映画『赤線地帯』★脂粉の香り~雑感です


1956年。溝口健二監督作品。遺作。

参考までに↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E7%B7%9A%E5%9C%B0%E5%B8%AF

“赤線”というと思い出すのは、高校のときに友人が言っていたこと。
「私のお父さんは、赤線がなくなったから結婚したって言ってた……」
複雑な想いを感じながら、赤線廃止って、そんなに昔のことじゃなかったんだな
と思ったのでした。

内容にふれます。

戦後、売春防止法案が可決される頃に前後して、赤線地区で働く女性たちを見せています。
様々な事情を抱えて、春をひさぐ女たちの群像劇には、涙を誘われるシーンあり、
もどかしく思うシーンあり、思うところ多い作品でした。

特に、涙を誘われたのは、息子に捨てられて自己喪失するゆめ子でした。
これは、言わずにはいられません!
娼婦に身をやつして生きてきたのは、すべて息子のため。
育て上げた苦労が身を結ぶと思ったら、その息子からののしられ捨てられる……。
なんてバカ息子!と腹立ちながら泣きました。が、
2つ思いました。

①いつかわかってくれる

苦労した親を捨てるなんて情けないことですが、それでも、
いつかわかってくれる日が来るかもしれない
と思うことで希望は持てるかもしれない、ということ。
 
②わかってくれなくても

音信不通になって、感謝してくれなくても、子供は子供。
 自分は、立派に子供を育てたのだから、それでいいじゃないか、と
 諦めながらも、納得できるかもしれない、ということ。

~~~~なぜ、月日が経ってもわかってくれないかも(>_<)と思ったかと言うと、
娼婦の夫を見たからです。

夫は病気療養中で、職もありません。
妻の娼婦稼業で、なんとか生かしてもらっています。
娼婦仲間の送別会のとき、夫は、娼婦をやめる女へのはなむけのつもりで
言います。娼婦なんて、人間のクズだと……。
それが、聞こえたどうか、そ知らぬ表情の妻が、同時に映るという絶妙のショット。
ひどい夫………。
妻が、その“人間のクズ”になってるから一家は暮らしていけるのに。
挙句の果てに、夫は乳飲み子をおいて首を吊ろうともする。
全然、妻の苦労ってものをわかってないので、情けなくなってしまいます………。

~~~~~~

と、女たちの状況をつぶさに見せてくれて、作品としては、
女の群像劇ではありますが、どちらかと言うと、社会派モノのようにも感じました。
溝口監督には、女性を博多人形のように美しく魅せるように感じていますが
この作品でも、娼婦たちを、豪華キャストということもあってか、美しく魅せています。

女としての娼婦、というより、職業婦人としての娼婦。
匂いで言うと、宮尾登美子の描く娼婦に感ずる“女の匂い”というよりは、
“脂粉の香り”を感じたのかもしれません。



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こんにちは☆
使い方がよくわかりませんがヨロシクお願いします。^^;

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