映画『題名のない子守唄』☆避難しときます

ネタバレして、作品全体を見たかったのですが
ネタバレを”非難”されたので、いつ、削除してもされてもいいように、
こちらに、”避難”しました。
どうか、よろしくです。



映画レビューは、まだあれば、ココです。
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tyem/id328134/rid140/p0/s0/c0/



「過去を捨てたくても、過去が自分を放さない 。
私のような女でも、未来はあると想っていたのに。」


過去から逃れようとすればするほど、未来が消えていくようなイレーヌ。
彼女の過去の残酷さは、
冒頭から、見るものに印象づかせ、
時折、記憶として、断片的に挿入される映像が、助長していった。
彼女に何があったのか?
何から逃げ、何に怯えているのか?
そして、彼女は、どうしようとしているのか?
モリコーネの音楽が、不可解さ、不安定さをさらに増し、
観る者を、彼女に釘付けにさせていく。
やがて、家政婦としてもぐりこんだ家で、
怪しい行動をとる彼女すら、守りたくなってくる。
その家の娘テアに、特別の目を向ける彼女の表情が、
母親のそれだと気付くからだ。


イレーヌは、その女性性を、暴行・陵辱・蹂躙されるだけでなく、
孕んだ子を売られるという、母性への冒涜を背負わされた過去を持っていた。
そんな生活から逃げるために、殺しそこなった男“黒かび”に怯えながら、
最後に、産んだ娘を探し当てたのだ。
その娘は、彼女が愛し、殺された男とのあいだに出来た子供だった。
娘が、生存本能が弱いと知るや、虐待とも取れる方法で、“鍛える”シーンは、凄まじい。
(この子が、一人でも強くたくましく生き抜いてほしい。女は、泣かされるだけではだめよ。)
右の頬を打たれて、左の頬を出しているようでは、
女が一人で生き抜くことは、できないことを、身を持って知っているイレ―ヌだからこその愛情なのだと想った。
(サリバン先生の、ヘレン・ケラーへの“体当たり的指導”を、思い出します。)


しかし、その家の家政婦の職がほしいからと、イレーヌが、
友人である家政婦ジーナに、わざと重傷を負わせた罪は、
イレーヌの地獄にいた男“黒かび”を殺した罪よりも、重いだろう。
彼女に、残酷な過去の十字架だけでなく、
そのような罪と良心の呵責という十字架まで、背負わせてみせるとは、なんという展開か………。


さらに続く。
実子と信じていたテアは、実の子ではなかったとわかる。
泣き崩れるイレーヌ。
彼女は、最愛の人の娘を探し当てたと信じ、
その娘と一緒にいるために、画策し、そのために巻き込まれて、命を落とした人もいるのに……。
実の子と思えばこそ、そこに、
ないと思った未来を感じられたのに………………。


では、
テアが実の娘でなければ、イレーヌに希望はないのか?
いや、彼女は、テアに、自分が産んで行方しれずの9人の子供の姿をきっと、重ねて観ていたと思う。
イレーヌが、テアに歌った子守唄は、
出産後、自分で抱くこともなかった子供たち、すべてに、聞かせていたと思うからだ。
乳が張って痛んだ胸の痛みは、そのまま、子供たちを案じる胸の痛みであったはずだから……。
たとえ、父親がわからない子を産まされても、
その子たちを産んだ自分は、その子たちの母親なのだから………。


結局、
“黒かび”殺しの罪に問われ、イレーヌは、刑に服することになってしまった。
まだ、もっとこれ以上の仕打ちが、待っているのだろうか…?
彼女をどうしたい?
私に、何を見せたい?トルナトーレ!


………何年か経ち、イレーヌが出所した。
誰もいないはずのそこで、彼女の目に映ったのは、
一人の若い娘。
イレーヌを見て微笑んだのは、成人したテアとわかる。
作品は、そこで終わったが、私は、抑えたものがはずれたように、涙があふれた。
ああ、やはり、テアは、彼女の娘だった、と。
血のつながりはなくても、テアは、
まぎれもなく、イレーヌの希望であり、未来であり、命である、彼女の子供なのだ、と……。
ありがとう、トルナトーレ……。
災いだらけの、イレーヌのパンドラの箱にも、
最後に、希望を残してくれて……。


凄惨な過去を持つ女という設定は、描写を比較的抑え、
”断片的な背景”として見せたのは、よかった。
もちろん、彼女が、いかに悲惨かを知ることも重要だが、
ここでは、悲惨の程度以上に、そこから、這い出すように、
ささやかな希望を探る彼女のほうに
光を当てたいからだ。
女性性を、踏みにじられてきた“一人の名も無き女(原題)”は、
最後に、“一人の母”となり、
ないと思った、光明を見出した.........。



ありがとう、トルナトーレ監督………。



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yutake☆イヴ

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こんにちは☆
使い方がよくわかりませんがヨロシクお願いします。^^;

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