映画『≪シネマ歌舞伎』 ヤマトタケル』★英雄伝<<父と子の物語に感動です。

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/163151/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
1986年初演。
三代目:市川猿之助(現:市川猿翁)さんが、“スーパー歌舞伎”として演じた『ヤマトタケル』
(当時は、宙吊りになったイメージが強かった!)
昨年、甥の市川亀冶郎さんが、四代目猿之助を襲名し、息子の香川照之さんが市川中車を襲名した初舞台を
シネマ歌舞伎として、観られるのを楽しみにしていました☆
ヤマトタケル伝説は諸説あり→ココ
シネマ歌舞伎 →ココ
ヤマトの皇子:小碓命(おうすのみこと←ヤマトタケルのこと)は、双子の兄の謀反を止めようと、
揉み合っているうちに、兄を死なせてしまいます。
(↑双子の兄弟ということで、一人二役の早変わりが、序盤での見せどころ☆
二人で揉みあうところは、スピーディに入れ替わるので、ドキドキワクワクです。)
兄の謀反を伏せたために、小碓命は、真相を知らない父帝の怒りを買い、
九州の熊襲征伐を、一人で行くように命じられます……
これは、ヤマトタケルの武勇伝というより、父と子の物語のようでした。
イイ!すごくイイ!(今更ですが^^;)
筋書きと同じくらい“演出“でも、見せていますよね。長尺ですが、飽きません。
ヤマトタケルの猿之助さんも、精悍で、カッコ良くて良い(*^_^*)
(香川照之もとい市川中車演じる父帝は、見るからに地獄の閻魔大王のよう.........。)
ヤマトタケルは、父に自分を認めてもらいたいがために、熊襲で奮闘し
凱旋するのですが、後妻とその子もいるためか、父帝には、さほど評価されません。
むしろ、凱旋したために、父には脅威となったのか、次は、東の蝦夷を討てと言われる……
(↑この構図は、源頼朝と義経の関係にも似てますね。弟・義経は兄に認めてもらおうと結果を出すのに
かえって、その実力を恐れられ、失脚させられる……たまったもんじゃない無念の結末……orz)
母に先立たれ、父にも愛された実感のないヤマトタケルが、
叔母の倭姫に、自分は生まれてはいけなかった人間だ、と嘆くシーンには、胸が痛みます……
何が哀しいって、親と心でつながっていない=愛を感じられないのは、哀しいことです。
親に限りませんが、愛され信頼されている、と思えば、離れていても、心が寒くなることはありませんが
得るべき愛が無いと感じる心は、ザルのようで、満たされないんですね……
戦いに行く時も、戦っている最中も、戦いから帰るときも
ヤマトタケルの心は、父に褒めてもらいたい、評価してほしい、と言う気持ちで
いつも父のことがある。
(女性とも縁あり、3度は、娶る(*^_^*))
戦いに傷つき、大和にはもう帰れないかも、というときに見た夢。
夢の中でも、待っていた、父の温かい言葉はなく、失望するヤマトタケル……
そして、ついに、生きて大和に帰ることなく、絶命……
けれど、彼の死後、父帝は、ヤマトタケルを称える態度を表すようで
遅きに失したとはいえ、まあ良かったなと思うのですが。
それは、間接的にわかるのみで、直接のシーンはありません。
そして、ヤマトタケルの魂が白鳥になって羽ばたいて、終わります。
いえ
終わったあとの終りが、実はまだあったのです!!
と言いますか、この長い物語は、この最後のシーンと最後のカーテンコールの伏線だったのかなとさえ思いました!!
言ってしまいますネ。
↓↓↓↓
▼△▼
芝居の終りに、一同がステージに出てきたときに
最後に出てきたのは、ヤマトタケルでした。
そして、父帝と手を取り合う姿を、見せてくれました。
ああ、これで、ヤマトタケルが、父帝と心が通じたという終わり方を見せてくれて良かったと思いました。
そして、幕。
そして、再び、幕が上がりました。
ヤマトタケルこと市川猿之助さんと、市川中車こと香川照之さんの間に
市川猿翁こと先代の市川猿之助さんの姿がありました。
脚本・演出ですし、元祖ヤマトタケルですから、当然と言えば当然ですよね。
けれど
その前、香川照之さんは、お父様とはほとんど関わることなく暮らしてきた旨を
昨年の襲名の頃に、伺いました。
この舞台を演じるにあたり、もう、わだかまることなく、役者として演出家として
関係してきたこととは思うのですが
この舞台で二人そろって、拍手を浴びているのを見たら
そこには、ヤマトタケルの父子の物語と、香川父子の物語のひとつの区切りも
あったのかもしれないな~と思うと、とても、胸がいっぱいになりました。
さらに、香川照之さんは、お子さんも、一緒に歌舞伎デビューとなりました。
父・猿翁への想いも色々あったかもしれませんが、自分も父になってみると
父の息子への想いは、子供が思っている以上に、粘っこいものだと感じたかもしれません….
▼△▼
そんなこともありまして
これは、公私ともに(?)、感動を残してくれた豪華エンターテイメントでした☆


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