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映画『ファーナス/訣別の朝』★日常からズレたところで”究極のとどめ”か

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/164282/
あらすじ・配役はこちらを参照ください。


原題『OUT OF THE FURNACE』ファーナスは溶鉱炉のこと。
主人公ラッセルは、製鉄所で働いています。


兄 ラッセル    ;クリスチャン・ベイル
弟 ロドニー    :ケイシー・アフレック ←兵役でトラウマ+
ケダモノ男     :ウディ・ハレルソン



地道に働いていたラッセルは、交通事故を起こし、服役。
死期の近い父や、ギャンブルで借金のある弟の面倒が
中座するばかりか、恋人も去ってしまう……


この作品は、明るい話ではないし、地道に地味ですが
冒頭から、ザワつかせ、不運と不安に、かきたてながら
最後まで、どうなるのか?どうするのか?
と目が離せない作品でした。


冒頭が、ウディ・ハレルソン演じる、ホンットにむかつく、

けだものクズ野郎なんですヮ…(汗)


ケイシーのために、兄ラッセルがどうするかーー
という物語ですが
展開のキモは、ケイシー・アフレック演じるロドニーでしょう。

ケイシーが演じる☆というだけで、ワケありの期待大☆


▼~▼ 内容にふれてしまいます。(要反転あり)


▼▼▼


1.弟:ロドニーのこと


イラク戦争を経験し、トラウマを抱え
壊れそうな心を持ちながら、対照的に
爆発しそうなイラ立ちも、併せ持つ――

ケイシー・アフレックは、トラウマある人物が、絶妙☆

そんなロドニーは、ギャンブルの借金があり
“ケダモノ男“が仕切る、危険なファイト(素手なぐり)に、志願します。


ロドニーのトラウマも辛かろう、とは思うのですが
お兄さんに、心配や迷惑をかけちゃいけないよ……
ギャンブルはダメだよ…….
と、説教くさいことを思っていると
ロドニーも、それはわかっていて
最後のファイトをしたら、定職に就くから、と兄に手紙を
書き置いていました。

ああ、でも、そのファイトは、超キケン……


2.ケダモノ山地男(役名忘れた…)

冒頭から、なにやら、下品で横暴で、いやなゲス男が出てきたな…と
思ったのですが(汗)
この、コワい男のインパクトは、劇中、ずっと引きずられマス。
(冒頭の演出効果OK)


この男が、山地で、危険なファイトを仕切っているのですが
公正なわけありません。
気に入らなければ、危害を加えるのは、冒頭で検証済みです。


ロドニーが、コノ男のファイトなんかに、参加してほしくないのに…orz


3.フォレスト・ウィテカー♪


フォレスト・ウィテカー出演☆ということでも、見たくなっていました。


ラッセル(=クリスチャン・ベイル)の彼女の、今カレ。警官です。
ロドニーの“事件“にも、向き合ってくれますが
男女関係的に、フクザツな気持ちかと。



▽▽▽↓  ネタバレですが、ソコから、
兄の物語が始まるといっても過言ではないかも…
(要反転)




ロドニーは、八百長試合で負けて、半殺しになったあと
お金のトラブルで、ケダモノ男に、結局、殺され、埋められました。

(↑その辺のシーンは、兄と叔父が
狩に行き、鹿をしとめ、さばくシーンと連動していて
血生臭さが、暗示的で、インパクトあります。)

ロドニーの事件は、明るみになりますが
警察は、“山地“には手が出せず、生ぬるい対応。

出所後の兄は、製鉄所に復帰し、平穏に暮らしていたけれど
弟の死を、そのままには出来ない。
敵討ちをするべく、ゲス男を、追い込んでいきます。


ついに、いよいよ
逃げるゲス男に、ライフルの照準をあわせる兄・ラッセル。
ラッセルを制止する警官は、ラッセルから去った恋人の、今の彼氏……
引き金を引いたラッセル!!
(たぶん、死んだかと…)



▽▽▽

▼▼▼


ロドニーのセリフに
父が病気になったのは、製鉄所のせいなのに、会社は何もしてくれないし
自分も国のために戦争に行ったのに、国は、何もしてくれない!
と、ブチ切れるのが、ありました。

仕事の苦労が報われない、ということは、普遍的な不満でもありえますね…

それでも、兄は、その製鉄所で働いたお金で
弟の借金の肩代わりを、していたわけですから……
割り切れなくても、割り切って生きていくのが、現状か……

けれど、どうしても許せない理不尽には
割り切ることはできない。


原題について、今一度、思うとき
ファーナス(溶鉱炉)は、ラッセルの“ふつうの日常“の象徴なのかも。
あるときから、彼の日常が、次々、失われ
まもなく、製鉄所そのものも閉鎖され、無くなるという……(>_<)


すると、ラッセルが、最後にとった“行動“は
今まであった、(安定も含めた)“日常”の終わりであり
それをしなければ納得できない、“究極のとどめ”でありました。
(再考の余地は、かなりあり)

地道に生きてきた男が
不運にも、そこにあった日常からズレながらも
見るべきものを、しっかり見すえた姿が、印象的でした。
(クリスチャン・ベイルの瞳が、涼やかです♪)


明るい話ではありませんが
手抜かりのない見ごたえでした。





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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『サンシャイン/歌声が響く街』★人生色々あるけど“ご当地”から元気をもらう♪

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/164789/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


スコットランドのバンド:プロクレイマーズの歌から生まれた
ミュージカルなのだそうです。
舞台は、スコットランドの町リース。

ご当地が舞台となると、地元では、訛りや風景も含め
大盛り上がりだったことでしょう。
街で、皆が、歌ったり踊ったりしている様子は
地元愛が一丸となった感じで、熱気を感じました♪


ストーリーは、普遍的な家族の物語がメインです。
銀婚式を迎えた夫婦と、息子と娘それぞれの恋愛問題……
プラスαの、事実発覚!(>_<)


▼~▼内容にふれて雑感です。


▼▼▼


1、息子が帰還


息子が軍の任務を終えて、我が家に帰るのですが
その前に、任務中の軍人が『Sky Takes The Soul』を歌うシーンが流れます。
力強い歌とは裏腹に、命の危険の予感……
そして、大爆発して終わるシーン……ショッキングです……


幸い、息子は生還しますが、あとで、仲間が、両足を失ったことがわかります。
けれど、痛ましい気持ちはあるのに、
負傷者に対して、距離を置いてしまう友人もいる……
というのが、人の心のむずかしいところ。
息子は、彼が、自分の身代りになって犠牲になった、と心を痛めていましたが
見舞いに来てくれたことを、感謝され、気持ちに一区切りがついたようですが
軍隊のことは、また、あとにもあります。


ちなみに、負傷兵は、『天使の分け前』のポール・ブラニガン☆
これも、良い作品でした。ここでお会いできるとは(*^_^*)


2、銀婚式の両親


息子と、一緒に帰って来た親友は、妹の彼氏♪
両親の銀婚式のお祝いで、プロポーズするつもり!
おめでたいアゲアゲ↑ムードで、進んでいきます。

人生は、上がっていくだけでは無かったんだなァ……と思わされる…orz


そもそも、父親役が、ピーター・ミュラン☆
平穏無事な、ほのぼのパパであっては、つまらないのです。 
彼は『思秋期』でも、
ひと味もふた味も、人間味がしみついた男性を演じていました。


今回、このパパは、結婚した頃に、ほかの女性との間に、
娘が出来ていたことが発覚!
しかも、最近、その女性の葬儀で、初めて知りました。
その事実を、銀婚式の宴で知ってしまった妻は、赦さない!!と……


未来に生きれば、過去は流れてゆくものだと思いこんでしまうけれど
人生のこわいところは、忘れた頃に、
過去が、ドーンと表れることがあることかもしれません。


これは、物語だから、そういうシチュエーションなんだろうと、
思ううちは良いですが
案外、実社会にもあります………………(滝汗)
それはそれで、ショックだったり、怒り狂ったりしても
事実は事実として、対処したり、受け止めざるを得ないのも、現実です………


パパは、人生の喜怒哀楽を全部受け止められそうなフトコロの深さですが
やはり、心労だったのか、倒れてしまう……(展開としては、グっと興味が)


3、パパの災い(>_<)転じて福となる!?

冒頭の兵士が、突然、足を失ってしまうことがあるように
人生には、突然、昨日と変わってしまう“今日”があります……


パパが倒れたことで
家族は、それぞれ、自分の生き方も省みる機会になるのかも……
(息子も、娘も、恋人との関係が、ギクシャクしてた)
ママも、不義の子は赦さない!と息巻いていましたが
パパの気持ちを汲んだ、計らいをしてくれます。
(平和的解決は好ましい(*^_^*))


息子は、恋人と、よりが戻りそうで
ラストの歌「I’m Gonna Be(500Miles)」とダンスが、
将来の明るさを予感させます。
それは、ほかの人も巻き込んでの大盛り上がりになっていくので
みんな幸せになっていく旋風のようです\(^o^)/


なので
妹は、彼氏(兄の親友)と離れ、彼は、再び軍に戻ることにはなりますが
きっと、彼は無事で、将来的にはいい方向になるのかな…
との期待も残してくれます。


▼▼▼


幸せな気持ちになる――との評判で観ましたが
確かに☆


されど、終始、お花畑にいるような幸せではない……orz


苦難や困惑、悲観、失望…etcマイナス要素も、もろもろある……
けれど、それらを、越えていかなければならないし
きっと越えていかれるんだ!と思わせてくれるのが
音楽の力、人の躍動する力なのでしょうか♪


色々あるけど、うまくいくのかも……と
漠然とでもいいから、思えるのは、嬉しい(*^_^*)


リースの街並みも、美しかった♪


I’m Gonna Be(500Miles)」→『妹の恋人』のシーンもあります(*^_^*)







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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『プロミスト・ランド』★“嘱望の地”は良かれと決めた道の先にあるのかも

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/163935/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


エネルギー会社の幹部候補スティーヴは
シェールガスの採掘権を買い占めるために、農場の地主まわりをする。
わりのイイ話で、順調に進むかにみえたが、
環境保護を理由に、強硬に反対する者が現れてしまう――


……というと、エネルギー問題や環境問題がメインと思われそうですが
1人の会社員が農村部で体験したことをもとに変わる――ことがテーマだそうです。

“環境“と言えば……今まで生きてきた環境をふまえての
これからの環境を考え直す……と申しましょうか……

ともあれ、マット・デイモン主演(脚本も)ということで、楽しみにしていました。
(監督もするはずだったらしいですが、ガス・ヴァン・サント監督もOK♪)


▼~▼ 内容にふれて雑感です。

▼▼▼

1.農村部への想い


スティーヴは、農村部の出身でした。
しかし、そこでの現状から、将来を故郷に託すことを諦め
会社勤めをしています。

そんな、農村部の現状を知るスティーヴだからこそ、
農地の下の資源(シェールガス)を生かすことは
農村部にとっても、エネルギー消費者にとっても良いコトだと信じて
営業しています。

大会社だという自負は
会社への信頼でもあります。



2.リスクの存在

エネルギーは必要なもので、リスクは最小限にしたいもの。
けれど、シェールガスとて、まったく問題がないわけではありません。
シェールガスのこと→コチラ



ここで、エネルギーやリスクのことを掘り下げるつもりはありませんが↓

個人的には、何においても、絶対に安全というものは無いと思っています。
どこにでも、潜在リスクはあると思うべきかと。
もし、絶対に安全、と評価されたものがあるなら、それはリスクを見落としているに過ぎないと
思っています。
リスクはゼロにする努力をしつつ、ゼロにならないリスクはどうするか?
コントロールするほかありません。(職場のリスク管理でも言われることですよね)
……………….話それるので、やめます^^;



反対派により、シェールガス採掘による、環境破壊の現状が、露呈してしまう……
いくら、リスクはゼロではないとしても、これは、クライシス??(>_<)
シェールガスで、将来の豊かな生活が“約束された“と思っていた住民らに不安が……orz

スティーヴは、会社に、確認をとります。
さすが、大会社!それは反対派によるウソの情報だと、すぐにわかります。
さあ、これで、住民投票でも、住民を説得できそう♪
けれど、もっとスゴイことが、わかってしまう……(―_―)!!


3.大会社だゾ!

スティーヴは、その大会社の幹部候補にまでなって
お勤めしてきました。

今回の、採掘権確保も、会社の利益優先というより
農村出身の自分だからこそ、農場経営の厳しさなども理解した上で
地主への利益供与のつもりで、やってきた部分もあります。

反対派のウソも、会社が打ち砕いてくれた。
けれど↓ネタバレ(要反転)



その反対派は、会社が用意した茶番でした。
反対派がウソをついたと住民が知れば、スティーブに有利になります。
手のこんだことを、してくれたものです。
なにかと自分まで欺いて……それだけ自分は、信用されていないということか……
いや、自分こそ、もう、信頼できない会社のセールスは、ムリですね……
スティーヴは、会社を辞めます。



▼▼▼


そんなことがあったから、会社員は生き方を変えたのね……
ということのようですが
生活がかかっていると、現実的には、変えにくいかもしれませんね……

けれど、なんだか納得してしまうのが、マットの求心力☆

地主らを説得するひたむきさ、反対派と対峙する強さもですが
何より、彼は、自分なりに、良く生きる道を捜してきた男。
農村を出て、会社勤めをしたのも、その1つ。


あくまでも、自分が良かれと判断した道の先に
“プロミスト・ランド”(将来が嘱望されたところ)がある――とすれば
頭の切り替えが早いのは、
ズルズルと会社に引きずられっぱなしの諸氏には、参考にすべきことかも……^^;






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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『柘榴坂の仇討』★“伝説の仇討”~本懐の果て


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/164638/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


幕末。桜田門外の変で、大老・井伊直弼が、暗殺された。
その護衛で、唯一、生き残った金吾(中井貴一さん)は、
藩の面目のため、暗殺者の首を挙げるよう命令される。
敵を捜し続けた13年後~明治6年。
やっと、敵の一人を見つけ出した金吾だが、仇討禁止令が出されたあとだった……


これは、主君の仇討がどうなったのかも、気になるところですが
激しく移り変わる時代を背景に、
仇さがししている場合か!?という気持ちも含めて(>_<)
“生き方”についての描写に、魅了された作品でした。

▼~▼ 内容にふれて雑感です。

▼▼▼

1.武士の面目や本懐

大老を殺して自首したテキに、切腹が認められたことを知り
納得のいかない金吾。切腹は、武士の誇りが守られた死ゆえ。
一方、警護しきれなかった金吾は、両親が自刃したことから
切腹は許されず、逃亡したテキの首の1つも取って来い!と命令される。

この命令が、重いんですよ……
幕末~維新の激動の中、すでに、藩も禄もなくなってしまっても
金吾は、その命令から解かれることなく、いや、次第に
自らを、それで縛るように、テキを捜し続けることになります。
13年も!(>_<)

時代が変わっても、武士の心意気を守り続けた、忠義の美学……
……とだけ言いきれないのは
広末涼子さん演じた妻の存在があります。

サムライの道として、夫は、仇さがしだけしているので
妻が、気丈に、生活を支えています。(広末さんは凛として端正です)

夫の本懐のために妻が身を挺するのは当然だ――と
言われれば、そうかもしれませんが(汗)
時代が変わっても、“本懐“を引きずり続ける生き方は
果たして、どうなのでしょう……

とはいえ、引くに引けない金吾の立場。
もし、仇討を果たせたら、金吾は、主君の墓前で、切腹しそうです。
そうしたら、恐らく、妻も後を……orz

ミサンガ(!)を、女の子から、手首に巻いてもらった妻は
それが切れたときに叶うという、どんな願いをかけたのか……?


2、仇となった男

金吾が13年も追い続けた仇は、仇で、
ひっそりと、名を変えて生きていました。

改名の理由からは、“後悔”も含めた重いモノを引きずって
生きてきたんだな、とわかりました。(そりゃ暗殺ですもんね…)

あのとき、仲間とともに、息絶えていたら
彼は、何も引きずることは、なかったはず。
けれど、生きていくということは、その時々で残されていく
何かを引きずっていくことなのかもしれません。

面目や美学と称して、花と散るほうが、潔く、かつ、苦しまないのか……(>_<)


3.赤い椿

取ってつけたようですが^^;
白雪の中の赤い椿には、目を奪われます。
とても絵になる美しさで、心にも、映るよう……

金吾の仇さがしの件で、相談に乗ってくれた役人(藤竜也さん)が
庭の赤い椿を、金吾に見せるや
「生きよ」と諭してくれるのです。
(奥さんが大変よね、と役人の妻にも言われる……(゜_゜>))


そうこうして、金吾は、仇の男を見つけたが
その日は、仇討禁止令が、出された日。(>_<)
しかし
死に場所を探していたような、この二人は、ざくろ坂で
剣を交えることに!!!

あ、ざくろ坂にも、赤い椿が咲いている…………….
(絵のようなシーンが美しく語りかけてきます)


▼▼▼

(すいません、なんとなく結末ふれてます(゜_゜>))

13年にも及ぶ、仇討の“呪縛”の結末は
“伝説の最期”のようでありました。(オット!)
死ぬ死なないより
納得のいくけじめがつけられたなら、それも、本懐の果て~美学だと思う。


金吾の歩く道には、ガス灯がともっていました。
もはや、明治。
サムライの時代は、とうに終わっています。
苦労をかけた妻とともに、歩く道を、新しい時代のともし火が
照らすラストシーンは、なんとも、気が利いています(*^_^*)


PS:金吾さん、早く、仕事見つけてね……(゜_゜>)






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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』★パンツ1枚くらいの差しかない(?)猿と人間

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/162643/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


人類が、ウイルスで滅びかけている一方
高知能の猿たちは、シーザーをリーダーに、社会を形成。

うまく、棲み分けていたのに
ある日、人間と猿が出逢ってしまう……のみならず、
人間たちは、猿の棲家(HOME)へ、
足を踏み入れなければならない事態に、直面していました……

「人間vs猿」という構図ですが、それは、
人間どうしの縮図を見るようで、かつ、ワイルドなテイストであります。

▼~▼  内容にふれて雑感です。

▼▼▼


1、集団のかたち


猿社会は、シーザーを頂点に、“統率”されていました。
これだと、指導者の意向が、隅々まで行き渡って、まとまります。
個人の意向は反映されにくいですが、
まとまりは、平穏な社会の表現型でもありましょう。
(皆が好き勝手やってるのは、自由ですが、安定的でない部分がありますよね。)
この“まとまり”が、猿社会の力となっていたかもしれません。

一方、人間のほうは…
ゲーリー・オールドマンが、リーダーというより、
各自の不平不満が小爆発している“烏合の衆“の、まとめ役というか
なだめ役のよう……
社会を形成している、というより、避難者の“集団“という感じか……

そんな強固なはずの猿社会が、人間と接触したことで
崩れ始めます。
火だねに火が着いてしまうのです………………(それが面白い!)



2、水力(ダム)は必要


人間たちは、電力供給のために、水力(ダム)を復活させたい。
けれど、その場所が、今や、猿の棲家になっている….(>_<)

「ちょっと作業させてほしいだけ」なので
銃の持ち込み・使用禁止という、シーザーからの条件をのんで
ささっと、済むはずだったのです……

シーザーも、“いい人間“との想い出から
人間の良識を、信じていたのかもしれません。



3.勝手なコトを…(―_―)!!

いくら、人間の代表者が、銃の規制を“約束“したところで
人間集団の中には、そんなの関係ねェ…という輩もいるんです…
統制されていない“集団“では、守り切れないんですね……

一方、“猿社会”でも、それが、芽生えてしまうのが
サスペンスフルです^^;


ネタバレ↓


シーザーの腹心であるコバは、シーザーを信頼していたにも関わらず
それ以上に、人間への疑念が強かった。
だから、人間と戦ってでも、排除しようとする道を、推し進めようとして
コバ自ら、シーザーを撃ち、それを人間のせいにして、戦いをしかけました。
それは、捏造じゃないか……orz
人間の悪しきところを、真似てしまって…orz



でも、そんなこんなで、話は、盛り上がっていきます^^;


▼▼▼

結局、人間VS猿のバトルが、始まってしまいます(>_<)
1度、始まった戦いは、もう、誰が悪いとかいいとか言っていられず
敵を壊滅させる以上に、守ってきたものが壊れますね……
(教訓にしましょう)
ビジュアル的にも、予想以上の、ド迫力の戦いになっていました(>_<)


ところで、シーザーをはじめとする猿たちの表情が
人間そのものなので、
“人間社会の縮図“だぞ!と言う感じが、より、リアルに迫ります。
(シーザーはアンディ・サーキスさん♪~いとしいしと)


人間は、“パンツをはいたサル”だというのもありましたが
(パンツを捨てたり脱いだりも…)
この人間味たっぷりの猿には、ホント、
人間は、パンツ1枚くらいの差しかないかも…と思えてきます^^;







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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『るろうに剣心 伝説の最期編』★壮絶な死闘の果て“最期”の先

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/162934/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

原作未読ですが、“最期“が気になって鑑賞しました。
オリジナルだそうなので、映画ならでは、と言う楽しみもアリでしょう。

物憂げな剣心と迫力のアクション☆
静と動が、いいあんばいで
怒涛のバトルシーンは、壮絶さの中にも、“痛み“がありましたね……


▼~▼内容にふれて雑感です。

▼▼▼


1、師との再会


明治政府の転覆を図る、志々雄の陰謀を阻止しようとするも
前作では、一歩及ばず、剣心は、海へ投げ出されてしまいました。
運命的に、かつての、剣術の師匠に拾われ(前作ラストの福山雅治さん♪)
再び、教えを乞うことになる剣心。

今度は、“奥義”を極めるため
ストイックにも、剣心は、“死んでもいい“との覚悟で臨もうとしますが
師匠は、生にしがみつく意欲を、導こうとしていました。

死ぬ気になればなんでもできる――と言いますが
やはり、死ぬことよりも、生きることのほうがむずかしい分(汗)
生きようとするエネルギーのほうが、
シャニムニ、人を前に進めるのかもしれません……



2、蒼紫のこと

打倒:志々雄に燃えている剣心の前に、立ちはだかるのが、蒼紫。

彼は、時代が変わっても、剣心を倒すことが最強の証、と信じ
打倒剣心、ひとすじの男。

信念を曲げず、己の信じた価値観にひたすら、まい進する――
男のプライドというのでしょうか……
時代は、もう、移ってるのに….ですか…(―_―)!!
プライドは、時代ではなく、あくまで、己の価値観にあるからですか……

蒼紫さん、ごめん……
旧態依然では、かえって、プライドが傷つくのではないか、などとも
思いながら、困った人ですね……と思っていました。

けれど、クライマックスの打倒・志々雄のシーンに
まさかの乱入で(!)、思いました。
あのときも、蒼紫さんは、打倒・剣心のままでしたね…^^;
でも、その旧態依然、いえ、こだわりが、
かえって、剣心を援護することになりました。

何が幸いするかわかりませんね。
信念とする目標は、コロコロ変えちゃいけないんですね……
迷うこともありますが、ブレない姿勢には、敬服です。

上司である翁との戦いでも、翁は、蒼紫を、困ったヤツだなと思いつつも
蒼紫と言う男の、すじの通った一本は、評価していたのかもしれないと
思えてきます。



3.抜刀斎の最期!?

新政府樹立のために、人斬りをしたのに
捨て駒のようになった志々雄は、同じ境遇の剣心を
“抜刀斎”の悪業として、国民に公表し斬首しろ、と明治政府を脅しました。

用がすめば捨てる、というのは、“義“のない話です。
武士ならば恥じるところ。
けれど、もう、刀や武士の時代ではなく、勝てば官軍――
キレイごともなく、ずる賢く、勝ち組に回ったほうが利口なのか…orz

しかし、斬首で“最期“なんて、おかしい……と思ったら、秘策あり。
刀さえ持てば、剣心にも、勝機あり☆
志々雄の要求どおり、斬首すると見せかけて、振り上げた刀は
縛られた剣心の縄を解き、剣心は、刀を手にします。

自分を殺さんとする敵を前にして、ついに、剣心は
殺さずの誓いを破るのか!(>_<)と思いきや
彼も曲げられない信念――“殺さず“で通すと言う。
Qoo~(>_<)
この期に及んで、それでも、あえての、“殺さずの誓い“!!
私は、震えましたよ……
いいよ、気のすむようにしていい……見守るからと……(*^_^*)



3、宋次郎との再戦

いよいよ、志々雄との決戦――の前に
十本刀のキモ・宋次郎(神木隆之介さん♪)との対決が。

神木くんの、身軽で、クールで、屈折した感じは、いいですね。
志々雄の“防波堤“としての、スピーディなアクションだけでなく
感情が欠落している、ということが、すでに、“痛み”を含んだ感情が
ドロドロに渦巻いていることを、にじませます……
剣心との戦いのあと
ウワーッと、慟哭したところは、感情の爆発でしたもん。
今まで、“欠落“したと言う感情が、一気に、噴出したよう……



4.志々雄との決戦

そして、いよいよ、志々雄との対戦☆
バトル・チャンバラの応酬を観るだけでも、面白い☆

けれど、ここには、愛憎と悲哀が、満ち満ちているんですね……

志々雄の、癒えることのないやけどの痛みは
明治政府に裏切られた、失意と憎悪の怒り。
志々雄の胸中は、同じように人斬りをしてきた、剣心にもわかる部分があるはす…
だからと言って、国家転覆が、是とはならない。
むしろ、それ以上、自分を追い込むのはやめてくれ、と言う気持ちか……

……などと、感傷にひたる間もなく、志々雄は
藤原竜也さんの存在感で、グングン迫ってくるのです(>_<)
火を噴く、志々雄の剣。
志々雄の強さは、憎しみの意地か!??(>_<)
剣心も、苦戦!!!(>_<)

すると、蒼紫らなども乱入。
蒼紫は、自分が倒したい剣心を、守る側になる♪
Qoo~武士の片意地(失礼!)が、ここで、こんな風に役に立つとは!
蒼紫アッパレ!

そして、これでもかこれでもかと、戦いを見せまくってくれながらも
ふっと、油断してしまう剣心……
志々雄の剣が、剣心に!!!!(>_<)

そして
メラメラと、志々雄を包む炎は、怒りと哀しみと悔しさの情念か!
この、灼熱の死に様に
志々雄という男の、壮絶な生き様を見たような気持ちに…
一方
深手を負った剣心が、心配……



5.敬礼!


志々雄の陰謀と、維新政府のふがいなさにより
“抜刀斎”の罪状が、公表されてしまった今
“抜刀斎”は、斬首されたものとしたほうが、都合はいい。

けれど、維新政府に尽くした、彼の名誉はどうなる……
志々雄の、阿鼻叫喚の断末魔とて、
失われた尊厳への慟哭と、言えそうだもの……

剣心は、とりあえず、生き残れてよかったけれど
それだけでは、足りない。
だから
政府高官の「敬礼!」コールは、せめてもの
ホント、せめてもの、フッ、慰め……でしかないけれど
命からがらの剣心へ
私も、心からの敬礼を、送ったよ……….

ともあれ、この“敬意”で、剣心は、古い時代のモロモロをふっ切ったと思う。


▼▼▼


志々雄の“十本刀“を期待していた人には、物足りなかったかもしれませんが
映画オリジナルの“最期“は、
宗次郎らが奮闘し、盛り上がったと思います。

「生きていくでござるよ」
風に吹かれる柳のごとく、自然体でしなやかな剣心が
“最後”まで、クールで、素敵だ☆





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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『アイ・フランケンシュタイン』★モンスターバトルwith創成の“アダム“

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/164283/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


フランケンシュタイン博士が、7人分の死体を寄せ集めて、
作り出したモンスターの話――

映画でも、何度か、お目見えしていますが
“今回のフランケンシュタイン“を、楽しんでみたくて鑑賞しました。
アーロン・エッカートが、200年間生きのびた“モンスター“を演じる
というのも、気になります。

▼~▼ 内容にふれて雑感です。

(これは、8人分の死体のつぎはぎの“フランケンシュタイン“でした。)

フランケンシュタインは、作った人の名前で
彼には、名前がありません…
始めての“生き物“ということで、アダムと言う名前を、
ガーゴイルの女王から、授かります。

序盤は、原作ラインを、さらっと流す程度です^^;
自分を作ったフランケンシュタインを、恨んで殺して埋めようとしたとき
“何か”に襲われ、何かに助けられます。
(そこから展開します)

要は、悪魔(悪)とガーゴイル(善)の戦いに、巻き込まれていきます。

現代の悪魔は、“再生“の技術で、仲間を増やしたい。
そのために、再生の化身のようなアダムのことが知りたい。
実験書があれば、それも欲しいーー
ガーゴイルは、そうはさせじと
ということで、アダムと書物の奪い合いの戦いが
“善悪”の両者で行われます。

悪魔vsガーゴイルの戦いが、1つのみどころ☆

悪魔は、滅びると、炎に包まれるようにして地面へと。
聖なるガーゴイルは、光となって天上へ。
視覚的にも、インパクトあるし、スピーディで、面白い☆

ガーゴイルも、パッと見、グロテスク(汗)なので、
ごたごた戦っていると、善玉なのかどうか、わからなくなってしまうことも…^^;

悪魔の見どころは
親玉が、ビル・ナイというところ☆
ビルが出ると、ハクが付きますよねェ~。
ダンディなワル☆というのが、ピッタリ。

そんな彼が
悪魔は、いつも(現代にも)、姿を変えて存在するんだ――
みたいなことを言うんです。(゜_゜>)
だから、長きにわたって、ずっといるんですね、悪魔は…

善と悪の戦いは、何がきっかけ?ということもなく
自然の摂理のように、すでに始まっています。
アダムは、そのどちらでもなく、人間でもない――

仮に、人間であっても、絶対的な善と悪―そのどちらかでもないし
そのどちらにも、なりうるものでもありますよね……
その立ち位置が微妙で、面白い^^;

自分は何者なのか?というアイデンティティを求め、
200年も彷徨ってきたアダムが
悪魔に加担したとは知らずに、再生研究してきた女性研究者と出逢います。
仏作って魂入れず、ではありませんが
入れ物だけ作っても、人としての魂がなければ、ダメですよね……
アダムは、研究者との関わりの中で
自分の中身(魂)も、“新生“していくことを、受け止められたように思います。


▼▼▼


これはこれで、気分転換に丁度いいと思われますが
アダム役のアーロン・エッカートは、低音が、心に響きます(^_-)-☆
さくっとした、モンスターバトルものに、哲学的な雰囲気を与えています。

アダム=フランケンシュタインのその後の続編があるなら
期待しています。
善と悪は、ずっと続きますからね……


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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『春との旅』★身につまされる二人旅withPPK

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/153225/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


孫娘・春と暮らしてきた老人が、春の失職を機に
今後の人生を頼るべく、兄弟の家を訪ね歩く――

この作品は、身内(父)のことが、痛いほど思い浮かび
身につまされつつ、共感や嘆息に、まみれた作品でありました……

▼~▼、内容にふれて、ちょっとグチっぽい……(>_<)

▼▼▼

妻と娘に先立たれ、同居していた孫に
「兄弟に看てもらえ」と言われて、家を出てきたらしい老人。
とはいえ、同行する孫娘。

人の面倒を看るのは、心身共に、体力のいること。
仕事も体調もよければ良いですが、自分に、何か欠ければ、
人を看る“余裕”が、なくなります……(孫は失職した)

いきなり、自分の面倒を看てくれと、転がり込んでも
兄弟とて、家族も事情もあるし、彼らも高齢。
自分のことで、精一杯なのは、明らかです。

この老人とて、遊んでいたわけではなく、漁師として生計を立てていました。
けれど、先行きの見通しから、兄弟たちが助言したことを無視して
自分の生き方を、通してきたようです。
その結果が、“面倒みてくれ”なので、兄弟たちは、良い顔をしないのです。
脚が悪いコトもアピールしますが、歩けるじゃないか、と一蹴。


「誰かに、面倒みてもらえなければ、生きられない」
アップになった、仲代達也さんの表情が、迫ってきた。
この状況は、私の父のことだ………


前述したことがありますが、父は、何もしません。
母に、身の回りのことをしてもらえなければ、“生活”できないと思います。
母が入院したときに、それが、歴然としましたが
退院したとはいえ、母の体も弱っています。
それでも、父の殿様状態は、直しようがありません………
少しでも、何かあれば、親戚中の誰かを頼ろうとします。
脚が悪い、とはいえ、散歩もするし、コンビニで、おにぎりは買えます。
でも、ほかのおかずなどは、捜すのが面倒なようで、
母が具合の悪い時は、おかゆも買えず、用が足りません…(>_<)
(おまけ       あ、私の夫もそうだったな……(゜_゜>))


自分でなんとかしようとしてほしい、と思うのは
老人には、冷酷なことかもしれませんが
できそうなことはしてくれないと困ります….
本人が、一番、困ると思います……………………


そんな折、老人は、“しっかり姉ちゃん“の旅館に来ました。
姉ちゃんの羽振りは良さそうなので、“居候“させてもらえそう??
けれど
居候なんて甘ったれはダメ!と、ビシっと言われました(>_<)
「“働かざる者食うべからず”だから、マキ割りくらいするなら置いてやる」
脚が悪くて働けない、と食い下がっても
「マキは、脚で割るんじゃないよ」と言い返される。
姉ちゃん、強し!


「自分のことしか考えてないじゃないの!
アンタの妻も娘も、アンタの犠牲になって死んだんだよ!
孫まで、犠牲にする気なの?」
(“犠牲”と言う表現は、私の母も父に対して思っていることです……)


この、淡島千景さん演じた姉ちゃんの芯の強さには、敬服しました。
言いにくいコトを、姉だからこそ、愛情を持って
叱咤激励できるんです。
しっかり、自分で生きようとしなきゃダメだよ!
そう言っているんですよね…….


けれど、そういうことは、他人や関係の薄い人が言うと
ただの嫌みにしかならず、絶望に、追い打ちをかけることにもなりかねません。
だから、他人は、さしさわりのない関わりしかしてくれず
結局、もっともっと、どん底のほうに、押しやられてしまいそうなんだと思います。


(父が姉(私の伯母)に電話したときも、伯母に、電話口で
お前がしっかりしなきゃダメじゃないか、と言われ、涙が出たと言ってたような…)

口の悪い弟(柄本明さん)も、追い出しは、したけれど
兄である老人のために、ホテルは、いい部屋を取ってくれた……
人には、出来ることと出来ないことがあるから、
してくれたことへの感謝は、大切にしないといけないな….と思います……


面白くも、良い展開は
兄弟をあてにできなかったあとで、春が、父に逢いに行ったこと。

春の父は、老人の娘の元夫。(再婚して妻もいる。子供はいない。)
なのに、元夫夫婦は、老人と一緒に暮らしてもいい、と言ってくれる。
なんて、温かな人たちなんだろうと思いつつ
他人の関係である彼らとは
ずっといい関係でいるのは、むずかしいだろうナ~~~~と思ったり……


ここは、その気持ちだけで、十分なんじゃないか――


その“気持ち“が、老人と春に、もう一度、
二人で”生きる”活力を、与えたかもしれない。
“気持ち”は、大切ですもんね☆


とはいえ、この先、いくつも、諸問題はあるだろうナ~。
誰しも、年を取るし、人生には、いつも“分岐点”はあるし……

そして、帰りの電車の中。
ネタバレです↓

老人は、春のとなりで椅子から転げ落ち、息絶えた様子で終わりました。


また、春と暮らすことが、二人で出した答えならば
少しでも、良い時間が続くことを祈りますが
現実は、キビシイ……
PPK(ピンピンコロリ)が理想というけれど
“春との旅“でそれを迎えたのは、理想的すぎるかもしれない……


▼▼▼

人生の旅は、いつか、終わる……

老人にとっての「春との旅」の終わりは、
そこだけ見たら、悲しい結末かもしれません。
けれど
私なら、それは、むしろ、そうありたい結末です。


“老い”は、辛く厳しい“冬”のような時間かもしれないけれど
「春との旅」
孫娘の名前が、心暖かな旅とその終わりを、願うようでした。

それぞれに、意味と思い出の詰まった二人旅だったと
しみじみ、思いたくなりましたよ………













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テーマ : 邦画
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映画『イン・ザ・ヒーロー』★熱い!炎のヒーローたちへのオマージュ

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/164468/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


映画『太秦ライムライト』で、斬られ役ひとすじのベテラン俳優を
地で行くように、福本清三さんが演じられましたが
その人の経験が重なる作品には、興味を惹かれます。

この作品も、スーツアクターだった唐沢さんの思い入れが
きっとあるんだろうナ~と思われ
ソレを感じたくて、鑑賞しました☆

ブルース・リーに憧れて、アクションスターを夢見るも
スーツアクターとして、裏方を務めて来た男:本城。
あるとき、ハリウッドから
危険なアクションの依頼をされました。
最後の砦として…


▼~▼ 内容にふれて雑感です。


人生の励みとして、
ガンバレば、努力すれば、我慢すれば…いつか
報われて、輝かしい未来が来る!?
……と、思いたいもの。

けれど、苦節ナン年経ったからと言っても
必ずしも、思うような結果が出るとは限らないのが、現実…orz

信じてやってきたけれど、もうこれ以上、先が見えないかもしれないナ…
と思う、中堅世代。
しかし、だからと言って、手は抜かない。
これまでやってきたんだ、と言う自負はあるし
若いモノにも、先を越されたくない…
意地ってもんがある!

一方、夢の上の上のほうを見ている、若手スター君(福士くん♪)には
自分の足元を支えてくえれている、
裏方さんのありがたみがわからない(-_-)/~~~ピシー!ピシー!
自分とは別の世界の人たちだと、勘違いしています…(ありがちです…(゜_゜>))

“夢“をかなえるには、”現実”を直視しないとダメかな~と思います。
浮き足だってしまうと、前には進めませんもんね。
しかし、そんな若手スター君も、実は、苦労しているんだと知る。

その“苦労”のために、“夢”を、あせってたんだね……

ベテラン本城は、人生の先輩もあるから
若手くんを、叱るだけでなく、しっかり教えてくれる。
“夢“を追う若者を、かつての自分と重ねて
応援する気持ちなんだと、思います。

とはいえ、本城とて、現役バリバリ。
自分の名前が、表に出る役どころへの夢は、健在。

だから
ハリウッド作品で、人がやりたがらない、
超危険なアクションのオファーを、受けた。
それは、命がけ。死ぬかもしれない。

けれど、本城は思う。
「武士道とは死ぬことと見つけたり」
本城にとって、アクションは、“生き様”そのものなんですね。
かぁー!熱いよー!

映画には、“夢”や“奇跡”や、「ありえねー」みたいな
現実の枠を超えたものを、期待していると思います。
本城だって、たぶん…

そして、本城のクライマックス!!!
死ぬかもしれない….(>_<)と思いながら見るのは
スピーディーで、危険なアクション☆
一人対多数の殺陣★
ちぎっては投げ、ちぎっては投げ!
斬っては捨て、斬っては捨て!


そして、火が体に燃え移り
火だるまになり、回転するホンジョー!
おお!炎のヒーローだ!!!

若々しく、はじけている唐沢さんが
自分を映したような作品のラストが、しんみりするはずがない。

その怪我を、勲章だと言っては、不謹慎でしょうか…
いや
ぐるぐる巻きの包帯姿は、勇姿だと言いたい。

動けなくても
「ほら、腹筋はできるよ」と、やってみせる唐沢さんが
オカシー。
笑いながら、なんか、熱いものがグッときたナ……


▼▼▼


唐沢さんが、スーツアクターとして
地で良さを、思いっきり、発揮していた感じでした♪
“イン・ザ・ヒーロー”たちへの愛とオマージュを
熱く感じる作品でしたネ☆

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テーマ : 邦画
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映画『フライト・ゲーム』★自分も乗客の1人だったら…の臨場感(^_-)-☆

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/164834/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


それは
ニューヨーク発ロンドン行きの飛行機で起こりました。
(約6時間ほどのフライトなのに…)
送金しなければ、20分おきに、乗客を1人ずつ殺すという
脅迫メールを受け取った、航空保安官ビルは
機内の不審者を、捜し始める……

リーアム・ニーソンにつられて、鑑賞しました☆

機内と言う、密室。
20分毎という、時間制限。
犯人さがしのハラハラドキドキは
原題どおりの『NON-STOP』に、続きます。


▼~▼以下、ほぼ予告編の範囲で雑感です。

▼▼▼

事件解決だけ、サクサクハラハラしても、それなりに面白いですが
なにか、“色味”もなければつまらない^^;
密室の機内劇では、人物の魅力が、重要です(^_-)-☆

で、リーアム・ニーソンですよ!\(^o^)/

彼は、優秀でバリバリに輝かしい捜査官!?…ではない…orz
仕事も家庭も、ワケありの過去アリです…orz

機内の今は今で、トイレで、プカプカ……(機内禁煙です(>_<))
煙が外に漏れないように、テープで目張りしている様子は
何か、しでかすのかと、思ってしまう……(―_―)!!

そんな前フレはあるし
上司は電話口で、送金口座は、ビルのだと言うし
乗客が、盗撮配信した様子から、ビルがハイジャックしたと誤解されるし…(>_<)、

20分毎の殺人を阻止しなくては!(>_<)という使命も、ドキドキですが
ビルは犯人じゃないのに!(多分…)というもどかしさで、ヤキモキもする……

けれど、そこが、リーアムの人間的な弱さや優しさ匂わせる人物像として
いいんですよ(*^_^*)

小さい女の子への声がけも、娘を気遣うパパのよう (*^_^*)
大人の乗客たちが、ビルを、いぶかしく思ったとしても
この女の子だけは、ビルを信じてくれているかも……と思うだけでも、心強い。

そして、起こってしまう殺人事件。
誰が犯人かわからない不安…
送金すれば終わるのか…??


“テロリストとは交渉しない“という信条がありますが
約束を守るかどうか、不明の相手とは、交渉なんてできないです……

やがて、機内に、爆発物のあることが判明。(送金しても、コレですよ)
しかも、爆発を回避できない状態!どうする……(゜_゜>)
終盤に向かっても、“NON-STOP”は止まらない!
そして、爆発!!(←予告編どおり)  随分、盛り上げてくれますナ~(*^。^*)


▼▼▼



いい意味で、シンプルな設定だと思いますが
自分も乗客の一人になったつもりになっていて
こんな状況だったら、自分は、どうするかな~と
戦戦恐恐とした現実味もあり、
そんな“臨場感”も、“NON-STOP”でありました^^;


犯人も、一分の理?みたいなことを言ってましたが
ノーガキは、やめましょう(-_-)/~~~ピシー!ピシー!




PS:窓際の席にこだわるジュリアン・ムーアは、
ただの、わがままなオバサンだと、思ってしまった…^^;











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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『ホットロード』★ナイーブな痛み・純愛・未来への道

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/163744/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


人気コミックの実写化という事ですが
エンドロールで、“別冊マーガレット50周年記念企画”とあり
別マのコミックだったと、知りました^^;

鑑賞のきっかけは、ポスターの登坂さんの横顔と
予告編で聴いた、尾崎豊さんの歌♪
ああ、なんか、ナイーブな痛みがありそうだナ~と思ったから……

若い人向きの話に、オバサンが見るのはどうでせう……とも思いましたが
そもそも、原作は、80年代後半のこと。
それなら、その時代に乙女だった自分向きデス……^^;


・中学生の和希(♀)と
・暴走族の切り込み:春山(♂)



暴走族(以下、族)――ちょっと懐かしい響き…


▼~▼以下、内容よりつぶやきとなります。


▼▼▼


“族”というと、私には、族上がりの”お兄さん”の想い出がセットになって、
なんとも、懐かしくて切ないような想いが、こみあげてきてしまう….


九州生まれの”お兄さん”は、永ちゃんと横浜が大好きで
横浜の地図が、頭に入っていると言っていました。
日雇いも、横浜の港だったと思います。
横浜でも、族だったかどうかの記憶は、もう、定かではありませんが(汗)
作品は、神奈川の“族”の話なので、
イメージが勝手に重なって、妙な親近感を、覚えました^^;
トンがっているのに、屈託ない笑顔の人でした……


和希と春山は、トンがった状態で出逢いました。


母親のことで、心が硬くなっていた和希は
これが、女子の出逢いかよ…と思うような、ケンカ腰。
春山も春山で、ナイフの切っ先のような男。
キラキラ輝いているようで、その光は暗く、アブナイ。


初めてのバイク2人乗りは、甘いものじゃなかった。
(ポスターは、いい雰囲気のシーンかと思ったのに^^;)
2人で、ぴったり寄せ合っているのに
心は、トンがった者同士。


だけど、初めての出逢いが、傷つけ合いという
そんな二人が、ピッタリ寄せ合っているからいいんだね!
傷つけ合う、その摩擦にさえ、温もりを感じてみたいときもある、
それほど、心が冷えていたような、和希の表情が寂しい。


そして、なんだコイツ!と思う熱い気持ちは
気になって、放っておけない気持ちにも変わる。


しがみついた春山の背中で聴いた、ドキドキする鼓動は
彼のか?自分のか?
初めて、バイクの後ろに乗せてもらったときの
命預けたような感覚は、文字通り、1つになっている感覚で
信頼というか、何と言うか、すごく近いところにいる感覚。
和希も、そうだったのかな……


そして、春山には
命が惜しくないほど、好きになった女がいたことがあった、と知る和希。
この男は、それほどまで女を愛せるんだ――
(↑私、コレに弱いです…^^;)


母の愛情に強く飢えていた和希には、それほど人を愛せる春山から
愛されたら、どんなにいいだろうかと、思うと思う。
そして、そんな春山に惹かれていく自分。
強く結ばれて、愛し合えたら、どんなに幸せだろうか………
(これは、皆の願うところでしょう(*^_^*))


けれど、世の中は、若い二人だけの世界では無く
二人を、悩ませ、煩わせる面倒なことが起こります…orz


▼▼▼


お互いが大切だからこそ、“純愛”を守る二人――
そんな理想的な清らかさが、少女趣味と言われても、好き☆
イケメンで、シャープな登坂さんだから、余計、イイ☆
(ハマり役かと)


「あまちゃん」の能念さんは、未体験でしたが
和希の純情ピュアさも、ピッタリ☆
そして、絶妙な尾崎豊さんの「Oh!my little girl」♪


若いときの苦悩は若いなりに、
ガラスが刺さったように、心に痛いものでもありましたが
中年以後に思うと、あのときの苦悩には
ガラスの放つ光さえあったかもしれないと、思えます。
絶望的に哀しくても、光の未来が、ありましたもん……


春山が、体を引きずりながらでも、とにかく、前に
進もう進もうとするラストシーンは、その象徴。
前に進むべき熱き道が、若い彼らには、あるゾと!


私にも、あの頃には、そんな道が、まだ、目の前にあったのかもね……




PS:ホンダのバイクのことはよくわからず…^^;













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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『複製された男』★男たちの謎は迷宮にwithクモ

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/164999/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


ある日、自分と瓜二つの人間の存在を知った男たち――
大学教員アダムは、そっくりなビデオの男優アンソニーに逢いに行きました。
とりあえず、興味から逢いに行きたくなりますよね….
で、そうするか?どうなるか?
そして、なぜ、そっくりな人間がいるのか???


この作品の主旨は、少なくとも、“タネ明かし”ではなかったようです。


タネ明かしはスッキリしますが、そこで終わりです。
この作品は、何故?何なに??と、引っ張りつつ
“視覚“で遊ばせながら、ドヒャーッと終わりました……


▼~▼内容にふれて雑感です。

▼▼▼

そっくりさんが、実は、双子だったり
実は、もう一人の自分(ドッペルゲンガー)だったり…という設定はよくあります。

この、アダムとアンソニーの関係も
アンソニーが“男優“ということで、アダムの”演じた自分”なのかな~とも思わせます。

で、“似ている自分“ということですが
実は、必ずしも、似ていないですよね……
例)清らかな自分と、イヤらしい(汗)自分…(―_―)!!
良くも悪くも、自分にないモノを持っていたりします。
むしろ、正反対と言ってもいいことも。
正反対ならば、“敵”である可能性も……
(映画のタイトルは原作飛び越えて、『ENEMY』ですからね…汗)


体の傷まで一緒なのに、中身は違うアンソニー。
“テキ”は、アダムに因縁つけて、アダムの恋人と関係しようと迫る。
(交換してもわからないだろと……(゜_゜>))

心許した人が、実は、他人!というのはコワイです……
こちらも、観ているうちに、どっちがどっちかわからなくなってマス…^^;
けれど、女は、腕時計の後で、違いに気づきます。
(見抜ける女もコワイ^^;)

出逢って入れ替わって…
原因はわからぬまま、ラストへ……
このラストは、映像的☆と言うか、何と言うか……


その前に、冒頭に戻ります。
アンソニーが、イヤらしいクラブに出入りしています。
(なぜか映る、妻の妊婦姿~ようわからん)
そして、クモを踏み潰すシーン(これもわからん)。

そのクモは、原作にはない、映画オリジナルだそうですが
かなり、映像的には、効いていた“キャラ“かと思われます。

自分のコピーのような存在の出現に、不穏なムードが漂う。
その不安が、街を覆うかのように
“脚の長いクモ“が、街を見下ろすように立っています。
(六本木ヒルズのママンのような)


何?と思わせる、いぶかしさの象徴?なのかな~と思っていると…
ラストシーンです!!(↓要反転)


妊婦の妻が、部屋でウロウロしています。
夫と入れ替わったアダムが、妻がいると思った部屋に行ってみると
そこには、巨大なクモがドーンと!(>_<)…で終幕。


“衝撃のラスト“と言う評されたのもありますが
これは、衝撃です(苦笑)。
コピーのような男2人が、どうしたこうした、何故なのか??と
思い迷わせた挙句、“クモの迷宮”に押し込むんですから…

もはや、この作品は、自分と“テキ“だけの問題でなく、
妻とクモまで巻き込んで、果てしない不可解劇に
はじけさせた感じです。
(クモのインパクトは、視覚効果的には、バッチリ☆)


▼▼▼

いいか悪いかは別として(汗)
映像的には、スパイシーなクモでした。
でも、ラストは、スパイスをドバーッと入れ過ぎたかな…^^;


教訓は、
似ていても味方と限らないので、距離を置いたほうが良さそうかと……













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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『サード・パーソン』★再生の希望を実感する“第三者”の目

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/164571/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


パリのホテル住まいの作家マイケルと愛人アンナの関係を主軸に
他に、2エピソード(ニューヨークとローマ)の物語が、からまってきます。

オムニバス?と思いきや、はたまた
各エピソードに、少しずつ、人物が関係する構成?と思いきや
そんな単純でもないのが、この作品のひねりどころ☆

この、リーアム・ニーソン演じる作家いわく
「“登場人物を通してしか実感できない男”の話を書いている」
しかも、彼は
日記の主語を“彼”とし、“三人称“(サード・パーソン)で綴る人。

この“第三者”と言う視点は、一歩引いて、見られますよね。
3つのエピソードに、何となく共通するものを見出だしながら
どこに着地するんだろう、と思うと
これが、なかなかいい感じになります。
願望のファンタジーと言いましょうか……


▼~▼ 内容にふれて(一部要反転)雑感です。

▼▼▼

エピソード
1.作家と愛人(パリ)
:作家は息子をプール事故で亡くしている。妻とは別居中。
愛人にも腐れ縁の元カレがいるらしい(実は 
 実父
ついたり離れたり、刺激的な関係が展開されマス…

2.ホテルの客室係の女と夫(ニューヨーク)
:女は、息子を死なせかけた疑いで、息子に逢えず、経済的にも困窮している。
裁判を有利にすべく、精神鑑定を受ける予定が、
その住所を書いたメモを失くしてしまう……

3.産業スパイをしているアメリカ男と、ロマの女(ローマ)
:男も、息子を事故(プール)で亡くしている。たまたま出逢ったロまの女が
娘を人質にとられていることを知り、身代金を用立ててあげようとするが
男が関わったことで、金額が吊り上り、
男は、女が仕組んだ茶番なのではと疑う……


共通するものは、子供に関係すること。
失った者は、その哀しみの重さを引きずりながら、
少しでも前に進もうとしています。
そして、失いそうな者は、なんとかして、どんなことをしてでも
子供を、引き寄せようとしています。


これは、息子を失った作家の再生への模索の物語と思われました。

2と3のエピソードは、作家には、無関係のこととして、始まっていきますが
子供のことが出てくると、段々に、集約していく感じです。


特に、エキサイティングだったのが、“メモ事件”です。(要反転)



2の客室係の女には、息子を取り戻す手続きのために、重要なメモ。
客室にあった最後の1枚のメモ用紙に書いた。
で、どさくさで、客室に置いていってしまう(>_<)
しかも、ニューヨークのホテルであるはずのその部屋が、いつのまにか
作家の部屋になっている!
しかも、その1枚のメモ用紙の裏に、作家が妻のケータイ番号をメモったのを
愛人がやっかんで、持ち出してしまう(>_<)
あとで、客室係の女が戻ってきても、もう、見つからないじゃん!(T_T)
彼女は、鑑定時間に間に合わず、息子に逢うことは難しいことに…orz
のみならず、あとで、
作家の愛人の部屋を掃除して、その、メモを見つけた客室係の怒りが爆発!
部屋をメチャクチャに!
これは、子供と自分の間を引き裂いた“障害物“に対する、作家の怒りの投影か…


そんな愛人の部屋を彩ったのが、白いバラ☆

一度は、作家の元を離れた愛人の帰りを待って
作家が、部屋いっぱいに、飾らせる。
この“白”には、作家の意味があるようで
彼は、白は“信頼”と“信念”の色だと言っています。

他人を通してしか実感できない――と言う作家の確実性は
いかほどかはわかりませんが(汗)
不確実(いいかげん?^^;)なものは、ときに、危い魅力を放つものでもあります。
(それが、リーアム・ニーソンの人間的魅力で
愛人が、イタズラっ気たっぷりの小悪魔モードにアプローチするのも、納得。^^;)

しかし、不確実であっても、不誠実でありたくない。
やはり、愛と思いやりは不可欠。
作家は、人の言葉もそのまま自分の作品に取り込むように
第三者の人生をも、言葉巧みに、自分の人生のように
あやつることができるものかもしれないけれど
それが、ウソ(フィクション?ファンタジー?)であっても、
そこに、愛と思いやりがあるならば
心地よく騙されるのも悪くない……と思えてきます。
(リーアムなればこそ、その信頼に説得力があります!)

終盤の気がかりは、
エピソード3の、人質になった娘が戻るのか?ということ。
これは、はっきり見せていないのです^^;
けれど、アメリカ男とロマの女が、楽しそうに車に乗って
チラッと、後部座席にも笑顔を向けるので、娘が戻ったのかな~と……

そうして、その車が、道から、ふっと消えてしまうので
あ、これは願望のファンタジーなのかな~と思うのです。

2の、客室係の女のその後を言い忘れました。
法的措置では不利になりましたが、息子に逢いたい母の想いに
垣根はありません。
実力行使で、逢いに行く!母に抱きつく息子!
息子だって母に逢いたいんですもん……
そして、母は、息子に“伝言“して、とりあえず、その場は去っていきますが
きっと、母の想いは、夫にも通じて、いい方向になるのではないか…と願いますよ


▼▼▼


↑ゴチャゴチャして、わかりにくくてすみません(>_<)

が、3つのエピソードが、集約してきたな~と思ったら
ファンタジー的な愛と希望で、パッと昇華としたようでした。

自分一人では、思いつめてしまうことでも
“私“ではなく、”彼”(彼ら)の視点とすることで
閉塞感から解放されるような感覚を得ることがあります。
この作品は、そのへんのところを、巧みについてきて
面白くも、心ニクイ作品でした☆











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