映画『アンナ・カレーニナ』(2012)★壮絶さより美的エンタメの“そんな華麗二ナ♪”

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/161242/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


トルストイ作『アンナ・カレーニナ』あらすじ



メインは、恋を知った人妻アンナの破滅の恋物語です。
それだけを描いても、それなりの意味を持ちますが、
地味に実直に生きる夫婦を影のように描くことで、教訓的な意味も併せ持つ作品です。


教訓も良いのですが、私個人としては、
アンナが恋に破滅していくことに対して
だから不倫はダメなんだよという倫理のブレーキでなく
そのようにしか生きられなかったアンナに、自分の女性性を重ねながら
同類あい憐れむという気持ちで、涙したい作品です。


今回のアンナ・カレー二ナは、
アカデミー賞美術賞ノミネート、衣装デザイン賞受賞ということで
美しさは絶品です。


舞台劇を想定した演出には、違和感もあるかもしれませんが
アンナという女性の、めくるめく人生は、まさにスポットライトの当たる舞台!
彼女が突き進み、悩み、仕出かしてしまう出来事には
私たちは、ただただ観客として傍観し、感激するほかない……
と言うには、ふさわしい演出なのでしょう。


舞台ついでの演出と言いますか
ダンスや、作業など、ところどころ
作為的な“型”を意識した動き方には、目を引くでしょう。


アンナは、夫と子供がいるのに不倫した自分勝手な女、と言ってしまえばそれまでですが
初めて恋を知った女性の、止めることのできない恋心は
当然、肯定できるものではないことを踏まえて
そんな恋にめぐり会えたことが、幸でもあり不幸でもあることを
(女性は特に自分の)痛みとしながら見ることに、この作品は、意義があるのではないかと思っています。


主演のキーラは、華やかで悲しくて、良かったと思います。


ただ、(好みになると思いますが)
愛人役のアーロン・テイラー=ジョンソンも、色男の魅力は無くもないですが
ジュード・ロウの夫を差し置いてまで、不倫に走るかな……などと思ってしまうことをお許しください^^;


1997年の『アンナ・カレーニナ』の
ショーン・ビーン演じたヴロンスキー伯爵は、ホント、適役だったな~と思うので
ちょっと、アーロンには厳しくなってしまうのです……



夫の優しさが、うっとおしく思うのは、
思い通りにいかない彼氏への想いに、渇しているから……


すごく好きでたまらない人に出逢えたことは、生きる歓びが与えられたようなもの。
けれど
恋愛のトキメキは、生活の一部にとどまらず
人生のすべてを侵食し、やがて、前にも後にも進めずに、命をも奪うものになる……


そんな壮絶さを、『アンナ・カレー二ナ』に求めるとしたら
もっともっと、悲壮感をこみ上げても良かったかも……
(過去作品のほうが、悲惨な印象があります。)


キーラも映像も美しい分だけ、もっと狂おしい苦悩を見せてもいいと思ってしまうのは、
贅沢でしょうか…….



美しい絵巻になっている今作は、毒気を抜いて、より視覚的なエンタメを狙ったのかもしれません。





追記)
なぜ、舞台のような演出をしたかについて……
オーランド・ファイジズ(『囁きと密告』の著者)いわく
この時代=19世紀のサンクトぺテルブルクの貴族は人生を舞台の上で演じているかのようだった――
監督は、そのコンセプトでこの演出をされた旨、立田敦子さんの記事を拝読いたしました。
違和感もあるかもしれませんが^^;、斬新でしたね。









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