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映画『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ』★そして、“ここ”にたどり着いたとき……

150245_1.jpg


作品について http://cinema.pia.co.jp/title/150245/
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
(以下ヤフーレビューより一部改変)

作家の大谷は、小料理屋から金を盗み、行方をくらます。
妻の佐知は、翌日、小料理屋に出向き、
お金は返すあてがあるから、と言った…。

ヴィヨンとは、無頼・放蕩の詩人=フランソワ・ヴィヨンのこと。
この作品を楽しみにしていたのは、
モントリオール国際映画祭で受賞したからでも、
私が、特に、太宰ファンだからでもない。
太田光さんや、某選考委員会が元気印イチ押しに
推薦した短編であっても、むしろ、好きになれない作品だったから。
私にとって、太宰さんは、“手に負えない”という存在で、
『ヴィヨンの妻』の大谷は、その分身みたいだった。
(私事だが、借金を繰り返した夫に「今度、借金したら出て行くから!」と言った私は、
とても、ヴィヨンの妻=佐知にはなれない、という負い目も……^^;)

太宰さんの他の作品を、少しずつ加味した“オリジナル”で
太宰色の彩りよく、新しい“煮込み”を味わわせてくれた。
面白かった☆
その分、佐知には、苦労が多いのだけれど…。

サブタイトルの桜桃は、大谷。タンポポは、佐知。
もはや、原作の佐知じゃない、と思うかもしれないし、
原作以上に、佐知らしい佐知だと、思えるかもしれない。

▼~▼内容にふれて、思うところを述べます。
▼▼▼

「男には不幸しかない」

大谷の不幸は、意識の中に、浮遊しているが
佐知の不幸は、現実のどん底に、沈んでいる。
多分、上澄みだけ見ている大谷には、どん底が見えないのだろう。
でも、大谷さん、想像力たくましい作家さんなら、
佐知のどん底を見てあげなさいよ!と
じれったく、思ってしまう…。

「私、うぬぼれてました…」

男がおバカさんなら^^;
女だって、愚かで可愛いのですよ…。
愛されてると思い込めば、灰色の空気もバラ色に見えるんです。
でも、佐知だってくじける…。
どうしたらいいか、わからないもの…。

たくさんの白い錠剤が、佐知の手からこぼれ落ちた時、思った。
その白い粒は、“ある時”には、
“愛と死の結晶”だったかもしれないが
佐知の手からこぼれたそれは、
失われるべき“愛と死の残骸”だった。
まるで、彼女の手が、砕いたように…。
印象的だった。

そして
娼婦から買った口紅、髪の乱れ……。
それは、佐知には、自分のどん底を、
引っ掻き回す“出来事”だったかもしれない。
でも、あんなちっぽけな白い粒にじゃなくて、
私にこそ、大谷に自分を懸けられるものがあるのよ!
という、意地もあったかもしれないけれど、
意地と呼ぶには、健気なんです、佐知は……。

そうこうして、やっと、ここにたどり着く。
「私たちは、生きていさえすればいいのよ。」

この作品への好みは、この佐知の言葉を、どう受け止めるか、
あるいは、受け止められるのかどうかだとしたら、
私は、“ここ”にたどり着けたことが、嬉しかった。

直接は見せず、暗示されている、
その前の“出来事”が、「生きていさえすれば」この言葉に、
より一層の重みを、与えたと思う。
(私には、あなたを愛する命さえあれば、後は、いいのよ)
そう、聞こえた。ズシンと来た。

ここまでの佐知を見てきて、一言、“愛”では、済まされない、
重さと、深さと“しんどさ”があるのは、私が、言うまでもない。
小説の終わりに、希望を感じるという人もいるが、
佐知の表情を見て、やはり、希望とは違う、別な何かを感じる。
だが、一言で言えば、それが“愛”なのか……。
まっすぐな様でいて、一方向に、撚(よ)られている様な、
佐知の涙が染み込んだ、綱のような愛か…。
だから強い。
困難に引っ張られても、引きちぎれたりは、しない。
強いのは、佐知が、打たれ強いのではない。
ボロボロになっても、
愛する力が強いのだ…………。

余韻となって、じわじわ食い込んできた……。

▼▼▼

夫婦が、やがてたどり着く愛は、恋愛でも、性愛でもなく、
ヒューマニズム=人間愛なのだ、と言った人がいた。
魂を、ぶつけ合うような激しい愛は、
知らないうちに、お互いを、傷つけ合ってしまうのだろう。
ただ、そっと、優しく、優しく
赦すように、包み込むように、誰かを愛せるのは
幸せなんでしょうね…。

浅野さんの大谷は、イメージどおりの手に負えない男(笑)で、
松さんは、彼女のために作った作品だそうで
まさに、佐知の存在に、引き込まれた!
脇を固める皆さんも、充実しているが、
特に、松さんに魅了された!

大谷の言う“男の弱さ”とか、心棒のような佐知の強さとか、
でも、フッと消えてしまいそうな、女の儚さとか、
ちょっとした笑いとか……
情緒という情緒を、作品は、しっとりした美しさで、
包んで見せてくれた。

見てよかったと、思います。
素晴らしかった☆

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