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映画『愛されるためにここにいる』★愛し合うために...

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作品について  http://cinema.pia.co.jp/title/16636/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。


以下ヤフーレビューの転記です。(ネタバレ)


今は、独身生活の、初老の裁判執行官ジャン=クロードと、
結婚を控えた女性フランソワーズ。
二人は、タンゴ教室で、ちょっとした知り合いとして出逢った。

確かにフランソワーズは、結婚前の、心が揺れていた女性かもしれないが、
婚約者の男性が、仕事大事とはいえ、彼女が誘ったタンゴ教室に、
興味がなさ過ぎで、彼女の心にすき間が出来てしまうのも、うなづける。
積極的に、アプローチしてくる男性には危険を感じても

ちょっとした知り合いのジャンには、友人として接することができる

と言う気持ちもあったかもしれない。
帰りにジャンの車で送ってもらったり、その車に忘れ物をして、取りに行ったり、
ステップの練習をしたり。
段々、距離が近くなる二人。

タンゴショーの帰り、ダンスの情熱の余韻のまま、二人が車に乗るシーンへ続く。
「この車、好きよ。気持ちいいわ。」
降車する間際に、ジャンに軽くないキスをしたフランソワーズ。
好きなのは車ではなく、ジャン、あなたなのよ…..と言っていると思ったのは、
私だけではないだろう。

ジャンも、彼女の気持ちに気付き、自分の彼女への気持ちにも気付いたのか、
彼女への香水を選び、他の女性と踊っても、彼女を見つめてしまう…
二人で踊る時、瞳を閉じて、微笑みながら、彼に抱きついていた彼女が、
どこか、後ろめたそうに見えたのは、
本当は、いけないことかもしれないけれど、
ジャンと踊っている時が1番幸せよ、と言っているようだったからだろうか?
そして、それは、ジャンにも伝わったかもしれないと思った。

しかし、彼女が婚約中だと知るや、裏切られたと思うジャン.。
「あなたを弄んだわけではないの。あなたとは、お友達でいられる。」
「僕は、友達でいたいとは思わない。もう、2度と逢いたくない。」
結婚予定の彼女とは、その先のないことはわかる。
彼女の気持ちがどうであれ、現実を見れば、そこで自分の気持ちに、
けりをつけざる得ないだろう。
ジャンは、お互いの本心を見ることをやめたのだと思った。

その後、彼と彼女の関係を近づけた、伏線以上のエピソードが
ジャンと父との関係だ。
この父子の描写は、ただ、彼と彼女の関係のお膳立てという簡単なものではない、
思うところあるシーンだった。

父は、老人ホームに、唯一面会に来てくれる肉親であるジャンに、悪たれをつく。
ジャンは、せっかく来てやっているのに、感謝もされない、と不満に思いつつ、
帰り際に、父の個室の窓辺に、視線を向ける。
年老いた父のわがままな行動や言動は、唯一、心許せる息子だからこその甘え、
ひいては愛情の表れなのだと思う。


大人になった息子には、他人行儀的な、礼儀や感謝を
親にも期待するかもしれないが、
親にとっては、子供はいくつになっても子供であり
所有物のような感覚がどこかにあって

それが、親近感だったりするのだと思う。
だから、ジャンのテニスの優勝カップを処分したとうそぶいた父親が、実は、
カップはもちろん、新聞の切抜きまでも、大切にしまっていたことが、
父の死後に、ジャンにわかるシーンには、胸が熱くなる。
言葉や態度の奥にある、人の心の奥深さを再確認させられるのだ。

では、友達でいられる、と言った彼女の本心は?
父の死後、それに気付いたジャンが、タンゴ教室で、彼女を見つめる眼差しは、
今までのそれとはまるで違い、彼女への想いを、まっすぐに向けていた。
その後の彼女の婚約事情については明確にされないが
それ以上を語るのは野暮だろう。
彼女のジャンへの眼差しも
もはや友人を見るそれではなかったことで、十分だと思った。

そして、二人は、タンゴを踊った。
音楽とリズムと、お互いの心に身をゆだねながら………
愛し、愛される男女のダンスである、本当のタンゴを…

お互いを、愛し合うために……


~~~ヤボな追記↓(^^♪


彼女の婚約の有無を問わずに、愛するのは、不適切なのでしょう。

しかし、私は、例えグレーゾーンでも
黒=想う人を失う、よりは、いいと想っています。
ただ、その人に想いが向いている、それだけでいいのです。

だから、希望的観測では、彼女は、きっと婚約解消したと想うことは、
安心材料ではありますが、絶対条件ではありません。
倫理を恐れずに言えば

たとえ結婚しても、彼女の気持ちは、自分にあることを
ジャンは、知ったからです。

作品中、彼女の婚約がどうなったのか、結婚したのかについて触れなかったのは、
むしろジャンの想いの強さについて言えば、効果的だと想っています。
彼女の結婚に左右されるほど
ジャンの想いは、実はゆるくは無かったのだ、ということを、
私には、印象づけてくれました。

そうしてみると、これはタンゴがふさわしいです。
ワルツなどでは、健全な上品さが、むしろ徒となってしまいそうです。
二人が1つなにって踊るタンゴは
手に入らない、陽の当たらない恋であっても、
ひたすら想い続ける情熱の強さを、ひとしお感じさせるのです。


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