映画『トランセンデンス』★すべてを“超越“して愛の花は咲き続ける

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/164223/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
たとえば
コンピューターが、自分の意志を持つような“人工知能”――
というのは、過去の作品にもありましたね。
『2001年 宇宙の旅』:HAL
『バイオハザード』 :レッド・クイーン
『アイ、ロボット』 :サニー
~~自分の意思をもつと暴走する傾向が……(>_<)
『A.I.』 :デビッド ~~母の愛を望む、健気な少年型ロボットでした。
etc.
(本作も、“人工知能”がらみなのですが、
ジョニー演じる科学者ウィルの“脳“を、コンピューターにインストールするので
どちらかと言えば、“ナマ知能”か……)
鑑賞前の噂だと、
コンピューターの中での“意識“のみの存在と、
”自我“との関係についての問題提示もあるようで
愛する人の死を前にして、
生前に、脳情報を、コンピューターに移すのはアリか無しか??
という質問に、迷ったりもしましたが……
ちなみに『ロボコップ』(2014)は、いかがでしたか?
あのロボコップは、頭部と心肺と左手のみが、自分という存在でした。
意識(頭部)と生命線(心肺)があれば、自分という存在でいられそうですが
ほかのパーツが少なすぎて、ショックでした……
本作は、画面にジョニーの顔が映るとはいえ
ほぼ意識(脳)のみの存在です……
“人間の存在“とは、どう受け止めるべきなのでしょう………
……などとも思っていましたが
妻の一言で、私の作品へのベクトルは、少し変わりました。
▼~▼ 以下、雑感です。(個人の意見なのでスルーして……)
▼▼▼
ウィル&エヴリン夫妻は、“超越”(=トランセンデンス)した科学の力で
人類に貢献したいと思っていました。
しかし、スゴイことというのは、凄すぎて、
人心がついていかれない部分もありそうです。
良心で行っている研究だとしても、良心の基準さえ、個人によりまちまちです……
人知を超えた、凄すぎる研究者はけしからん、と思う人は、
悪魔を排除する正義感(と言うべきか)で、
彼らを、殺すことが正しいこととなる……(テロなのに)
テロリストに命を奪われてしまう夫について、妻は
ただ、愛する人を死なせたくない、と言う気持ちだけで、
夫の意識(脳)をコンピューターに、取り込んだのではなかったのですね。
「テロで殺されるなんて!」←そのことの怒りだったように思えます。
死ぬ前に、ウィルは、このようなことを言いました。
――人類の存続のためと言って、科学の発展を反対する人は、
そのために人を殺す(存続させない)こともできるのが不思議だ――
理屈では割り切れないのが、人間らしさ――でもあるようなのですが(汗)
(だから、知性だけでなく感情を伴う脳情報は、記号化できないというらしい)
革命のためには手段を選ばない~~のようでもあり
二枚舌のようでもあり(>_<)
要するに、自分の価値観に合わない人は気に入らない、かのようで
結局は、“好み“の問題のような、
感情的な話になってしまうのかもしれません……orz
(気分で殺されちゃたまんないよ(T_T))
というわけなので、
妻が、志半ばで、テロ死した夫の遺志を、コンピューターとしてでも生かしたい
と言う気持ちは、“情緒的”には、理解しましたよ。
確かに、尋常ではないと反対する人の“理性”もわかりますが……
そうして、コンピューターとして“再生”したウィルは
再生医療を実現させて、けがや病気の人も治します。
治療は、人の役に立つのでいいと思うのですが
テキを意識したウィルは、味方を増やすべく、自分の都合よく再生し始めます。
善なる理想から始まったものでも、熱意の善が、悪に暴走させるのか……orz
善のアクセルも、踏み続けるうちに、ブレーキを踏むことも忘れるのか……(>_<)
さて
そこら中の画面に、映し出されるウィル。(←ジョニーだらけの画像(*^_^*))
いつでも、妻のそばにいるよ――という、ラブラブな状態を越え
体の中のホルモン数値まで(!)も、妻は、監視されている状況になっていきます。
これは、チョット、鬱陶しいナ…(汗)
参考)亭主は丈夫で留守がいい^^;
そんなこんなで、ウィルの暴走を止めるのが、人類のためという大義のもと
妻も撃たれてしまうのは、正義ではないように思う私…
人類のために――とは、どの人類のためなんだろうか……
(コンピューターのない世界が、誰のためになっているかは、価値観によるのか……(―_―)!!)
▼▼▼
夫婦が、共通の理想で、一緒に研究するのは、なんとも羨ましい(*^_^*)
似た者夫婦と言いますが、価値観を同じくできるのですから。
たとえ、世界を敵に回しても、あなたの理想と信念は、私が生かし続ける――
二人の愛の知性が、命を奪おうとするテキの破壊を、“超越”したようなシーンは
素敵だったな……
この世が荒廃してしまっても、人が人を想う愛の花は、咲き続けると……



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