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映画『《シネマ歌舞伎》三人吉三』★因果と縁と、トンデモない“百両”の因縁(>_<)

三人吉三裏面


作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/167296/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

作:河竹黙阿弥

この芝居を、とても楽しみにしていました!!

冒頭は、シネマの妙。
芝居?ということを忘れさせるような、
庶民の生活感あふれる、リアルなカメラ使い。

――と思いきや、ミュージカルのように
生活の音で、遊び心のリズムを聴かせます♪

そもそもの始まりは、ある男が、刀を盗んだことなのですが
刀がらみの“百両“が、天下の回りものよろしく
ストーリーの糸を、グルグル巻いては、からんでいきました☆

あらすじ→コチラ(ネタバレあり)

そんなストーリーの綾も魅力ですが、
三人の吉三(きちさ)の視覚効果が、バッチリです(^_^.)

・和尚吉三(中村勘九郎) ←スゴ味のある男伊達
・お嬢吉三(中村七之助) ←女装したキレイな若衆
・お坊吉三(尾上松也   ←着流しのさすらい浪人


三人は、盗人なので、白浪モノというのでしょうが
生きるために、成行き上、人のものを盗ってきた人たちで
彼らが、なぜ、そうなったのかも、大事な根っこです。

彼らは、ある「百両の金」が縁で、義兄弟の契りを結びます。
が、この百両がクセモノで、キレイな金であったり、汚い金になりながら
人から人へ、わたるうちに
トンでもない事実を、暴いてしまうことになるのです!(>_<)

知らぬが仏か――
知ったがために、仏にされるか――


▼~▼ 内容にふれて雑感です。

▼▼▼

物語というのは、人との関わり(縁)で、できているものですよね。
それが、運命的な幸運もあれば、一生を変える不運でもある。

大人になった者たちは、子供のころに、不運があったとしても
時が流れ、洗われていくように
今は今として、将来を見て、生きていくことができる――
そうたくましく、生きていくのも、生きる知恵だと思っていました。

夜鷹の“おとせ”なんて、父が、夜鷹の元締めですから……(―_―)!!
虐待でなくて、“商売“として、娘もわりきってる実情……(汗)

そんなおとせが、十三郎の百両を拾ったのが縁で、二人は出逢い
偶然、それぞれの父にも世話になり、親子ぐるみで、いいムードになると
“絵に描いたような縁”を見る芝居もいいなァ~などと、思ってしまうのです。
(そう簡単には問屋は卸さなかった!(>_<))

その百両が、お嬢吉三の手にも渡ったことで
三人吉三の縁が結ばれる。
(ちなみに、和尚吉三とおとせは、兄妹です。ややこしくなりそうでしょ?^^;)

あとのこんがらがりは、見てのお楽しみとして

一言、言いたいのが、和尚吉三がしたアノこと。

▽▽▽↓要反転


相思相愛になった、おとせと十三郎が、
実は、双子の兄弟だったことがわかったあと
二人が気の毒だからと、殺してしまうこと。
(本人の同意を得たかは不明)

それが、兄の思いやりというのでもあり
一方、追われている、お嬢吉三とお坊吉三の
ちょうどいい身代わりができた、というのもありなのが、苦しいところ。

あっちもこっちも、終盤、追い込まれていって
誰かが、救われてほしい、という気持ちで見ているので
心中として殺された二人には、あの世での幸せを祈ろう、などと
思ってしまうのですが(汗)
結局、身代わりはバレて、吉三は三人とも、死ぬはめになってしまいます。



▽▽▽


↑救われないのですが(汗)
ラストの抗いのシーンは、自分のためよりも
守りたい者たちのためへの最後の命の輝き☆という感じで
本当に素晴らしかった!!
あの迫力は、スゴイよ!

だから、救われなくても、見ごたえに、納得してしまうのです。


▼▼▼


「こいつァ~春から縁起がイイわい~」byお嬢吉三
と、ホクホクなのも、春の束の間。

つまりは、親の因果が、子に報いすぎで!!(―_―)!!
すごいことになって、やりきれない悲劇に見舞われていく
怒涛のエンディング!(>_<)
吹雪の量も、ドサドサ、ハンパなく落ちて、盛り上がる!!!

「悪いこたァ、できね~な~……」とつぶやく
笹野高史さんの味わいも、かなり渋くて良い(^_-)-☆





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テーマ : 邦画
ジャンル : 映画

映画『アリスのままで』★どんな晩年でも自分が自分でいるために

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/166823/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

主演:ジュリアン・ムーア

50歳で、若年性アルツハイマー病を発症した、言語学者アリスの物語。

“言語“を専門に研究してきた彼女が、まず、
言葉を忘れることから始まる皮肉……
記憶や意識が、少しずつ、欠落していくのを、
止める(治す)ことができないと知ったら
自分や家族は、どう過ごすでしょう……

同年代のアリスが、他人事ではない気持ちで、鑑賞しました。


▼~▼ 内容にふれて雑感です。
▼▼▼


1、覚えているうちに

何もわからなくなるときが来るなら
わかるうちに、美しい最期をとげたいと思う。

アリスは、短命でも美しい蝶のようでいたいと願い
自分の理性が、最後に行き着くところとして
パソコンに、あるフォルダーを残します。(最期の行動を指示)

しかし、病状が進めば、なんだかわからなくなってしまう……
意図せず見てしまった、そのフォルダーの指示どおりにしようにも
段取りを覚えることが、もう、できない……orz

理性と知性で、パッチリと覚醒していた、冒頭のアリスの表情が
段々に、混沌の雲の中に埋もれていく様子が
不安にまみれながら、ありありと、辛い……
(↑この表情の重みは、何よりも、語っています!!)


2、若年性と遺伝

年齢とともに、錆びていくのは、仕方のないことですが
アリスの病気は、遺伝性で、長女にも伝わっていたことがわかりました。
(長女は、双子を妊娠)

いつか発病する――
そのリスクとともに生きる日々は、どうだろう……
そのリスクから、子供を持たないという選択もあります。

しかし、これまで生きてきた日々の素晴らしさを思うとき
たとえ、“若年”で、病気を発症することになっても
私は、新たな命に、生を謳歌してほしくて
子や孫が、生まれてくることを選ぶと思います。
(考え方は多々あると思いますが)


3、記憶と愛と

段々に、弱っていくアリスの姿を見るのは、家族も辛いだろうと思う。
穴が開いていくように、欠落していく記憶―ー

……というのだけれど、
アリスの、亡き母と姉との遠い思い出が
現在の娘たちと、重なるようなシーンを見ると
記憶が無くなる――とは、思いたくないのです。

(短時記憶はむずかしいとしても)
アリスを、アリス足らしめている大切な大切な記憶は
アリスの、脳の心の、奥の奥にしまわれて
すぐに取り出せないだけで、
感動の記憶も、幸せな思い出も、消えてはいないのだ!!!
と思えて仕方なくなる………………

平たく言うと、詳細に、正確かどうかよりも(汗)
“本質”を感じていれば、いいじゃないかと。

次女が、オゾン層の穴をふさぐたとえ話を、アリスにしたとき
細かい内容は、再現できなくても
“愛”を感じたことを、告げました。

アリスの記憶にあいていく“穴“は、
アリスを愛する家族の愛情が、埋めてくれる――
次女との抱擁には、胸がいっぱいになりました……


▼▼▼


どんな晩年であっても
自分が自分でいるためには
今、そこに、“愛”がないと、生きていかれない気がします。
(介護や、隣人愛含む)

不安や悲しみでなく
意識の最後まで、人に優しい気持ち(=愛)を向けられたら
幸せな人生と言えるかもしれません。



PS:白状しますと、当初
映画『アナと雪の女王』の♪ありのままで~
にあやかった作品かと思っていました(>_<)
しかも、アリスの長女がアナで……
失礼いたしました。


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テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

映画『セッション』★“行き過ぎ指導“や”イジ悪“を凌駕する音楽のスゴさ♪

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/166841/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


ジャズ音楽院の鬼教授と生徒の物語――

賛否両論、喧々諤々の評判で、どんなものか楽しみにしていました☆

原題 『WHIPLASH』(=ムチ打つ)のように
指導には、飴とムチの加減は、多少ありますよね。
しかし
鬼教師のスパルタで、生徒が大成したよーーというほど単純でなかったのが
面白かった!!!

そもそも、音楽の大成とは、どこにあるのだろう……いや
音楽の“行き着く先”あるいは、音楽の力と言うべきか……
とにかく
ああ!音楽はソコに来るのか!と
魂を揺さぶられながら、納得のラストに昇華しました!という感じです♪


▼~▼ 内容にふれて雑感です。


▼▼▼


1、フレッチャー教授  ~鬼の形相


バードことチャーリー・パーカーが、一流になったのは
未熟な演奏で、シンバルを投げつけられた
その悔しさをバネにしたから――というのが
フレッチャー教授のモットーです。


確かに、踏まれても踏まれても、跳ね返せる“しなやかな強さ”は
必要かもしれません……
けれど
恐怖やストレスで固まってしまうと、ポキッと折れてしまうこともありますね。


そんなフレッチャーの怖さは、恫喝の前に、まずあった。
「〇〇小節目から (さんハイ←手振り)」
と、いきなり、小節のナンバーを言って、すぐに演奏させること!

すぐに、音を出せるのが、プロ?なのかもしれませんが…
私、ムリです……orz

少しでも遅れたら、切り捨てていく……
この緊張感、ハンパない~~~(滝汗)
ましてや
「暗譜してないんです」って人は、アウトですヮ………


フレッチャー役のJ・Kシモンズの深いシワの表情が
油断ならない怖さを、かもし出しています。


2.フレッチャーのプレッシャー(>_<)

見どころありとにらんだアンディに、これでもかこれでもかと
“行き過ぎ指導“の”シンバル”を、ビシバシあびせるフレッチャー。


怖い先生と言えば
中学の数学の男の先生(当時、20代後半)が、怖い人でした。
生徒一人ひとり(女子含む)、平手打ちした音が、
隣のクラスにまで聞こえたとか。
それで、前歯を折られた生徒もいたとか……
(問題が解けないくらいで、殴られちゃたまらん(>_<))
その先生が、静かに話しているときでも、怖くてピリピリしていましたよ。

高校では、幸い、教わりませんでしたが
またまた、数学の女の先生が、怖かった!(←見た目、性別不明。50代?)
「なんでこれくらいのことがわからないんだ!」と、罵倒されて、
チョークが飛んできて
泣かされる女子続出と。(ちなみに女子高です)
だから、みんな必死で勉強するので、数学はできるようになる、と先輩の談。
数学が、その先生でなくて、本当に良かったと思いましたよ。
チョークが粉々になっちゃう……

……ということを思い出しながら……
血と汗で、グチャグチャになったドラムを叩くアンディに
まだまだ!もっともっと!と、煽りまくるフレッチャー。
見えないシンバルや、チョークや、灰皿(?)を、バンバン投げまくってます!(>_<)
これでもか!これでもダメか!
アンディとて、食いついて食いついて、ガブり寄る!
ドラムの音が、グイグイ心に食い込んで来て、ドキドキする。
こっちにも、チョーク飛んでくるゥ~!(>_<)


3、イジ悪か……(―_―)!!

そんな“しごき“の果てに、立派な演奏家になって終わるほど
人生は甘くないし、音楽は浅くなかった!

アンディも、フレッチャーも、それぞれの理由で
学校をやめることになりますが、あるとき、再会します。
そのときは、旧友としての和やかさがあるのですが
フレッチャーは、恐ろしくも、性格の悪いヤツ(汗)でした……

学校を追われたのが、アンディの密告のせいだと知ったフレッチャーは
スカウトの前で、恥さらしの演奏を、アンディに仕向けます。
これで、音楽業界への道を断って、とどめのリベンジをしたつもりでしょう。

行き過ぎ指導は、愛のムチのようなことをほのめかしたフレッチャーですが
根底は、ドS根性だったんじゃないの?と思わせる、卑劣なダマシ。

フレッチャーよ!
バードが、シンバルのおかげで大成したという音楽の世界を
こんなに醜いことに、まみれさせていいの?
きびしい練習は必要だけど、
演奏する心が、そんなふうでは、ダメじゃないの??


4.アンディ―のドラム♪(ネタバレ)

自分の音楽(ドラム)を、フレッチャーにメチャクチャにされて
引き下がるアンディでは、ありませんでした!!!

フレッチャーの指揮など無視して、アンディの“オン・ステージ”が
始まりました!
いいか悪いかなんて関係ない。
音楽は、その場の空気を、つかんだもん勝ち!
アンディのドラムの音は、ベースも、トランペットも取り込みながら
そこにいる人々の心に響いていく!
もう止められない!気持ちは加速し、高まる!高まる!
フレッチャーも、引きずられていく……

音楽のすごいところは、理屈でなく、感情に入り込んで
理屈以上に、感動をもって、説得力のあるところ。

ラストの2人の表情は、何よりも語っているけれど
あえて、互いに赦し合った――とは、言わないでおこう。
ただ、素晴らしい音楽の瞬間が、そこにあっただけ。
それだけでいいのだ!(キッパリ☆)


▼▼▼


行き過ぎ指導やイジ悪?などマイナス要因が、多々、あったとしても
渾身の音楽の前では、小さなこと。

恩讐を飲み込んで、ただ、大きな感動だけを残す――
それこそが、音楽の持つスゴさなんだナ……
ラストの演奏を、ぜひ!




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テーマ : 洋画
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映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』★見ているほうも死ぬほどマッ度大の追跡劇with白い男

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/166046/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

死ぬほど面白い!(>_<)というシリーズの最新作☆
私は、新マックスのトム・ハーディ目当てで鑑賞しました。
それと、今回の女番長フュリオサ(=シャーリーズ・セロン)の
パンチある魅力も♪

暴走族を取り締まって、妻子を殺された警官マックス――ということでしたが
第一作とは、だい―――ぶ、世界観が変わっていきましたね…

話のメインは、車両で疾走しながらの、追跡劇。
走らせながら、どう仕掛けるか!どう守るか!の攻防が、ハンパない!!
(個人的には、他のアクション戦闘ものとは、
明らかに独立した個性を放ったツクリで
徹底的にやらかしてるナ―と思います、)

観て楽しんでいただければ良いので
▼~▼ 以下、勝手に雑感です。^^;

▼▼▼


水と油を制するものが、世界を支配することよろしく
今回の大ボス:イモータン・ジョーは、「水」を制する。
(ので、作物も育つ(^_^.))

ジョーは、女(妻)たちも、支配していますが
女番長フュリオサが、油と交換するための水を運び出すときに
女たちを連れ出したことが発覚し(裏切り)、ジョーの配下に追われます。

で、マックスはと言うと……
ジョーの配下に、冒頭で捕まっていて(>_<)
白い男ニュークスの“輸血袋“として、
フュリオサを追う車に、くくりつけられての”参戦”という……(―_―)!!

その追跡がね――ド派手なのよ――(>_<)
ドンドンと太鼓で、士気を高めるのみならず
(エレキ)ギターで、ジャジャ~~~ンン~~と響かせるので
思いのほか、血の気も上がるゥ~♪
砂漠を走るので、ホコリも、舞い上がるゥ~(>_<)

第一作目の暴走族のバイクのいやらしさを彷彿とさせるのが
バイクで攻めるシーン。
バイクでビュンビュン飛び上がって、フュリオサらの車に
爆弾を落とすのが、言葉わるいですが
気持ちいいほど(汗)、ポンポン落とすのです……(>_<)

さらに、串カツのような(汗)棒につかまった敵が
棒のたわみを、ビヨ~~ンと利用して、車両を攻撃します。
あの“串カツ“も、スゴカッタな~
調子づいてて、面白かった~^^;(フュリオサごめん)

そんな攻撃にさらされて、きびしいフュリオサに
くくりつけられていたマックスが、加勢してくれたら
マックスの見せ場も出るゾ!
……というところなんですが……

今回は、マックスよりも、他のキャラが濃すぎるし
他がイカレ過ぎてて、マックスは控えめな感じ…^^;


そして
わが故郷「緑の地」に向かっていたフュリオサの車は
延々と、砂漠を走っていたと思ったら、突如
“ぬかるみ“に、ハマってしまった!!!(>_<)
(↑個人的に、雪道でハマって、タイヤが空転した恐怖がよみがえる!
ホント、困るゥ~(>_<))
なんとか脱出しますが、ドキドキさせてくれますね…^^;(汗)

そうして、フュリオサらは、{緑の地」にたどりつけるのか!?
というと、さらなる試練が待っていて、そう簡単には終わらない^^;
もっと言えば、
「緑」は、「水」のあるところにあるものだとすると……(オット!あとはナイショ)


意外に目玉だったのは
白い男:ニュークス(=ニコラス・ホルト)です♪
ジョーのために、名誉の戦死を夢見ていた若者です。
純粋な忠誠心ゆえ、狂信的なイカレ野郎(失礼!)だったのですが
戦いのどさくさで、フュリオサ側に、つくことになりました。
そこからの誠意がまた、魅力となりました☆

ニコラス・ホルトは、『ジャックと天空の巨人』のジャックでした。
その時も、ピュアな主役でしたが、
今回の役どころは、インパクトも存在感も、かなり良かったです♪


▼▼▼


“この荒廃した世界ではイカれた奴が正義“――という世界観で
犠牲も大きく
マトモでは、いられなくなりそうですが(>_<)
憂き世を吹っ切る気分転換には、いい作品なのではないでしょうか(^_-)-☆





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テーマ : 洋画
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映画『白河夜船』★キャミ姿でけだるく目覚める安藤サクラの妙

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/166940/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


原作:よしもとばなな
(原作未読ですみません)

・寺子: 安藤サクラ   岩永の電話で目覚める たまにバイト  
・岩永: 井浦新     寺子の不倫相手  妻が植物状態
・しおり: 谷村美月   寺子の親友  添い寝バイトしていた  自殺する


白河夜船の語源にちなんだ“眠り”が、モチーフ。


                ・「白河夜船」の語源→コチラ


勘違いからのエピソードとはいえ、「白河夜船」の響きには
小舟に揺られたまどろみが、心地よいけだるさを思わせて
夢うつつの色気さえ感じます。


メインは、――不倫関係の彼氏との煮え切らなさ――のようです。


その曖昧さが、“眠り“という神秘的なボヤケで、
いじられているのが、面白くも、けだるい。


なにより、この配役が絶妙☆
安藤サクラさんの、キャミソール姿の寝起きが、なんとも生生しく
失望感にじむ雰囲気にも、眠たくなるかも……^^;


▼~▼ 内容にふれて雑感です。


▼▼▼


しどけない寺子の眠りは、たいてい、彼氏の電話で覚める。
しかし、「おっはよー」などと、爽やかでも、元気でもない。
とりあえずの目覚め。


寺子の眠りは、彼氏のいない時間帯の“孤独”の象徴のようです。
彼氏のいない時間は、眠ったも同然なのかも……


そして、彼氏と一緒に食事したり、そぞろ歩いたりするけれど
寺子には、はじけた悦びはなさそう…なのは…


彼氏には、意識不明の奥さんがいるから。


この意識不明という、深すぎる眠りが、効いています。
この究極の眠り姫が、彼氏を放さないのです。
彼氏とて、どうすることもできぬまま
寺子に、“うたた寝“のようなつかの間の安らぎを、
断片的に、求めているようなのです……


さらに、もっと絶対的な眠り=永眠、というのもある。


寺子の親友しおりが、ある日、永眠(自殺)してしまった。
近しい人の自殺は、その理由が、わかってもわからなくても
受容しかねるものです。
ただただ悲しく、こちらの魂を抜かれるほど
ただただ虚しい……


眠りのひねりは、しおりにもあって
彼女は、添い寝バイトをしていました。
添い寝中は、目覚めた客に微笑むために
ずっと覚醒しているのだという。
なんだか、足りない眠りを、永眠で取り戻すかのような――
などというのは、ムリがあるだろうか……


そんな、虚無の空気が流れながら

ある夜、寺子は彼氏と花火デートする。


この先、二人はどうなるのか?
奥さんは、夢の中で、夫に何を希望するのか?
(ちなみに、奥さんは、幻の中で、寺子に仕事をさがせと言った)


思いつきバイト生活をしている寺子自身は
シャキッと、夢から覚めた生活が、出来るのか??


この先、彼らみんなの夜明けが来るのか????


………などと思っても仕方ない……
今は、ドーンと打ちあがった花火が
寺子の瞳に映っては、はかなく消えていく……


眠たく覚醒して、すぐにまどろみに堕ちてしまいそうな
ヤル気のもてない生活の中でも
今、あなたと花火を見ている、この瞬間には
覚醒した確かな夢を、見ていられるのだから………………


                         (↑雑感であって、作品の本質とは別かも....汗)

▼▼▼


包容力があって、優しすぎるから
よけいに、悲しい気持ちになってしまうけれど
何かを信じたくなる彼氏・岩永の雰囲気が
井浦新さんにピッタリなのも、魅力です☆




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テーマ : 邦画
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映画『愛を積むひと』★一人ひとり隣り合って愛を積むwithスマイル(*^_^*)

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/165467/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。



・篤史(夫)  佐藤浩市
・良子(妻)  樋口可南子
・聡子(娘)  北川景子


東京から、北海道・美瑛に移り住んだ熟年夫婦。
妻は、マイホームを囲む、素敵な石垣づくりを、夫に頼むが
完成前に、妻は病死してしまう――

亡き妻のために、石垣づくりをがんばる夫の話だと思いましたが
チッチッチ―ーそれもそうなのですが
生き残った者は、石を積むだけでなく
山積みとなった問題にも、向き合わなくてはなりません。

思いのほか、起伏(事件?)に富んでいて、引き込まれました。
美瑛の風景も、季節の色合いも美しく
ナット・キング・コールの歌う♪スマイル~が、
温かく包んでくれました♪  →あればコチラ


▼~▼ 内容にふれて雑感です。

▼▼▼


1.北海道の一軒家で♪

住むならスーパーの近く、と思っている私ですが^^;
ケンとメリーの木あたりを通る風景には
やはり、憧れますねェ~。

隣家は、はるか彼方の一軒家。車があれば、なんとかなるか…
夫婦の思いやりが、重要なカギとなりそうですが
彼らとて、アツアツベタベタとも言い切れず^^;
多少の気持ちのズレがあるのが、現実味を帯びています。

妻は、本当の病状を夫に告げぬまま(それは優しさなのだけど)他界します。
一軒家で、ひとりで、夫はどうなるのか!(>_<)と思いますが
そのあと、少しずつ見つかる、妻から夫あての手紙や
石積み手伝いの少年がらみの“人脈“の物語が広がっていき、
面白くなっていきました。


2.石積みの石

石を積む――という作業も、達成感につながる作業で、
それだけでもいいなあ…と思いますが
その石は、ブロックではないので、大きさも形も、まちまち。
それがいいんですよね!アジが出ます。(*^_^*)

そして
崩れないように様子を見ながら、積んでいく――

篤史が、手伝いのワケあり少年に諭すのですが
たとえ小さくてもいびつでも、その石が収まるべき場所は必ずある――
みたいなことを言って、励ましてくれます。
石を積みながらのお言葉なので、説得力ありますね。


3.石積みの過程

形を見ながら、積み上げていく過程は、人生そのもののよう。
チャッチャと進みません。重いししんどいし、少しずつ。

それらは、触れ合い支えあっているようで
“摩擦“があって、形をなしている……とも言えるかも。

↑私は、この“摩擦“に、思うことありましたね……

少年が、石積みの手伝いに来たのが元で、事件に遭ってしまう良子。
一方、その“事後処理“で出会ったのが、少年の彼女。
ひいては、その少女の義父(柄本明さん♪)と
ぎくしゃくした出逢いから始まり、友達になっていく篤史……

もっと言えば、良子の死(葬儀)で、実家に戻った娘と父・篤史の関係は
篤史の事故(不幸)で、関係がより良くなるという……
災い転じて福となす――というのも、人生の妙なのかも。


4、真珠の一粒ひとつぶ

篤史が、良子の誕生日に、毎年、一粒ずつ送っていた真珠。
この真珠は、大切な思い出であり、ストーリー上の重要なアイテムになります。


そして
ひと騒動あった真珠が、聡子の首にあるのを見たとき
年々、積み重なった親子の愛情を見るようで
目頭が熱くなりましたよ……


▼▼▼

この夫婦のように暮らすのは、うらやましい1つの理想だと思います。
けれど
彼らにも、悩みや気がかりがあり、そのスキ間の埋め方に
惹かれるようです。

自分が死んだあと、そこまで先回って(!)、気が回る奥さんョ♪
だから、いつも、見守っている優しさにあふれ
新しい愛の形が、広がっていくのがイイ☆

一人ひとり、自分の形で隣り合いながら
愛情を積んでいるんですね。


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映画『海街diary』★優しく爽やかな“すず”風に吹かれる姉妹の季節

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/165422/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


長女: 綾瀬はるか
次女: 長澤まさみ
三女: 夏帆
末娘すず: 広瀬すず

父の死をきっかけに、腹違いの末娘が
姉たちと、同居することになります。

末娘が、姉と打ち解けていく過程が、メインのようですが
末娘は、まるっきりの他人でない“妹“という立場が
とても健気なのです。(広瀬すずさんの繊細さがイイ☆)

それに加えて
姉たちの、ワケあり人生も織り交ぜているので
彼女たちから、目が離せません!

冒頭の、長澤まさみさんの素足のインパクトもですが^^;
この姉妹の物語を、豊かに包むような音楽も、素晴らしかった!


▼~▼ 内容にふれて雑感です。
▼▼▼

1.家庭のゴタゴタ

三姉妹の父が、ほかに女性を作って家を出て行ったーーという
壮絶な出来事が、発端です。

しかし、それは、三姉妹の母親にも、問題がありそうでした。
ともかく、父母とも出ていったあと、長女が母代わりとなって
やりくりしてきたよう。

そして、父が再婚して生まれた娘が、すず。

さらに、すずの母の死後、父の三度目の結婚相手には連れ子がいて
父の死後は、後妻と連れ子が、すずの家族となるわけですが
その家族は、父がいたから、家族でいたようなもの。
父がいなければ、他人……


2.父がつなぐ糸

父の葬儀で、初めて逢ったのに、同居を勧めてくれた姉たちに、
大きく手を振って見送ったすず。
やはり、実の姉への思慕は、理屈ではないと思う。

三姉妹とすずは、血を分けた姉妹。
同じ父だから、似ている部分があると
ああ、つながっているんだな….という気持ちが親しみにもなる。

けれど、すずは
「奥さんのいる人を好きになった」母親の娘で
「三姉妹の家庭を壊した人の娘」であることを
重荷としても、背負っている……orz

そのことに苦しむすずに、長女がかけた言葉は
単に、子供に罪はないよーということだけでないのが、深い。
実は、長女も「奥さんのいる人」と付き合っていたから。

けれど、それは、自分への正当化?(汗)ではないんです……
良くないことはわかっているけれど
好きになる気持ちに、悪意はないのです……
でも、傷つく人がいることは否めなくて
罪滅ぼしではないけれど、そのとき、自分が出来うる
最大の優しさは、どこかで、果たそうと思うのです。(たぶん…)

それが、姉としてのすずへの思いやり以上に
生ける人間の“愛“という残酷さとフトコロ深さを
“痛み“のように見せた、作品の魅力なんですね。


3.母(大竹しのぶさん)と大叔母(樹木希林さん)

親戚のオバサンこと、樹木希林さん♪
希林さんがいると、その場の空気が
やわらかくもなり、引き締まる。

しのぶさんは、娘たちとも疎遠で
糸が、1,2本抜けたような母親像ですが
短いシーンでも、
長女との確執に、説得力があります。

険悪な言い合いになるも
雨の中、長女と墓参して、帰りには、雨が上がるのがいい。
そうやって
わだかまりの雨も、一粒一粒、上がっていくんだね……


▼▼▼

庭の梅ノ木もですが
姉妹の生活が、季節とともに、何気なく積み重なっていく様子がイイ☆

三回も(!)、不祝儀のシーンがありますが
死も含めて、人は季節の中で生きているんだな~と
しみじみ、思う。

過去の事実や、“哀しみの傷”があっても
それはそれとして、しっかりと、次の季節を生きていけばいい……
すずと、サッカー仲間の少年との“友情“には
そんな明るさも、感じます♪

広瀬すずさんの優しい爽やかさが、印象的な作品です☆



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ジャンル : 映画

映画『バベットの晩餐会』★若き日の縁が晩餐の至福へとつながる機微よ!

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作品について https://www.allcinema.net/cinema/18409
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

舞台は、デンマーク。(ユトランド)

牧師の娘だった老姉妹は、善行を尽くし、信者と祈りの日々を送っていました。
老姉妹と暮らすのが、“家政婦“のバベット。
パリ・コミューンの暴動で、夫と息子を亡くしていました。

このたび、牧師の生誕100年祝いにあたり、
バベットは、宝くじに当選したお金で、信者のみんなに
御馳走(晩餐会)を振る舞いたいと、老姉妹に申し出た――

信仰とともに、つつましく生きてきた老姉妹とバベットの
ささやかな話ではありますが
姉妹が、若き日に出逢った二人の男性の縁(えにし)が、
バベットと出逢わせ、御馳走(晩餐)への至福へとつながっていく……

人生の機微よ!心満たされる悦びよ!(*^_^*)
という、幸福感の残る作品でした。

さらに、1度ある人が語った言葉が、
時を移して、他の人から語られるシーンがイイ☆
言葉は消えることなく、祈りのように、人の心に刻まれ
次なる人の希望の一語となる――これも、嬉しい(*^_^*)


▼~▼ 内容にふれて雑感です。
▼▼▼

1.男性のこと☆        ←下世話ではないです^^;

若い姉妹に、それぞれ、印象的な男性が、登場します。
そこには、好意以上の気持ちが、彼女たちにも
あったかもしれない……と思うのは、彼女たちの瞳が語るから…
けれど、清貧で敬虔な姉妹には、ソレ以上のことはありませんでした…
(だから余計に深い)


 ①軍人ローレンス &姉

:借金まみれの素行不良でしたが、見初めた姉目当てに
牧師のもとに通い、説教を聞くうちに、覚醒したのか
人生の儚さや虚しさに、気づいてしまい
姉には、「人生には不可能があると知った」と、絶望的に去っていきましたorz

ああ、なんでそんな悟り方をしてしまったの?(>_<)と思いますが
この虚しさは、あとで、挽回してくれます。

 ②歌手パパン &妹

:教会で聞いた、妹の歌声に惚れ込んで
神を讃える歌の指導をしたい、と申し出るパパン♪
それなら、と父もOKしますが
いつしか歌は、男女の愛の叫びへと、高まっていくゥ~♪♪
パパンは、ノリノリ。妹は、たじたじ……(汗)

もう指導されたくない!(>_<)と、拒否されたパパンは、去っていきました……

ウブな妹には、歌とはいえ、プロ歌手のパパンの情熱には
対応しかねたのかも……
加熱は、ゆっくりしないと、中まで火は通らないような……(汗)


2.バベットの料理

:バベットは、実は、パパンの紹介で、老姉妹の元へやってきました。

(紹介状には、妹の歌への賛美として
「天国で永遠に偉大な芸術家になる。天使もとりこになる」と書いてありました。
現世では、その美声を、それ以上生かせないことは残念だけれど
神のいる天国へ希望をつなぐことで、終わりのない救いがありますね)

はじめは、地味なバベットですが、宝くじの賞金で
“本場フランス料理“を作ることになってからは、生き生き☆
遠方からの食材の調達は、牛の頭、海亀!、ウズラちゃん…etc.
姉は、魔女の料理と思ってしまう……(>_<)

しかし、実は、フランスで、シェフをしていたバベット☆
手の込んだ美味しい料理が、次々が運ばれます♪

美味しい料理は、人を幸せにしますよね(*^_^*)
ささくれ立った関係になっていた信者同士も
満たされれば、お互い、赦し合えるんです。

ゲテモノ(!?)と思っていた食材が、実は、高級食材だと姉妹たちが知ったのは
客人に、ローレンスがいて、絶賛してくれたから。ありがとう!


3.晩餐会のあと

帰り際のローレンスが、素晴らしい☆
かつて、“不可能”を感じて、姉から去った彼が
「今まで、ずっと、あなたと共にいた」と告白するのです。そして
「今夜、この世に不可能はないと知った」とまで、言うのです!

今さらの愛の告白ですが
今さらでも、今までの人生のすべてを抱きしめてくれる言葉は
感激以外の何物でも、ないかもしれません……

彼に、そう言わしめたのが、バベットの渾身の料理の味わいなのだと思います。
美味しいものは、人に、“希望”を授けますね。

かくして、バベットの大盤振る舞いは、終わりました。
もう、こんな機会は、二度とないでしょう……
けれど、妹は、これで最後ねとは言いません。
自分が、パパンに言われたように、今度は、バベットに言います。
「天国で、天使もとりこになる芸術家(料理人)になる」と。

▼▼▼

バベットが美味しい料理を、作りました――
というだけでは、ありませんが
美味しい料理は、お腹も心も満たし、幸せにしてくれます。
それは
過去にさかのぼってまで、今までの虚しさを満たすほどの!

姉妹は、縁あって、バベットを助けましたが
姉妹たちも、バベットに、救われました。
素朴ですが、味わい深い作品でした☆

食事は美味しく頂いて、幸せになりましょう\(^o^)/



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テーマ : 洋画
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映画『予告犯』★斗真さんのイイ人オーラが“予告“したような結末か

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/165911/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

動画サイトで、翌日の犯罪行動予告をするのは
新聞紙で、顔を隠した男(=シンブンシ)。
まあ、黙ってみてろよ、と……

↑生田斗真さんの、この“挑発“に誘われて、鑑賞しました。


顔を隠して、正体を伏せながらも、やることは
世間的に共感を得そうな、善玉的な制裁行動。

正義漢にでもなったつもり?と戸田恵梨香班長に、言われてしまいますが(>_<)
彼(or彼ら)は、そうやって、一人でも多くの人に知られることで
ある“善行”を、成し遂げようとしていました。
一方、
彼らは、すでに、後戻りできない大きな“罪”を、背負う者でもありました――


▼~▼ ネタバレ(!)して雑感です。


▼▼▼


1.労働問題


苦渋の中、努力が実ればラッキーです。
エリート警官の吉野(=戸田恵梨香)は、這い上がれた組。
そして、自分の成功経験から
うまく結果が出せない人は、努力が足りないのでは?と思ってしまう…

ネットで、正義の制裁予告をするシンブンシたちも
そのたぐいだと思って、社会のせいにして甘えるんじゃない!と
“説教の絶叫”をする吉野。

しかし、シンブンシ斗真は、かつて
バリバリにがんばっていた派遣社員でした。
けれど、“非正規雇用“の壁が、彼の努力を打ち砕いてしまった……

文字通り、血を吐くような努力をしても、結果は期待通りになるとは限らない…
人心は非情だから、法律が守ってくれるかといえば
その法律のせいで(穴だらけで)、もっと悪い立場になってしまうこともある…orz

ハローワークで、希望通りの職種が見つかればいいですが
自分の希望より、相手の要求に合わせられるかどうか、と言う感じかと……
(ちなみに、こんなのもあります→コチラ


どうにか就いた仕事は、人を人と思わない雇用主。(>_<)
雇ってもらった負い目があるから、多少はガマンするとしても
フィリピンから父親捜しに来た少年が、亡くなったとき
ソレをやっちゃぁオシマイだろー(怒!)というようなことをしでかしたもんで
ブラック雇い主は、シンブンシ斗真らの、
人情の怒りの鉄拳によって(←あえてこう言う)
殺されてしまいました……

その彼らが、シンブンシとして、世間の注目を集めながら
一方で、街では、少年の名前をかたって
少年の父に、たどり着くきっかけを探ります。


2.匿名で制裁


法で裁けなくても、天罰が下ったほうがいいんじゃないか――
と思われる事例ありますよね(汗)。
『必殺仕事人』や『闇奉行』……私は好きでした^^;

人の興味をひくのに、“正義”の制裁であれば、
共感や好意を得られやすいかもしれない……
(犯罪にはなりますが)

シンブンシで顔を隠すくらいなら、姿を隠せばいいのにと思いますが(汗)
姿はあれど顔ナシ、というのは、絶妙です。
姿があることで、生身の人間という親近感がわく。かつ
顔を隠すことで、存在が個人でなく、普遍的な感じになりませんか。
制裁することも、シンブンシ個人の恨みでなく
世の中“代表”と言う感じになるような……

逆に、彼が、“個人“として、警察に捕まりそうになったとき
味方してくれた人がいました。
大それたことを仕出かしている彼に共感していたから、ということですが
シンブンシの彼が、素顔をさらした一個人になったとき
そこにいるのは、
自分が守ってあげるべき、弱い立場の一人の人間――という印象が
心をよぎったのではないかと思われます。

ともあれ、人は人のために、ソコまで出来るのだ!というのを
シンブンシも、他の人も見せてくれるのがイイ☆


3、自分個人には限界か…orz


少年の遺骨を父親に届けてあげたい、と思い
少年の遺体への無礼から、雇い主を殺し(>_<)
ほかのシンブンシ仲間には、社会復帰してほしいと願い
誰か生き残ったら、悪事は死んだ奴のせいにすればいい、と入れ知恵しながら
シンブンシの制裁(心中)予告をした、シンブンシ斗真。

結果、シンブンシ斗真一人が死に、仲間は、シンブンシ斗真のせいにして
社会復帰できそうな結末になる。
(なんか納得しかねますが……(―_―)!!)

不遇な境遇から這い上がり、エリート警官になった吉野には
他人のために、ソコまでして果てた“シンブンシ斗真”が、
残念でならなかったろう……orz

死ぬ気があったなら、再び、頑張れたかも……とも思いますが
自分ひとりが罪を背負うには、そうするしかなかったか……

あるいは、自分を生かすのは、他人のために何かするよりも
しんどすぎることもあるか……………orz
……にしても、残念です。
残念ですよ、シンブンシさん…………


▼▼▼


生田斗真さんは、“イイ人オーラ”が好きです。

いわゆるヒーロー然とした“制裁男”でなく
オーラが生かされたような、イイ人で、切なく終わりました。
(ふてぶてしいまでに、もっと、図太くても良かったのに(>_<))

戸田恵梨香さんの芯の強さと
ほかの人のキャラ強さも、作品をドラマチックに引っ張っていました。


PS:回らないお寿司→スーパーのお寿司もか^^;




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映画『陽だまりハウスでマラソンを』★老夫婦フーフー人生マラソン日記のような^^;

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/166543/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。



老人ホームに入居したパウル夫妻。
ホームでの生活になじめないパウルは
昔、選手だったマラソンを、始めることにした――



高齢者が老後にも、まだまだ花を咲かせるゾ!と言う作品は
この頃、よく目にしますが、それだけ老後の生き方についての関心が
高まっているのかもしれません。


私こと、この作品に、すごく興味を抱いたのは
近々、ついに、両親が、ケアホームに入居する予定があるからです。


(ついに――というのは、
一番、助けを必要としているはずの父が、ホーム入所に反対していたからです。
けれど、母の負担も考えて、ついに決心に至りました)


↑ということなので、私情を、かなり重ねての鑑賞なので
私には、臨場感?あふれる作品となりました(*^_^*)



▼~▼ 内容にふれて雑感です。



▼▼▼


かつては、“老人ホームに行く”というと
あまり、良いイメージではなかったかもしれません。
親不孝の子供が親を捨てた?かのようなイメージも、無きにしもあらずでした。
一方
子供の世話にはならない、という、親のライフスタイルの1つという面もあります。


ともかく、老人ホームと言っても、入居者の状態に合わせた各種あり
入所ホームから、勤務している年配者もおられるし
充実した老後を過ごすのは自分次第、と思われます。


しかし、介護者の管理責任下での集団生活では、
まるっきり勝手にというわけにはいきません。
それは、地域社会でもそうだと思いますが
近所づきあい的なことは、奥様まかせにしてきたダンナ様には、リタイア後も
生活は、あくまでも自分のペースで!ということに、こだわりたいかもしれません。
それには、自宅で、奥様が、ダンナ様の生活に合せる可能性大が前提のようなのですが……


父の場合は、病院に入院中、看護師さんの看護に合せることが苦痛だったようで(>_<)
そのイメージで、自立型のケアホーム入所についても
頑なに拒否していました。が
面倒を看てくれる人の都合には、合わせないとね………


パウルの入所したホームでは、皆で、工作をすることになっていました。
強制的(?汗)なようでしたが、することが無くてはつまらないし
集まれば交流にもなるので、和やかに工作すれば良かったのですが
パウルには、それは、苦痛だったのです……
(父も、ひきこもらないで、皆と一緒に活動するときはしてほしい(―_―)!!)


そして、昔やっていたマラソンを、しばーらくぶりにやってみようと
思い立つのです!!


……しかし、御年80才くらいなんですよ。
今さら、ムリなんじゃないの……と、誰もが思う……妻もやめろと…
いや、しかーし、パウロを、どなたとこころえる。
畏れ多くも、オリンピックの金メダリストでした!☆
もう、50年くらい前ですが……


ああ、あの感動の逆転劇の選手でしたかぁ~と
往年の彼を知る人たちは、彼のマラソン・カムバックを応援します☆


しかし、ホームのスタッフは、困惑し、反対します。
パウルの栄光を知らないから、ピンと来ないこともあるし
管理上、平穏に暮らしてほしい、ということもある。
(その立場はよくわかる)


けれど、老後は、平穏に暮らしたいと思う一方で
思い残すことなく過ごしたい、とも思うと思います。
命も惜しくないくらいに、やりたいことをやっておきたいと思うのは
死を近く感じたときには、老後でなくても思いますよね。
(ちなみに義父は、死んでもいいから餅を食べたいと言い
義祖母は、死んでもいいから入浴したい、と言い、それぞれ、願いを叶えました。)



偉いナ~と思ったのは、パウルの奥さん。
始めは、夫のマラソンに消極的でしたが、パウルの熱意にこたえて
コーチを引き受け、二人三脚で、パウルのマラソンをサポートします。
あとは勝手にして、というのではなくて、二人は
“風と海のように“(←劇中より)寄り添っているんだナ~。


寄り添われたパウルは幸せ者だし
寄り添いたい相手のいる奥さんも、幸せ者です♪


そうして、ただ走るだけでなく、ベルリンマラソンに出ることを目標にします。
(実際のベルリンマラソンでのロケだそうで、すごい人数の参加者です!)


そうやって、目標を持って、頑張っていると
段々に、ほかの人も、その目標に乗っかってくれて、
我がことのように、応援してくれるのが嬉しい。
パウルが、老いらくの体で、フーフー言いながら走る姿には
それだけで、人の心を動かすものがあります。


そうして、あとは走るだけで、予定のゴールに着くだけなのでしょうか?
チッチッチ。そこは
マラソンが人生で、人生がマラソンか?という感じで
良いことも悪いことも、起こります。


そんなこんなで、走っているパウルを見ていると
もう、それは、ただマラソンしているおじい様ではないんですね。
昔の栄光もですが、パウルが家族と生きてきた想い出も
ホームで出逢った人々との新しい生活も、
今、走っているパウルの人生の輝きとして、それはそれは、まばゆい……
なんだか、目頭が、熱くなっていきましたよ……………


▼▼▼



パウル役の老俳優さんご自身が走った、というのはスゴイ!


70代でマラソンを始め、92歳で(!)、フルマラソンを完走したという
ハリエット・トンプソンさんの例もあるので
いろんな意味で、生きている限り、ビシバシッと、走り続けないといかんな~と
思えてきますね。(*^_^*)






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映画『名探偵コナン 業火の向日葵』★ゴッホの豪華なヒマワリ展♪

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/166746/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。


コナンシリーズは、子供向け?と思っても
そのテンポの良さが好きで、楽しみに、観てしまいます(*^_^*)
今回は、ゴッホの『ひまわり』をテーマにした“アートミステリー”ということで
ワクワク♪
子供さんには、これが、ゴッホの『ひまわり』デビューになるのかも\(^o^)/

・ゴッホのひまわり→うんちく

そして、ゴッホの『ひまわり』は、何枚もあるんだね~と思ったり
そのうちの一枚は、日本の美術館にあるんだね~と思ったり☆

・東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館→HP

はたまた、一枚は、日本で焼失!?(>_<)してしまったんだねと……orz

今回は、そんな大目玉☆ゴッホの『ひまわり』が盗まれる!?というだけでなく
“怪盗キッド“の特別出演もあって、映画版らしい盛り上がり!

▼~▼ 内容にふれて雑感です。(真相はナイショ)

▼▼▼

1.ゴッホの『ひまわり』展☆


そんな“ゴッホのひまわり”のすべてを、日本に集めた大展覧会が
事件の舞台となります。

↑さらっと言いましたが、コレ、すごくありません?(*^_^*)
7枚の『ひまわり』をそろえた展覧会なんて、かつてない。
観に行きたいでしょ?^^;
その展示方法も、ニクいんですよ。


美術館は、この展覧会のために新築します。(by 鈴木財閥)
警備上のこともあり、城郭の堀のように、周囲には水を配します。
(この水が、あとで、ダイナミックな効果も☆)


始め、各階に一枚ずつ配し、入場者は、上の階から一枚ずつ鑑賞して
一番下の階に来たら、すべての階の『ひまわり』を、下に移動させて
再び、一度に鑑賞できる――というもの。贅沢ですよ^^;
(手のこんだ鑑賞方法なので、入場者は人数制限があります。
そんな制限の中で、事件が起こるわけです)


こんな展覧会は、アニメでしか出来ないと思いますが(汗)
こんな『ひまわり』三昧の展覧会には、憧れますね~。


2.怪盗キッド☆


怪盗キッドは、白づくめの怪人二十面相のような、怪盗ルパンのような――
という感じで、カッコ良いキャラであります。(*^_^*)


そして、コナンの本来の姿:工藤新一と瓜二つのイケメンさん♪
というのがミソであり、ポイント☆
新一の恋人:蘭が、キッドを、彼氏と見間違って
追いかけていくときなどは、ちょっと切なくなる……
(注:蘭は、新一が“黒の組織“によって、子供の姿=コナンにされてしまったことを知らない)


そして、怪盗キッドは、基本、カッコいい奴なんで^^;
今回の『ひまわり』に限って、
“宝石泥棒”のポリシーに背いた、絵画泥棒するのは、オカシイわけで
段々、クライマックスに向かって、イイ奴モードが高まっていく感じは
キッドのファンには、たまらんでしょうなぁ~(^_-)-☆


▼▼▼


作品では、焼失したはずの『ひまわり』が、実は、救出されていた――
というのが、嬉しい設定で
そのエピソードが、ある人の切ない想い出に重なっている――
というのも、ドラマチックで良かった。





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