映画『さざなみ』★凄!熟年妻が魅せる悩ましくも深い妻ゴコロ

作品について http://cinema.pia.co.jp/title/169497/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
主演:シャーロット・ランプリング☆
原題:45 YEARS
週末に、結婚45周年祝賀パーティを控えた、週の始め。
夫に、元カノの遺体発見の知らせが、届く――
夫に蘇る、青春の思い出。
否が応でも、事実を知りたがる妻の心に
「さざなみ」が立つとは、シャレた邦題です。
(むしろ、“怒涛”か…^^;)
が、やはり核心は、「45年間(原題)」かなとも思う。
妻の元カノへの“嫉妬”あり――ですが
嫉妬のレベルを越えた
妻の心の凄まじさが、真骨頂でしょう。
▼~▼ 以下、内容にふれて雑感です。(解釈違うときスミマセン)
▼▼▼
結婚前の元カノへ、想いを巡らせる夫を見るにつけ
この“45年間”の結婚生活は何だったの?
と、人生の大半を占めた“結婚”
ひいては、“人生”
あるいは、自分の“存在”そのものが
瓦解しているような愕然感が
シャーロットの表情から、ひしひしと伝わって来るのです。
「言いたいことはたくさんあるけれど、抑えているのよ」
と言った妻が、ピアノを弾く。
譜面を閉じて弾いた曲は、彼女の心の吐露かもしれない。
言葉の代わりに、流れていく…
物置にあった、元カノの映像を、隠れ観た妻。
姿を見てしまうと、きっと、感情も掻き立てられる…
(元カノは妊婦?彼ら夫婦には子供ナシ)
今、夫は、どう思っているのだろう……
「あなたの心が離れたとしても、他人に悟られたくの」
幸せは、フリじゃなくて
今までもずっと、あったものなのだから…
パーティのスピーチで、妻に、45年間の感謝の言葉を述べる夫。
それは、きっと本心。
妻も、笑顔で応える。
やはり、夫婦の絆が強まる、お約束なラストが自然なのか?
と思うけれど…
二人は、結婚式の思い出の曲『煙が目にしみる』で踊る。
一見、穏やかなのだけれど
よそよそしく見えたのは、気のせい??
ダンスシーンは、妻の心の中を察してくれ、と言わんばかりに
ことのほか、長い。
そのうち、他の人もダンスに加わり、めでたいムードが高まる。
なのに
踊っている二人の、微妙な距離感は、そのままだ……
ついに曲が終わり、夫が妻の手をとり、高く挙げたとき
妻は、その手を、早く下した。(振り払ったようにも?)
確かに、夫は、スピーチで、この45年間の結婚生活の感謝や
これからの希望を感じさせたように、
自分も、関係を壊さずにやっていくつもりだとしても
結婚式に感じた幸福感とは、別の“感覚”であることは、確かだと思う。
ましてや、結婚式と同じ曲で、踊ってみたら
(懐かしさだけでなく)
その“感覚”の違いが歴然であっても、おかしくないだろう……
けれども、敢えて、言いましょう。
盲目的に、純心で、愛するのだけが愛ではないとしたら
夫が、昔の女を気にかけることに
心を揺らし、苛立ちを感じた感情ですら
憎しみの恨み節ではなく
夫を、強く愛すればこその激情なのだ。
夫が、手をとって挙げた手をすぐに下したのは
そんなに愛してくれているなら、なんでこの1週間
私を惑わせたのよォ……と、拗ねてみたのかもしれないし…
▼▼▼
そんなわけで^^;
シャーロットの演じる女ゴコロは、
深くて、悩ましくて、可愛くて
スゴイ……

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