映画『すばらしき世界』★役所=三上さんの“生き様”を見ずにいられない

作品について https://cinema.pia.co.jp/title/182181/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
・三上: 役所広司☆ 殺人罪で服役後出所
人生の大半を、刑務所で過ごした三上は、出所後
仕事を見つけて、自活していこうと奮闘していた。
そんな彼の様子を、実母捜しも兼ねて
TV取材されることになったが――
前科のある彼が、周囲の温かい目で
幸せに、社会に適応・更生できましたーとなってくれるのを
願いつつ観ていました。
ワケアリ男の苦節、もがき、痛み、哀愁……
役所さん=三上に、ただただ見入り
共感し、寄り添い、ぐっと、ともにこらえた…..
▼~▼内容にふれて.雑談です。(ネタバレ!)
▼▼▼
三上さんの場合、元“殺人犯“というのが、ネックかな~と
思いましたが、就活中の電話では
刑務所に居たーというだけで、門前払いもあって
現実はキビシイ……orz
役所さんの雰囲気がイイ☆
真面目に生き直そうという心意気と
一度は染まった、極道臭のスゴ味が絶妙☆
始めから悪い人は、きっといないんだ……
と思いつつ
しみついた“悪い臭い“はしつこくて
なかなか消えないもの……
そして、その臭いは、必ずしも悪臭一色ではなくて…
弱きを助けたい、任侠の男気なもんだから
三上さんが、気の毒になってしまう……
むしろ
無関心・無関係をキメないと、いられないほど無力な
“善良な市民”のほうが、情けない存在であって……orz
(ソレが、娑婆での生き方とも言えるのか…..orz)
胸にチクッときたのが、“騒音“のエピソード。
階下の若者が騒いだのを、とがめに行ったとき。
兄貴分に
「こいつらは働いているんだ!
(生活保護で)働いてない奴に文句言われたくない!」
みたいなことを言われた。
生活保護ではあるけれど、三上さんは
高血圧を抱えながらも
前向きに、就活していたのに。。。
でも、世間には、そう思う人もいるってこと……orz
社会の時間とのギャップもあると
“元に戻る“というより、新たな生き方の模索になっていく。
それは、高齢化すると、かなりしんどいと思う、
昔の仲間(兄弟分)のところに行けば
自分の知っている“世界”があって
知っている振舞い・生き方ができる。
↑コレは、やくざさんだけでなく、一般論で
やくざさんでなければ、“元に戻って”やり直しもOKなのに。
このまま、兄弟分のところで
ヤバくない仕事でもあれば……などと思ってしまったが
警察がやってきてしまい、三上さんは、逃げ帰った。
三上さんが、実母を捜したいーというのもイイ☆
(そもそも、三上さんは、強い殺意で、殺人を犯したわけではなかったが
少年院を出入りする“素行“の大元は
(母)親にありそうーというテイか。)
(注:親と問題があっても、犯罪者になるわけではない~的な
ご意見はごもっともで
ココでは、三上少年が母を慕い、探し求める心のスキ間に
彼の人生のやるせなさが増幅されている~的なニュアンスを感じたので)
テレビ取材は、三上さんの(善意とはいえ)暴力行動があってから
中止になってしまったが
ディレクター(ツノダ)が、一人、彼と接点を持っていくのも良い。
母親捜しの努力を、しながら…
そうこうして、介護の仕事に就いた三上さん。
とにかく、定職に就けてよかった、よかった。(*^-^*)
が
そこでも、職員同士のトラブルがあった。
(注:どこでもありますよね……汗)
トラブルに対し、熱血漢:三上なら
原因を問わず、腕力(暴力)に訴えて
余計に、シッチャカメッチャカになっていたかもしれない……
ハサミが映ったときは、ドキドキした。
コレで、ヤッちゃうんじゃないかと…….(>_<)
でも
三上さんは、そこで、空気を読み、笑顔で収めてくれた。
この社会は、元殺人犯を、受け入れられないほど
清く美しいわけでは、ないけれど
この社会には、いい人も、少なからずいて
ようやく、よう~~やく、三上は
新しい人生を、歩めそうでよかったな……と、思った矢先
三上さんは、急死してしまった…….orz
(入力してても、涙が出てくるョ……..)
私は、個人的には
がんばろうと努力している人を、応援しています。
心からやり直そうとしている人も。
誰もが、転落してしまう可能性はあるわけで
誰もが、意図せず、犯罪者になる可能性も…。
三上さんが言うような、“偽善者”のつもりでなく
もちろん、上から目線ではなく
自分も、清濁ひっくるめて、“同じ人間”だから
三上さんのこれからを、応援していたのに……
三上さんのアパートに詰めかけた、良き人たちの悲しみは
鑑賞者の悲しみですョ…
号泣したツノダの涙も……
(涙、止まらん……)
▼▼▼
ツノダが、番組の代わりに、三上さんを書籍化する。
彼の人生を通した、社会の問題提議というより
彼という人間に触れたら
彼の生き様を、書かずには居られなかったーのだと思う。
その人情味の熱さが、余韻にあるのがイイ……

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