fc2ブログ

映画『LION/ライオン ~25年目のただいま~』★感慨の実話:数奇な生き様と養父母の愛

T0021637q.jpg

作品についてhttp://cinema.pia.co.jp/title/170117/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

1986年に、迷子になったインドの少年サル―(5歳)が
25年余で、“自宅“に帰れた”実話”ということに
興味を惹かれて、鑑賞しました☆

1986年は、日本ではバブルの頃。
(バブルでなくても、日本では、そこまでの貧困と混沌はないかと)
迷子になったーと言いましたが、そもそも
日本で思うような、デパートや遊園地の迷子とは、ワケが違う!

冒頭から、見せたのは
サル―が、兄と、列車から石炭を盗みだすシーン。
それは、悪戯や遊びではなく、生きるため。
それを売って、牛乳に交換する。
父は不在で、母は石を運ぶ仕事をしている、というが
貧しさは、見ればわかる……

迷子になった少年が、“帰宅”できてよかった結末ではありますが
作品は、人の数奇な生き方の有様と
そんな人の生き方を支える、人の心について
深いものを、感じさせるものでありました。

▼~▼ ネタバレして雑談です。
▼▼▼

迷子になったのは、 “仕事“をしようと、
兄に付き従って、列車に乗ったから。
小さな子供では、体力もなく、寝入ってしまい
兄は、仕方なく、サル―を置いていった。
あとで、迎えに来るからと…….

目覚めたサル―は、兄を捜しながら
遠い都会の駅まで来てしまう。
小さなサル―が、大人に埋もれながら
家に帰ろうと必死なのに、
言葉が、通じず
邪見に、はじき出されてしまうのは、辛い。

身よりがないと、親切にしてくれそうな人もいるが
油断していると、売りとばされそうなのも、コワイ。

そうして、何年か過ぎ、サル―は施設に収容されたあと
オーストラリアの夫婦の養子になる。
別の養子(弟)とともに、家族の日々を過ごす。

迷子の子供に、まず必要なのは、
“食事と家“だとは思う。←施設はそれなりに満たす
さらに、“子供“に必要なのは、私は
“愛されていると言う実感”と
“教育としつけ”だと、思っています。
(それを、“子供を育てる“ことだと思っているので
食べ物だけ与えときゃいーだろー的な親は………(―_―)!!)

夫婦は、神の愛を実行しているような
慈愛に満ちた人でありました。(あとで詳細アリ)
サル―も感謝し、実母の住む家を捜すことは
申し訳ないと思います。

けれど、実母が自分を、捜し続けているかもしれないことを思うと
消息を伝えたい想いを、止めることはできません。
で、役に立ってくれたのが、グーグルアース☆
記憶をたどり、列車速度も計算しながら
家を見つけ出す作業にも、胸が熱くなります。

義理の親と、実母の間で悩むサル―ですが、
義母の想いを、聞かされます。(コレが凄い!)

義母は、敢えて実子をもうけず、養子を迎えることにしたと言います。
この世の、たくさんの不幸な子供を少しでも
自分たち夫婦が、愛情を注いで育てることに
意義を見出した、と言います。
(なかなか思えることではありません!)

夫婦は、あたかも“神の愛の使命”をもって
サル―ら養子を育てていたのであって
所謂、“子供が欲しい“というのとは違う―――

サル―の弟も、何らかの“迷い”があったらしく
素直でないことも、ありますが(汗)
“家族“には、波風もありますから……

そうこうして、実母に再会したサル―。
養父母も、もちろん受け入れて、逢ってもくれる。

色々複雑な想いはあると思いますが
実母の“願い“には、まったく同感。
それは
「無事に生きててくれればそれだけで十分」
離れ離れになるのは、身を裂かれる想いですが
最終的に願うことは、“子供の無事“。それだけ。

サル―の兄は、サル―と別れて間もなく、事故死したと知り
母の喪失感は、さぞ大きかったと伺えます……
ましてや
母は文盲で、捜すのにも限界があった。
子供が、親以上の知識や手段を持てたのだから
グーグルアースで捜したサル―は、正解でしたよ。

▼▼▼

サル―が、実母と再会できたのが、2010年ごろ。
(その頃の自分の日々を思うと
ぬるま湯みたいなものでした。)

今でも、インドでは、8万人の子供が行方不明になるというのは驚愕です。
原因の1つが貧困だとしても、
社会制度に問題があるなら
金銭の寄付だけでは
根本から変えるのは、むずかしそう……

子供を救おうという、この養父母が持っていた“尊い覚悟“には
頭が下がるばかりです。

タイトルの“ライオン“は、何かの暗示かと思ったら
サル―の“本名“でした
。(←ネタバレ御免(>_<))

本名が不確かなほど、幼い頃に、“迷子”になってしまったことが
改めて、いじらしい。


Yahooブログ→コチラ


にほんブログ村 映画ブログ 映画日記へ
にほんブログ村

にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村




blogramで人気ブログを分析




関連記事
スポンサーサイト



テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

LION/ライオン ~25年目のただいま~ (試写会)

その名はライオン 公式サイト http://gaga.ne.jp/lion4月7日公開 実話の映画化 原作: 25年目の「ただいま」  5歳で迷子になった僕と家族の物語 (サルー・ブライアリー著/静山

「LION ライオン 25年目のただいま」:3-40分で語れる話

映画『LION ライオン 25年目のただいま』は、もう予告編だけですべてを語っち

LION/ライオン 25年目のただいま

1986年、インド。 5歳の少年サルーは迷子になって孤児院へ送られ、はるばるオーストラリアへ養子に出された。 …2008年、メルボルンの学校でインド出身の学生たちと親しくなったサルーは、インドの家族に逢いたくてたまらなくなってしまう。 僅かな手掛かりを頼りに、Google Earthで故郷を探す“地図の旅”が始まった…。 実話から生まれたヒューマンドラマ。 ≪迷った距離1万キロ。 探した時間...

「Lion/ライオン〜25年目のただいま〜」

感動作に涙したくて鑑賞。実話を元にした内容だという。ストーリーをネタバレしてしまうと、5歳の時のある夜、兄を待つ間に暖を取るために乗った停止中の回送列車が寝ている間に動き出してしまい、遥か彼方に離れたカルカッタまで運ばれて、たった一人になってしまったインド人の少年が、その後ストリート、孤児院と流され、オーストラリアの養子先で大学生となる。だが、どうしても自分の出身地、家族の行方を知りたくて、...

LION/ライオン 25年目のただいま

 『LION/ライオン 25年目のただいま』を渋谷シネパレスで見ました。 (1)アカデミー賞の6部門にノミネートされた作品ということで、映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭の舞台は、インド中西部の田舎町。  映画は、空から地上を俯瞰する画面が続きます。カ...

「LION/ライオン ~25年目のただいま~」

Google、株、上げたな!?

映画:LION/ライオン ~25年目のただいま~ Google Earth 万歳!以上終わり、じゃなくて…

主人公サルー(写真)は、片親の母を支えようとする兄をサポートし、街で稼ごうとする日々。 そんなある日、兄に指示され隠れていた回送列車で待つうちに寝入ってしまい、何日もアテのない旅に&hellip; 最後に着いたのは大都市 カルカッタ。 路上生活者として、子供のグループに入るものの、警察に連行され孤児院に。 しばらく過ごし...

コメントの投稿

非公開コメント

Re: No title

marrさん、こんにちは☆

実話だと思いもひとしおですね。
ニコール=ママは素晴らしいです!

> これ観てきました。
> ニコール・キッドマン演じる苦悩する里親はお見事でした♪

No title

これ観てきました。
ニコール・キッドマン演じる苦悩する里親はお見事でした♪
プロフィール

yutake☆イヴ

Author:yutake☆イヴ
こんにちは☆

フリーエリア
PVアクセスランキング にほんブログ村
フリーエリア
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
フリーエリア
フリーエリア おすすめ映画
RSSリンクの表示
リンク
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR