映画『笛吹川』☆子を思う母の執念は因縁に抗っても

作品について https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/03368/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
・原作:深沢七郎☆
・監督:木下恵介☆
・おけい:高峰秀子☆ 定平の妻
・定平:田村高廣☆
武田信玄が生まれた頃から始まる。
笛吹川のほとりに住む、農民の一家が
領主の武田家とたどる運命を見る。
因縁は、定平の“おじい”から始まったー
現状のまま、穏やかに暮らしたいと思う一方
少しでもいい暮らしをしたいとも思うもの。
領主次第で、運命が翻弄されてしまうなか
子供の命を守りたい、母;おけいの必死の姿には
ラストまで、心奪われる!(^^)/
▼~▼内容にふれて雑談です。(ネタバレ!)
▼▼▼
1.信玄の“お胞衣(えな)”
信玄が産まれたあとの胎盤(お胞衣)を
埋めるため、おじいが出向いたのだが
道具が足にあたり、傷を負ってしまった。
それが、めでたい儀式を血で汚したと咎められ
殺されてしまった!
胎盤を埋める風習は、知らなかった……
(壺に入れて、恭しく運ばれた)
穴を掘って、けがをしたら
気遣われるどころか、殺されてしまうとは…orz
命の軽く扱われることヨ……orz
そもそも、おじいが借り出されたわけでなかった、
孫(半蔵)が戦で手柄をあげたことに、気をよくしたおじいは
娘婿(半平)の代わりに、褒美欲しさに
しゃしゃり出てしまったのだ……
同じ日、おじいの別の娘(ミツ)が、定平を産み
因縁がからんでいく。
2.「戦にいくもんじゃねえゾ」
半蔵(=おじいの孫=半平の息子)が戦功をあげ
おじいの娘(ミツ)が、定平とともに出戻ったが
まもなく、絹問屋(山口屋)と再婚した、
再婚にあたり、定平を実家に置いたので
義理の叔父:半平が、定平を育てた、
(子供を置いて再婚なんて!仕方ないの?orz)
時は戦国。
やたら、“〇〇の戦い”があり
戦功をあげるチャンスが、いつでもある状況。
半平の実子:半蔵は、武士になり、戦ったが
足にけがをし、おじいの因縁を思わせる。
そうして
次の戦いで、戦死した…….orz
定平を育てながら、半平は繰り返し言った。
「戦にいくもんじゃねえゾ」
何度も何度も言うことに
強いメッセージを感じる。
やがて、定平は、縁者の“おけい”を娶った。、
3.殿様(武田)の災いは、嫉妬の炎も (>_<)
ミツが再婚した山口屋は、商売繁盛すぎて
殿様(武田)の反感を買ってしまった!(>_<)
家は燃やされ、滅ぼさん勢い!
(生き残っても殺される!(>_<))
武田の代は信玄。
実父を追放するほどだから、嫉妬で燃やすのも
納得できそうなムードも……
命からがら逃げ延びた、ミツの娘タツは
武田への恨みで、呪い殺すことに執念を燃やす。
~中略~ 渡る世間は鬼ばかりのように苦難が…orz
日々、生き抜くのって大変なこと…
4.“おけい“の、母親の執念
定平とおけいは、三男一女を授かった。
戦には出したくなかったが、(親戚に唆され)
長男が、戦にいったことがきっかけで
子供たち全員が、武田に仕えることになっ(てしまっ)た!
武田は勝頼の代。滅亡が近い……
長男は、武田の代々の御恩を言うが
おけいは、ナニが代々だと、同意できない。
負け戦続きで、右往左往しているような行列に
飛び込んだおけいは
そこにいる子供たちを、連れ帰ろうとする。
けれど、自分だけ、帰りますってわけには行かなくて…
じゃあ、このまま、殿様とともに討ち死にするの???
母親にしたら、世間体はともかく
子どもの命が大事。生きていることが大事!
たとえ殺されたって、生き延びるつもりで!!!!!(^^)/
おけい(=高峰秀子)が
必死に、子供たちを連れ戻そうとするのが
見ていて、もどかしくも辛い……
彼女は、足を引きずっている老女なんですよ…
彼女自身、体に負担をかけてきて
自分の人生や命を犠牲にしてまで
子供たちのためを思って、生きてきたと思う。
(母親はみんなそうだと思う)
名誉とか忠義とか、何も、誇らなくていいから
とにかく、生きて戻ってきてほしいだけなんだ!!!!!
なのに、なのに、戦禍は容赦なかった……orz
笛吹川を、武田の軍旗が流れてきて
定平が、ひとり、拾い上げた……
▼▼▼
モノクロ映像に、赤や黄など
Vividに着色した斬新な映像が
違和感とともに、目新しい……
いくつもの戦いを見せながらも
「戦にいくもんじゃねえゾ」
を繰り返し唱えた、説得力ョ……
さらに、母親おけいが
子供たちにすがりついて
帰宅を促し続けた、執念の姿からは
(仮に)“反戦メッセージ“という言葉では
含み切れない、重く尊いものを
つきつけられたようだった。
おけい=高峰さん、絶賛です!(^^)/

にほんブログ村



にほんブログ村
スポンサーサイト