作品について http://cinema.pia.co.jp/title/164282/↑
あらすじ・配役はこちらを参照ください。
原題『OUT OF THE FURNACE』ファーナスは溶鉱炉のこと。
主人公ラッセルは、製鉄所で働いています。
兄 ラッセル ;クリスチャン・ベイル
弟 ロドニー :ケイシー・アフレック ←兵役でトラウマ+
ケダモノ男 :ウディ・ハレルソン
地道に働いていたラッセルは、交通事故を起こし、服役。
死期の近い父や、ギャンブルで借金のある弟の面倒が
中座するばかりか、恋人も去ってしまう……
この作品は、明るい話ではないし、地道に地味ですが
冒頭から、ザワつかせ、不運と不安に、かきたてながら
最後まで、どうなるのか?どうするのか?
と目が離せない作品でした。
冒頭が、ウディ・ハレルソン演じる、ホンットにむかつく、
けだものクズ野郎なんですヮ…(汗)
ケイシーのために、兄ラッセルがどうするかーー
という物語ですが
展開のキモは、ケイシー・アフレック演じるロドニーでしょう。
ケイシーが演じる☆というだけで、ワケありの期待大☆
▼~▼ 内容にふれてしまいます。(要反転あり)
▼▼▼
1.弟:ロドニーのこと
イラク戦争を経験し、トラウマを抱え
壊れそうな心を持ちながら、対照的に
爆発しそうなイラ立ちも、併せ持つ――
ケイシー・アフレックは、トラウマある人物が、絶妙☆
そんなロドニーは、ギャンブルの借金があり
“ケダモノ男“が仕切る、危険なファイト(素手なぐり)に、志願します。
ロドニーのトラウマも辛かろう、とは思うのですが
お兄さんに、心配や迷惑をかけちゃいけないよ……
ギャンブルはダメだよ…….
と、説教くさいことを思っていると
ロドニーも、それはわかっていて
最後のファイトをしたら、定職に就くから、と兄に手紙を
書き置いていました。
ああ、でも、そのファイトは、超キケン……
2.ケダモノ山地男(役名忘れた…)
冒頭から、なにやら、下品で横暴で、いやなゲス男が出てきたな…と
思ったのですが(汗)
この、コワい男のインパクトは、劇中、ずっと引きずられマス。
(冒頭の演出効果OK)
この男が、山地で、危険なファイトを仕切っているのですが
公正なわけありません。
気に入らなければ、危害を加えるのは、冒頭で検証済みです。
ロドニーが、コノ男のファイトなんかに、参加してほしくないのに…orz
3.フォレスト・ウィテカー♪
フォレスト・ウィテカー出演☆ということでも、見たくなっていました。
ラッセル(=クリスチャン・ベイル)の彼女の、今カレ。警官です。
ロドニーの“事件“にも、向き合ってくれますが
男女関係的に、フクザツな気持ちかと。
▽▽▽↓ ネタバレですが、ソコから、
兄の物語が始まるといっても過言ではないかも…
(要反転)ロドニーは、八百長試合で負けて、半殺しになったあと
お金のトラブルで、ケダモノ男に、結局、殺され、埋められました。
(↑その辺のシーンは、兄と叔父が
狩に行き、鹿をしとめ、さばくシーンと連動していて
血生臭さが、暗示的で、インパクトあります。)
ロドニーの事件は、明るみになりますが
警察は、“山地“には手が出せず、生ぬるい対応。
出所後の兄は、製鉄所に復帰し、平穏に暮らしていたけれど
弟の死を、そのままには出来ない。
敵討ちをするべく、ゲス男を、追い込んでいきます。
ついに、いよいよ
逃げるゲス男に、ライフルの照準をあわせる兄・ラッセル。
ラッセルを制止する警官は、ラッセルから去った恋人の、今の彼氏……
引き金を引いたラッセル!!
(たぶん、死んだかと…)▽▽▽
▼▼▼
ロドニーのセリフに
父が病気になったのは、製鉄所のせいなのに、会社は何もしてくれないし
自分も国のために戦争に行ったのに、国は、何もしてくれない!
と、ブチ切れるのが、ありました。
仕事の苦労が報われない、ということは、普遍的な不満でもありえますね…
それでも、兄は、その製鉄所で働いたお金で
弟の借金の肩代わりを、していたわけですから……
割り切れなくても、割り切って生きていくのが、現状か……
けれど、どうしても許せない理不尽には
割り切ることはできない。
原題について、今一度、思うとき
ファーナス(溶鉱炉)は、ラッセルの“ふつうの日常“の象徴なのかも。
あるときから、彼の日常が、次々、失われ
まもなく、製鉄所そのものも閉鎖され、無くなるという……(>_<)
すると、ラッセルが、最後にとった“行動“は
今まであった、(安定も含めた)“日常”の終わりであり
それをしなければ納得できない、“究極のとどめ”でありました。
(再考の余地は、かなりあり)
地道に生きてきた男が
不運にも、そこにあった日常からズレながらも
見るべきものを、しっかり見すえた姿が、印象的でした。
(クリスチャン・ベイルの瞳が、涼やかです♪)
明るい話ではありませんが
手抜かりのない見ごたえでした。
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作品について
http://cinema.pia.co.jp/title/164638/↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
幕末。桜田門外の変で、大老・井伊直弼が、暗殺された。
その護衛で、唯一、生き残った金吾(中井貴一さん)は、
藩の面目のため、暗殺者の首を挙げるよう命令される。
敵を捜し続けた13年後~明治6年。
やっと、敵の一人を見つけ出した金吾だが、仇討禁止令が出されたあとだった……
これは、主君の仇討がどうなったのかも、気になるところですが
激しく移り変わる時代を背景に、
仇さがししている場合か!?という気持ちも含めて(>_<)
“生き方”についての描写に、魅了された作品でした。
▼~▼ 内容にふれて雑感です。
▼▼▼
1.武士の面目や本懐
大老を殺して自首したテキに、切腹が認められたことを知り
納得のいかない金吾。切腹は、武士の誇りが守られた死ゆえ。
一方、警護しきれなかった金吾は、両親が自刃したことから
切腹は許されず、逃亡したテキの首の1つも取って来い!と命令される。
この命令が、重いんですよ……
幕末~維新の激動の中、すでに、藩も禄もなくなってしまっても
金吾は、その命令から解かれることなく、いや、次第に
自らを、それで縛るように、テキを捜し続けることになります。
13年も!(>_<)
時代が変わっても、武士の心意気を守り続けた、忠義の美学……
……とだけ言いきれないのは
広末涼子さん演じた妻の存在があります。
サムライの道として、夫は、仇さがしだけしているので
妻が、気丈に、生活を支えています。(広末さんは凛として端正です)
夫の本懐のために妻が身を挺するのは当然だ――と
言われれば、そうかもしれませんが(汗)
時代が変わっても、“本懐“を引きずり続ける生き方は
果たして、どうなのでしょう……
とはいえ、引くに引けない金吾の立場。
もし、仇討を果たせたら、金吾は、主君の墓前で、切腹しそうです。
そうしたら、恐らく、妻も後を……orz
ミサンガ(!)を、女の子から、手首に巻いてもらった妻は
それが切れたときに叶うという、どんな願いをかけたのか……?
2、仇となった男
金吾が13年も追い続けた仇は、仇で、
ひっそりと、名を変えて生きていました。
改名の理由からは、“後悔”も含めた重いモノを引きずって
生きてきたんだな、とわかりました。(そりゃ暗殺ですもんね…)
あのとき、仲間とともに、息絶えていたら
彼は、何も引きずることは、なかったはず。
けれど、生きていくということは、その時々で残されていく
何かを引きずっていくことなのかもしれません。
面目や美学と称して、花と散るほうが、潔く、かつ、苦しまないのか……(>_<)
3.赤い椿
取ってつけたようですが^^;
白雪の中の赤い椿には、目を奪われます。
とても絵になる美しさで、心にも、映るよう……
金吾の仇さがしの件で、相談に乗ってくれた役人(藤竜也さん)が
庭の赤い椿を、金吾に見せるや
「生きよ」と諭してくれるのです。
(奥さんが大変よね、と役人の妻にも言われる……(゜_゜>))
そうこうして、金吾は、仇の男を見つけたが
その日は、仇討禁止令が、出された日。(>_<)
しかし
死に場所を探していたような、この二人は、ざくろ坂で
剣を交えることに!!!
あ、ざくろ坂にも、赤い椿が咲いている…………….
(絵のようなシーンが美しく語りかけてきます)
▼▼▼
(すいません、なんとなく結末ふれてます(゜_゜>))
13年にも及ぶ、仇討の“呪縛”の結末は
“伝説の最期”のようでありました。(オット!)
死ぬ死なないより
納得のいくけじめがつけられたなら、それも、本懐の果て~美学だと思う。
金吾の歩く道には、ガス灯がともっていました。
もはや、明治。
サムライの時代は、とうに終わっています。
苦労をかけた妻とともに、歩く道を、新しい時代のともし火が
照らすラストシーンは、なんとも、気が利いています(*^_^*)
PS:金吾さん、早く、仕事見つけてね……(゜_゜>)
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作品について
http://cinema.pia.co.jp/title/163744/↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
人気コミックの実写化という事ですが
エンドロールで、“別冊マーガレット50周年記念企画”とあり
別マのコミックだったと、知りました^^;
鑑賞のきっかけは、ポスターの登坂さんの横顔と
予告編で聴いた、尾崎豊さんの歌♪
ああ、なんか、ナイーブな痛みがありそうだナ~と思ったから……
若い人向きの話に、オバサンが見るのはどうでせう……とも思いましたが
そもそも、原作は、80年代後半のこと。
それなら、その時代に乙女だった自分向きデス……^^;
・中学生の和希(♀)と
・暴走族の切り込み:春山(♂)
暴走族(以下、族)――ちょっと懐かしい響き…
▼~▼以下、内容よりつぶやきとなります。
▼▼▼
“族”というと、私には、族上がりの”お兄さん”の想い出がセットになって、
なんとも、懐かしくて切ないような想いが、こみあげてきてしまう….
九州生まれの”お兄さん”は、永ちゃんと横浜が大好きで
横浜の地図が、頭に入っていると言っていました。
日雇いも、横浜の港だったと思います。
横浜でも、族だったかどうかの記憶は、もう、定かではありませんが(汗)
作品は、神奈川の“族”の話なので、
イメージが勝手に重なって、妙な親近感を、覚えました^^;
トンがっているのに、屈託ない笑顔の人でした……
和希と春山は、トンがった状態で出逢いました。
母親のことで、心が硬くなっていた和希は
これが、女子の出逢いかよ…と思うような、ケンカ腰。
春山も春山で、ナイフの切っ先のような男。
キラキラ輝いているようで、その光は暗く、アブナイ。
初めてのバイク2人乗りは、甘いものじゃなかった。
(ポスターは、いい雰囲気のシーンかと思ったのに^^;)
2人で、ぴったり寄せ合っているのに
心は、トンがった者同士。
だけど、初めての出逢いが、傷つけ合いという
そんな二人が、ピッタリ寄せ合っているからいいんだね!
傷つけ合う、その摩擦にさえ、温もりを感じてみたいときもある、
それほど、心が冷えていたような、和希の表情が寂しい。
そして、なんだコイツ!と思う熱い気持ちは
気になって、放っておけない気持ちにも変わる。
しがみついた春山の背中で聴いた、ドキドキする鼓動は
彼のか?自分のか?
初めて、バイクの後ろに乗せてもらったときの
命預けたような感覚は、文字通り、1つになっている感覚で
信頼というか、何と言うか、すごく近いところにいる感覚。
和希も、そうだったのかな……
そして、春山には
命が惜しくないほど、好きになった女がいたことがあった、と知る和希。
この男は、それほどまで女を愛せるんだ――
(↑私、コレに弱いです…^^;)
母の愛情に強く飢えていた和希には、それほど人を愛せる春山から
愛されたら、どんなにいいだろうかと、思うと思う。
そして、そんな春山に惹かれていく自分。
強く結ばれて、愛し合えたら、どんなに幸せだろうか………
(これは、皆の願うところでしょう(*^_^*))
けれど、世の中は、若い二人だけの世界では無く
二人を、悩ませ、煩わせる面倒なことが起こります…orz
▼▼▼
お互いが大切だからこそ、“純愛”を守る二人――
そんな理想的な清らかさが、少女趣味と言われても、好き☆
イケメンで、シャープな登坂さんだから、余計、イイ☆
(ハマり役かと)
「あまちゃん」の能念さんは、未体験でしたが
和希の純情ピュアさも、ピッタリ☆
そして、絶妙な尾崎豊さんの「Oh!my little girl」♪
若いときの苦悩は若いなりに、
ガラスが刺さったように、心に痛いものでもありましたが
中年以後に思うと、あのときの苦悩には
ガラスの放つ光さえあったかもしれないと、思えます。
絶望的に哀しくても、光の未来が、ありましたもん……
春山が、体を引きずりながらでも、とにかく、前に
進もう進もうとするラストシーンは、その象徴。
前に進むべき熱き道が、若い彼らには、あるゾと!
私にも、あの頃には、そんな道が、まだ、目の前にあったのかもね……PS:ホンダの
バイクのことはよくわからず…^^;
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