映画『別離』(2011)★ “別れ”という“過ち”か

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/157978/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD20497/story.html
↑あらすじ:お読みください。


原題は 『ナデルとシミンの別れ』
始まりは、ナデル(夫)とシミン(妻)の別れ話。



≪妻は、娘のためにイランを出て外国に行くことを望むが、認知症・要介護の老父がいるから、出国はムリだと言う夫との離婚申請をするが却下され、娘を婚家に置いたまま、ひとまず実家に戻る。
ナデルは、老父の介護をラジエーという子持ち女性に依頼するが、介護の問題と窃盗の疑いでトラブルとなり
ナデルは、ラジエーを突き飛ばすように追い出してしまう。
後日、ラジエーが流産したことがわかり、裁判に発展する……≫



イスラム教社会であるイランにおける、夫婦・家族・介護・失業……etc. の有様は
日本の価値観や状況とは、違いがあるにせよ
生々しい生活感には、身につまされ、緊迫感あふれた作品でした。

私なりの思うところを、ざっくり述べます。(ネタバレ雑感)


▼▼▼

「流産事件」裁判の争点で、まずは、ひきつけられる事柄は
・ナデルがラジエーを突き飛ばした時、妊婦だと知ってたのかどうか。
・ラジエーの流産は、ナデル以外に原因はなかったのか。

「真実」を暴こうとする、ミステリーの面白さがあります。

同時に、「真実」の前には、悪意のない心苦しい「ウソ」がありました。

そして
「本心」や「真実」を表に出さない(出せない)事情が、ナデルとラジエー双方にあったという「現実」は
「真実を隠す(=ウソ)」ことが、誰にでもありうるという“普遍性”を、暗示するようでした。

~~~

「お母さんが家にいて、祖父の面倒を看てくれていたら、こんなことにはならなかった」

ナデルの娘が、シミン(母)に言うセリフで、冒頭に引き戻されました。
シミンの離婚申請と家出は、“流産事件”のきっかけに過ぎないわけではないのだと。

一家の騒動が、雨降って地固まることとなり、丸く収まるのではないかとの期待も虚しく
タイトルどおりのエンディングを迎えます。

そこで、改めて思うのは
シミンは、なぜ、出国(家出)にこだわったのか?ということ。

はた目には、“要介護の義父と夫を捨てて家出を目論む鬼ヨメ”という状況です。

彼女は、娘のためだと言いますが、それは、理由の1つに過ぎないでしょう。
義父の介護のこともあったかもしれません。
夫はいい人です、と言いながら、別れを選ぶには、それだけの理由があるはずです。
けれど、シミンの「本心」は、よくわかりません………と言っておきます。
(わからなくもない……とも言っておきます)

夫はいい人だ、と思っても、離婚を選ぶ妻たちは、ほかにもいます。
何か、事件が起こらない限り、人は本当のことを話す機会もないのかもしれません。
それに、「本心」や「理由」というのは、それぞれの立場で生じるもので
立場の違う人には、理解してもらおうとしても、むずかしいこともあります。
そうすると、どんなに、自分が「本心」を理解してほしいと声高に訴えたところで
伝わらないのであれば、「本心」を見せないことと変わらないのではないか……との落胆もあります。

**:年配のご婦人方の館内での会話が聞こえました。
「夫婦は色々あるからねえ。うちだって危ういわぁ」
「男と女では考え方が、全然、違うのよねぇ」
「ホント、むずかしいわよねぇ」

~~~~

シミンの“別れ”は、娘のため、と言っていましたが

ラストシーンの両親の“別れ”は、ただ、子供の心を引き裂くような、苦しみに満ちたものでした。
母ならば、「本当の理由」を押し殺してでも、娘を哀しませない選択をして欲しかった、と思うのは
古い考えでしょうか……

**:年配のご婦人方の館内での会話。
「あの母親は悪いね」
「子供のことを思ったら、女は好き勝手やっちゃダメよね」
「夫婦には色々あっても、子供を悩ませたらいけないわ」

そこで、感じたものは、「過ち」でした。

何かが原因で、「別れ(家庭の崩壊)」を思うことも、「過ち」であるかもしれないし
悪気からではないけれど、「ウソ」をついてしまうことも、「過ち」だと思います。
(でも、あのウソは、いずれも、家庭を思えばこそだった)

そんな「過ち」を重ねあう人間同士でも、
寄り添い、助け合って生きていくのが、厳しくも社会生活なのだとしたら
どうにか、関係を修復する努力をしなくてはいけなかったのではないか……

家庭を守るためについた「ウソ」よりも、
この、両親の「別れ」と言う結果が、1番の「過ち」なのではないか……

決断を迫られた娘の表情から、そう感じました。

(熟考できたら、追加・変更します)










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