映画『東ベルリンから来た女』★その“最善策”は彼女の“自由な意思の強さ”かと

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/160801/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
ベルリンの壁が崩壊する前の、東西ドイツ。
共産圏の東ベルリンから、東ドイツの田舎の病院にやってきた女医のバルバラは
何かあって、左遷されたらしい。
監視の目が厳しい中、
恋人のいる西ドイツに亡命する意思を秘めたバルバラは
転勤先では、心を開かず、謎めいていて
張りつめた空気が、画面を覆っています……
内容は、西側に亡命を図っていた東側の女性がどうしたのか、ということに尽きるのですが
原題が、彼女の名前『バルバラ』そのままであるように
バルバラの存在そのものが、大きい作品です。
東側にいるということの厳しさや絶望など、ひっくるめたものが
彼女の“拒絶的”な第一印象として、強烈なインパクトがあります。
この突き放した強さは、同僚ならヤな感じなのですが^^;
強い信念もうかがえます。
そんなクールな彼女が、恋人との密会では
隠していた熱情の堰を切ったように、愛を交わす様子には
彼女が愛する気持ちを、普段、どれだけ抑えて、クールな女を演じているのか
どれだけ辛い気持ちを抱えているのかを、見せつけられるようでした…
医師である彼女は、そんな熱い気持ちを、患者さんにも向けるのは当然です。
ある日、入院したステラという少女と出逢います。
このステラの悲惨な状況が、共産圏・東ドイツの過酷な実態を見せます。
ステラを抱きしめるバルバラに、ターニングポイントがやってきます……
予告編の印象だと、バルバラは
西ドイツにいる恋人と、東ドイツでできたボーイフレンドとの“恋愛の選択“が、見せ場のようでしたが
少し、違いました。
ココは、観て、感じていただきたいので、ボカしますと
▼▼
私の印象は、
バルバラの“選択”(というより、“その行動”と言ったほうが適切か)は
監視で、がんじがらめであったバルバラの
“自由な意思の強さ“を、見せられた感じでした。
▼▼
彼女は、最善の結果を決めたのだと…….
全体のトーンは、暗めで
その後のバルバラのことは、わからないけれど
やがて、ベルリンの壁が崩壊することを知っている者にとっては
バルバラの“選択”も
きっと、悪い方向にはならないと思えるのが、嬉しい☆

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