映画『《シネマ歌舞伎》三人吉三』★因果と縁と、トンデモない“百両”の因縁(>_<)

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/167296/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
作:河竹黙阿弥
この芝居を、とても楽しみにしていました!!
冒頭は、シネマの妙。
芝居?ということを忘れさせるような、
庶民の生活感あふれる、リアルなカメラ使い。
――と思いきや、ミュージカルのように
生活の音で、遊び心のリズムを聴かせます♪
そもそもの始まりは、ある男が、刀を盗んだことなのですが
刀がらみの“百両“が、天下の回りものよろしく
ストーリーの糸を、グルグル巻いては、からんでいきました☆
あらすじ→コチラ(ネタバレあり)
そんなストーリーの綾も魅力ですが、
三人の吉三(きちさ)の視覚効果が、バッチリです(^_^.)
・和尚吉三(中村勘九郎) ←スゴ味のある男伊達
・お嬢吉三(中村七之助) ←女装したキレイな若衆
・お坊吉三(尾上松也 ←着流しのさすらい浪人
三人は、盗人なので、白浪モノというのでしょうが
生きるために、成行き上、人のものを盗ってきた人たちで
彼らが、なぜ、そうなったのかも、大事な根っこです。
彼らは、ある「百両の金」が縁で、義兄弟の契りを結びます。
が、この百両がクセモノで、キレイな金であったり、汚い金になりながら
人から人へ、わたるうちに
トンでもない事実を、暴いてしまうことになるのです!(>_<)
知らぬが仏か――
知ったがために、仏にされるか――
▼~▼ 内容にふれて雑感です。
▼▼▼
物語というのは、人との関わり(縁)で、できているものですよね。
それが、運命的な幸運もあれば、一生を変える不運でもある。
大人になった者たちは、子供のころに、不運があったとしても
時が流れ、洗われていくように
今は今として、将来を見て、生きていくことができる――
そうたくましく、生きていくのも、生きる知恵だと思っていました。
夜鷹の“おとせ”なんて、父が、夜鷹の元締めですから……(―_―)!!
虐待でなくて、“商売“として、娘もわりきってる実情……(汗)
そんなおとせが、十三郎の百両を拾ったのが縁で、二人は出逢い
偶然、それぞれの父にも世話になり、親子ぐるみで、いいムードになると
“絵に描いたような縁”を見る芝居もいいなァ~などと、思ってしまうのです。
(そう簡単には問屋は卸さなかった!(>_<))
その百両が、お嬢吉三の手にも渡ったことで
三人吉三の縁が結ばれる。
(ちなみに、和尚吉三とおとせは、兄妹です。ややこしくなりそうでしょ?^^;)
あとのこんがらがりは、見てのお楽しみとして
一言、言いたいのが、和尚吉三がしたアノこと。
▽▽▽↓要反転
相思相愛になった、おとせと十三郎が、
実は、双子の兄弟だったことがわかったあと
二人が気の毒だからと、殺してしまうこと。
(本人の同意を得たかは不明)
それが、兄の思いやりというのでもあり
一方、追われている、お嬢吉三とお坊吉三の
ちょうどいい身代わりができた、というのもありなのが、苦しいところ。
あっちもこっちも、終盤、追い込まれていって
誰かが、救われてほしい、という気持ちで見ているので
心中として殺された二人には、あの世での幸せを祈ろう、などと
思ってしまうのですが(汗)
結局、身代わりはバレて、吉三は三人とも、死ぬはめになってしまいます。
▽▽▽
↑救われないのですが(汗)
ラストの抗いのシーンは、自分のためよりも
守りたい者たちのためへの最後の命の輝き☆という感じで
本当に素晴らしかった!!
あの迫力は、スゴイよ!
だから、救われなくても、見ごたえに、納得してしまうのです。
▼▼▼
「こいつァ~春から縁起がイイわい~」byお嬢吉三
と、ホクホクなのも、春の束の間。
つまりは、親の因果が、子に報いすぎで!!(―_―)!!
すごいことになって、やりきれない悲劇に見舞われていく
怒涛のエンディング!(>_<)
吹雪の量も、ドサドサ、ハンパなく落ちて、盛り上がる!!!
「悪いこたァ、できね~な~……」とつぶやく
笹野高史さんの味わいも、かなり渋くて良い(^_-)-☆

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