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映画『散り椿』★情景美に潜む痛いほどの愛、凛として

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作品について http://cinema.pia.co.jp/title/173228/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。

・新兵衛: 岡田准一 ☆
・采女: 西島秀俊 ☆

・藤吾: 池松壮亮 ☆     彼らに惹かれて鑑賞(^^)/

新兵衛は、藩の不正を正そうとして、追放された。
8年後、妻の“遺言”を叶えんと、藩に戻ってきた新兵衛は
妻の実家に、身を寄せる。

新兵衛の出現で、不正事件の記憶が蘇り
真相を伏せたい者、明らかにしたい者の思惑が
それぞれに、浮かび上がってくる。

そして、「散り椿」に託した妻の“想い”が
甘酸っぱい、痛いほどの“愛”となって
新兵衛に、届く――

▼~▼ネタバレで雑談です。(解釈違うときスミマセン)
▼▼▼

不正を正そうとした新兵衛が、罪人の如く、追放されるー
という、“理不尽“が、まず1つ。

この“理不尽”は、勘定方だった妻の兄にも及び
不正の当事者でもないのに
詰め腹を切らされ、非業の死を遂げていた…orz

割り切れない現実でも、その中で、生き続ける人々…
新兵衛と仲睦まじい妻も、元は
新兵衛の親友;采女と、恋仲だったものを
采女の義母に引き裂かれたため、
新兵衛の妻となったいきさつがあった。

この新兵衛=岡田さんが、イイんですよ!(^^)/
病弱な妻を、労わり、いとおしんでいる。
なりゆきで夫婦となったが、
おそらく新兵衛は、妻にゾッコン。

妻の“願い“を叶えたら「褒めてくれるか?」と聞いた時
褒める=心底、愛してくれるか?と聞いているのだと思った。
そんな、愛を確かめたくなるような彼には、“理由”があったとわかる。

自分の死後、代わりに、故郷の「散り椿」を見てほしいー
と、新兵衛に言い残した妻。
実は、「散り椿」に関して、采女との思い出もあったとわかる――。

しかしそれは、過去のことで、妻は、当然
夫の新兵衛を慕っていたことは、後に、確かめられるのだが…
新兵衛の切ないところは、例え、妻が、采女を想い続けていたとしても
自分は、それも含めて、妻を愛するーという姿勢。
↑イイなあ!ソレ!(^^)/それほどの愛☆憧れちゃうナ~(*^-^*)
一途な人、イイなあ~☆

更に、妻は、采女を助けてあげてほしいーとも言った。

↑ココ、複雑でしょ…
いくら、まるっと、妻を愛すると言っても、コレは、
やはり、采女への想いはあるーということだし…

それでも、“妻のため“に、命の危険を冒し、戻った新兵衛。
彼は、妻の遺志で、動いているよう……

不正事件の件は、関係のない人が巻き添えになり
勘定方だった、采女の養父も、襲われて亡くなった。
その切り口から、道場の四天王の誰かと思われ
その一人、新兵衛が疑われていた。(←濡れ衣)

それでも、新兵衛と采女は、親友として再会した。
采女は、新兵衛の妻にも久しぶりに逢いたい、などと
微笑んで、(藤吾には)言っていたが、
妻の死を知るや、采女は、
妻を連れて藩を出た新兵衛を、露骨に責めた。
(そりゃ、恋人だったのだもの)

新兵衛は、想いを押し殺すように、クールだ…
(面目ない気持ちはあったかと)

―と思ったら、妻の思い出の「椿」の木のそばで
新兵衛は、采女に向かって、刀を抜いた!
愛する妻に、守ってほしいと言われたはずの男なのに……(>_<)
いや、だからこそ、この椿の木の前で
自分の“想い”の矛先を、きっちり向ける必要があったのか!

もとより、新兵衛は、采女を、斬り殺すつもりはない。
ただ、この男が、妻の心に、ずっと住んでいたと思えば
知らぬ顔のイイ友で、いたくなかったのか…?

否、不正事件ともども、もやもやしたものを
今更、抑えたくなかったのか・・・?
(采女の義父殺しの疑いを、新兵衛は持たれていたが
新兵衛は、采女を疑っていた…?)

そして、二人の男の魂を、研ぐように
刀を合わせたあと、二人は、刀を収めた。
そして
采女から、妻の心は新兵衛にあったと、改めて知らされる。
さらに、
“すべて”は、妻が、新兵衛に生きながらえてほしいと願う
愛の証だったと知る、新兵衛……

どんなに信頼しているつもりでも、お互いの想いを、
どこまで、理解することができるのか……
簡単に測ることができないほど、深い愛なれば、なお……

そうして、不正事件の決着もついていく。

ラスボス:家老が、藩主暗殺を謀り
藩主をかばい、犠牲となった四天王の一人は、死の間際に
采女の義父を斬ったことを、告白した。
藩にとって、大切な存在である采女の立場を、守るために。
(犠牲的精神も、なんとも、散り椿のよう……)

采女と新兵衛は、家老による“上意討ち”に、応戦するが
采女は、矢に討たれ、絶命してしまう。
藩政のため、皆で守ろうとした、逸材が…orz

始めは、義兄:新兵衛に、疑念を抱いていた藤吾が
池松さんの、素直で、説得力あるムードで、徐々に
新兵衛に味方していく姿勢が、観ていて、心強い。

そして、そんな藤吾が、ついには、
嫁をとったり、夫婦養子になるなどして
死者のお家の不幸を、
まとめて、取り戻してくれる存在になるのが、嬉しい。(*^-^*)

一方、新兵衛は、帰参することなく、旅立つ。
そこは、心残りだが
立ち去る者の美しさは、凛として、ある。

▼▼▼

美しい詩のような作品―と言われますが
情景美には、そこに隠された、深い想いがあるからでしょう。

寡黙な新兵衛の、鋭く、空気を切るような殺陣にも
痛いほどの想いを、感じるようでした。


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