映画『ウインド・リバー』★雪原の悲惨な遺体~真相と“始末“

作品について http://cinema.pia.co.jp/title/173285/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
・コリー(ハンター): ジェレミー・レナ―
・ジェーン(FBI): エリザベス・オルセン
ウインド・リバーは、アメリカ先住民の居留地。
その広い雪原でコリーが発見したのは、無残な少女の遺体。
FBIのジェーンの捜査を、コリーは手伝うことになった―
“真相解明ミステリー“ですが
解明=結果の着地点が、納得ドコロでしょうか…
重要な“聞き込み“のとき、シーンが切り替わるのも、良し☆
そこで、事件の真相を見せられることで
“説得力“が、痛みとなる――
▼~▼ ネタバレして雑談です。(要反転)
▼▼▼
少女は、血反吐を吐いて亡くなっていた。
ジェーンは殺害されたと思うが、地元の寒気に詳しいコリーは
冷気のために、肺が破裂したと言う。
直接の殺人ではないが、裸足で10km走った少女の足は
凍傷で、黒ずんでいた。
検死結果から、性交渉もあり、彼女は
“被害”から、逃走中の病死らしかった。
似たような被害が多くあるのか、この地区では
行方不明の少女が何人もいるらしい。
コリーの妻は先住民で、娘は、被害少女の友人だった。
娘も、三年前に、同様の死に方をしたことを
ジェーンは知った。
そのときは、動物に食われ、検死もままならず死因不明。
しかし、“何か“から逃げて、雪原の中に倒れていたのなら
今回と同じことが、起こったのかもしれない。
FBIの警官ジェーンは、病死や事故死でなく
“原因“となった犯人(♂)を、殺人犯として逮捕したい気マンマンだった。
援護するコリーは、被害者の父と同様に
“犯人“は、その場で”始末”する気マンマンで、臨む。
(ココにはココの法がある)
場面は、雪で覆われた居留地が広がる。
広いですね、寒いですねーだけでなく
(広いのに)
閉ざされた地域の不便さ、生きにくさが
なんとなく、伝わってくる…
そんなこんなで
少女は、採掘所の彼氏の住むトレーラーに行ったことがわかる。
その彼氏も、雪山の中、遺体で見つかり
ジェーンらは、採掘所の同僚に聞き込みに行った。
トレーラ―には、同僚複数で、住んでいるらしい。
(ヤロウが複数なんて、アブナソ!(汗)(>_<))
逮捕権はないが、ジェーン援護に、若手の♂保安官数名が
同行したのはよかった。
採掘所のヤロウたちと、一触即発の危機に陥る!
そして、ジェーンが、トレーラー内の同僚に聞きこもうとしたとき
場面は、少女が、彼氏に逢いに来たときに変わった。
そしてその日、とんでもないことが起こった一部始終を
目にすることになる―――(>_<)
実害を目にすると、犯人への怒りは、格段に上がる。
コリーは、娘が、どんな目に遭ったかはわからないままだが
コリーの怒りがどんなものかは、十分に、共有するはずだ。
少女に乱暴し、彼氏も殺したヤロウを
コリーは、雪山の奥まで、連れていった。
見つけたら、“始末“すると言ったコリーは
ハンターだし、射殺するのかと思った。
しかしコリーは、縄を解いて、“解放“した。
いや、彼は、犯人ヤロウを、冷気の中、裸足で走らせた。
少女が、裸足で10㎞も逃走したのと、同じことをさせた。
ヤロウも、血反吐を吐いて、死亡した。
自分の欲望だけで、少女の尊厳など無視するようなイカレヤロウには
それでいい。足りないくらいだ!
コリーこと、ジェレミー・レナ―の
静かに怒りをたぎらせる感じが、絶妙に良い☆
▼▼▼
先住民の妻とは、別れても
居留地の害獣を狩る仕事をしながら(=ハンター)
先住民と関わっているコリーの気持ちは
先住民と一緒。
その“つながり“、見えない糸が
悲惨な事件の物語を、殺伐とさせない
少女の死の悼みへの
たぎる人間ドラマに、魅せてくれたと思います。

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