映画『東京公園』★確かな愛を求めて直視するwithカメラ(^_-)-☆

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/155989/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
↓あらすじは、特に、よ~くお読みおきくださいませ。
http://cinema.pia.co.jp/title/s-155989
原作 :小路幸也
監督(脚本):青山真治
カメラマン志望の学生・光司(三浦春馬)が
ある歯科医の猜疑心から、公園で散歩する、妻子の隠し撮りを依頼される―
……のですが、
それは、“直視する“という行為の、1つのポーズだったのかも……
それぞれに抱えるものがある、チラシの女性たちと
光司との関わり。
それ以外の人間関係も、何層もの喜怒哀楽の空気になって
光司を、包んでいく……
それは、あたかも、大きな”公園“で、憩いを求めながら
人々が出逢い、すれ違い、あるいは、語り合うような…………….
重くないのに、深みのある作品でした☆
この作品の印象を、一言で言うと
「人は、しっかりと愛情を感じていたいものなのかも……」
▼~▼内容に触れて雑感です。
▼▼▼▼
親や、妻や、恋人……そこには
光司も含め、愛する人を亡くした人たちが、いました。
彼らは、存在していた愛情を失っていましたが
声高に、喪失の哀しみを嘆く時期ではなく
次のステップに、つまり、新たな愛情を(無意識でも)求める過程のようでした。
…と言っても、割り切れないのも人間。
死んだ人も、すぐに成仏できるとは限らない。
死者とて、地上に愛を遺していくんだもの……
ゾンビでなくても、お化けとなって、彷徨うこともあるーー
(↑これが、染谷将太さんなのが、味があってイイ☆)
そして、光司の
友達:榮倉奈々&義姉:小西真奈美
彼女たちは、“昔からの関係”の延長で、光司と、戯れる楽しい関係を見せます。
始めはね……
けれど、心は裏腹。(←本人は気づかなくても)
“昔のままの関係“が、死者とは、そのままでいられないように
生きている人間でも、仕切り直しが、必要となっていくんですね……
そして、それは
その関係が、もっと確かな愛情を実感できるものでありたい、
と思う心が、弾みになっているように、思います。
友達:榮倉さんにしても、もう、友達のままでない光司でいてほしい。
義姉:小西さんにしても、もう、弟のままでない光司でいてほしい。
特に、印象的なのが、光司と姉が、キスを交わすまでに至る時間の長さでした。
この長さは、光司と姉の心の声を、観る人それぞれが、聞いてあげる時間なのでしょう……
そのことの前にも、いいシーンがありました。
母を見舞ったときの海岸で、カメラを忘れてきた光司が、(姉を含む)写真を撮れなかったとき
姉は、海を見ながら、涙をこぼします。
↓私の勝手な解釈で、違うかもしれませんが……^^;
光司への複雑な想いに苦しむ姉が、海を見ながら、不覚にも泣いてしまった…ということもあるでしょうが
カメラと言うアイテムからすると
カメラを忘れて、写真を撮れない光司は、姉には
自分を直視してくれない存在、ということだったと、思われます。
それまで、光司が、依頼された人妻の写真を隠し撮りするシーンでは
光司が、被写体を直視する眼差しを、
カメラと言うアイテムで、代弁していたから。
(↑個人的には、この、やり口がいいですねェ~^^;)
相手を直視すること=その人との関係を直視すること。
姉弟が接近しキスに至る、その長い時間は、直視の時間だったのかな……
でも
関係が開始されると同時に、壊れる関係もあるな……と
唇を重ねる姉弟を、案じましたが……….
むしろ、驚いたのは、実は
光司も、義姉さんへ、そんな思慕を抱いていたのか!ということのほう……
ともかく、この姉弟の関係は、
一つの区切りがついて、解決されたというか、
双方に気が済んだようで、破滅的なことにならない展開で良かった。(劇の範囲内では^^;)
光司と友達:榮倉さんのほうも、いい方向に向かい
始めの歯科医と人妻のほうも、円満ムードを見せてくれて
愛情が、1つ1つ固まったな……という終わり方が、良かった☆
▼▼▼▼
主役の光司だけでなく
1人1人について、深く、あれこれ、語りたくなるような作品でした。
カメラを通して、人を見る(見つめる)ということを、意識させるのも面白い。
凝視して、その瞬間をとらえるのは、抱擁にも似た愛情を感じます。
(キスするように撮る、と言うのもありましたネ)
ちなみに
『今度は愛妻家』でも、カメラマンの夫から妻への愛情に
カメラが、一役買っていました。
見つめる行為には、愛情を感じますね。(*^_^*)


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