映画『風に立つライオン』★柴田航一郎さんの貴重な経験への敬意をこめて


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作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/166778/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

ケニアで医療活動した柴田航一郎さんの話に基づいているそうで
興味を持って鑑賞しました。
物語は、東日本大震災後の石巻をもはさみます。

話は、柴田さんこと島田医師の想い出語りとして
ともにケニアで働いた同期の医師と
日本に残った恋人の女医の話で、綴られます。


▼~▼ 以下、内容にふれて雑感です。

▼▼▼

1.熱帯医学より紛争による負傷

島田のアフリカでの医療は、はじめ、長崎大学の熱帯医学研究所でした。
熱帯の(風土病のような)感染症を、研究するところのようでしたが
やがて、内戦で負傷した人を診るところに、移ります。

外科医として、負傷者の手当ては、切断(!)を含め
活躍の場となります。
そこで、負傷した少年兵たちに出逢います。

傷を癒やし、命を救えることは素晴らしいですが
少年たちにとっては、それが、その場しのぎでしかない可能性がありました。
戦いが続く以上、あるいは、親を殺した者たちに従わざるを得ない以上
また、戻って、戦いを繰り返すほかない少年もいる―――
どんなに末端で、命を救ったとしても
上流の国レベルが、戦うことを選んでいては、どうしようもない――orz

別の例ですが
――大局的に根本的な解決がされていないなら
目の前の一人を救っても解決にならない――
という言い草を聞いたことがありますが
例え、根本的でなくても、たった一人でも、
病気や負傷した人を助ける意味はありますよね。
というか、見捨てられませんよね。

島田が、口癖にしていたという「大丈夫」を、支えとするように
少年たち一人一人に、今までとは違う生き方を、示そうとする島田。
患部を治すだけでなく人を治す――それは、むずかしいことですが
島田の治したい!という熱意が伝わります。


2.治せなかった患者さんのこと(柴田さんの経験らしい)

島田のアフリカの活躍だけでなく
それまでのことも、語られます。
その中で、島田が早い治療を勧めたにも関わらず
紹介先でない病院の空きを待つことを希望し、手遅れで亡くなった方がいました。
葬儀に出席した島田に、その人の夫は、
「すぐに希望の病院に入院できなかった妻は殺されたも同然だ」
と言って、島田を責めました。
それが本心ではなく、無念の表現なのだと感じた島田は
そんな無念を残すことのない医療を、強く意識していたと思われます。

3.少年兵のこと

ある日、9人殺したという少年兵が治療に運ばれます。

始め、頑なな態度をとる少年ですが、絵が上手なことから
島田は、ミケランジェロをもじってミケと、呼びました。
銃ではなく、絵筆を取れ――ということです。
それでも、ミケが、しばらく頑なだったのは、戦闘で心が固まっていたり
人を殺した罪悪感からでしょうか。
少年は、命令されるまま、銃を構え、結果、9人殺してしまった――

不本意な運命がそうさせたなら
(自分の意志で)10人救えばいい。そのために未来がある――
島田のこの言葉には、救われますね。

過去をひきずることは、よくありますが(汗)
ただ暗い重荷とするのでなく、その気持ちを光として前に進む――

がんばれェーッ!!と、自分に、叱咤激励していた島田自身も
そんなかすかな救いをみつけながら、やっていたのかもしれません。
(そうでないと、辛さに負けてしまいそうなことも……orz)

4.平和日本の医師として

島田は、危険地帯で銃撃されても、銃で反撃するのを拒みました。
人を救う医師だから、銃を持たない信念なのか――
崇高な信念と思いますが、同行のドライバーが撃たれているのに (>_<)
かえって、ドライバーが命を失っては、ソレはソレで、矛盾が……orz

やがて、手榴弾が、島田めがけて!(>_<)
……そこで、島田の姿は消え、彼は、伝説の風になったようなのです。

5.日本の恋人のこと

ところで、案外、詳しく描写されるのが、恋人のこと。

彼女は、五島列島の、ある島の診療所の一人娘。
アフリカではないけれど、地域の医療を支えているので
島田についていくことを、諦めます。

この島で、患者さんを診る様子が、やはり
生活に密着した感じで、アフリカの島田と呼応するものがあります。
そのような光景があるので、島田のなかに流れる医療の姿勢も
裏打ちされるようで、厚みのあるものになっているようです。

そして、彼女が、島田から受け取った手紙がイイ☆
島田も、地元で結婚することに決めた彼女に
贈る言葉は、複雑な気持ちで悩んだと思いますが
便箋の真ん中に、ただ、真摯な想いが一行。
幸せになってほしいということを――
シンプルだと、真っ直ぐ届きますね………..
そして、その同じ気持ちで、
島田はアフリカの患者さんと向き合っているんだなと………….


6.震災後の石巻で

冒頭と終盤に、がれきの石巻が映ります。
そこに、少年と、アフリカ系の男性。

実は、私は、このラストシーンで、目頭が熱くなってしまいました。

その男性は、男の子に
「怖がらなくていいよ。私はミケ。お医者さんだよ」と言って近づきます。
あのミケが、島田のように医師になって、
人を助ける側に回ったことも感慨深いのですが…
あの震災で、(がれきの中でなくても不安な日々)
きっと、その少年は、不安の中にいたと思いますが
ミケの言葉で、自分を助けてくれる人に出逢えた安堵を思うと、
それが嬉しくてですね……

ミケが、島田から受けたように、この少年に、
人としての温かさや安らぎを伝えるんだな――
という繋がりが嬉しい。


▼▼▼


自分の正義と良心に支えられた信念に従って
使命を全うするとき、そこには、
揺るぎない強さがみなぎっているように感じますが
やはり、人間だもの――
がんばれェーッ!を、人知れず、連呼する島田の姿には、
自分自身が、強く自分を支えないと、ダメなんだな……と思いました。

突風やら、逆風やら、
良い方向に吹く風だけではありませんが
信念の追い風を信じた島田。
島田は、伝説の風になったような展開でしたが
実在の柴田さんは、帰国されて良かった☆

貴重な経験を教えてくださった、柴田さんへの敬意をこめて。





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