映画『グッバイ、レーニン!』☆息子の語りは“東”の母への想いを綴る

作品について https://www.allcinema.net/cinema/318878
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
・アレックス: ダニエル・ブリュール☆
・父: 西ドイツへ亡命
・母: 反動で東ドイツに忠誠を尽くす教師
アレックスが、反体制のデモに参加・逮捕されるところを
目撃した母は、ショックで(心臓発作)昏睡状態に。
その後、ベルリンの壁が崩壊し、東西統一したドイツ。
8か月後に覚醒した母にショックを与えないようにと
アレックスは、旧東ドイツのままの生活を継続して
母を、自宅療養させることにしたー
▼~▼内容にふれて雑談です。 違うときスミマセン
▼▼▼
あらすじからして、最後には、母が
「東西ドイツの統一」=「社会主義の消滅」
=「祖国:旧東ドイツの消滅」を知るのかと思い、
真実を知ったあとどうなるのかーーと思っていました。
しかし、そうではなかったのが、予想外で
深かった!(^^)/
母は、父が女性がらみで西側へ亡命して以来
東ドイツ・社会主義に、命を捧げんばかりになった。
夫=愛するものの代わりに、なにかに
魂を預けたくなったというのもアリだが
子供(アレックスと姉)のためにも、体制に傾倒するほうが
有利だったかもしれない。
まずは、旧東ドイツの生活の継続の苦労…汗。
西側の文化が入ってきてからは
商店には、みごとに、東側の商品が消えていた…汗。
仕方なく、ゴミ置き場で、例の空ビンを見つけて
詰め替えたアレックス………
(私、コレやったことある……汗。こだわりの強い相方に
面倒を避けたくて、件の外箱に入れ替えて
何食わぬ顏で、提供したことが…………(>_<))
TVを見たいという母に、困ったアレックス。
ビデオを借りて、ごまかしていたが
同僚に協力してもらって、ニュースもどきの映像を制作。
そこまでするとは!涙ぐましいョ……
そんなあるとき、アレックスが仮眠中に
母はベッドを離れ、外に出てしまった!
そこには、西側の人々や西側の車が!!!
そのとき、母が見たのは
ヘリで運ばれていく、同志:レーニン像………
(グッバイレーニンの光景だが、まだ母は、レーニンに
別れを告げる状態ではない………………)
ああ!わかっちゃう~~~(>_<)と思ったが
幸いにも
そう簡単に、事態を飲み込めるはずも.なく……
アレックスは、西ドイツの難民が押し寄せたことにした。
西ドイツの資本主義が、東ドイツの社会主義化したことに。
(逆なんだけど)
母のためと、古き東ドイツの維持を演出していたアレックスだが
それは、自分の理想としていたものだったと
気づき始めるのが、ニクイ。
ママ大好きのアレックスは
東ドイツの“体制“が母の大切な世界で
守るべき母そのもの?と信じていたようなのだが…
容体悪化した母の激白!!!という展開が良き☆
実は、母は父と西側に亡命するつもりでいた。
先に亡命した父は、女性がらみでなく
何度も母に手紙を送っていたことも、判明した。
しかし、子連れでの亡命に、危険を感じた母は
亡命を諦めた上で、体制に、過度に迎合し
生きてきたのだった。
ドイツが東西に分断された不幸と、、それでも
強く生きてきた母の生き様が
いっぺんに、強烈に、つきつけられた瞬間だった。
(ドイツでは大ヒット作品だそうですが
多分、経験的にも、思うところある人が多かったのではないかと。)
アレックスは、母のために、滑稽にも必死に
東ドイツを演出してきたが、心の奥底では
母の希望は、西側にあったのなら…………………
息子の気持ちも、複雑に揺らいだだろう………
自分の思う“東ドイツ“を演出したアレックスには
その世界こそが、母と一体化した良き思い出であって
母に“西側“を認知させることは
母の存在と思い出が、消えてしまいそうで
自分のためだったのではないかと………….
それは、彼の無意識だったかもしれないが
母は、最期まで、東ドイツの“西側化“を
アレックスから知らされることなく、この世を去った。
しかし、死に目に、夫に逢いたいという、母の願いのため
アレックスは、父を探し出し
父は、母と二人だけで、語らいの時間をもったので
母は、東西ドイツの統一を知った上で
アレックスには、知らないふりをしていた可能性も……?
何が本当によかったか、わかりかねることはある。
けれど、もはや、西側化した東ドイツでは
グッバイレーニン状態なのだから
東ドイツ(社会主義)の良き思い出も、悪しき制約も
すべてまるごと、さようならなのだ。
母もその状態で、天国に旅立ち
ただ安らかであってほしいと、願ったかと……
その割には、遺灰を、違法にも空に打ち上げて“散灰“するという
大イベントで送ったのも、それはそれで良き☆(*^^)v
▼▼▼
東西ドイツの統一後
東ドイツ時代を懐かしむ風潮(オスタルギー)も、生まれたそうですが
過ぎてみると、いい思い出だけが、蘇えることもありますよね……
(大ヒットはそのためかな…)
東も西もあるけれど
アレックスの語りで、綴られたような本作は
母への想いの強さなんだな、きっと…………

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