映画『みんな元気』★デ・ニーロ☆パパの“気づき”にもひきこまれる良作かと

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/153767/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
イタリア版(ジュゼッペ・トルナトーレ監督&マルチェロ・マストロヤンニ主演)をリメイクした、アメリカ版です。
ロバート・デ・ニーロ演じる父は、8か月前に妻を亡くして、一人暮らし。
独立した4人の子供たち(男女2人ずつ)が帰省して、一緒に食事するのを楽しみにしています。
冒頭の、庭の水まきのシーンも、のんびりムードです♪
けれど
その日は、みな、用事があって、ドタキャン(>_<)
現役世代は何かと忙しいから、仕方ないねぇ……と思っていたら
実は、ある“事件”が、ありました!
そうとは知らない父は、子供たちに逢いたくて、1人1人、サプライズ訪問してみましたが………
コレは、観るほどに、ひきこまれ
ついには、痛いところを突かれつつも、じんわりと、させられた作品でした!
“結末”にはふれずに、雑感です。
▼▼▼
子供が帰ってくるからと、スーパーで特上肉を買ったり、最高級のワインを捜したりする父の姿には
とても共感☆私もです(笑)
子供が帰ってくる!と思うと、どこからか元気が出て、普段は買わない高級食材を買いあさり
料理をふるまう気力☆満々になります!
なのに、ドタキャンの子供たち……
ロバート・パパのがっかりは、痛いほどわかる…… ←私のおごり^^;
ならば、こちらから逢いに行っちゃえ!と、呼吸器病をおして、パパの旅が始まります!
この“呼吸器病”も、効果的な設定です。
ドラマチックなハンディというだけではないのです。
彼は、長年、“PCBによる電線のコーティング”の仕事をしてきました。
その“電線“が病因なのですが、彼の旅路に映る風景でもあるという、複雑な味わいに加え
“事件”のことで、子供たちが連絡を取り合う手段でもあるのが、“電線”というのも、乙な計らいです。
そうして、サプライズ訪問した父に、子供たちは
『東京物語』(←オリジナルはオマージュで作ったらしい)
のような“邪魔者“扱いはしませんが、彼らの不自然な対応に、気づいてしまうのです
それは、彼らが伏せているのが、“事件”のことだけではないというのが、深いところ!
それらは、徐々に、明かされていくのですが
“父の気づき方“が、とてもいいのです。
ああ、やはり、親は親なんだな~……
子供を気遣いながら見るまなざしには、“真実”が見えてしまう……
では、なぜ、子供たちは、父親に“真実”を明かしてくれないのか???
親としては、水臭いと思いますよ……
でも
子供は子供なりに、父親に心配をかけたくなかったり、失望させたくないんですね。
自分は(みんなは)元気だよ、と言って、安心させたい。
隠したりダマしたりしているつもりではないんですね……
でもでも、親としては、子供が幸せになってほしいと思うあまり
過度な期待をしてしまうかもしれないけれど、本音は
とにかく、子供自身が納得して幸せであってくれれば、もう、それだけでいいんですね。
だから、何もかくさないで
ありのままの姿の親子でいてほしい……
意識がモウロウとしている父の意識の中で、幼い姿の子供たちが本音を語るのは、
ファンタジックでありながら、真に迫っていて、とても印象的なシーンでした。
子供は、自分の宝物だけれど、価値観や生き方は、やがて、それぞれのものになっていく……
そして、手の届かないところにまで、行ってしまうことも………………………………………….
▼▼▼
これは、オリジナルよりは、希望のある終わり方なのだそうです。
確かに、みんな元気!!!\(^o^)/というほど、明るさハジケルわけでもありませんが
気休めに言っておくような「みんな元気ョ」でも、ありませんでした☆
電線が、いい知らせも悪い知らせも運ぶように
イイことも悪いことも人生にはあるけれど、自分の道(=線?)を歩けていればOKだよ!という感じで
満たされた読後感が、残りました。
ロバート・デ・ニーロの懐深い親父ぶりが、とてもよく生かされていたと思います☆
まさに、ゴッド・ファーザーであります♪(*^_^*)
そこそこの無難な感じでなく、予想外に、イイ親子の関係を見せてくれた作品だったと思います。
『東京物語』は世界一の名画と言われるそうですが
オマージュから生まれた作品のリメイクでも、また、別の味わいを作り出せるのも面白いです。
親子のことは永遠のテーマ、永遠のドラマなんですね。


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