映画『無法松の一生』(’58)★1番、切な過ぎる男!だと言いきってもいい!(>_<)
作品について https://www.allcinema.net/cinema/138246
↑あらすじ・クレジットはこちらを参照してください。
『ハリーポッター』のスネイプ先生も
かなり、切なさを抱えて生きてきた男性でありました。
『カサブランカ』のボギーも、切なかった……
切ないとは……?
想いを遂げられなくても
ひたすら、その女性を愛し続ける……ということなら
ひたすら、その女性を愛し続ける……ということなら
銀幕の中で、切なさの極みというべき男性は
『無法松の一生』の松五郎さんかもしれません。
『無法松の一生』の松五郎さんかもしれません。
(以下、結末はボカシたつもりの雑感です)
底の安定したオーラ全開の三船さん演じる、
無鉄砲で天衣ムホウな松五郎が、すごく魅力的でした☆
その男っぷりを見ているだけでも、気持ちいいです!
時代は、日露戦争の頃。
人力車夫の松五郎は、ある日、将校の息子(ボンボン)を助けたのが縁で、
その家族と親しくなります。
将校が急死したあとも、未亡人となった奥さんとボンボンのために
将校が急死したあとも、未亡人となった奥さんとボンボンのために
男手として、用心棒のように助けてくれる“イイ人”なんです。
五月の節句と言えば、ボンボンのために、鯉のぼりを揚げてくれる。
運動会には、ボンボンのために、走って1等を取ってくれる。
父親代わりのようであっても、決して、“分”を越えるような態度はみせず
律儀に“義”を通す……その潔さが、嬉しいです。
(そんなに頻繁に、未亡人宅に出入りしていたら
よからぬ噂も流れそうで心配でしたが
よからぬ噂も流れそうで心配でしたが
作品は、二人を温かく見守ってくれたのも、嬉しい。)
そんな“イイ人”なら、奥さんだって、広い意味で好きになるに決まっています。
松五郎との、このイイ関係を壊したくない。
松五郎も未亡人も、お互いに、ボンボンのため、息子のため、と思いながら
お互いの気持ちが、それ以上、白熱しないようにしてきたようにも思えます。
意識しないように。
だから、未亡人は再婚を断った。(私もそうします、きっと)
この時点で、未亡人の気持ちを確かめる必要はない、と思います。
男女の関係は、いつも“バランスのとり方”だと思っています。
何年かは、このバランスが、丁度よく過ぎてくれますが
いつまでも、バランスは、一定ではないんですね………。
ボンボンが、いつまでも、子どもではないように……
松五郎も未亡人も、“そのまま”ではいられないのです………………
かといって、気の済むまで、想いのたけをぶつけられるような時代ではないし
そうしたら、何もかもが、ブチ壊し。
無法松といえども、そこが無法でないから、人となりにコントラストがついて
余計、切ないのです。
松五郎が叩く、小倉の祇園太鼓。
このシーンも、とてもいい。
祭り気分を盛り上げて、男太鼓を叩く三船という見どころにもなっていますが
この太鼓の響きが、心地よく、威勢よく、かつ
松五郎にも見る人にも、何か、覚悟のようなものを、暗示させるのです。
そして、未亡人宅を、突如、訪れる松五郎…………!!!!!
「俺の心は汚い!」
…………………あああ、それほど好きなのに
こんなにも好きなのに…………… (T_T)
こんなにも好きなのに…………… (T_T)
↑私が、チャラチャラと言葉にしようとすると、
松五郎の“男心”が、安っぽくなってしまうようで、なんも言えません………
私が、その未亡人なら、
松五郎さん!それ以上、前にも後ろにも進もうとしないで下さい!
何も、言おうとしないでください!
そのままの距離の所にいて下さい!
そのまま、私たち親子のそばに居てください!……と願ったでしょう。
切ないのは、松五郎だけじゃないんですね……
未亡人も、口にしてはいけない事、想ってはいけない事を
グッと心の奥にしまっていたと思います。
そういえば、二人が見ていた祭りの花火も、キレイなのに、
はかなく見えましたね….。
演じた高峰秀子さんの、美しさとたおやかさと気丈さも、とても良かった☆
個人的には、凛々しく雄雄しい男性が
熱い想いを、胸に抱き続けている姿に、とてもとても惹かれてしまいます(照)。
他人の空似のポスターの美女にすら、未亡人を重ねてしまうほど……
そう、気持ちがずっと、好きな人に向いているから、その人自身でなくても、
その人を連想させるものですら、いとおしさを感じるんですね。
ああ、なんて遣る瀬無いのでしょう…。
そのシーンは、一瞬ですが、とても鮮烈です。
車夫として運ぶ車の車輪が回り、松五郎の髪も白髪になっていく。
すぎゆく年月は、そのまま、親子との思い出であり、
親子への愛の年月……
そんな月日の積み重ねですら、切なくて、悲しくて、胸がいっぱいになる……
切ない、切なすぎる男とは
この松五郎の右に出るものは、いないのではないかと思っております。
必見の逸品です☆

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