、事件をクライマックスに導くのにも、ドキドキ(>_<)



……かなり、迷惑なコトになってしまいますが………….(―_―)!!



3、手紙



手紙と言うのは、心に、グッと来ますよね^^;



ニコラス・スパークス作品では
親愛なる君へ』(原題『Dear John』ですもん)でも、手紙で、攻めてました(*^_^*)




手紙は、そこに、想いが留まって詰まっているので
朗読されると、心をとらえて離さない、というか、抱きしめられる気がする……



このときまでに、封書が映るのですが、ラストに、そんな使われ方をするなんて思わなかった(>_<)
勘の良い方なら、そのトリックはお見通しだ!ったかもしれませんが^^;
気づかずにいたほうが、ラストの感動が、高まりますョ(*^_^*)




▼▼▼


辛い過去を抱えた男女が、出逢って
心の傷が、癒えていくのを感じたとき
それが、新たな愛の始まりだと気づく……


と言う情緒が、やさしい味わいで描かれていて、好きです。


そんな、優しい愛情に、包まれたいんです…….(照)


だから
大胆にも、ファンタジー(!)を、結末に添えたとしても
温かな人の気持ちがそこにあるなら、私は、OK☆


幸せな結末は、嬉しい♪


















テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ジャッジ!』★ズルは“穴”があったら入りたいコト(―_―)!!


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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161911/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


この、そうそうたる顔ぶれに惹かれて、鑑賞しました。


CMコンテストで、お得意さんのCMを入賞させないとクビ、という特命?を受け
ニセ審査員になった社員の奮闘ぶりを、見せてくれました。

あらかじめ、申し述べますが(汗)
本格的なコースディナーを御所望の方には、つまらないかと思われます。
折しも、正月のお餅でもたれたお腹に優しい七草粥を、すする心づもりでお願いします。^^;


▼~▼ 軽く雑感です^^;


▼▼▼


トヨタのCMののび太くんが、社員になったような妻夫木君♪
この顔ぶれの諸氏に、もみくちゃにされるような役柄ですが^^;
もまれても、しっかり、“実の残る存在感”が、妻夫木くんのイイところです。


北川景子さんは、ギャンブル大好きOLです♪
この、ギャンブル好きの血がさわぎ
CMコンテストでの“大八百長”?を、“大バクチ2と考えて、妻夫木君に協力してくれます。


そして、リリー・フランキー☆
この方の、“柳に雪折れなし“ と言うムード好き☆
ゆるいけど、ツボを押えてるんです。
ひょうひょうと語るだけで、フッと、笑いの息が抜けます^^;
「ああ見えて、あのオバサンは、昔、16だったんだよ」
と松本伊代を語ったときには、ところどころで、脱力した笑いあり……^^;


・きつねうどんのこと。
……これは、ニャーニャー言ってましょう。(―_―)!!

・ちくわのこと。  ←このCMを入賞させたい。
入賞させたいなら、入賞できそうなCMを作ってくださいと思いそう……(-_-)/~~~ピシー!ピシー!


無茶と書いてピンチと読む
逆風も、振り返れば追い風になる
ちくわの穴をのぞけば未来が見える
(穴があったら入りたい?(―_―)!!)


名言格言を織り交ぜながら、ドタバタやってくれて
ズルの横行で、ちくわのCMは、入賞できるのでしょうか????
……いや、ズルで入賞できても、サクセスストーリーどころか、後味悪くなるだけ??(>_<)

と思ったら
思わぬ“余波”があって、波に乗れていく妻夫木くん………オット!(*^_^*)


▼▼▼

CM関係の方が、自分たちの知っている世界を、アレンジして見せてくれたんですね。

ツウの方には、厳しい“ジャッジ”も、ありましょうが
そこそこ笑って、ユルめる娯楽ということで、どうか、ひとつ……^^;


~~~余談~~~

ジャッジと言えば……

オリンピックやワールドカップでも
あとになって、不公正なジャッジのあったことが、暴露されたことが、ありましたね。

あらかじめ、出来レースだと、どんなに努力しても、加点されるはずもない……orz
けれど、バレバレに失敗してるのに、
完璧な演技者より高得点で、不審に思われてバレたというのが、フィギュアスケートでありましたっけ。

ジャッジの良心を買収できても、他の人の見る目は、買収できませんよ。
良いと思うものは、無理しなくても、絶賛したくなるものです。
良いものを良いと評価したい☆
それが、人の心ってもんだと思いますよ。

…….で、この作品を、どうジャッジされるかは、各自のお好みで(^_-)-☆


PS: サカナクションの歌う主題歌「アイデンティティ」とエンディング曲「ユリイカ」は、
雰囲気盛り上がって良かったと思いますよ♪















テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『大脱出』★痛快!2トップが魅せる不可能からの脱出

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/162523/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


シルベスタ・スタローン&アーノルド・シュワルツェネッガー
この2人が、脱獄モノをやると聞いたら、
もう、観たくて観たくて、ウズウズ…^^;


▼~▼、結末はぼかして雑感です。

▼▼▼

凶悪犯の脱獄は、応援できませんが
今回は、スタローンが、罠にはまってしまったと言う設定。
そして、シュワルツェネッガーは、囚人なのですが
どこか、ワケアリな感じ……

ともかく、予告編で、かなり見せているので
この2人の監獄は、巨大な船ということは、わかっちゃっています(>_<)
穴を掘って出ると言うのは、ムリ…

もう、脱獄、無理ダロー!(―_―)!!
と思わせるのは、船上に出たスタローンの虚無感で、思い知らされます。
が、そこからなんですね!

海はダメだから、何事もなかったように、監房に戻りますが^^;
コレがダメと思っても、いつでも、プランBを用意する――
すぐに次の手を考えて、攻めていく。
それが好き!
すぐに投げないで、切り替えしうまく、貪欲に生きる!

スタローンとシュワルツェネッガーが
ほかの“お友達”も巻き込んで、地道に、かつ果敢に!“アリの一穴“を、捜していきます。


さて、手始めに、二人のアクション(殴り合い?^^;)を見るのは
二人が、ひと芝居打つための殴り合いですので、
“お通し“みたいなもんです^^;
ワイルドな肉体派は健在☆というのを、堪能☆

プリズンブレイクは、いざというときは体力勝負ですが
そこに、至るまでは、頭脳戦。
スタローンは、前座の“ひとりプリズン・ブレイク”も、鮮やかに、気持ちよく見せてくれます♪
(あんなにうまく行くのか~^^;?行くのよ~(^_-)-☆)


一方、今回の適役~所長:ジム・カヴィーゼルも、クールに冷酷に、包囲してきます。
ジム所長は、ワケあって、スタローンを執拗にいびります。
(ジムは、心の清らかな役柄が合ってると思っていますが、クールな嫌味も、ナカナカ…^^;)


心を萎えさせる作戦で、痛めつけます(>_<)
スタローンも、60代なんだから、死んでしまうよ~(>_<)
けれど、それを、ご同輩:シュワちゃんが支えてくれます。
心強いゾ!シュワちゃん!
(……このときのシュワちゃんは、ターミネーターなシュワちゃんではなくて
優しさが、溢れてましたね……。)

この2人は、下手したら、“ご老体“と呼ばれそうな二人ですよ。
でもでも、この2人には、もう年だ……なんてことを感じたくない。
そして、それに、応えてくれてるのが嬉しい☆
年齢不詳で、行ってくれ~!!\(^o^)/

そして、船の上から、どう脱出するのか!?

……作戦は、そのときに、しようと思ったのでは遅いってことですね^^;
仕込みがすべて☆

そして、なるほど~と思いつつ
危機には、シュワちゃんが、いえ、シュワ様が、カッコよく、ガンガン撃ちこんでくれます!\(^o^)/

▼▼▼


2人の大ベテランが、肉迫の演技を魅せてくれました☆

『大脱出』
閉塞感ある方には(自分含む)
不可能からの脱出は、痛快ですよ♪











テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『黙秘』★お天道様も見てない“日蝕”と女の“よすが“

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/114801/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


スティーブン・キングが、キャシー・ベイツのために書いた作品だそうです。


キングの作品なので、もちろん、ミステリーを楽しむのですが
この世の中の、辛苦と醜さと優しさが包括された、すばらしい作品でした☆

原題は『ドロレス・クレアボーン』と
キャシー・ベイツ演じた女性の名前そのままです。
哀しみの中に生きる女性ドロレスが、必死で、それをはねのけながら生きてきた
骨太の充実感が、キャシー・ベイツにぴったりです。

ある老婦人の死で、容疑のかかった家政婦ドロレスの物語なのですが
単なる、犯人捜しの物語ではありませんでした。

真実は、20年前にさかのぼりますが、そこがまた、人の情に訴えてきます!
今回、亡くなった老婦人が目に涙を浮かべるシーンが、グッときます。

邦題は、「黙秘」ですが、20年前の“日蝕”のシーンが、とてもドラマチックでした。


▼~▼ ミステリーですが、あえて、ネタバレっぽく雑感です。


▼▼▼


今でこそ、男尊女卑の傾向は、薄れてきましたが
やはり、老婦人が言うように
“この世は男の世界なのよ”と言う言葉が、ここ最近、私自身には、身にしみています……………
妻は夫の所有物で、世話係とか家来と思っている人も、当然のようにいます。
それを、ここでグチっても仕方がないので、やめますが……(>_<)

DVの認識の無い頃は、妻は夫の暴力には逆らえず、耐えるほかありませんでした。
暴力は、腕力のみならず、怠惰やアル中、ギャンブル、性的虐待もありますね……orz

そんなロクデナシにも関わらず、夫や父は“主人“なので
妻が稼いだお金も、使いこんでしまう。
妻や家族も、“主人”の所有物と言う暗黙の了解があるから、当然のこととされてしまう……


ドロレスも、作り笑いで、やり過ごしていましたが、娘への危害を知って
もはや、自分の我慢だけでは済まない事態を、憂います。
かといって、話してどうにかなる夫ではない…
家族内の事件は、逃げ場がないので、困るのです……………………orz


そんなとき、普段は、口やかましい女主人が、家政婦ドロレスの涙に気づいて
声をかけてくれるのです。
意外にも、話を親身に聴いてくれた女主人は、ドロレスに同情し、涙を流してくれました。
そして、さりげなく、日蝕の日に、“友情”をくれたのです…………….
(↑私は、ソレを、あえて“友情”と呼びますよ。)


世の中には、敵も味方も、他人も友人もいる。
都合のいいときだけ友達顔で、得が無ければ去って行く人もいる。
この女主人は、普段は、面倒な人ですが、
ドロレスが一番、逃げ道が欲しい時に、“一番親身なこと”をしてくれたのだと、思うのです。


……もちろん、結果の善悪で言ったら、好ましいことではないことぐらいわかっています。
けれど、男性優位社会にあって、“女の逃げ道”を経験した女主人は、女として、ドロレスを助けたいと思った。
社会規範のイイ悪いではなくて、弱者へのいたわりの気持ちとして、私は受け止めましたよ。


かといって、ドロレスは、誰も殺していないのが、いいところです。(汗)
しいていえば
ソノ時、日蝕が起こり、お天道様さえ何も見ていないという、絶妙なシチュエーションなのです!


なぜ、ドロレスが、毒づかれながらも、20年来、老婦人の世話を献身的にしてきたか?
あのとき、自分の苦難を知ってくれたのが、この老婦人だけだったからなんですね。
最高の友情と感謝を、感じたと思いますよ。
通り一辺のキレイごとでない解決策を、共有してくれた人ですから。


だから、そんな老婦人を、ドロレスが殺すはずないんですね。

ところで
ドロレスの娘は、記者として、活躍中の才女のようですが、始めは
母親の女の哀しみを知るには、まだまだ、小娘ちゃんでした^^;、

始めに見せた涙は、まだ、自分のために泣いてましたもん。
確かに、娘としての彼女も辛かったと思いますが、大人になったら
もっと辛いことに立ち向かっていた母親を、まっすぐ見てほしいもんだな……と思ったら……

終盤、母親の心にぴったり寄り添って、いい援護射撃をしてくれた☆
ありがとう!

~世間からどう思われるかではなく、娘がどう思っているかが大事~

ドロレスの安堵の表情には、幸せがありましたね。(*^_^*)


▼▼▼


世の中の理不尽なことを嘆いても、すぐに、良くなるわけではないのが、実情です(>_<)
かといって、闇奉行に斬ってもらうわけにも行かず……(>_<)

何を“よすが”に生きるかは、
悪たれやイジワルのような、ダークな強さも、あるかもしれませんが(汗)
私は、同情も含めた“共感“が、嬉しい。
わかってくれる人がいる~それだけで、どんなに心強いことか……
たぶん、ドロレスも……

それが、誰であれ、
そこに、友情と絆を、感じるのだと思いましたよ。











テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『暗くなるまでこの恋を』★苦しいほどでないと愛は…

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/163618/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


監督:フランソワ・トリュフォー
出演:ジャン=ポール・ベルモンド、カトリーヌ・ドヌーヴ



冒頭、映画『ラ・マルセイエーズ』が流れ、監督したジャン・ルノワール氏に
この作品を捧ぐと、ありました。




恋愛映画しか撮らないという、トリュフォー監督と
↑2大俳優の布陣で魅せる作品☆

フランスの海外県:レユニオン島(マダガスカル島の東方)から、始まります。

文通で知り合った男女が、結婚することになり
女が、男の住む、レユニオン島にやってきます。
送ってもらった写真とは違っていましたが、男は、美しいその女に、一目で恋に落ち
二人は、めでたく、結婚します……
その後、急転し、坂を、転がり落ちていきます……(>_<)

恋愛映画しか撮らないとは言ったものの、ヒッチコック監督を敬愛するというトユフォー監督は、
サスペンスで、うまくコーティングしながら、
甘いだけではない、愛の姿を、見せてくれます☆


▼~▼ 内容にふれて、雑感です。

▼▼▼

序盤、お金の話が出てきたあたりから、警戒モードになってきました。

男は、タバコ会社の経営者で、リッチです。
夫婦とはいえ、文通だけで、背景がよくわからない相手に
自分の財産のどこまで、信用させていいものか……と思いますよね。

でも、自分が好きになった相手には、心を許したくなるんですね……
この先、ずっと、一緒の関係と思っているわけですから
人に知られたくないことも、この人には、打ち明けようと思うこともありますよ。(自験例)
それが、愛情表現のつもりでもあります。
だから、悪気はなかったとはいえ、その人が、他にバラしたことを知ると
裏切られたというか、二人の秘密にしてくれなかったのか……orzと思って傷つく……(自験例)

早々に、女は、夫のお金を、会社の分も含め、ほぼ全額引き出して、雲隠れしてしまいます……(>_<)


男は被害者として、女を捜索しますが、一方
女が入れ替わった本人は、殺害されていたことがわかり、実姉も、女の捜索に協力します。
つまり、
この“夫婦“だけの問題では、なくなったということです。


その後、女を見つけた夫は、殺そうとしますが
やはり、1度強烈に好きになった人には、“好き“という気持ちだけが、残っていくものです。(キッパリ☆)

悪い男に、お金を巻き上げられた女には、手元にお金はなく
男は、再び、自分がお金を工面して、彼女と一緒にいることに“努力”します。

この“努力”が、破滅に向かってくのですが
ジャン=ポール・ベルモンドは、カッコいいだけの男ではなく(褒め言葉デス)
貧乏くじを合わせもつからこその、人間的魅力を、感じさせる人なので
ダークサイドで、幸せがはぎ取られていくような、空寒い風情が、とてもいいのです。

そして
初めに騙した女は、やはり、油断ならない^^;
親切そうな顔をして、“白雪姫の毒リンゴ“と等しいことを、夫にする。
自分だけ助かればいい、という生き方をしてきたような彼女の
しみついた生き方なのかもしれないけれど、それは、究極に、ヒドい!
こんな女に関わったせいで、夫は、人殺しもしてしまったというのに……orz

しかし、ああ、これが愛なんだな……ということを見せる。
それは、「毒殺しようとしたことを知った上で、なお、彼女を愛している」という男の気持ち☆

↑この愛の気持ちは、ご経験ありますか?
大抵は、可愛さあまって憎さ百倍返し!となるところでしょう。
けれど、“好き“という感情が強い相手には、何をされても”好き”と思ってしまうこともあります(キッパリ☆2)

そこまでの愛を前にしたら、毒婦と言えども、真実の愛を知りますよ。
そして、その強い愛に、自らを恥じ、愛することの苦しさを知る……

逆に言えば、苦しいほどでないと、愛を知ったことにならないのではないか……(自験例)

経過からすると、明るい前途は、見えてきません。
二人は、風吹の中、歩く姿が、かすんでいって終わります……

けれど、このラストシーン、いいなあと思うのです(*^_^*)

困難や不遇しかないかもしれない前途だけれど
二人が、しっかりと結ばれて、手を携えてともに歩むならば、乗り越えていけるかもしれないし
不遇しかないとしても、あなたがいてくれれば死んでもいい、と思えそうなことが
すでに幸せなことなのかもと、感じるからです。


▼▼▼


結婚は人生の墓場とか、結婚は不幸の始まり、などと言いますが
確かに、そうかもしれない……orz


それでも、出逢っただけの、意味のある二人。
ラストの「FIN」が、雪の中に、赤く映えて、鮮やかです♪













テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『尼僧物語』★人間として信ずる愛のために~雑感です~


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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/5005/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
あらすじはココも。




ご存知、オードリー・ヘプバーンの名作です。
子供の頃、観て以来で、ほとんど記憶がなかったので、新たな気持ちで鑑賞しました。


看護師ガブリエルは、尼僧シスター・ルークとなって
アフリカのコンゴに赴任します。
医療活動だけでなく、修道女としての立場もあるシスターは
信仰と善意だけでは、なにかと行き詰まりを感じます……

▼~▼、内容にふれて、雑感と言うより意見です。
(注:作品の主旨からそれてる可能性あり)

▼▼▼

シスター・ルークは、医療活動を通じて、神の愛を伝えたいというところから
始まっていたと思うのですが
看護師と修道女と言う立場は、慈愛では一致していても
別の立場なんですね。

患者さんに接し、尽くしていても、祈りの鐘が鳴れば
祈りを、優先しなくてはなりません。
沈黙の戒律があれば、無愛想?に接することにもなる……orz

悩むルークに、上司の尼僧は、
看護師であることより、修道女の立場を優先すべきだと言います。

どうします?
心浄いルークは、ストレスのためか、結核になりかかってしまいます(>_<)

悩みを告解すると、神父さまのいう事がいい。^^;
「あなたは、自分に厳しすぎるのです」
他の人は、そこそこ、ゆるくやってるよ、ということでしょうか……

確かに、自らを罰するムチ打ちは、週2回が適当だ、と他の上司も言ってた…^^;
しょっちゅう、気が咎めていては、人間やってられませんよね……


沈黙など、俗世間ではきびしいタイプの戒律は
修道院の中だけにして頂いたほうがいいと思います。
祈りもそうです。


祈りは、謙譲の気持ちからも、尊い行為だと思いますが
直接、手が下せる行為があれば、それが優先されましょう。
医師不在のときには、ルークは、ただ祈るのではなく、できる処置を施しました。

祈りに関しては、これは、私の勝手な自論なのですが……
祈り=お願いごとをすること、と言う感じがありますよね。
けれど、私は、そう思いたくないのです。

お願い=他力本願=自己を捨て神様に運命をゆだねる謙譲、ということになるかもしれませんが
お願い=利己主義、でもありますよね^^;


なので、祈るときは、〇〇してください、とは基本思わない様にしています。
神様も、頼みごとばかりきいていられないと思うし…^^;
アレコレ欲張る人の祈りモドキは、多分、却下されるでしょう……(―_―)!!


祈るときは、今のところは、何も思わないのが無難かなと思います。
しいて言えば、何があっても受け止められる自分になりたい、と思いますが
具体的にそう思おうとすると、心が乱れるので(汗)、心を無にするほうが、祈りにはいいと思います。


(↑異論・反論は、宗教上の違いなどから多多あると思いますが、私見ですのでご容赦を。
お心ひろくお願いいたします。)

そうして、罪人を赦す立場のシスターたちですが
どうしても、赦せない経験を、ルークはします。


不幸や怒りは、他人事と自分事では、まったく違うものです。
こうしたほうがいいとわかっていることは
他人事では、理屈で理解できても
身内のことでは、感情を抑えられません。


その親身の怒りや憎しみは、
深く強い愛情があるから、湧き起こること。
自己の感情を抑えることが修行であっても、人間として生きる以上
患者さんへの慈愛とて、人間愛から生まれるもの。


そもそも、修道院も教会も、組織が大きくなったための規範であって
キリスト様は、そう仰ったのか?と疑問の余地のあるものも、無きにしもあらず……


言われたことを“従順“に、こなしさえすれば、“責務“を果たしたことになるかもしれませんが
生身の人間の生活は、マニュアルの範囲内しかないわけではないので
想定外のなんとかすべきことが、目の前に生じたとき
祈りは胸の内でするとして、手を動かし、自分の信ずる愛の為に行動するほうが
神様の説く道ではないかと、思います。
(生意気ご容赦(>_<))


▼▼▼

彼女が、遂に下した決断。
それは、脱落でも逃避でもない。

あるいは、それは、彼女の試練になるかもしれないけれど
神様は、彼女に、それに打ち勝つ強さを授け、導いたのかもしれないと思えてくる。

彼女の本名ガブリエルは、神様の言葉を伝える天使の名前。
それを意図したかどうかは、不明ですが
ガブリエルの新たな旅立ちは、神様の言葉も愛も、運ぶ予感がありました。

オードリーの、可憐で芯のある、凛とした姿が、神々しく美しい☆





















テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『危険なプロット』★エルンスト君の危険な香りは余韻まで“続く”…

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161979/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


コメディ舞台劇が、元だそうです。
が、オゾン監督は、滑稽かもしれない生活劇を
コメディどころでなく、トンでもなく、転がしてくれました☆

国語教師(=ジェルマン)が、文才を見出した学生(=クロード)に、小説の個人授業をするのですが
その小説の題材が、よろしくない(>_<)。
始まりは、週末過ごしたことをテーマにした作文の宿題だったのに……

同級生ラファに、数学を教えてあげるために、ラファの家に行ったクロードが
その家族の様子を、“記述“と若干の”修飾“を加えて書いたのですが
ほかの学生の“2行作文“の中にあっては、
先生には、それが、なんとも魅力的に、響いてしまったのです。

しかも
“続く“で、締めくくってある。^^;
続き読みたいでしょ?と誘うんですよ^^;


▼~▼、内容にふれて雑感です。


▼▼▼

1、中を見たい^^;

原題『Dans la maison』は(家の中)。

外から見える窓の内側では、どんな生活が、繰り広げられているのだろう…
と思うことは、私にもあります^^;
(ただし、窓明りを見て、あの灯りの下で、みな幸せなんだろうなぁ…….と
勝手に、ほのぼのするのですが……^^;)

クロードは、“普通の家庭“が、どう暮らしているのかを知りたがりますが
それは、若者の好奇心というだけでなく
彼の家庭事情にあるらしかったことが、うかがえて来ます。

そこの家庭に出入りして、夕飯をともにしたり、一緒にテレビを観たり
ついには、お泊りまで!
その家族の一員のように、接してくれるのです。

が、クロードは、“作文“するのです。
その“家の中”のことを、“家の外”にいる人の目で。
しかも、“記述“主体では、やがて、限界が来ます。
“演出“や”創作“がないと、面白くありません。

人物像に特徴を持たせよ、とか、向かう先に妨害があるほうが盛り上がるとか
先生も、“親身に“指導します。


2、行き過ぎ指導?(>_<)


舞台が、ラファの家なので、クロードが、ラファの家に入り浸らないと、続きません。
しかし、ラファの成績が思わしくないと、クロードよりも家庭教師を雇う雰囲気になってきます。

…….ふつう、こんな展開はないだろう(>_<)と思うのですが
夢中で読んだ小説の続きを、すごく読みたいときは
なりふり構わず、食い付くように読みませんか?^^;

先生は、こともあろうに、トンデモないことを(←しいて言えば“行き過ぎ指導”?)
しでかしてしまいます……orz
これは、クロードのためというより、先を読みたい自分のため??

ストーリーというのは、ノッてしまうと
人を引き込んで、引きずって、逃さない。
麻薬みたいなもんです。

言葉というのも、言霊と言いますが
その言葉や文体で、人を酔わせ、虜にしてしまうものですよね。
ああ、あの人の本、読みたいな~と思う、アノ感覚ですよ。



3、あとは、一気に読み進め!(*^_^*)



終盤は、結末がどうなるのかが、気になってたまらない^^;
結末とは、クロードの小説と、この作品の結末。

もはや、“家の中“の問題では、なくなって
“アウトサイド“に、足を踏み出しているクロード。(>_<)

文字にするというのは、怖ろしいもので
事実の記述から始まった、この小説に、フィクションを加えたとしても
文字として、挿入されたエピソードは、読み手には
事実の延長のように、なってしまい、区別がつかなくなる。

それが、1つのエピソードに、微妙に、事実と創作が、混ぜこぜになっていたとしたら……
それは、“事実の表現“でしかなくて
もう、何が本当なんですか?と聞くことすら、野暮かもしれない………


特に、ベッドで見せた、カメラ目線のクロードの眼差しは、たまらん!(>_<)
ナイフのような、涼しげな切れ味!
彼の存在すら、この世の者とは思えない!!!!(>_<)                         オーバーか^^;


……と思っていると
クロ―ドと父親の生活が映し出され、クロードの現実を見せる。
この生活背景で、クロードは、よその“家の中”に入りたい願望を持ったのかな……


解説では、“狂気“云々とありますが、ただ、常軌を逸しているわけでなく
狂気には、その背景があり、
クロードの場合は、“中流階級“の家庭への憧れや、母親への思慕なのかな~と思えてきます。

その他の人の心のすき間に、クロードや彼の小説が入り込み
狂気の渦を加速していくのが、収拾つかなくて
ある意味、滑稽に映るのも、皮肉デス……(―_―)!!


▼▼▼


脚本のテンポもよく、ドンドン、引き込まれますが
一番の魅力は、クロードを演じた、エルンスト・ウンバウアー君です♪(*^_^*)
エルンスト君の、淋しさ漂う青年期の危うさが、絶妙です。

危険な香りは、余韻まで“続く“………


PS:画廊の展示品(=性の独裁?)は、かなり、イタダケナイ (―_―)!!

















テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『愛を弾く女』★愛がそこに潜む可能性を信じたくなる…

136287_1.jpg

作品について http://cinema.pia.co.jp/title/5212/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。

・ヴァイオリニスト: カミーユ (エマニュエル・ベアール)   ←ステファンに惹かれる?
・楽器工房経営者: マクシム (アンドレ・デュソリエ)、    ←カミーユの愛人。ステファンを雇用
・楽器製作者 :ステファン (ダニエル・オートゥイユ     )←カミーユのヴァイオリンを直す



↑パッと見、ふつうの三角関係のようですが、
一人の女を、二人の男が、取り合う?
チッチッチ……そんな簡単なことでは、ありませんでした(>_<)

この、ステファンという男の心の“奥底“が、かなりメインです。
そこに、ヴァイオリンの音色が、絶妙に、響く……Qoo~(>_<)
愛って、何……?orz

▼~▼内容にふれて、雑感ばかりです^^;
▼▼▼

カミーユとステファンの出逢いは、カミーユのヴァイオリンを
ステファンが、調整したことでした。

↑これは、キッカケに過ぎないようですが
微妙な調整が、上手くいくのは、かなり、嬉しいものです。(*^_^*)

自分の思うところに、この人は、ドンピシャに決めてくれる人☆は
いそうで、なかなか見つからない。だから、嬉しい♪
カミーユには、それが、始まりだったかも。

そして、演奏録音に立ち会う、ステファン。
これも、ただ、音の具合を聞いているわけでは、なかったはずなんです。

そこで、演奏されたのは、ラヴェルの『ピアノ三重奏曲』。
その旋律が、絶妙に、心を、ざわつかせるんですョ……

ああ、この二人のタイミングなら、カミーユの響きに
ステファンはステファンなりに、心の揺らぎを、感じたはず……

……けれど……
同僚のマクシムにさえ、友情を、感じていないという、ステファンは
カミーユには、「愛していない」と、言い切ってしまうのです!(>_<)

本当は、好きなんでしょ?と、念を押してみたくなりますが
理由は、ともかく
引きずり出される前に、打ち消しておきたい気持ちというのも、ありますよね……

そして、激しい、カミーユのピチカート。
音が切れ、飛び散るように、響いていく。

切れる音。
たとえば、“休止符“を、思ってみた。

休止符で、メロディは、一時止まります。
音は、そこで響かなくても、音楽は、終わっていません。
でも、そこには、音は無い。

ステファンは、それが、愛のような感情であるか、を問う前に
休止符のまま、終わらせることにしたのかもしれない。
けれど、カミーユには、休止符も、メロディの途中。
なぜ、次の音を、あなたは奏でないの??と詰め寄りたくなる………….

自分の感情を、抑制しているステファンですが(←なぜかは謎)
カミーユとマクシムの新居を訪れたときに、動揺します。
カミーユへの想いが、苦しみに、なっているような……

けれど、カミーユには、感情の起伏を見せないステファン。
カミーユは、哀しいし….腹も立つ……
そこで、見せた、男マクシムの、ステファンへの一撃!
(自分の彼女の愛を受け入れろ!ってことですよね)

↑これが、普通の三角関係ではない、ゆえんです。


ステファンが、決して、無感情な冷たい男ではないことは、
ある老人との“付き合い方”からわかります。
けれど、なぜ、あなたを愛してしまった“私”への愛を
はなから否定するのか……?
その本心は、わからないのです……orz


ただの煮え切らない男、というのではなく、
彼なりに、深い理由を抱えるというなら
カミーユは、演奏家として、
その“哀しい深み”を、音に代えていくほかありません……
人の底深い、愛の音として……


▼▼▼

カミーユ演じたエマヌエル・ベアールが、
本当に、演奏していたのは、素晴らしかった♪

愛していない、と言っても、
まなざしには、はっきり、愛が映っていたと思うステファンには
私が、愛を確かめたかった人を、思い出させます……

あなたの心の奥底は、もはや、私には、よく見えない……
けれど、その奥の向こうに、少しでも、私がいたと
信じるのは、愚かですか……?

カミーユの、哀しい愛も、可憐で魅力的だけど
ステファンの愛が、そこに潜む可能性を、信じたくなるところに
“愛“の深さを、期待したくなりましたよ。


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