映画『偽りなき者』★ラストシーンの“狩り“に感じた真意


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161231/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。


注目のマッツ・ミケルセン主演です。
第65回カンヌ国際映画祭で主演男優賞☆の、マッツの演技に期待していました☆


あらすじにありますが
幼稚園の女児の作り話が元で、変質者にされ、勤め先の幼稚園を追われたばかりか
町中の人から疎外されてしまう男性・ルーカスの物語です。


気になるのは
“ルーカスの容疑は晴れるのか?”だと思いますが
これは、無実を勝ちとるまでの経過の物語ではありませんでした。


信じていた人にも裏切られる、哀しさ
誰も信じてくれない、絶望的な孤独……
ルーカスの目に涙がにじんでくるシーンには、胸がしめつけられます……


思う所は
1. 作話した子供も悪いが、大人の対応はもっと悪い
2. 原題『JAGTEN』(The HUNT)=“狩り”について



以下、内容にふれて雑感です。



▼▼▼▼


1.

“子供と酔っ払いは嘘をつかない”ということわざが、デンマークにはあるそうです。
子供は、無垢な存在ですが、無垢とは、完全なる善だけでなく
悪意のない残酷を意味することもあると思われます。


想像力豊かだというクララは、ルーカスが大好きだからこそ
かなりキケンなことを、ちょっと園長先生に“作話”してしまった“だけ”。
が、教育者たる園長先生は、それを大問題だと思います。


ここ、むずかしいところです……
大ゴトにしないと、隠ぺいしたと非難されてしまう事態もありますから……
けれど
専門家(?)を呼んだことがアダとなり、ますます、悪い方向へ……orz


警察から釈放されても、それで、無実が証明されたことにはなりません。
結果の白黒よりも
逮捕された事実のほうが、重要視される……


そうなったら、街ぐるみで、村八分。


店では、売ってもらえないし
彼の息子も、つらい目に遭う。
家の窓ガラスは、割られ
愛犬は、殺される……
犯罪行為すら、ルーカスに対しては、黙認される……


それが、この街の大人たちのやり方なのかもしれません。
(いじめのターゲットを、皆でいじめないと、自分が仲間はずれにされるというような)


クララが、母親に真実を話しても、母親は、聞き流す。
1度、思い込んでしまった出来事を覆すことは、むずかしいのです……


クリスマスの教会に出向き
神と人々の前に出て、自分の無実を訴えようとした、ルーカスの眼差し……
失意のほうが、強く、満ちていたかもしれないけれど
どん底でも、きっと最後まで、潔白は残るのだ!という強い決意も感じる…


そんな大人たちの仕打ちの中で、どんな想いでルーカスが暮らしたか
自分のこととして、体感してくださいませ。


2.


1年後のシーン。
もう、それは、過去のことであるかのように
ルーカスの息子が、“狩りデビュー”する日を、ルーカスの旧友は、祝ってくれていました。


この“狩り”は
「鹿を仕留めるのをしくじれば、家族が飢える」と言うセリフにもあるように
古くから、この地では、狩りは生活に根差し、狩り仲間とは、強い絆で結ばれているようでした。


なのに、その仲間でさえ、あのときは、ルーカスを信じず、爪はじきにしたものでした。
けれど、1年経って、やはり、旧友は戻ってくれるものだったか、とホッとしていました。
が……


(衝撃の結末と言われているので、反転します↓)




狩りの途中、ルーカスは、何者かに狙われました。
幸い、弾はそれましたが、逆光で、顔は見えないものの
ルーカスを、まだ狙う姿勢を、取っていました。

それが、狩り仲間なのか、たまたま、紛れ込んだ人なのかはわかりません。
けれど
表むき、元の生活に戻ったらしいルーカスの周囲には
まだ、ルーカスを排除すべきだと思っている人がいて、殺すこともいわない……orz

原題の「狩り」の意味するところは
ルーカスが、魔女狩りに遭ったようなもの、ということがあるそうですが
ラストシーンとなる、1年後の“狩り“のシーンに、真意を見た気がしました。

それは、終わりのない試練だということの再認識かもしれない。

一度、思い込んだ物事を改めるのは、容易ではない。
1年経っても2年経っても、あるいは
今後、一生、ぬぐえない価値観になってしまったのかもしれない。

友情や絆は、美しくて強いものだと信じていても
荒唐無稽なくせに、強烈な事件のほうが、人心を捕えて放さない。

自分が、他人の誤解を、赦したと思っても
他人は、今もなお、自分を疑い続けているのだとしたら
もう、元に戻れないのだと自覚した自分に、今度こそ、絶望的になりそうです………





▼▼▼▼


デンマークの現状や価値観が、盛り込まれていると思いますが
誰にでも、どこにでもあり得る、“普遍的な暗部”を見せられた気がします。


冤罪被害に遭った、ルーカスの哀しさ、弱さ、強さを
マッツ・ミケルセンが、彼ならではの個性で魅せてくれて
心傷めながらも、思うところある作品でした。














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