映画『リンカーン』★奴隷解放宣言のあとの“票田の掘り起こし”

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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161126/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


リンカーンと言えば、アメリカで奴隷解放宣言を行い、
のちに暗殺された第16代大統領ということで、有名です。


が、奴隷問題にからんだ南北戦争にしても
リンカーンの生涯にしても、複雑すぎて(>_<)
一生を描こうとすると、焦点がボケてしまいそう……




この作品は、リンカーンの亡くなる前の4か月・ある1点に絞って、見せてくれました。

それは、大統領2期目のリンカーンが、“永続的な奴隷制度の廃止”を盛り込んだ修正案を、議会で可決させること。
それ以前に、奴隷解放宣言を行っていても、宣言しただけではダメなんで。

上院で通過しても、下院では、可決する票が足りない。
けれど、ヒーロー・リンカーンは、お金で買収はしません。
では、どう、票田を掘り起こすか?
そこには、色々な策略や思いがありました。


内容にふれて、雑感です。


▼▼▼

リンカーンは、インディアンには厳しかったとされますが、ここでは割愛。
正義感・人間愛の強い政治家であります。

弁護士であるだけに、法律の微妙な文脈にも、注意を払います。

合衆国から脱退(!)し、敵対したとはいえ、
南軍は、“敵国“ではないので、国に対する扱いはできないなど……

奴隷制度廃止は、リンカーンの悲願。
とにかく、修正案を可決させるのだ!との“信念”です。

その“信念“の強さというか、あり方について、説得力あったのは
強力な奴隷廃止論者タデウス・スティーブンス(トミー・リー・ジョーンズ)との
“方位磁石”の話でした。

~~磁石は北という進むべき方向を示してくれるが、途中経過は示さない~~

黒人参政権まで踏み込んで、黒人の人権を確保したいスティーブンスも
リンカーンも、同じ共和党。めざすところは同じ。
けれど、いきなりゴールを提案しても、人心がついてこなければ、1歩も進めません。
だましダマシ、連れていかなければ、目標にはたどり着けない……
そんな妥協が、ときに、裏切りや腰抜けに思われてしまうのも、事実。

スティーブンスが、奴隷制擁護の民主党員に、
「民主的じゃない」と言いますが、痛烈に、イイところついてます。
“民“とは、ここでは、白人男性を指していたのでしょう。
現代日本も、“国民”“民主”というところの“民”は、誰なのかを意識しないと、足元すくわれそう……(>_<))


(以前、リンカーンについて、彼は奴隷解放をしたけれど、黒人参政権には反対だったから
それほど、黒人の味方ではないよ……という言われ方を耳にしたことがありましたが
反対というのではなく、その時代では、まだそれを提案できる状況ではなかったのかと…)

白か黒か?と迫っても、グレーゾーンのほうが、範囲は広い。
厳格なスティーブンスも、どうにかグレーゾーンに入ってくれて、支持を集めることができますが
目標達成させるゾ!という“信念”のために、“信念”を曲げなければならない、というのも
大人の事情にはありますよね……

~~

それと、
この修正案が可決されれば、南北戦争を終わらせることができる、という事情。
可決されれば、戦争を続ける意味がなくなるのです。

(ここで、リンカーン家の事情。
息子が、正義感から入隊してしまいます。戦争が長引けば、息子が戦死するかもしれない。
母親は、その点で、可決を願っていたようです。それが、親として、正直な気持ちでしょう……)


~~

段階を踏んで……と言いましたが
奴隷状態の人たちは、まず、自由を求めたということを、黒人の女性がいうところも興味深いです。
自由になってどうするかは、次のこと。とにかく、自由になりたいと。
当然のことと思います。

けれど、実際に、“自由“になったあと、どうするのか?
奴隷解放“宣言”はされても、社会や制度が整備されていなければ、どうにもなりません。
だからといって、人間を奴隷状態にしたままでいいわけもない。

白から黒への変化は、いきなりはムリ。
人心も社会も。
長いグレーゾーンを、方位磁石に従って、少しずつ歩んでいくほかない……
修正案は、その一歩となる……


▼▼▼

どんなことをしてでも!というリンカーンの鬼気迫る執念で、可決させた修正案。

伝記なら、ほんの1行かもしれない部分を
「1年前より10年老けたな」と
言われてしまうほどのご苦労話として、見せてくれました。


長丁場ですが、観ていられたのは、
ご本人の写真そっくりで、かつ、重くない存在感の
ダニエル・デイ=ルイスのおかげです☆



『大統領暗殺』の記事でも述べましたが
http://blogs.yahoo.co.jp/yutake2415/40347922.html

映画『ラスト・オブ・モヒカン』では、
惚れ惚れするような好青年でした。

その後、1度引退した後の復帰作である
映画『ギャング・オブ・ニューヨーク』では
震え上がりそうなほどの恐ろしさをたたえた男性で、いい意味でショックでした……

引退を経験して、3度のアカデミー主演男優賞受賞☆
ダニエルの方位磁石は、“俳優“に向いていたのでしょうね。








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Re: はじめまして♪

Eve@館長さん、こんにちは☆

こちらこそ、ごあいさつなく、お邪魔しておりました。
今後ともよろしくお願いします。

ここの使い方がよくわからないままで、失礼あるときは、申し訳ありません(>_<)

はじめまして♪

こんにちは。
トミー・リー・ジョーンズFanSite「The Jones Gazette」の館長Eveと申します。
いつも拙ブログにご訪問ありがとうございます。
素晴らしいレビューに感心させられつつも、いつも読み逃げばかりで・・・^^;
「ライジング・ドラゴン」のレビューも、ジャッキー大好きなので、大きく頷きながら読ませていただきました(^^)
これからもおじゃまさせていただきますね♪ 

本日付の記事内に、こちらの記事をリンクさせて頂きました。
事後報告で申し訳ございません<(_ _)>
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こんにちは☆
使い方がよくわかりませんがヨロシクお願いします。^^;

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