映画『鑑定士と顔のない依頼人』★老紳士が恋慕の歯車に巻かれ、そして…
作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/163298/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照ください。
鑑定人ヴァージルは、若い女性クレアから、亡き両親が遺した美術品の鑑定を依頼されます。
なかなか、姿を見せないクレアが、気になるヴァージル……
この作品は、何があったのかという“真相”よりも
絵画に描かれた女性しか知らない、堅物のヴァージルが、
生身の若い女性に惹かれ、のめりこんでいく様子に、陶酔します。
クレアの屋敷内で、いくつかの“歯車“を見つけたヴァージルは
友人の機械マニアに、再現を託します。
どうやら、貴重な機械人間のようで、その完成が気になるヴァージル。
クレアの屋敷に出入りしては、歯車を見つけますが、真の目的はソコではない。
姿を見せないクレアのことが、気になる……
▼~▼ 結末ボカして(ボカしきれなかったらスミマセン)雑感です。
▼▼▼
いつも手袋をはめ、潔癖症ゆえ、女性と距離を置いてきたようなヴァージル。
演じるジェフリー・ラッシュが素晴らしい!(というか、ジェフリーだから、成り立つというか…)
ヴァージルのオークションの進行は、緊張感あり、見ていて気持ちいい。
(女性にユルむことなく、キビキビと、過ごしてきたんだろうな~)
依頼された美術品の鑑定も、キビキビと進むはずだったのに
依頼人の女性クレアが、すっぽかしたことで、
ヴァージルの中で、止まっていた部分の“歯車“が、ガクンと動き出した。
いつもと違うことというのは、気になります。
逢いたがらないクレアとは、電話の声のみ。(←で、その声が、また、ソソるんですね……)
時にうれしそうに、時に悲しげな声には、惚れてしまう。
鑑定士であり、作品の真価を、見極め慣れているヴァージルは、
クレアという存在にも、その真価をさぐろうとするようなのですが
それが、殺伐とした感じでなく流れるのが、イイ☆
資産家の一人娘であるクレアは、引きこもっていて、文字通り “深窓の令嬢”。
芸術作品の鑑定を介した出逢いというのも、セレブで、アカデミック☆
ヴァージル好みのシチュエーションかと。
そして、このクレア。
傷心ムードだけで、ひきこもっているわけではないのが、ミソ
たおやかな雰囲気に油断していると、急に、ブチ切れて、ガチャンと電話を切ってしまう。
何?どうした?
扱いにくい女は、メンドーなんですが
じゃじゃ馬?を御したいと思うのも、男心ですよね?(違ったらゴメンです^^;)
クレアのご機嫌に振り回されながらも、放っておけない……のは……
盗み見たクレアが、美しいから……
誰にも逢わないというクレアは、誰も踏んでいない、新雪のようなもの。
眠りの森の美女ならば、覆われた茨を断ち、その目を覚ます王子様は自分だ!
絵画でない女性への、初めてのトキメキは、いまや、手袋をはずすほど……
恋愛の着火に、年齢は、関係ありません(キッパリ☆)
時めいているときは、年齢の歯車も、逆行するんです。(キッパリ☆)
この年齢まで、待った甲斐があったかのような、ヴァージルの恋。
原題『The best offer』とは、クレアが掘り出し物?ということ?と思いながら
劇的でドラマティックな、恋の進行に、ちょっと酔っていると………
ガラガラガラ~ッと、歯車が、暴走する!
そして
絵画の中の女性たちが消えたとき、
ヴァ―ジルは、生身の“クレアという女性”も、消えてしまったことを知る………………
↑このシーンは、視覚的なインパクトあり、衝撃的な喪失を演出しています。
▼▼▼
陳腐な成り行きだと、評したマスコミも、あったそうですが(汗)
結論だけで、決めちゃいけない。
ジェフリー・ラッシュの 哀愁のダンディズムと
それを際立たせる、モリオーネの音楽♪ (モリオーネは、心にしみる音を、聴かせてくれますね)
鑑賞の至福を感じる逸品です☆
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