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映画『私が、生きる肌』★誰もが自分だけの肌と言う秘密をまとっているのかも

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/157531/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。



~~妻を亡くした外科医が、妻そっくりの別人を作った~~
というだけの話では、もちろん、ありません!!

アルモドバルは、複雑な人生を、より複雑にしていきます。

強そうで、実は、もろい人間の姿をあばき
冷酷になっても、熱い魂を潜ませる、人間の姿を炙り出します。

アントニオ・バンデラスは、存在としてむずかしい外科医を、印象的に好演していました。

事実がわかってくるとショックなのですが、それが、単なるタネあかしではなく、
その前にも後にも、ベタついた意味を持っているのが、アルモドバル流で、
ショックな事実から、目を背けている場合ではありません。
複雑な状況ですが、大雑把に言えば、“愛と贖罪”について突きつけられた気がします。

(結末は言いませんが、内容にふれて、雑感です)





▼▼▼▼



皮膚移植された謎の女性ベラが、監禁されて実験台になっているらしい状況を、気の毒に思っていると
追い討ちをかけるように、乱入してきた“トラ男”に乱暴されるシーンを、まざまざと見せられ
ベラへの同情心を、最大限に煽られます。

一方、亡き妻そっくりのベラに向ける外科医の眼差しは、愛する者を観るようでいて
どこか、冷たい恐ろしさにも、気づきます。
この2人に、何があったのか……

少しずつ、明るみになってきます。
・生前、妻は、トラ男と浮気したあげく、自動車事故で全身大火傷を負い、自殺したこと。
・その後、外科医と同席したパーティで、外科医の娘は、ある青年に襲われたことがきっかけで、 心を病み、自殺したこと。

妻と娘を亡くした外科医の心は、何を思い、どこヘ向かったのか……

まずは、娘を傷つけて、死に追いやった青年への恨みです。
殺してやりたいと思っても、不思議はありません。

けれど、“贖罪”を思うとき、「目には目を」 ということがあります。
同じ目に遭って、同じ痛みを知ってほしい。同じ立場になれと。
だから、青年を、男に襲われる立場の女にしようとすることは、動機としてわかるし、外科医には、それが出来ました。
手術を、性器から始めたのも、そのためかと。

外科医は、研究者の性(さが)からか、青年を、“完璧な肌”で覆われた女性に作りかえることも考えます。
(手馴れたオペだけでなく、ナンバーワン・オンリーワンを目指したいというのもアリでしょう)

火に強いその肌は、火傷を負った妻のことがあるからでしょう。
青年の顔を、妻そっくりにし、ベラと呼び、別人格として扱い
外科医自身が、その青年を、この世から葬った(殺した)と“錯覚”し
妻の生き姿という“幻想”を見ているとしても それは、あくまでも、“気のせい”でしかありません。

このままでは、上手くいくはずはない!危険だ!
家政婦(←この方も、ワケあり)は、ベラを殺せ!とまで言いますが
自分の作品であるベラを、外科医が死なせるはずもありません。

゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜

ベラが、トラ男に襲われた現場を見た外科医は、何を感じていたのだろう……と言うコトが
あとになって、思い返されます。

事実を知る前は、いわゆる侵入者として、トラ男を始末しただけかと思いましたが
トラ男は、妻と浮気していた男……そして
一瞬、ベラにも、外科医は、銃口を向けた……

“被害者ベラ”は、あのとき、女性が男性に襲われる苦痛を、初めて、体験したのです。
(それが、青年自身の本当の体ではないとしても)

ここで、“贖罪”という言葉を持ち出すのは、場違いかもしれませんが
青年が押さえつけた娘が、嫌がったことを、身をもって知ったことは、
しいて言えば、意味のあったことなのかもしれません……
(トラ男の、獰猛な嫌らしさには、本当に、目を背けたくなりますが,
訴えたいものも強いシーンなのでしょう……上から、かなタライを落としたくなりますが…)

そして、不可解というか、考えどころなのが、外科医が、ベラの体を求めるところです。
妻を、あのトラ男に、心身ともに奪われたままの外科医には
このたび、ベラを襲ったトラ男を撃ち殺したあと、妻を取り戻した“錯覚”が“陶酔”になってしまったと思いました。

顔や皮膚(声も?)など、外側は、完璧に自分が作り上げた“妻”なのだ、という自負が
“娘を襲った男を妻の身代わりにして関係を結ぶ”という、おぞましい行動に至らせた………..?

しかし、そのシーンだけ見ると、オドロオドロしくは無く
外科医の妻と娘への“愛さがし”という目で見れば、そこに“愛”のひとすじは、あるのかもしれませんが
その“愛”に錯覚させられるのが、人のあやまち… ?

どんなに、青年ベラが、外科医に従順になったとしても、心は青年のままです。 記憶もあります。
フツウに考えて、青年が、外科医に、ベラとして、心を許すはずはありません。
人は、愚かで、弱いもの。
そこに愛があると信じれば、信じてしまう…………………….

当然と思われる結末を迎えます。

゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜.:*゜゜☆゜゜:.。。.:*゜゜☆゜

私は、女性に乱暴をはたらく男は、絶対に赦せない立場です。 ですが、
こんな目に遭った青年は、亡き娘には、赦されたと思いました。

青年には、良い方向に向かってほしいと思いながら、いい終わり方でした。
最後まで見せなかったのも良かった…
あの後も、きっと、波乱はあると思うから。
けれど、希望も、きっとあるから。



▼▼▼▼


べラも、外科医も、家政婦も…etc.
皆、誰もが、自分だけの肌をまとって、哀しいヒミツを持ちながら
生きているようなものなのかもしれません……………….

舞台は、首都マドリードから少し離れた、トレド。
遠景は、ほとんど昔のままだと聞きました。
都会のバラックなどでなく、古都トレドが舞台というのにも、どこか、風情を感じさせます。

アルモドバルには、まだまだ、究極を求めていってほしいと思っています!


PS:やはり、乱暴はダメです、乱暴は。







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テーマ : 洋画
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