映画『シャカリキ!』★シャカリキに我武者羅に
『日本初の自転車ロードレースムービー』
『自転車界のバイブルの映画化、とはいえ、オリジナルストーリー』
ということで、原作ファン、自転車ロードレースファンの方には、
それぞれの思い入れが、あるかとは思いますが、
『青春ド真ん中ムービー』(コピーより)に期待して、鑑賞しました。
自転車こぎが大好きな高校生テルが、自転車部に入部して
チームプレーとしての自転車ロードレースを経験します。
ストーリーを前半と後半のレースに分けると、
前半は、上り坂をこぐのが大好きな“坂バカ”=テルの
“坂リキ”ならぬ“シャカリキ”ぶりが、終始、全開だったのが、
作品を、引っ張っていたように思いました。
この作品は、主人公(たち)が、苦しいところから、
ものすごくかんばって、栄冠をつかみとりました、という
いわゆる、スポーツ根性モノの王道を行っているようですが、
後半の2つのレース(学校対抗レースと、個人参加型の市民レース)に、異なる意味合いを持たせたことが、
自転車レースの見せ場としても、
ストーリーの流れとしても、面白いと思いました。
(ロードレースのルールも、へェ~と、私にはトリビアでした。)
自分が勝つこと
チームが勝つこと
味方を勝たせること…….
分割画面の3人に秘められた“勝利”を意識しながら、
見ている人の気持ちも、ゴールへ向かいます。
先が読めそうでも、途中、アクシデントあり、苦しいレース展開ありと
見せてくれましたが、思うことがありました。
ネタバレだと困るので、念のため、スペースとります。
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-自分の勝利がすべてだと思っていた-(コピーより)
本来、チームプレーでなかった市民レースで
テルは、ライバル視していたユタに、挑みましたが
結局、バトンを渡すように、チームのエースに勝利をゆだねました。
自分だけで、走ったわけではないエースと
チームには、力を借りなかったユタ。
オリンピックその他の表彰式での、選手のコメントには、
必ずといっていいほど、監督や練習仲間、自分を支えてくれた方々への感謝の言葉が、述べられています。
個人種目であっても、選手一人の力でなく、勝利のかげには、
援助してくれた人たちがいる、ということを、
あらためて、知る思いがします。
シャカリキになって前に進んだ事と、自分が引かざる得なかった事とは、一見、相反することにも思えます。
しかし、
誰にも負けない気持ちで、シャカリキになった、テルが、
自分が自分が、という気持ちを抑えられた時、
ああ、テルは将来、きっと、本当の勝者になれるはずだ、
と感じられた事は、
予想していなかった、感動になりました。
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「シャカリキに、ならんか~い!!!」
感動モノの応援の路上ペイントに、おつゆを垂らしながらも、
熱く煮えたぎった、テル役の遠藤さん。
爽やかで、一所懸命なマネージャー役の南沢さん。
そして、監督役にピッタリな原田さん。
『青春ド真ん中』でした☆
主題歌「Promise」も良かったです。
実は、映画を観る前は、
“1番でなくても、シャカリキにがんばれば、それでいいじゃん”みたいなものを予想していましたが、
予想外のものを感じさせてくれたのは、良かったと思います。
このエピソードの扱い方は、これでよかったのか、とか
作り手のペダルが、空回りしているのではないか、とか
思うシーンもありましたが、
後味は、良かったと思います。
ゆるい下り坂を、自転車で、ス~っと、下る感じで
鑑賞されては、いかがでしょうか?
PS:温水さんの、かつらプレイ☆ ゴメンネ、笑っちゃいました☆

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