映画『初恋のきた道』☆若き母の思い出アツい道をたどって

作品について https://www.allcinema.net/cinema/162619
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
・監督:チャン・イーモウ
・ディ; チャン・ツィイー☆ 母の若いとき
・ルオ: 父 町から来た村の教師
・息子: 父の急死で久しぶりに帰郷
父の弔いで息子が帰郷した冒頭は、モノクロから始まる。
病院から村まで、車で運ぼうと村長が提案するも
母は、しきたり通り担いで、道をたどってほしいと言う。
その一本道は、かつて、父が町から赴任してきた道であり
学校までの道であり
結婚前の母が、遠くから、父を見ていた道でもあった。
母の若い頃のシーンになると
画面は、色鮮やかになった――
やっと鑑賞した本作。
老いた母の立場で思うと
より、胸がいっぱいになってくる……
▼~▼内容にふれて雑談です。(ネタバレ!)
▼▼▼
1.葬儀までのこと
御遺体の移送は、車で運ぶほうが合理的です。
棺の担ぎ手(若い男)は、交替分や椅子運びとかで、
何十人も雇わないとならず
費用も、酒代も含め、諸経費もかさむ……( 一一)
担いで帰るしきたりなのは、その道を忘れないようにと
声掛けをするためだそう。
母は、壊れた“はた織機”も直してもらって
棺にかける布を、急遽、織ったりもした。
しきたりにこだわる母(妻)は
年寄のわがままと思われソ……(汗)。
けれど、自分が年取ったからか、私は、この母(妻)の言い分を
わがままとは、思いたくなかった。
だって、葬儀は一生に一度。
しかも、急死で、準備できないのを理由に
心のこりある別れ方を、したくないです…………
しきたりどおり、道をたどって、道を心に刻んで旅立ってほしい…
その道は、母にも父にも、思い出ある大切な道。
まさに、人生そのものと言っていい!
(もう勝手に、胸が熱くなってくる………………)
2.井戸の水くみ♪etc.
場面は、母(ディ)が若い頃に変わり、カラーになる♪
村にやってきた青年教師ルオが気になるディは18歳。
彼に気づいてもらおうと着替えた服は、赤。
新築の学校のために織った布も、赤。
ほとんどセリフのないディの気持ちを
鮮やかな赤が、印象的に伝える。。
。
ルオに近づきたくて、気づいてほしくて
見つめているディは、健気でもあり
情熱的だ………
この想いは、青春ラブロマンスで、先生を慕う女学生とは違う。
もっと生存本能的というか
生活や将来をかけている、強い一途さ。
だから、好きという気持ちは、初恋といえども
淡い憧れなどではなく、結婚して
生活も将来もともにしたいーという覚悟が、ふつうにそこにある。
水くみも、わざわざ学校のそばの、遠くの井戸まで行った。
ルオに逢えるかな……
逢えなくても、外まで聞こえる、よく通る声を聞きたい……
あるとき、ルオが気づいて、水くみに近づいてきてくれた!(^^)/
チャンスだ!ディ!(^^)/
と思ったら、ルオを気遣った人が、桶を奪い取ってしまって……
よけいなことすな…orz
(父はこの井戸のそばに埋葬)
子供を送るルオに、偶然を装って逢おうと
籠をもったディが、ウロウロするのも良き☆(*^^)v
文化大革命のアオリで、町に戻されたルオの車を追って
ルオの好物の、“きのこ餃子”を丼に入れて
走って、先回りしようとしたディだが
転んで、丼を割ってしまったのみならず
ルオがくれた髪留めを失くしたことにも気づいた……orz
泣き面に蜂…(T_T)
(髪留めはあとで見つかった☆よかった!(^^)/)
3.道をたどる
革命のアオリで、2年ほど引き裂かれた二人だったが
村で初めての自由恋愛で、結ばれたらしい☆\(^o^)/
ルオは、40年の教員生活。
授業のイイ声を聞きに、ディは、学校に来ていたという。
生まれて初めて好きになった人と結ばれて
ずっと尊敬し、大切に思いながら生きてこられたのは
なんて、幸せことだろう………………
ルオは、学校再建の資金集めに奔走中、急死したという。
突然、愛する人が、遠くで亡くなってしまったなんて
悲しすぎる……………………
本当なら、あの道を、いつものように通って
帰宅するはずだったのに……
車に乗せれば、簡単なのはわかる。
でもでも、もう2度と通れない道を、担いでもらって
心に刻みながら、帰ってきて、そして、旅だってほしい……
そう思うのは、人情じゃないですか?
息子がお金を出してくれて、念願どおり
担いで帰ってくれた……………
(結局は、教え子が無償で集まってくれて、費用は学校再建に)
そうして、教師になってほしかったという母の言葉で
1日だけ、息子は教団に立った。
息子は、父が初日に使った、父自作のテキストを読み上げた……
ああ、ディは、ルオと出逢った頃の想いを新たにしたんだー
と思うと、目頭が熱くなってくる…………………
▼▼▼
初恋の来た道~
邦題からは、淡い初恋の思い出が香るような印象でしたが
コレは、人生の物語だった……
若いチャン・ツィイーの眼差しが
セリフ以上に語っていた。
愛に懸命な姿にも、とても心打たれた……
もっと早く観たかったけれど
年がいった今見られて、むしろ良かったかも☆(*^^)v

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