映画『カルテット!人生のオペラハウス』★人生は長調・短調あり、まさかの転調もあり!(^_-)-☆

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161243/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
監督ダスティン・ホフマン (75歳になられてたんですね!)
主演マギー・スミス ということで、かなり期待していました!
元音楽家のための老人ホームが、舞台です。
老人になるということと、老人ホームに入所すること。
この意味合いは、自分が、そこに至らなければ、実感は、できないものかもしれません。
けれど
自分の両親など、身近に、高齢者のいる方には、自分の一部として、思う所はあるかもしれません。
とはいえ、深刻にならず、深いものとして
人生の甘辛を楽しむことのできる作品です♪
ホームの経営難を乗り切るために予定された、音楽会(ヴェルディの誕生記念ガラコンサート)を
めぐるエピソードになっています。
以下、結末はボカしたつもりで、雑感です。
▼▼
素直に参加する人もいれば、頑なに拒む人もいる……
その胸の内は、彼らが生きてきた過去にあるようです。
一世を風靡=絶頂期を経験した人は、その栄光とともに
その後の衰退を痛感する宿命を、背負うのかもしれません……
(絶頂期がなければ、下がることもありません^^;)
絶頂期でないところにいる自分は、もう、ひっそりと暮らしていたい……
人目にさらされれば、否が応にも、過去の自分と比べられる……
それがミジメな気持ちになることは、人に言われなくても、自分が1番よくわかってる……
(老年でなくても、あることだと思う…)
マギー・スミス演じるジーンは、かつて大スターのオペラ歌手☆
ガラコンサートでは、昔の仲間から、一緒に、四重唱(カルテット)をしようと誘われます。
「今日は、昨日より、いいものでなければならない」
そんなプロ意識でやってきた一流歌手のジーンは、以前のようには歌えないので、頑なに拒否。
それと、
カルテットのメンバーには、なんと!ジーンの別れた夫が!!!!(>_<)
元夫は、元夫で、ジーンが入所したことにも、動揺を隠せない……
……ふと、思いました。
もう、この人とは、逢うこともないんだな……と思った人がいたとしても
老人ホームで、逢ってしまうのかもしれないと……(>_<)
老年期になると、もう人生は終わったと人生を投げてしまう人と
セカンドステージを、新たな自分で生き直す人といるように思っています。
私の父は、今、前者になってしまっています。
退職後、2回の手術をしてからは、体力よりも、気力が落ち込んでしまい
元気に仕事をしていた現役時代を懐かしがっては、今を嘆き
新たな自分を捜せない状態になっています。
歌うことを頑なに拒否して、過去の殻に閉じこもろうとするジーンには、父の姿が重なりました。
やがて、ジーンには、“変化“があるのですが
父にも、そんなときが来ればいいなと………….
~~
他人がいる生活は、やはり、刺激のあるもので、たとえば
“恋心“のようなものは、いくつになっても、あるもの(^_-)-☆
若い人は、老人を、枯葉だと思い込んでいるようですが^^;、
“恋い慕う”ということに関しては、人は、常緑樹デス☆
すぐに火がついて消えるような若い恋とは違って
自分以外の人に関心を持って、思いを向けることは(思いやり含む)
“生きる活力”になるのかもしれないな~と、思います。
そういう意味では、ウィルフさんは
色ボケおじいさんのようですが^^;、私は、キライじゃありません。(*^_^*)
プライド&ライバル心も、強く“生きる活力”になるのでしょうね。
「私は、ソリストよ。合唱はしないワ」とか
「アノ人がソロで歌うなら、私も負けてられないワ!」とか……^^;
底力が、わいてきそうです^^;
~~
興味深かったのが
オペラは、ラップ・ヒップホップよりも、喜怒哀楽のはっきりした、より、感情をあらわにした歌である、というもの。
(上品そうなオペラでも、下世話な部分もある……^^;人間だもの。)
音楽は、音符だけを拾っているわけではないですもんね。
その人の価値観や感情が出る。まさに、そのときの生き様が出るもの……
人生経験・俳優人生・音楽家人生(プロの音楽家も出演!)の詰まった熟年の競演には
にじみ出るものが、あります☆
▼▼
オープニングは、椿姫「乾杯の歌」♪で、明るく元気に始まって
途中、老いの哀愁もあるけれど、しおれることなく
そんなこともアリなんだ!との、まさかの“転調”!?が、ラストに(^_-)-☆
劇場は、満席で、熟年の方が多かったですが
みなさん、きっと、元気をもらったことと思いました☆
私も♪

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