映画『終戦のエンペラー』★夏八木勲さんの格調高さに本質を見た気がします。

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/161669/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
小学校のときに、先生から
「天皇陛下は、自分は死んでもいいから国民を助けてくださいって、アメリカに言ったんだよ」
という話を、聞いたことがありました。
この作品は、そんなことが思い出された作品でした。
(予告編だと、“天皇の戦争責任“みたいな印象だったのですが)
進駐したGHQは、戦争責任者を処分してから、日本再建したい。
アメリカ政府は、“天皇の戦争責任“を明らかにしたい所存ですが
総司令官マッカーサーは、そう思っていません。
むしろ、天皇さま不在となった日本では、共産主義者が台頭してくることを恐れていました。
マッカーサーは、部下:フェラーズ准将に、“天皇の戦争責任“の白黒がはっきりする文書を捜させます。
フェラーズ准将は、何人かの重要参考人と面会して、“証拠”さがしをします…………………
アメリカ作品ですが、原作は
岡本嗣郎さんのノンフィクション『陛下をお救いなさいまし河井道とボナー・フェラーズ』です。
特に、思うところあったのは、
面会した人たちの言葉
マッカーサーの言う“実験“
以下、内容にふれて、さっと雑感です。
▼▼▼
1.
日本の敗戦後、いわゆる“自虐的歴史観”と言うか、謙譲の美徳すぎるのか
日本が悪ゥございました、という風潮が、好まれる時期があったと思われます。
A級戦犯にしても、そうです。
戦勝国が敗戦国を裁いた東京裁判そのものの存在も、いかがなものか、と思われます。
日本が、東南アジアを支配したことを責めるなら
イギリス、スペインなどだってそうじゃないかと、ある人は述べます。
(ちなみに映画『ムルデカ』は、インドネシアのオランダからの独立のために戦った日本兵を描いています)
そして、各地を空襲し、原爆を落としたアメリカの戦法も、非難しました。
また、ある人は、日本が戦争するように仕向けられたのは
石油の輸出をストップさせられた圧力によるものだ、と明言しました。
ここでは述べていませんが、真珠湾攻撃にしても、あれは始めから奇襲ではなく
手続き上の不備によるものが、明らかになっていますよね。
(なんでも日本のせい、では済まされませんね)
そして、天皇と言う存在。
これは、側近の夏八木勲さんが、格調高く示していると思われるのですが
スピリチュアルとも違う、“精神的な存在“とも言い得ないのですが
天皇さまは、元々は、神道の祭祀長のようなお立ち場ですよね。
だから、直接、意思や感情を表されることはない、という微妙なお立ち場だと。
けれど、その天皇さまが、終戦にあたり、ご意志を表したということに意味があるのだ、ということが示されます。
今、下々は、言いたいことをポンポン言えて
自分の立場もわきまえず、失言の上塗りまでする政治家もいる世の中です。
この価値観で、重大事を決定することの言葉と表現の在り方について
どれだけの深みを、想像することができるでしょうか?
夏八木さんが演じられた側近を通して、“終戦のエンペラー”の本質を見た気がします。
戦争については、それぞれの考え方や価値感のあるところだと思いますが
私は、勝てば官軍とはいえ、日本がアメリカに裁かれるべきものではないと思っています。
2、
GHQは、敗戦の日本を、“支配”でなく、軍国から“解放”するように、進めました。
それらを、マッカーサーは、“実験”と呼びました。(日本国憲法もか……)
戦後日本は、GHQの“実験的産物”か……………..
話の余地あるところですが、ここでは、深入りせず….^^;
▼▼▼
物語は、フェラーズ准将が、学生時代に知り合った日本女性を捜しながら
進みました。
(国同士が敵対すると、個人の関係も引き裂かれてしまい
どんなに正義や正当性があったとしても
戦争が死をもたらす災禍にほかならないことを、感じさせます。)
はじめに日本の戦争責任ありき、ではいやだなと思っていたのですが
言うべきことは言ってくれて、良かったと思います。
トミー・リー・ジョーンズのマッカーサーも様子が良かった☆
(意見の相違はあると思いますが、私の感想ということでご了承くださいネ)


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