映画『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』★ マッツの哀しさと一途さによろめく^^;

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161183/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
デンマークの王室での実話ベースだそうです。
簡単に言えば、王妃と侍医ヨハンの不倫関係なのですが
2時間超を、アフェアの甘い香りだけで、包むはずはありません。
むしろ
マッツ・ミケルセンという芳しい悲愴が、
実話と言うキビシサに生かされた物語、と言っても過言ではないようです。
(ため息……)
内容にふれて、雑感です。
▼▼▼
王妃とヨハンが、初めてダンスを踊ったあとに
2人は、2人の間にあった垣根を、越えました……
それが、王妃には、幸せを知ったからこそ自覚する、不幸の始まりであり
ヨハンには、幸せの継続であったというのも、
二人の愛という障壁が、幸も不幸も含んだ、複雑な心の営みを示すものとして
心に響きます。
異国(イギリス)から嫁いできた王妃と、外国人(ドイツ)である侍医ヨハン。
異邦人どうしだから、惹かれあう要素があったとも言えますが
それだけではないのが、良いところ☆
(男と女の“恋落ち“は、そんな簡単じゃありませぬ)
ヨハンは、啓蒙思想による治世という志を、持っていました。
それは、政治的欲望や権力への野心ではなく、虐げられた国民のために。
医師であるヨハンには、苦痛から人を解放したいと言う気持ちが
国全体を治したい、ということに発展するのかと思います。
国王は、病気(?)のせいもあって、政治は、書類にサインするだけの存在で
旧態依然の特権階級が、我田引水に、やっているのが実情でした。
けれど
王のお気に入りになったヨハンは、自分の政策を、王に吹き込んで
次々と、民主的な政策を実現させていきます。
そんなホネのある人なら、魅かれますよね、王妃様☆
もちろん、不倫は不道徳ということなのはわかっています。
でもでも
夫を尊敬しようと思っていても、失望が挽回されないままだと
この心を、どこに置いたらいいのか……orz
(子供が生まれると、妻が育児に”まい進”するのは、母心だけではないのかも……(>_<))
そんなときに、ダンスで踊っているうちに、泳いでいた王妃の心を
ヨハンは、捕まえてしまったのかもしれない。
王妃も、ヨハンの男心を、知らないうちに、捕まえていた……
華やかなダンスシーンには、なぜか、胸ときめくような気持ちになるのは
ダンスのめくるめく動きに、心まで揺られ、下にある感情が
掘り起こされるからなのか………………….
↑このマッツなら、王妃が惹かれるのも、ムリない(*^_^*)
ヨハンが王妃の元へいく、“危険な逢瀬”には
彼には“私に逢いたい”という一途があることだけを信じられる、女の悦びがある、と
私は思う……………….
↑このマッツなら、私も……^^;(照)
二人の間に女の子も生まれますが、なんとか
二人の関係はばれずに(汗)、かつ、国政も良いほうに行ってほしい♪と
祈るような気持ちで、観ているのですが……
貴族たちの年金を減らして国民に回そう、などという法案が、通るはずもなく
貴族や、国王の継母の陰謀により
ヨハンと王妃は、不倫を暴かれ(←ソレは事実だけど)
国王暗殺まで、でっち上げられてしまいます……orz
そもそも、ヨハンが、国王の侍医になったのも
おちぶれ貴族の陰謀に、乗っかったものでした。
そして、野望や私利私欲でなく
良かれと思った民主的な改革を断行したのに、歪曲・悪用され
ヨハン自身の首をしめることにもなる皮肉……
そして、
陰謀と裏切りの中、絶望的な結末へと………orz
ここで思うのです。
マッツ・ミケルセンという存在の意義を!
華やかな宮廷を舞台にした、ある男の“不倫と出世”。
マッツは、ちょっと地味な感じが、したたかで
悪役なら悪役でも、イケルくちです。
でも、哀しさがあるんだな~マッツは☆
だから、野心の上昇志向のままで行かないんだろうな~という不安定な雰囲気が
陰となって、作品の厚みになりながら
そのとおり、哀しい感じになっていきます……
▼▼▼
“王妃とヨハンの物語“のロイヤル・アフェアは、悲痛に終わりますが
作品の終わり方は、希望を残してくれるのが、美しい☆
事実は、事実を変えられないキビシサがありますが
モノはいいようで、後味は良くなるんですね。
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