作品について http://cinema.pia.co.jp/title/165824/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
モーセの“出エジプト”です。
けれど、映画『十戒』(1956)のリメイク、というわけではなく
スコット流というのでしょうか
歴史の“叙事詩”ではなく、
スペクタクル巨編の娯楽版と言う感じに、仕上がったと言いましょうか。
細かい説明は省きつつも
ついに、奴隷状態から解放された、ヘブライ人の同朋を率いて
いよいよエジプトから去るために、渡ろうと覚悟する紅海を前にしたモーセには
ワクワクした感動が、押し寄せました。
▼~▼ 内容にふれて雑感です。
(どうしても『十戒』と比べたくなってしまうのは許して…^^;)
▼▼▼
1.『十戒』は十戒なんですが……
『十戒』は、わりと、わかりやすく説明したような部分もありましたが
本作は、ソレを踏まえた上なのか^^;
話の細かいことよりも、
クリスチャン・ベールのモーセ像を前面に出していたよう。
(そもそも、『十戒』は十戒がメイン、本作は“出エジプト”がメインで違いますね)
ただ、個人的には、『十戒』の2人↓のインパクトが、あまりに強くて……
・モーセ(チャールトン・ヘストン)
・ラメセス(ユル・ブリンナー)
特に、ラメセスのユル・ブリンナーは、
ユルくなく、鋭い眼光の威厳ある怖さが、魅力的でした。
本作では、割愛されていた(?)
モーセがラメセスに、杖で“奇跡”を見せるところは
見たかったな……
2.奇跡 というより“災い“
ナイル川が血で染まり
カエルやイナゴの大群(災い)に襲われる――
奴隷のヘブライ人を解放しなければ、エジプトに“災い“が起こるというもの。
エジプト人が、その災いで困れば、ヘブライ人を解放せよ!との要求が
内部から生まれてくるだろう――との、モーセの読みです
要求と交渉と報復……
解放が叶うまで、繰り返されていく“災い“――
臨場感としては、特に、カエルにはゾッとする……
3、“過ぎ越し”のこと
なおも、要求をのまないラメセスへの最大の災いが
“すべての初子を殺す”――というもの。
子羊の血を戸口に塗った家の子は、死から免れる――
モーセは、神から、それを聞いて、同邦に知らせるので
ヘブライ人の子は、死なずにすみますが(災いが、過ぎ越していく)
エジプト人の家の子や、ラメセスの王子は……orz
子供の頃、聞いた話だと
大晦日に、夜遅くまで起きている風習は、
この“過ぎ越し“の名残りだ、というものでした。(鳥居の赤は、羊の血の色だとも)
私は、紅白歌合戦を見るために、夜遅くまで起きているのだと思っていたのですが
夜遅くまで、人が起きているから、紅白歌合戦を放送したのかな……^^;
4.紅海をわたる
“出エジプト”といえば、モーセらヘブライ人が
二つに割れた海をわたるシーンに、期待してしまう。
(『十戒』での海の割れ方は、スゴかったですもんね!しかも
海水が戻って、エジプト兵が溺れ沈むところも、迫真でした!)
今回、モーセは、杖でなく、剣を海に投げ
刺さった剣で、潮位の下がっていくのを知ります。
そして、“引き潮“の浅瀬を、渡っていくのですが……
そんな“ナチュラルな演出”に、ちょっとつまんないかな…などと思ったら
海水の“戻り“が、スゴかった!! (>_<)
大津波!恐ろしすぎる!コワくて、絶句……………
5.“十戒“を刻むモーセ
『十戒』のほうは、十戒がメインだからか
石版への刻み方も、ドラマチックでした。
姿なき神が、石版に、稲妻を落としながら文字を刻み
文字通り、モーセに“授けた“という演出。
今回は、山のふもとで、何やら興じる同朋たちをよそに
シナイ山で、石版に、コツコツと文字を刻むモーセ。
地味に地道です。
神の奇跡なら、あっという間ですが
人間モーセのご苦労や努力を
その姿が、暗示するよう……
エジプトを出た――とはいえ
その後、40年も放浪し、モーセは、“約束の地“を見られなかったそうですから
神の奇跡ばかりを、あてにはできませんから……
▼▼▼
劇中のセリフで
「今頃、約束の地に戻る我々は、侵略者になってしまうのではないか」
というのがありました。
現代まで尾を引く、根深い事を、敢えて言わせたのは冒険かもしれません。
しかし、それは、平和や相互理解、共存への祈念と受け止めたいです……
古代イスラエル人(ヘブライ人)の歴史と運命を、大きく変えた“出エジプト”を
タイトルに銘打った本作☆
スコット監督の意気込みを感じる切り口の、
エンタメ大作として魅せてくれています(^_-)-☆
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画
作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/163969/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
あらすじ→くわしい映画レビューです→
コチラ(ネタバレ表示ですが、真相はボカシ)
↓レビューと同じです。
~~~
マスターズ甲子園(OBの甲子園)の事務局として
学生:美枝が、父の母校のOBに参加をもちかけます。
美枝の父・松川は、震災で他界。
父からOB宛の、未投函の年賀状を見つけた美枝は
父と野球部のことを、知りたいと思っていた――
かつて、甲子園出場をかけた試合を逃したOBが、
マスターズ甲子園で、あの夏を取り戻したよ―
という話だと思ったら(そうなんですが^^;)
「そんなに簡単に取り戻せるもんじゃないッ!」と
柳場敏郎さんに、一喝されてしまいました(>_<)
何があったんだ?気になるゥ~^^;
ここでは、過去の“真実“と、そこにあった“本心“を明らかにして
曖昧だったことに、決着をつけるのに必要な
人間同士の、様々なキャッチボールを見るようでした。
▼~▼ 内容にふれます。(真相はナイショ・飛ばして下さい)
▼▼▼
1.28年前のこと
甲子園への決勝戦を出場辞退したのは、美枝の父・松川が関与した“事件”のため。
美枝が、松川の娘だと知ったOBは(特に西岡徳馬さん!)
当時の怒りそのままに、美枝を罵倒します。
初めて知った“事件“のこと。
見ている私も、ボロボロになりそうなほど、ケチョンケチョンにされてしまう美枝……
OBには、恐らく、“甲子園“は、憧れと同時に、悔しさの響きでもあった……
実は、甲子園をかけた試合に、出られなかっただけでなく
松川の事件の“真相”も、OBには、よくわかっていなかったのです。
“甲子園“のことは、風化させたつもりでも
時間が解決できたとは、限らない。
時が経っただけでは
もつれた糸が、ほどけてくれるわけではないんですね。
白黒つけないと、納得の糸は、ほどけないのです……
2、現在のOBたち
そうは言っても、始めから、昔の夢を追うぞ~♪と盛り上がれなかったのは
それぞれの現実が、キビシイから……orz
柳場さん(役)は、“あの夏”のせいで(と言うわけでもないけれど)
野球人生を送れなかったどころか、今では、求職中。
中井貴一さん(役)は、別居中の娘の誤解を解いて、良い関係に戻りたい――
私が、30年ぶりの高校の同窓会で、実感したことですが
在学中は、ほぼ同じ価値観を共有して、同じ世界に住んでいたと思えても
社会に出たら、別々の世界の中で、それぞれの悩みを背負っていくもの。
懐かしいけれど、もう、あの“同じ感覚“を、共有できないんじゃないか……
という淋しささえ、感じてしまった……
3.“再び”!
だからこそ、再び、OBが集まって、1つのことを目指せることが
とても、感慨深いのです。
共通の想い出、お茶目なイタズラ^^;、軽いノリ…etc.
“高校の野球部員”だった自分に、戻るOBたち。
そして今、再び、“甲子園“を目指しつつ、
改めて、松川の”事件”の真相を、明らかにすべき時でもありました。
4.勝負をつける!
“事件“の真相がわかって、すっきりするOB。
ホッとする美枝。
さあ、これから、甲子園への決勝戦を戦うぞ!というとき
かつての宿敵チームは、勝ちを譲りましょうかと言ってくる。(大人だね~)
いやいや、ここは大人でなく、高校生に戻って、がむしゃらに勝負してくれ!
勝っても負けても、試合したという“事実と結果”、手応えが欲しい。
そして、そんな白熱の試合結果は、いかに!
5.キャッチボール
マスターズ甲子園の粋な計らいは
球場内で、各自、キャッチボールできること☆
ボールを投げたり受けたりするだけなのに、なんて楽しいのか!\(^o^)/
グローブに、バシッとボールが収まったときの感触は、なんて嬉しいのか!
必ずしも、キャッチボールしたい人と、できるわけではないけれど(涙)
見えない心のボールは、届いたと思うよ……美枝ちゃん……
▼▼▼
そんなこんなで、28年前のコトを、違う形でもやり直せたなら
“納得“できそうなのが、嬉しい。前に進める。
『一球“人“魂』の気持ちは、そのときは、届かなかったとしても
いつかきっと、届けたい人の心のド真ん中に、ズバッと届くと信じたい。
私の心にも、あたたかく爽やかに
ジャストミートしましたよ☆
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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

作品について
http://cinema.pia.co.jp/title/166331/↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
元CIAのブライアン・ミルズ(=リーアム・ニーソン)のシリーズ3作目。
(以下、リーアム・パパ)
1作目: 娘キムが、拉致されたのを救出。
2作目: 元妻と自分(!)が、拉致されたのを、娘を使って救出。
そして、3作目は
元妻が殺され、リーアム・パパは、その容疑者にされてしまい
逃亡します。
リーアム・パパのすることは
1.警察の手から逃れること ←器物損壊、すでに、多々アリ
2.真犯人を見つけること、
そして、何より
3.娘の安全を守ること☆
↑この線で、元CIA度全開で、リーアム・パパが
ダイナミックに、魅せてくれます!
(レクイエムと言っても、フットワークは軽い!)
今回は、警察のボスが、フォレスト・ウィテカー☆
好敵手、というだけでなく
フォレストは、ただ、追っかけてたわけではないゾという深みがあって
あとで、その期待にも応えてくれるのが、イイです。
そして、今回の黒幕にも、注目です!(オット!)
▼~▼ 内容にふれて雑感です。(勝手に盛り上がってますので^^;)
▼▼▼
1作目から、離婚していた、リーアム・パパですが
元妻への想いは、ずっとつながっているのが、魅力でした。
元CIAという設定で、暴れまくってくれるアクションも楽しみですが
やはり、リーアム・パパ☆のパパ&夫としての想いの深さが
全編を通して、感じるのが、とても、いいのです。
それがあってのアクションは、リュック・ベッソン流♪
正直、ダイナミックな場面は、見にくい。 ^^;
右に左に、コマ切れては、ぶれる、ブレル……^^;
いや、はやりの3Dが“前後”なら、
この画面は、“左右“の枠から、ハミ出して(笑)
緊張感、途切れません。(*^_^*)
そして、不可能を可能にする(Aチーム!)のが、元CIAでしょ。
ああ、車が回転して、転落したら、キビシいかも……(>_<)
ましてや、その車が、爆発したら、もうムリでしょ……(―_―)!!
と思っても、リーアム・パパに、不可能はない!
家族を愛するパパは、無敵だ!\(^o^)/
それで、OK!(^_-)-☆
そんなこんなで、仲間の手も借りながら
真相に、上り詰めていくように、
ペントハウスへのエレベーターを上がっていく……
“犯人“に、近づいていく、リーアム・パパ・
しかし、死闘の末、いよいよ、追いつめたときに
さらに、仕組まれていたことを、知るのです。
そうなると、一緒にいない娘が、あぶない!(>_<)
そして、原点回帰のように、奪われた娘を、取り戻しにいく、リーアム・パパ☆
動き出す飛行機。
そこに、犯人と娘がいる。
離陸させちゃダメだ!
滑走路を、ビュンビュン、走り抜けていくのは
リーアム・パパの乗った、真っ黒のポルシェ!
どうする!??
……想像どおりと思いますが、映像的に、とても、スゴかった!!!!
▼▼▼
今回で、シリーズは、終わるようです。
元妻が亡くなっても、新しい家族の形が、できそうなのに……
若いイケメンさんのアクションものも、良いけれど
ただ、速いだけでない、
ただ、吹っ飛んだだけでない
リーアム・パパには、その品格と風格から
ドラマの世界が、広がるのですよ。
できれば、もっと、リーアム・パパの活躍をみたいです。
年を取ったとしても
そのうち、リーアム・グランパで、どうでしょう?(^_-)-☆
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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画
作品について
http://cinema.pia.co.jp/title/19498/↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
三人のやくざが、仲よく旅をするのではありません。
三話のオムニバスです。
股旅とか旅人(たびにん)と言った作品は、昨今、あまり見かけません。
やくざ、と言っていますが、彼らは博徒。
そこに、住むことが出来ない理由があって、流浪し、博打で生計を立てている。
芝居でみる彼らは、流れ者どうしの“義理・人情“を守っていて
カタギの人にも、彼らが守るべき道を、一本通してみせてくれます。
そこが、魅力なんでございます。
“義理“なんて、古くさい……ですよね……(>_<)
自分は自分、人は人――
割り切って、断ちきって、自分のペースで生きるほうが楽でしょう。
しがらみがなければ、重たくなくて、人生かろやか~でしょう。
されど
♪人生劇場の歌詞(→コチラ)にもありますが
義理がすたれば、この世は闇(歌詞引用)――そのとおりだと思います。
この3部作は、他人のために、そこまでするか!?というほどの
義理・人情を、見せてくれます。Qoo~♪(>_<)
それが、悲劇でも喜劇でも、イケちゃうんですから(^_-)-☆
▼~▼ 内容にふれて雑感です。(話3つなので長い…)
話と話の間には、♪『どじょっこふなっこ』が流れ、すごく、気分かわります^^;
▼▼▼
1.秋:千太郎~仲代達也さん
千太郎は、役人を斬った、“おたずね者“。
彼には、二十両の賞金がかかっていたので、冒頭、襲ってきた男を斬り捨てます。
ある親分のところで、わらじを脱いで、遊女おいねを見張ることになります。
おいねは、顔も良く覚えていないある男が、自分を身請けしようとしていることを知り
その男を思うことを、生きがいとしていました。
そのことで、“騒動”があり、千太郎が見張ることに。
私のツボは、まずは、おいねが知らない男でも、生きがいとしていること。
自分に気持ちを寄せる人がいて
その人を、思うだけで、生きる支えになる――
↑コレ、すごくよくわかる……
自分が生きるだけで精一杯だとしても、自分以外の人に
気持ち(愛情でも友情でも)が向いていると、
少し、強く、生きられそうな気がする……
多分、そんなおいねの生き様が、千太郎の心に響いていったと思う
深いシーンです。
その男は、身請けの金を用意する予定だったらしいが
話の内容で、冒頭で、斬り捨てた男だったとわかる……
なんという皮肉!(>_<)
薄幸のおいねを思って(←桜町弘子さんが、絶妙に、幸せうすそう)
気がとがめる千太郎……
そして、彼に、出来ることと言えば
自分の首にかかっている、二十両……
そのあとの千太郎の行動を、“男気“と呼ぶよ、私は……
2.冬:文造~志村喬さん & 源太~松方弘樹さん 4人やくざかも
吹雪きの中、たどりついた茶屋。
そこは、たまたまでなく、文造の妻子の茶屋でした――
これは、昔を悔いたやくざが、イカサマ博打で作ったお金を持って
妻子のもとに帰る~~というのも、1つの人情話ではありますが
文造のカネ目当てでついていった源太が、効かせます。
源太は、父のせいで村を追われ、“やくざ“(旅人・博徒)になるほかなかったという
典型例?を語ってくれます。(元から悪い人じゃないと)
文造のカネを、奪って逃げようとした源太ですが
文造に、出ていけ!と言った娘と、文造の仲をつないであげて
しかも
文造のイカサマを追ってきた輩に、一人で応戦します。
帰るところのなくなった源太には
帰る家のあった文造に、自分の想いを託したのかもしれません……
踏み分けないと、進めないほどの、深い雪が
心に降り積もってきた、それぞれの感情を示唆するようで
印象的な絵を、作り上げていました。
3.春:久太郎~中村錦之介さん
錦之介さんの、フットワークの軽い感じが生かされて、面白い。
久太郎は、調子のイイ男なんですよ。
とある村長から、“一宿一飯”の恩義(←コレも旅人の必需品)として
悪代官を殺してほしい、と頼まれた久太郎。
けれど、悪代官が強いので、しっぽを巻いて逃げることに…(―_―)!!
ダメじゃん、それじゃ…(―_―)!!
しかし、ほかの旅人が、村人からも悪代官からも、お金をせしめるのを見て
それはイカンと思う久太郎。
ましてや、村長が、悪代官に縛り首にあわされそうなことに!(>_<)
久太郎は、自分に勝ち目がないと知りつつ
一矢を報いようと、悪代官と対峙します。(←無茶だけどそう来なくっちゃ!)
でも、苦戦。やはりムリ?(>_<)
どうやって、悪代官をしとめよう……
で、その結末が、ウマいんですよ(*^_^*)
冒頭で、久太郎に出逢った、村長の息子とのエピソードが効いているんです。
要反転→その子が仕掛けていたタヌキ捕りのワナに、悪代官は引っかかり
首つり状態で死ぬのです。
悪代官を退治してほしい反面、久太郎に刃傷してほしくないような
複雑な気持ちが、一気に解決☆
▼▼▼
悲劇でも、喜劇でも、なんだか、ほっこりしたものが残るのは
それが、“情“というものなんでしょうか・
性格は、サッパリしても
義理・人情は、忘れちゃぁいけない……という自戒を込めて☆
どちらさんも、よう、ござんすネ☆(^_-)-☆
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