映画『悼む人』★他者への悼みがそれぞれの愛に変わるような


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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/165101/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

映画レビュー(ネタバレ表示)→コチラ



↓以下はコチラと同じですが、要反転あります。


見ず知らずの人の死を悼む――
奇なるも
静人(=高良健吾さん)の清々しい姿から始まる。
ワケあり青年の、巡礼の旅物語と思いきや
それは入口。

他人を悼むのはオカシイと言いながら
静人についてくる、夫殺しの女と
夫の霊?と、静人の3人旅は
ほかの人のエピソードも交え
生と死、愛と哀しみ、そして受容あるいは赦し…etc.
複雑にからんで、見逃せない面白さと
心のやり場に迷いながら、見入りました。


▼~▼ 内容にふれて雑感です。

▼▼▼


1.夫殺しの女(or殺させた夫)

この夫婦にあるのは―愛と死と永遠―(なんとも耽美です…)
あなたの中に、真に永遠に入り込むには、死しかないと言う――
(夫=井浦新さんの、哲学的でクールなのに熱い雰囲気が絶妙☆)

人は(少なくとも私は)
揺るぎない永遠の愛を求めたいものだと思う。
そして、愛しても愛しきれない想いの底で
苦しみ、もがいてしまうもの――

生前、濃厚に愛し合う彼らですが
妻は、溢れるほどの十分な愛を感じたとしても
夫は、満たされていない……(←厭世的)

かくして、「愛しているなら俺を殺せ」という
恐らく、“愛“でしか理解できない言葉が発せられ
むりやり妻に殺させた夫は、この世を彷徨うことになり
殺すことになった妻も、苦悩に陥る……orz

そこで思うのは、
静人さん、このような他人の死を悼みきれるものなのですか?と。
自己満足なのではないのですか?と。
…………私への答えは、ラストにありました。(4)


2.イジメ殺された少年の母

これは“悼む人”の真骨頂かもしれない。
静人の“悼む”とは、供養とは別に、生前に想いを寄せること。
イジメ殺された少年について、その母から話を聞く静人。

どんなに息子を案じて、大切に思っていたか
そして、失った悲しみが、どれほどのものか………

母=麻生祐未さんの悲痛な叫びは
そのまま、息子への愛情として心に突き刺さり、涙が出る。

そんな、親が、悼んでも悼み切れない哀しみだからこそ
他人である静人が、余りある哀しみを“悼み分け”することに
意味があるのかも…….
慟哭のエピソードでした。


3.ライター薪野と、静人の母

静人に興味を持ち、静人の母のもとへ、取材に来る薪野。
(始め、薪野は、興味本位っぽく、軽いんだナ…)
迷惑に思う母は、ガンの末期。体もしんどい。
静人には、他人の死を悼む前に、実母をもっと案じたほうがいいと思ってしまう。

そんな薪野は、買春がらみで、ボコられて
失明・生き埋めにされるが、一命を取りとめる。

一度、死の淵に立った薪野が、再び、静人の母を訪ねたとき
その佇まいは、軽くない。
お互いの、命のともし火を、大切に見つめるよう……

薪野と静人は、同時に存在しませんが
薪野と母を見ていると
静人の“悼む“という行為は、死の淵に立ってみることなのか――
と思えてくる。

そして、幻のような静人を、母が見るとき
母の心の中にある、今治の海の風景も、広がっていく――
いとおしい命たちが、大きな包容に、包まれていくように……………….


4.“悼む人”↓↓(ネタバレ?)  要反転


やがて、夫殺しの妻が、静人のように、夫を“悼む人“となる。
(ナルホド、悼みたい人は静人だけではないですもんね)
心からの想い(愛)が、永遠になっていくようで
その境地にたどり着いたとき、死者にも生者にも
愛という救いが見えるのか……




▼▼▼


静人の個人的な“哀しみ“が、他人を通して普遍的な“祈り“となり
やがてまた、
それぞれの大切な人への“想い(愛)”に、凝縮されていくようでした。


見るたびに印象が変わる――とは、石田ゆり子さん。
複雑で重い内容ですが、救われる作品でした。
それぞれの想いに、届くものがあると思います。








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こんにちは☆
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